レンドルミン(ブロチゾラム)の市販薬はある?代わりの薬を紹介
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薬剤師監修日:
レンドルミン(ブロチゾラム)は病院で処方される睡眠薬(睡眠導入剤)です。この記事では、レンドルミンと同じ有効成分を配合したOTC医薬品(市販薬)の有無について解説するとともに、レンドルミンの代用で使用できる類似した作用をもつ不眠症状に効果のある市販薬を紹介します。また、ジェネリック医薬品(後発品)の有無についても解説します。

レンドルミン(ブロチゾラム)と同じ成分の市販薬はある?
レンドルミン(ブロチゾラム)は睡眠薬(睡眠導入剤)で、不眠症に対して病院で処方される医療用医薬品のため、現在、レンドルミンの有効成分であるブロチゾラムを配合した市販薬は販売されていません。
また、レンドルミンは向精神薬に指定されており、乱用のおそれがあるため購入する際には必ず医師の処方箋が必要になります。
病院に行く時間がないなどでレンドルミンの代わりとなる薬を使用したい場合は、類似した作用をもつ市販薬を使用することも選択肢のひとつです。
しかしながら、医療用医薬品と市販薬では対応できる症状が異なるため、薬を選択する際は注意が必要です。
レンドルミンの代わりに使用できる具体的な薬については、この記事で紹介します。
※2022年12月現在の情報
レンドルミンはどんな薬?
レンドルミンは、ベンゾジアゼピン系という種類に分類される睡眠薬(睡眠導入剤)で、睡眠・鎮静効果があります。
睡眠薬(睡眠導入剤)は効果時間によって4つに分類されます。レンドルミンは短時間型に分類され、効くまでが比較的早く、持続時間は比較的短いという特徴があります。そのため、なかなか寝付けない入眠障害に悩む方に適しています。
代わりの薬を選ぶ前に|睡眠改善の市販薬の種類
レンドルミンなどの睡眠薬(睡眠導入剤)は市販で販売されていませんが、不眠症状を改善する市販薬は薬局やネットなどでも購入することができます。
睡眠を改善する市販薬を大きく2つの種類に分けて紹介します。
睡眠改善の市販薬の種類 | 特徴 |
---|---|
漢方薬 |
・比較的長期的に服用できる ・不眠の原因となっている精神症状を緩和する |
睡眠改善薬 |
・長期的な服用はできない ・一時的な不眠症状に使用される |
漢方薬|原因を取り除いて症状の改善をめざす
漢方薬は西洋薬と異なり、直接的に眠気をうながす成分は配合していません。
しかし、精神的な疲れや不安、イライラなどからくる不眠症状には効果的で、不眠を原因から改善していくことができます。
睡眠改善薬|一時的な不眠に有効
市販の睡眠改善薬には、ヒスタミンの作用をおさえる成分であるジフェンヒドラミン塩酸塩が配合されています。ヒスタミンは脳の覚醒の維持や調整に関わっている成分で、有効成分がヒスタミンの働きを抑制することにより眠気を引き起こします。
睡眠改善薬は一時的な不眠に対して使用する薬のため、2~3回服用しても効果が感じられない場合は病院を受診してください。
しかし、病院で不眠症と診断されている方は、レンドルミンなどの睡眠薬の代用としては使用することはできません。
レンドルミンの代わりに使える市販薬
市販の不眠症治療薬と睡眠改善薬を紹介します。
ペネロッピー錠|不眠症を改善する薬
ペネロッピー錠 270錠【第二類医薬品】

