小寺 瑶

薬剤師

<div class="navigation-list">
<h2 class="navigation-title">目次</h2>

<ul>
	<li><a href="#at_0">ニキビ薬の選び方</a></li>
	<li><a href="#at_1">ニキビに使える市販薬おすすめ6選</a></li>
</ul>
</div>

<p>ニキビ薬は、ニキビの進行度合いに応じて適切なものを選ぶことが大事です。不適切な薬を使用すると、治らないばかりか、さらに悪化させてしまうおそれもあります。この記事では、ニキビ薬の選び方や、各ニキビにおすすめの薬を紹介します。</p>

<h2 class="article-headline"><a id="at_0" name="at_0">ニキビ薬の選び方</a></h2>

<p>市販されているニキビ薬の選び方について、以下の2つの観点から紹介します。</p>

<ul>
	<li>ニキビの種類別に選ぶ</li>
	<li>使い心地で選ぶ</li>
</ul>

<p>ただし、市販薬を使用しても症状がよくならない場合や悪化した場合、副作用が出た場合などは使用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。</p>

<h3 class="guide-headline">ニキビの種類別に選ぶ</h3>

<p>ニキビの進行度合いは4段階に大別でき、それぞれの段階に下表のような名称で呼ばれています。</p>

<table border="1" cellpadding="1" cellspacing="1" style="width:500px;">
	<thead>
		<tr>
			<th scope="col">ニキビの状態</th>
			<th scope="col">特徴</th>
		</tr>
	</thead>
	<tbody>
		<tr>
			<td>
			<p>白ニキビ</p>
			</td>
			<td>
			<p>ニキビの最初の段階で、毛穴に皮脂が詰まった状態の白～乳白色の発疹。</p>
			</td>
		</tr>
		<tr>
			<td>
			<p>黒ニキビ</p>
			</td>
			<td>
			<p>詰まった皮脂が酸化し黒っぽく変色した状態。</p>
			</td>
		</tr>
		<tr>
			<td>
			<p>赤ニキビ</p>
			</td>
			<td>
			<p>詰まった毛穴の中で菌が繁殖し炎症を起こした状態で、赤く腫れる。痛みを伴うことも。</p>
			</td>
		</tr>
		<tr>
			<td>
			<p>黄ニキビ</p>
			</td>
			<td>
			<p>化膿し、膿がたまった状態。受診推奨。</p>
			</td>
		</tr>
	</tbody>
</table>

<p>それぞれの状態を理解したうえで、自身の症状に合ったニキビ薬を選びましょう。<br>
ニキビの状態別で見たおすすめの成分は以下のとおりです。</p>

<h4 class="h4-headline">白・黒ニキビにおすすめの成分</h4>

<table border="1" cellpadding="1" cellspacing="1" style="width:500px;">
	<thead>
		<tr>
			<th scope="col">成分名</th>
			<th scope="col">作用</th>
		</tr>
	</thead>
	<tbody>
		<tr>
			<td>
			<p>イオウ</p>
			</td>
			<td>
			<p>角質をやわらかくする<br>
			皮脂を取り除く<br>
			殺菌</p>
			</td>
		</tr>
		<tr>
			<td>
			<p>レゾルシン</p>
			</td>
			<td>
			<p>殺菌</p>
			</td>
		</tr>
		<tr>
			<td>
			<p>イソプロピルメチルフェノール</p>
			</td>
			<td>
			<p>殺菌</p>
			</td>
		</tr>
		<tr>
			<td>
			<p>クロルヘキシジン</p>
			</td>
			<td>
			<p>殺菌</p>
			</td>
		</tr>
	</tbody>
</table>

