ベルソムラの市販薬はある?代わりの薬を紹介
更新日:
薬剤師監修日:
ベルソムラ(スボレキサント)は病院で処方される睡眠薬(睡眠導入剤)です。この記事では、ベルソムラと同じ有効成分を配合したOTC医薬品(市販薬)の有無について解説するとともに、ベルソムラの代用で使用できる類似した作用をもつ睡眠改善の市販薬を紹介します。

ベルソムラ(スボレキサント)と同じ成分の市販薬はある?
ベルソムラは不眠症治療薬で、病院で処方される医療用医薬品のため、現在、ベルソムラの有効成分であるスボレキサントを配合した市販薬は販売されていません。
病院に行く時間がないなどでベルソムラの代わりとなる薬を使用したい場合は、類似した作用をもつ市販薬を使用することも選択肢のひとつです。
しかしながら、医療用医薬品と市販薬では対応できる症状が異なるため、薬を選択する際は注意が必要です。
ベルソムラの代わりに使用できる具体的な薬については、この記事で紹介します。
※2023年2月現在の情報
代わりの薬を選ぶ前に|睡眠改善の市販薬の種類
ベルソムラなどの睡眠薬(睡眠導入剤)は市販で販売されていませんが、不眠症状を改善する市販薬は薬局やネットなどでも購入することができます。
睡眠を改善する市販薬を大きく2つの種類に分けて紹介します。
睡眠改善の市販薬の種類 | 特徴 |
---|---|
漢方薬 |
・長期的に服用できる ・不眠の原因となっている精神症状を緩和する |
睡眠改善薬 |
・長期的な服用はできない ・一時的な不眠症状に使用される |
漢方薬|不眠の原因を取り除いて症状の改善をめざす
漢方薬は西洋薬と異なり、直接的に眠気をうながす成分は配合していません。
しかし、精神的な疲れや不安、イライラなどからくる不眠症状には効果的で、不眠を原因から改善していくことができます。
睡眠改善薬|一時的な不眠に有効
市販の睡眠改善薬には、ヒスタミンの作用をおさえる成分であるジフェンヒドラミン塩酸塩が配合されています。ヒスタミンは脳の覚醒の維持や調整に関わっている成分で、有効成分がヒスタミンの働きを抑制することにより眠気を引き起こします。
睡眠改善薬は一時的な不眠に対して使用する薬のため、2~3回服用しても効果が感じられない場合は病院を受診してください。
しかし、病院で不眠症と診断されている方は、ベルソムラなどの睡眠薬の代用としては使用することはできません。
ベルソムラの代わりに使える市販薬
ベルソムラの代わりに使える、市販の不眠症治療薬と睡眠改善薬を紹介します。
ペネロッピー錠|不眠症を改善する薬
ペネロッピー錠 270錠【第二類医薬品】

ペネロッピー錠は、どちらかといえば体力がなく、細身で寒がりな方に適した漢方薬です。
漢方の酸棗仁湯を抽出したペネロッピー錠は、疲れや不安をやわらげることで不眠の原因を取り除き、睡眠の質を高めます。
特に、眠りが浅くて夜に何度も目が覚める、夢を多く見るような不眠で、疲れがなかなか抜けず体力が落ちている方におすすめです。
錠剤のため、漢方独特の苦味が苦手な方でも比較的飲みやすくなっており、5歳から服用できます。
ペネロッピー錠は、商品に添付してあるQRコードを読み込むことで薬剤師の無料LINE相談が利用できます。薬に関する疑問や心配事を薬剤師に相談ができるため、安心して薬を使用することができます。
ドリエル|睡眠改善薬
ドリエル 6錠【指定第二類医薬品】

ドリエルは、ジフェンヒドラミン塩酸塩を主成分とした睡眠改善薬です。
寝つきが悪い、眠りが浅いといった一時的な不眠の症状に効果があります。
1回分(2錠中)にはジフェンヒドラミン塩酸塩が50mg含まれています。
ただし、不眠症の診断を受けている場合は使用に適さないため、必ず病院を受診してください。
リポスミン|睡眠改善薬
リポスミン 12錠【指定第二類医薬品】

ジフェンヒドラミン塩酸塩を配合した睡眠改善薬です。
1回分(2錠中)にはジフェンヒドラミン塩酸塩が50mg含まれています。
寝つきが悪い時や眠りが浅い時、就寝前に服用します。
ただし、不眠症の診断を受けている場合は使用に適さないため、すでに診断を受けている方は必ず病院を受診してください。
睡眠薬と睡眠改善薬の違い
病院で処方されるベルソムラなどの睡眠薬(睡眠導入剤)と、薬局やネットなどで市販されている睡眠改善薬は、成分や作用などだけでなく使用に適した症状が異なります。
適した症状 | |
---|---|
睡眠薬・睡眠導入剤 (処方薬) |
慢性的な不眠症状 |
睡眠改善薬 (市販薬) |
一時的な不眠症状 |
市販の睡眠改善薬は、慢性的な不眠症状には適しておらず、一時的な不眠症状に使用される薬です。市販の睡眠改善薬を2~3日使用しても不眠の症状が続く場合は、病院を受診してください。
時差ボケで眠れなかったり、不規則な生活リズムで一時的な不眠に悩んでいるという方であれば、睡眠改善薬を使用することができます。
ベルソムラを通販や個人輸入で購入しないこと
ベルソムラが通販サイトや個人輸入サイトなどで売られていることがありますが、購入することは避けてください。
個人輸入代行業者によって売られる薬は、医薬品としての安全性が保障されていないため、思わぬ健康トラブルが起こるおそれがあります。
また、厚生労働省は個人輸入の薬によって起こった健康被害については医薬品副作用被害救済制度の対象にならないと明記しています。
正しい治療を行うためにも、個人輸入・通販によるベルソムラの購入は避けましょう。
もしベルソムラを入手したい場合は、病院を受診するか、代替の市販薬を購入することをおすすめします。
ミナカラ薬局の薬剤師に相談する
薬について相談したいことがあったり、心配や不安がある方は、ミナカラ薬局の薬剤師相談をご利用ください。ミナカラ薬局では薬剤師にLINEで相談をすることができ、それぞれのお悩みに対応します。
記事で紹介されている商品一覧
この記事は参考になりましたか?
関連記事
不眠に使える薬の選び方|睡眠薬の代わりの市販薬はある?
ドラッグストアや薬局で購入できる不眠に使える薬に睡眠改善薬と漢方薬があります。この記事では、市販の睡眠改善薬・漢方薬や薬の選び方の他、不眠を解消するための日常生活での注意点に関しても解説します。風邪薬を睡眠薬の代わりに使用して良いのかについても解説。

睡眠薬の効果の強さ・持続時間の比較|処方薬の種類
不眠症状の改善に使われる睡眠薬。睡眠薬には様々な種類があり、その効果の強さや効果が持続する時間も異なります。この記事では、様々な睡眠薬の効果の強さと効果の持続時間を比較します。

睡眠薬ベルソムラの効果や副作用とは?効果が続く時間について解説
ベルソムラは従来の睡眠薬とは異なるメカニズムを持つ薬です。ベルソムラの効果、副作用、作用時間などを詳しく解説します。

睡眠薬ベルソムラが効かないときはどうすればよい?不眠症に効く薬も紹介
ベルソムラは、入眠障害や中途覚醒に効果的な睡眠薬です。この記事ではベルソムラを飲んでも効かない原因を紹介しています。また、不眠症を改善する市販薬も紹介しています。
