八味地黄丸の市販薬|効果・処方薬との違いについて解説

更新日:

薬剤師監修日:

八味地黄丸は、頻尿・残尿感・夜間尿・軽い尿もれなどに効く漢方薬です。この記事では、八味地黄丸の処方薬と市販薬について、それぞれの違いを解説します。また、八味地黄丸はどのくらい飲み続けるべきか?女性でも服用できるかどうか?といった疑問にもお答えします。

Edit
小寺 瑶 プロフィール画像
監修薬剤師 :ミナカラ薬局 薬剤師 小寺 瑶
都筑 亜希 プロフィール画像
編集者 :株式会社ミナカラ ライター 都筑 亜希

八味地黄丸はちみじおうがんとは?

八味地黄丸は8種類の生薬からなる漢方薬です。

漢方薬は、自然の草や木を原料とする生薬の組み合わせでできています。

八味地黄丸は、次の8種類の生薬の組み合わせにより、効果を発揮します。

八味地黄丸を構成する8種類の生薬

地黄ジオウ

山茱萸サンシュユ

山薬サンヤク

茯苓ブクリョウ

沢瀉タクシャ

牡丹皮ボタンピ

桂皮ケイヒ

附子ブシ

八味地黄丸の効果

八味地黄丸は、頻尿・残尿感・夜間尿・軽い尿もれなどの尿トラブルに使用されることがあります。

尿トラブルに使用される市販薬の中には、男性が使用できないものもありますが、八味地黄丸は男性も服用できる薬です。また、八味地黄丸は冷えにともなう足腰の慢性的な痛みやしびれを取るのに用いられることもあります。

八味地黄丸は、病院で医師の診察のもと処方される処方薬と、薬局やドラッグストアで買える市販薬がありますが、八味地黄丸の市販薬は、次のような症状に使うことができます。

八味地黄丸の効能・効果

体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿で、ときに口渇があるものの次の症状:
下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、残尿感、夜間尿、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)、軽い尿漏れ

ただし、次にあてはまる方は、生薬の成分により、現在の症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなるため、八味地黄丸を服用してはいけません。

八味地黄丸を服用してはいけない方

・胃腸が弱い方

・下痢しやすい方

八味地黄丸の市販薬

ツムラ漢方八味地黄丸料エキス顆粒A

ツムラ漢方八味地黄丸料エキス顆粒A 20包(第2類医薬品)【第二類医薬品】

・錠剤が苦手な方に

内容量 剤形

20包

顆粒

八味地黄丸料を配合した顆粒タイプの漢方薬です。

錠剤を飲み込むことが苦手な方にもおすすめです。

効能・効果

体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿で、ときに口渇があるものの次の症状:
下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、残尿感、夜間尿、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)、軽い尿漏れ

クラシエ八味地黄丸A

クラシエ八味地黄丸A 360錠【第二類医薬品】

・錠剤タイプで飲みやすい

内容量 剤形

360錠

錠剤

八味地黄丸を配合した錠剤タイプの漢方薬です。

効能・効果

体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿で、ときに口渇があるものの次の症状:
下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、残尿感、夜間尿、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)、軽い尿漏れ

八味地黄丸はどのくらい飲み続けるべき?

八味地黄丸などの漢方薬は、服用してすぐに効果があらわれるものではありません。

効き目を感じるまでの期間には個人差があります。頻尿などの尿トラブルに対して使用する場合、まずは1か月間続けてみましょう。

ただし、市販薬の八味地黄丸を1か月間服用しても効果が感じられない場合は医師に相談しましょう。その際は、服用していた薬の成分がわかるように市販薬に添付されている説明文書を持っていくことをおすすめします。

八味地黄丸は女性でも飲める?

八味地黄丸は、効能・効果にある症状と、現在のご自身の症状が当てはまっていれば、女性でも服用いただけます。

他の薬との飲み合わせについて

基本的には他の薬と併用しても差し支えありません。
ただし、他の漢方薬と併用される場合は、八味地黄丸に含まれる生薬と重複してしまう可能性があるため医師、薬剤師または登録販売者にご相談ください。

また、糖尿病・高血圧の治療薬の中には、副作用として頻尿や多尿の症状が現れる場合があるため、併用される前にかかりつけの医師にご相談ください。

そのほかの病気の場合も、医師の治療を受けている方は、併用される前にかかりつけの医師にご相談ください。

妊娠中・授乳中の使用について

女性の場合、出産を機に頻尿や尿もれに悩まされる方も多いです。

■妊娠中の方は医師に相談しましょう

妊娠中の方は、八味地黄丸を服用する前に医師への相談が必要です。必ずかかりつけの医師に相談し、市販薬を服用しても問題ないか確認しましょう。

■授乳中の方は服用可

今回紹介している八味地黄丸の市販薬は、授乳中の方でも服用できます。

八味地黄丸はどんな人に向いている?

