エクラー軟膏と同じ成分の市販薬はある?
エクラー軟膏と同じ成分の市販薬はありませんが、エクラー軟膏の代わりにしっしん、皮ふ炎、かぶれ、かゆみ、虫さされ、あせも、じんましんなどの症状に使用できる市販薬は販売されています。
また、エクラー軟膏には軟膏の他、クリーム・ローション(液体)・プラスター(貼り薬)の4つの剤形があります。軟膏・クリーム・ローション(液体)には同じ剤形の市販薬がありますが、プラスターと同じ貼り薬は販売されていません。
エクラープラスターと同じ貼り薬は市販されていませんが、基本的には塗り薬で代用できます。市販薬によって効能・効果が異なるため、使用前に薬の説明書(添付文書)をご確認ください。
エクラーの商品名 |
・エクラークリーム0.3% ・エクラー軟膏0.3% ・エクラーローション0.3% ・エクラープラスター20μg/cm2 |
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主成分は『デプロドンプロピオン酸エステル』
エクラーの成分『デプロドンプロピオン酸エステル』は、皮膚の炎症をおさえ、赤み、はれ、かゆみなどの症状を改善する働きがあります。
エクラーには、同じ成分のジェネリック医薬品も販売されていましたが、2022年に販売中止され、現在は先発品のエクラーのみとなっています。
エクラー軟膏は”ストロング”のステロイド
ステロイドは皮膚の炎症などをおさえる成分です。エクラー軟膏の成分『デプロドンプロピオン酸エステル』もステロイドのひとつです。
ステロイドの塗り薬は、作用の強さによって5種類にランク分けされています。症状や部位などに応じて適した強さが異なります。
エクラー軟膏はストロングに分類され、同じ強さの市販薬も販売されています。
エクラー軟膏の代用薬が使える症状
エクラー軟膏などの医療用医薬品は医師の診察のもと、ひとりひとりの症状に合わせて処方される薬です。対して、市販薬は自己判断で使用する必要があるため、同じ成分であったとしても使用できる症状が異なります。
市販薬も薬によって、効能・効果が異なる場合があるため、薬の説明書(添付文書)の効能・効果の欄を確認しましょう。
症状の判断がつかない場合には薬剤師に相談し、適切なアドバイスを受けましょう。
市販薬の主な効能・効果 |
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しっしん、皮ふ炎、かぶれ、かゆみ、虫さされ、あせも、じんましん |
エクラー軟膏の代わりに使える市販薬
ベトネベートクリームS|塗りやすいクリームタイプ
ベトネベートクリームS 10G(指定第2類医薬品)【指定第二類医薬品】
有効成分 | 剤形 |
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ベタメタゾン吉草酸エステル(ステロイド) |
クリーム |
クリームタイプの塗り薬です。クリームタイプは伸びが良く、塗りやすいことが特徴です。軟膏に比べて塗った後のべとつきが少ないのもメリットのひとつです。
ステロイドの強さは、ストロングに分類されます。
しっしん、皮膚炎、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされなどに効果があります。
リンデロンVs軟膏|刺激が少ない軟膏タイプ
リンデロンVs軟膏 5g【指定第二類医薬品】
有効成分 | 剤形 |
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ベタメタゾン吉草酸エステル(ステロイド) | 軟膏 |
軟膏タイプの塗り薬です。軟膏タイプは、塗った後のべとつきがありますが、患部を保護する効果が高く、クリームや液体に比べて刺激が少ないことが特徴です。
ステロイドの強さは、ストロングに分類されます。
しっしん、皮膚炎、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされなどに効果があります。
新リビメックスコーワローション|さらりとした使い心地の液体タイプ
新リビメックスコーワローション 15g【指定第二類医薬品】
有効成分 | 剤形 |
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プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(ステロイド) | ローション(液体) |
ローション(液体)タイプの塗り薬です。さらりとした使い心地で軟膏やクリームが塗りにくい頭部などへの使用に適しています。
ステロイドの強さは、ミディアムに該当します。
新リビメックスコーワローションは、ステロイド成分の『プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル』のみを配合した薬です。
湿疹、皮膚炎、かぶれ、かゆみ、あせも、虫さされなどに効果があります。
症状別の市販薬の選び方
湿疹に効く市販薬の選び方
湿疹に効く薬は症状によって適した薬が異なります。患部に赤みや腫れがある症状にはステロイド入りを、デリケートゾーンなどの皮膚が薄い部位や肌が敏感なところはノンステロイドを選びましょう。
薬の選び方は以下の記事で、詳しく解説しています。
適した症状・特徴 | |
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ステロイド入り |
・炎症をおさえる効果が高い ・赤みや腫れがある患部に |
ノンステロイド |
・顔、首、デリケートゾーンなどの敏感な部位に ・広い範囲の症状に |
あせもに効く市販薬の選び方
あせもに効く市販薬はかゆみ止め成分が入った塗り薬がおすすめです。
かゆみによって、皮膚を掻いてしまうと跡が残る原因になります。かゆみ止め成分が入った塗り薬を使用して、皮膚を掻かないように気を付けましょう。
薬の選び方は以下の記事で、詳しく解説しています。
主なかゆみ止め成分 |
・リドカイン ・ジブカイン ・ジフェンヒドラミン塩酸塩 ・クロルフェニラミンマレイン酸塩 など |
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虫刺されに効く市販薬の選び方
炎症がそこまで強く出ないものはステロイド無配合の薬を、炎症が強く出るものはステロイド配合の薬を選んでもよいでしょう。
刺された虫によって薬を使い分けることもできます。炎症の出方は個人差があるため、以下の表は目安として参考にしてください。
刺された虫 | ステロイド無 | ステロイド有 |
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蚊 |
◯ |
◯ |
アブ、ブヨ、ダニ、毛虫、ムカデ |
× |
◯ |
ハチ、マダニ |
× |
◯(病院推奨) |
また、強いかゆみがある場合は、皮膚を掻き壊すことによって症状が悪化しやすいため、かゆみ止めが配合された薬を使用しましょう。
薬の選び方は以下の記事で、詳しく解説しています。
じんましんに効く市販薬の選び方
じんましんに効く薬のひとつに抗ヒスタミン薬と呼ばれる飲み薬があります。
じんましんの症状には多くの場合、抗ヒスタミン成分の飲み薬の使用が推奨されています。
抗ヒスタミン薬は、成分によって第1世代と第2世代に分けられており、第2世代の抗ヒスタミン薬は第1世代に比べて眠くなりにくいです。一方で、第1世代には子どもから大人まで使える商品もあります。市販薬を選ぶ際は、年齢や症状、生活背景をもとに選ぶとよいでしょう。
薬の選び方は以下の記事で、詳しく解説しています。
じんましんに効く 市販の第2世代 抗ヒスタミン薬 |
・アゼラスチン塩酸塩 ・メキタジン |
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◯飲み薬と塗り薬はどちらがいい?
じんましんの対処には基本的には抗ヒスタミン成分の飲み薬が適していますが、局所的なじんましんでかゆみの症状が強い場合は、飲み薬とあわせて塗り薬を使用することもできます。
塗り薬によって皮膚のかゆみをおさえ、飲み薬によってじんましんを引き起こす物質の作用をおさえることができます。
使用上の注意|治らない場合は病院へ
医師から処方された薬の代用として市販薬を使用する場合は、使用しても問題ないか医師や薬剤師に相談しましょう。
上記の市販薬を、5~6日間使用しても症状がよくならない場合は、使用を中止し、医師に相談してください。また、使用する際は、薬の説明書(添付文書)に記載された用法・用量を守って使用してください。