皮膚の”化膿”とは
皮膚の”化膿”とは、虫刺されや湿疹のかき壊し、怪我などの外傷によって傷口の汚れや異物などから細菌が感染し、膿(うみ)が出てくる状態のことです。化膿してしまうと、傷の治りが遅くなるだけでなく、細菌の感染が広がり、全身の疾患につながるおそれもあるため、早めの対処が大切です。
膿は、黄色や緑色で粘り気のある液体です。傷のまわりに膿がみられる場合は、感染が広がる前に化膿止めを使用しましょう。
化膿止め|化膿をともなう皮膚の症状に効く
化膿止めの塗り薬を使用することで、化膿の予防と治療ができます。化膿止めには、化膿の原因となる細菌に作用する『抗生物質』が含まれています。
市販薬としても化膿止めの塗り薬が販売されており、皮膚の化膿の予防やケアなどに使用することができます。
市販薬の選び方|使える症状は薬によって異なる
市販されている化膿止めには『抗生物質』の他にも、薬によって異なる有効成分が配合されています。
配合されている成分によって効能・効果が異なるため、化膿止めを選ぶ際は添付文書の効能・効果の欄を確認しましょう。
化膿止めの市販薬|塗り薬
この記事では、『抗生物質』が含まれた化膿止めの塗り薬を紹介しています。化膿止めを選ぶ際には効能・効果を確認し、自分の症状に合った薬を選びましょう。
商品画像 | 市販薬の紹介 |
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・2種類の抗生物質を配合 ・傷、やけどによる化膿の予防とケアに ・細菌が原因となる皮膚疾患に |
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・2種類の抗生物質と抗真菌成分を配合 ・細菌が原因となる皮膚疾患に |
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・2種類の抗生物質+ステロイド配合 ・細菌が原因となる皮膚疾患に ・化膿をともなう湿疹、皮膚炎に |
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・2種類の抗生物質+ステロイド配合 ・細菌が原因となる皮膚疾患に ・化膿をともなう湿疹、皮膚炎に |
ドルマイシン軟膏
ドルマイシン軟膏 6g【第二類医薬品】
ドルマイシン軟膏は、タイプの異なる2種類の抗生物質を配合しています。『コリスチン硫酸塩』と『バシトラシン』が幅広い皮膚疾患に効果をあらわします。
傷・やけどによる化膿の予防とケア、とびひ、毛包炎(毛嚢炎)、おできなど、様々な細菌による皮膚の炎症に使用できます。
ドルマイシン軟膏の効能・効果 |
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外傷・火傷等の化膿予防及び治療、膿痂疹(とびひ)、せつ、癰(よう)、 疔(ちょう)、毛嚢炎、湿疹、グラム陽性・陰性菌の単独及び混合感染による皮ふ疾患、化膿症、伝染性皮ふ炎、皮ふ潰瘍 |
クロマイ-N軟膏
クロマイ−N軟膏 12G(第2類医薬品)【第二類医薬品】
クロマイ-N軟膏は、2種類の抗生物質『クロラムフェニコール』『フラジオマイシン硫酸塩』と、抗真菌成分の『ナイスタチン』を配合しています。
とびひや毛包炎(毛嚢炎)などの細菌が原因となる皮膚疾患に効果をあらわします。ただし、傷・やけどによる化膿のケアには使用できません。また、クロマイ-N軟膏は黄色の軟膏です。露出した皮膚に使用すると目立つことがあるため、注意してください。
クロマイ-N軟膏の効能・効果 |
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化膿性皮膚疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎) |
ドルマイコーチ軟膏
ドルマイコーチ軟膏 6g【指定第二類医薬品】
『フラジオマイシン硫酸塩』と『バシトラシン』の2種類の抗生物質のほか、炎症をおさえるステロイド成分『ヒドロコルチゾン酢酸エステル』が配合されています。
とびひや毛包炎(毛嚢炎)などの細菌が原因となる皮膚疾患だけでなく、化膿をともなう湿疹、皮膚炎にも効果をあらわします。
ドルマイコーチ軟膏の効能・効果 |
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・化膿性皮膚疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎) ・化膿を伴う次の諸症:湿疹、皮膚炎、あせも、かぶれ、しもやけ、虫さされ、じんましん |
クロマイ-P軟膏AS
クロマイ−P軟膏AS 12g【指定第二類医薬品】
『クロラムフェニコール』と『フラジオマイシン硫酸塩』の2つの抗生物質を配合。さらに、ステロイド成分『プレドニゾロン』が皮膚の炎症をおさえます。
とびひや毛包炎(毛嚢炎)などの細菌が原因となる皮膚疾患だけでなく、化膿をともなう皮膚の炎症にもお使いいただけます。
クロマイ-P軟膏ASの効能・効果 |
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・化膿性皮膚疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎) ・化膿を伴う次の諸症:湿疹、皮膚炎、あせも、かぶれ、しもやけ、虫さされ、じんましん |
ピアス穴に化膿止めは使える?
ピアス穴はいわゆる”傷”にあたるため、ピアス穴に膿がみられる場合は、ドルマイシン軟膏などの、傷の化膿に使える化膿止めでケアできます。化膿止めの成分によっては傷に使用できない市販薬もあるため、添付文書の効能・効果の欄は確認しておきましょう。
金属アレルギーの場合は
耳が赤く炎症をおこしている場合は、金属アレルギーなどによるかぶれ(接触性皮膚炎)の可能性もあります。
かぶれの場合は化膿止めでは対処できず、皮膚の炎症をおさえる”ステロイド”の塗り薬が適してるため、症状の判断が難しい場合は、薬剤師や医師に相談してください。
病院を受診する目安
上記の市販薬を5~6日間使用しても効果が感じられない場合は、薬の使用を中止し病院を受診してください。
また、以下のような場合も市販薬での対処は難しいため、病院を受診しましょう。
病院を受診する目安 |
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・洗っても傷口に砂などの異物が残っている。 ・出血が多く、止血ができない。 ・発熱、体のしびれをともなう。 ・腫れや痛みが強い。 ・動物に噛まれた傷。 |