効能効果 |
体力中等度以下で、心身が疲れ、精神不安、不眠などがあるものの次の症状:不眠症、神経症 |
ペネロッピー錠は、どちらかといえば体力がなく、細身で寒がりな方に適した漢方薬です。
漢方の酸棗仁湯を抽出したペネロッピー錠は、疲れや不安をやわらげることで不眠の原因を取り除き、睡眠の質を高めます。
特に、眠りが浅くて夜に何度も目が覚める、夢を多く見るような不眠で、疲れがなかなか抜けず体力が落ちている方におすすめです。
錠剤のため、漢方独特の苦味が苦手な方でも比較的飲みやすくなっており、5歳から服用できます。
ペネロッピー錠は、商品に添付してあるQRコードを読み込むことで薬剤師の無料LINE相談が利用できます。薬に関する疑問や心配事を薬剤師に相談ができるため、安心して薬を使用することができます
ドリエル|睡眠改善薬
ドリエル 6錠【指定第二類医薬品】

ドリエルは、ジフェンヒドラミン塩酸塩を主成分とした睡眠改善薬です。寝つきが悪い、眠りが浅いといった一時的な不眠の症状に効果があります。1回分(2錠中)にはジフェンヒドラミン塩酸塩が50mg含まれています。
ただし、不眠症の診断を受けている場合は使用に適さないため、必ず病院を受診してください。
リポスミン|睡眠改善薬
リポスミン 12錠【指定第二類医薬品】

ジフェンヒドラミン塩酸塩を配合した睡眠改善薬です。1回分(2錠中)にはジフェンヒドラミン塩酸塩が50mg含まれています。寝つきが悪い時や眠りが浅い時、就寝前に服用します。
ただし、不眠症の診断を受けている場合は使用に適さないため、すでに診断を受けている方は必ず病院を受診してください。
睡眠薬と睡眠改善薬の違い
病院で処方されるレンドルミンなどの睡眠薬(睡眠導入剤)と、薬局やネットなどで市販されている睡眠改善薬は、成分や作用などだけでなく使用に適した症状が異なります。
適した症状 | |
---|---|
睡眠薬・睡眠導入剤 (処方薬) |
慢性的な不眠症状 |
睡眠改善薬 (市販薬) |
一時的な不眠症状 |
市販の睡眠改善薬は、慢性的な不眠症状には適しておらず、一時的な不眠症状に使用される薬です。市販の睡眠改善薬を2~3日使用しても不眠の症状が続く場合は、病院を受診してください。
時差ボケで眠れなかったり、不規則な生活リズムで一時的な不眠に悩んでいるという方であれば、睡眠改善薬を使用することができます。
レンドルミンのジェネリック(後発品)はある?
ジェネリック医薬品とは、先発医薬品(先に製造された医薬品)と同じ成分や効果を持つ後発医薬品(後に製造された医薬品)のことです。先発医薬品に比べると開発費用が少なくて済むため安価なことが特徴です。
現在、レンドルミンのジェネリック医薬品は、「ブロチゾラム錠」の名称でさまざまなメーカーから販売されています。
ジェネリック医薬品は医療用医薬品のため市販で購入することができないので、医療費の負担をおさえたい場合などでジェネリック医薬品を購入したいときは、診察時に医師にジェネリック医薬品を希望することを伝えましょう。
なお、症状によってはジェネリック医薬品ではなく、代わりの市販薬を使用するのも治療の選択肢のひとつです。
レンドルミンを通販や個人輸入で購入しないこと
レンドルミンが通販サイトや個人輸入サイトで販売されていることがありますが、購入することは避けてください。
レンドルミンなどの向精神薬の通販での購入および個人輸入は『麻薬及び向精神薬取締法』という法律で禁止されています。
「麻薬及び向精神薬取締法」又は「覚醒剤取締法」の規定により、医療用の麻薬又は向精神薬若しくは医薬品覚醒剤原料を、医師から処方された本人が携帯して入国する場合を除いて、一般の個人が輸入することは禁止されており、違反した場合には処罰されます。 (本人が携帯せずに、他の人に持ち込んでもらったり、国際郵便等によって海外から取り寄せることはできません。)
引用:厚生労働省ホームページ
もしレンドルミンを購入したい場合は、病院を受診するか、代替の市販薬を購入することをおすすめします。
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