八味地黄丸とは?
八味地黄丸は8種類の生薬からなる漢方薬です。
漢方薬は、自然の草や木を原料とする生薬の組み合わせでできています。
八味地黄丸は、次の8種類の生薬の組み合わせにより、効果を発揮します。
八味地黄丸を構成する8種類の生薬 |
①地黄 ②山茱萸 ③山薬 ④茯苓 ⑤沢瀉 ⑥牡丹皮 ⑦桂皮 ⑧附子 |
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八味地黄丸の効果
八味地黄丸は、頻尿・残尿感・夜間尿・軽い尿もれなどの尿トラブルに使用されることがあります。
尿トラブルに使用される市販薬の中には、男性が使用できないものもありますが、八味地黄丸は男性も服用できる薬です。また、八味地黄丸は冷えにともなう足腰の慢性的な痛みやしびれを取るのに用いられることもあります。
八味地黄丸は、病院で医師の診察のもと処方される処方薬と、薬局やドラッグストアで買える市販薬がありますが、八味地黄丸の市販薬は、次のような症状に使うことができます。
八味地黄丸の効能・効果 |
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体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿で、ときに口渇があるものの次の症状: |
ただし、次にあてはまる方は、生薬の成分により、現在の症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなるため、八味地黄丸を服用してはいけません。
八味地黄丸を服用してはいけない方 |
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・胃腸が弱い方 ・下痢しやすい方 |
八味地黄丸の市販薬
ツムラ漢方八味地黄丸料エキス顆粒A
ツムラ漢方八味地黄丸料エキス顆粒A 20包(第2類医薬品)【第二類医薬品】
・錠剤が苦手な方に
内容量 | 剤形 |
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20包 |
顆粒 |
八味地黄丸料を配合した顆粒タイプの漢方薬です。
錠剤を飲み込むことが苦手な方にもおすすめです。
効能・効果 |
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体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿で、ときに口渇があるものの次の症状: |
クラシエ八味地黄丸A
クラシエ八味地黄丸A 360錠【第二類医薬品】
・錠剤タイプで飲みやすい
内容量 | 剤形 |
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360錠 |
錠剤 |
八味地黄丸を配合した錠剤タイプの漢方薬です。
効能・効果 |
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体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿で、ときに口渇があるものの次の症状: |
八味地黄丸はどのくらい飲み続けるべき?
八味地黄丸などの漢方薬は、服用してすぐに効果があらわれるものではありません。
効き目を感じるまでの期間には個人差があります。頻尿などの尿トラブルに対して使用する場合、まずは1か月間続けてみましょう。
ただし、市販薬の八味地黄丸を1か月間服用しても効果が感じられない場合は医師に相談しましょう。その際は、服用していた薬の成分がわかるように市販薬に添付されている説明文書を持っていくことをおすすめします。
八味地黄丸は女性でも飲める?
八味地黄丸は、効能・効果にある症状と、現在のご自身の症状が当てはまっていれば、女性でも服用いただけます。
他の薬との飲み合わせについて
基本的には他の薬と併用しても差し支えありません。
ただし、他の漢方薬と併用される場合は、八味地黄丸に含まれる生薬と重複してしまう可能性があるため医師、薬剤師または登録販売者にご相談ください。
また、糖尿病・高血圧の治療薬の中には、副作用として頻尿や多尿の症状が現れる場合があるため、併用される前にかかりつけの医師にご相談ください。
そのほかの病気の場合も、医師の治療を受けている方は、併用される前にかかりつけの医師にご相談ください。
妊娠中・授乳中の使用について
女性の場合、出産を機に頻尿や尿もれに悩まされる方も多いです。
■妊娠中の方は医師に相談しましょう
妊娠中の方は、八味地黄丸を服用する前に医師への相談が必要です。必ずかかりつけの医師に相談し、市販薬を服用しても問題ないか確認しましょう。
■授乳中の方は服用可
今回紹介している八味地黄丸の市販薬は、授乳中の方でも服用できます。
八味地黄丸はどんな人に向いている?
八味地黄丸は、尿トラブルがある高齢者にも用いられることがある薬で、体力中等度以下で、疲れやすくて、手足が冷えやすく、尿の量が多かったり少なかったりなどし、口が渇く傾向にある方に向いています。
体力中等度がどのくらいの体力を示すかについては、通常の生活をするのに差し障りがない程度の体力と考えられています。
また、体力についてはあくまでも目安となり、症状やその他の体質傾向が効能・効果に合えば、服用できる場合があるため、気になる方は医師・薬剤師にご相談いただくことをおすすめします。
八味地黄丸の処方薬と市販薬の違い
八味地黄丸の処方薬と市販薬は、それぞれさまざまな製薬会社から販売されており、薬に含まれる生薬成分に違いはありません。
ただし剤形や生薬成分の量・配合比、用量・用法が異なることがあります。
処方薬と市販薬の配合量の違い
処方薬は、医師が患者さんの身体の状態や年齢、体重、症状に基づいて服用量を適宜調節し処方するのに対し、市販薬は自身の自由な判断で選ぶことができます。そのため、市販薬では安全性を考慮し、1日の服用量が年齢ごとに決められています。
処方薬と市販薬の効能・効果の違い
処方薬と市販薬では、添付文書に記載された効能・効果が異なります。
「処方薬」は特定の病気と診断された人が医師の診察のもと使用するのに対して、「市販薬」は特定の症状がみられる場合に自己判断で使用します。
例えば、ツムラから出ている処方薬の八味地黄丸と、市販のツムラ漢方八味地黄丸料エキス顆粒Aでみた効能・効果は、以下の通りです。
処方薬の八味地黄丸の効能・効果 |
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疲労、倦怠感著しく、尿利減少または頻数、口渇し、手足に交互的に冷感と熱感のあるものの次の諸症: 腎炎、糖尿病、陰萎、坐骨神経痛、腰痛、脚気、膀胱カタル、前立腺肥大、高血圧 |
市販薬の八味地黄丸の効能・効果 |
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体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿で、ときに口渇があるものの次の諸症:下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、残尿感、夜間尿、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)、軽い尿漏れ |
処方薬の八味地黄丸|オンライン診療での処方も
八味地黄丸について、病院での処方をご希望の場合や、「毎日忙しくて病院に行く時間がない!」という方は、診察から薬の受け取りまでスマホ・PCを通じて八味地黄丸を処方してもらうこともできます。
ただし、医師の判断により、検査や対面診療が必要となる場合もあるため、処方可能かどうかオンライン診療を受ける予定の病院にあらかじめ確認しておきましょう。
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