八味地黄丸は、尿トラブルがある高齢者にも用いられることがある薬で、体力中等度以下で、疲れやすくて、手足が冷えやすく、尿の量が多かったり少なかったりなどし、口が渇く傾向にある方に向いています。

体力中等度がどのくらいの体力を示すかについては、通常の生活をするのに差し障りがない程度の体力と考えられています。

また、体力についてはあくまでも目安となり、症状やその他の体質傾向が効能・効果に合えば、服用できる場合があるため、気になる方は医師・薬剤師にご相談いただくことをおすすめします。

八味地黄丸の処方薬と市販薬の違い

八味地黄丸の処方薬と市販薬は、それぞれさまざまな製薬会社から販売されており、薬に含まれる生薬成分に違いはありません。

ただし剤形や生薬成分の量・配合比、用量・用法が異なることがあります。

処方薬と市販薬の配合量の違い

処方薬は、医師が患者さんの身体の状態や年齢、体重、症状に基づいて服用量を適宜調節し処方するのに対し、市販薬は自身の自由な判断で選ぶことができます。そのため、市販薬では安全性を考慮し、1日の服用量が年齢ごとに決められています。

処方薬と市販薬の効能・効果の違い

処方薬と市販薬では、添付文書に記載された効能・効果が異なります。

「処方薬」は特定の病気と診断された人が医師の診察のもと使用するのに対して、「市販薬」は特定の症状がみられる場合に自己判断で使用します。

例えば、ツムラから出ている処方薬の八味地黄丸と、市販のツムラ漢方八味地黄丸料エキス顆粒Aでみた効能・効果は、以下の通りです。

処方薬の八味地黄丸の効能・効果
疲労、倦怠感著しく、尿利減少または頻数、口渇し、手足に交互的に冷感と熱感のあるものの次の諸症: 腎炎、糖尿病、陰萎、坐骨神経痛、腰痛、脚気、膀胱カタル、前立腺肥大、高血圧
市販薬の八味地黄丸の効能・効果
体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿で、ときに口渇があるものの次の諸症:下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、残尿感、夜間尿、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)、軽い尿漏れ

処方薬の八味地黄丸|オンライン診療での処方も

八味地黄丸について、病院での処方をご希望の場合や、「毎日忙しくて病院に行く時間がない!」という方は、診察から薬の受け取りまでスマホ・PCを通じて八味地黄丸を処方してもらうこともできます。
ただし、医師の判断により、検査や対面診療が必要となる場合もあるため、処方可能かどうかオンライン診療を受ける予定の病院にあらかじめ確認しておきましょう。

ミナカラの薬剤師に相談する

薬について相談したいことや、心配や不安がある方は、ミナカラの薬剤師相談をご利用ください。ミナカラでは薬剤師にLINEで相談することができ、それぞれのお悩みに対応します。

記事で紹介されている商品一覧

メルマガ登録ですぐに使えるクーポンをGET!

ミナカラのメールマガジンでは、お得なクーポンやセール情報、健康管理に役立つ豆知識を発信中! メルマガの新規登録で、すぐに使える500円OFFクーポンがご利用いただけます! ご登録方法はメールアドレスを入力するだけ! 不要になったら配信停止も簡単です。

ミナカラ マガジンの登録はこちら 通常価格の約59% OFF

監修薬剤師

ミナカラ薬局薬剤師小寺 瑶

(経歴)
  • 福岡大学薬学部薬学科卒業
  • 福岡大学大学院薬学研究科薬学専攻修士課程修了
  • 株式会社大賀薬局
  • 株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局
編集者ページへ
小寺 瑶 プロフィール画像
編集者

株式会社ミナカラライター都筑 亜希

2016年より2年間タイを中心に約50の病院を擁する東南アジアの病院グループにて医療通訳他事業企画等の実務に従事。皆さまの暮らしに寄り添った健康づくりを応援していきます。

編集者ページへ
都筑 亜希 プロフィール画像

この記事は参考になりましたか?

  • リンクをコピー
  • Twitterでシェアする Twitter
  • Facebookでシェアする Facebook
  • LINEでシェアする LINE
  • はてなブックマークでブックマークする はてなブックマーク
  • noteで書く noteで書く

関連記事

頻尿・夜間頻尿・残尿感などに効く市販薬|頻尿の原因(心因性・過活動膀胱など)

加齢や軽いストレスが原因となる頻尿症状であれば市販薬で対処できます。 ただし、前立腺肥大や過活動性膀胱など頻尿症状の原因となる疾患が潜んでいる場合は、その病気によって対処方法が異なるため、病院の受診が必要となります。 頻尿症状に効く市販薬には男性・女性ともに使用できる漢方薬と、女性のみが使用できる市販薬があります。 この記事では頻尿・夜間頻尿などに効く市販薬や自宅でできる頻尿対策などを解説しています。

ご利用に当たっての注意事項
  • 掲載している情報は、セルフメディケーション・データベースセンターから提供されたものです。
  • 適正に使用したにもかかわらず副作用などの健康被害が発生した場合は(独)医薬品医療機器総合機構(TEL:0120-149-931)にご相談ください。
  • より詳細な情報を望まれる場合は、購入された薬局・薬店の薬剤師におたずねください。
  • 当サービスによって生じた損害について、株式会社ミナカラ及び、セルフメディケーション・データベースセンターではその賠償の責任を一切負わないものとします。
掲載情報について

掲載している各種情報は、株式会社ミナカラが調査した情報をもとにしています。出来るだけ正確な情報掲載に努めておりますが、内容を完全に保証するものではありません。掲載されている医療機関へ受診を希望される場合は、事前に必ず該当の医療機関に直接ご確認ください。当サービスによって生じた損害について、株式会社ミナカラではその賠償の責任を一切負わないものとします。情報に誤りがある場合には、お手数ですが株式会社ミナカラまでご連絡をいただけますようお願いいたします。

使用されている写真はイメージです。実際の内容と異なる場合があります。