<p>でき始めのニキビである白ニキビや黒ニキビは、殺菌作用のある成分で、ニキビの原因菌であるアクネ菌を殺菌することが重要です。</p>

<p>イオウは、角質をやわらかくして毛穴に詰まった皮脂を取り除きます。</p>

<p>レゾルシンとイソプロピルメチルフェノールも、殺菌効果があり、アクネ菌の抑制が期待できます。</p>

<p>また、洗顔を忘れず、肌を清潔な状態に保ちましょう。<br>
洗顔の際は清潔なタオルで拭き取るようにしてください。</p>

<h4 class="h4-headline">赤ニキビにおすすめの成分</h4>

<table border="1" cellpadding="1" cellspacing="1" style="width:500px;">
	<thead>
		<tr>
			<th scope="col">成分名</th>
			<th scope="col">作用</th>
		</tr>
	</thead>
	<tbody>
		<tr>
			<td>
			<p>イブプロフェンピコノール</p>
			</td>
			<td>
			<p>炎症を抑える</p>
			</td>
		</tr>
		<tr>
			<td>
			<p>アラントイン</p>
			</td>
			<td>
			<p>炎症を抑える</p>
			</td>
		</tr>
		<tr>
			<td>
			<p>グリチルリチン酸二カリウム</p>
			</td>
			<td>
			<p>炎症を抑える</p>
			</td>
		</tr>
	</tbody>
</table>

<p>赤ニキビは、毛穴の中でアクネ菌が繁殖し炎症を起こしているため、抗炎症作用のある成分が含まれた薬を使用します。</p>

<p>炎症を抑える働きのあるイブプロフェンピコノール・アラントイン・グリチルリチン酸二カリウムなどが含まれている市販薬を選ぶとよいでしょう。</p>

<p>また、炎症の原因となるアクネ菌を抑えるため、前述した殺菌作用のある成分も含まれている薬を選ぶのがおすすめです。</p>

<p>なお、黄ニキビに進行してしまうと市販薬での対処が難しくなるので、赤ニキビのうちに、悪化しないよう丁寧にケアしましょう。</p>

<h4 class="h4-headline">黄ニキビは市販薬のみでは改善が困難</h4>

<p>黄ニキビは、炎症が起きている赤ニキビが悪化し化膿した状態です。<br>
炎症が肌の表面だけでなく奥深くまで進行しているので痕が残る可能性が高く、市販薬のみのケアでは改善が困難です。</p>

<p>皮膚科で治療する必要があるので、早めに受診しましょう。</p>

<h3 class="guide-headline">使い心地で選ぶ</h3>

<p>ニキビ用の塗り薬は使い心地も重要です。<br>
化粧をする場合、下に塗るニキビ用の薬はべたつかず、さらっとしている薬が望ましいです。<br>
薬を塗った部分を目立たせたくない場合は、肌色タイプや伸ばすと透明になるタイプを選ぶのもよいでしょう。</p>

<p>においが気になる方は、配合成分で選ぶのも一つの方法です。<br>
ニキビ用の薬に含まれる「イオウ」のにおいは独特で目立ちます。<br>
においに敏感な方は、有効成分に「イオウ」の表記が無い薬を選ぶとよいでしょう。</p>

<h2 class="article-headline"><a id="at_1" name="at_1">ニキビに使える市販薬おすすめ6選</a></h2>

<p>市販されているおすすめのニキビ薬を、ニキビの種類別に6種類紹介します。</p>

<h3 class="guide-headline">白・黒ニキビにおすすめの市販薬</h3>

<p>白・黒ニキビにおすすめの市販薬3種類を見ていきましょう。</p>

<ul>
	<li>クレアラシルS3（レギュラータイプ）</li>
	<li>クレアラシルニキビ治療薬クリーム 肌色タイプ</li>
	<li>エスカメル</li>
</ul>

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<table border="1" cellpadding="1" cellspacing="1">
	<thead>
		<tr>
			<th scope="col">有効成分</th>
		</tr>
	</thead>
	<tbody>
		<tr>
			<td>
			<p>イオウ、レゾルシン、グリチルリチン酸ニカリウム、トコフェロール酢酸エステル</p>
			</td>
		</tr>
	</tbody>
</table>

<p>有効成分のレゾルシンがアクネ菌を殺菌し、イオウが角質をやわらかくして余分な皮脂を取り除きます。<br>
トコフェロール酢酸エステル（ビタミンE）は、血行を良くして肌のターンオーバーを整えます。</p>

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<table border="1" cellpadding="1" cellspacing="1">
	<thead>
		<tr>
			<th scope="col">有効成分</th>
		</tr>
	</thead>
	<tbody>
		<tr>
			<td>
			<p>イオウ、レゾルシン、グリチルリチン酸ニカリウム、トコフェロール酢酸エステル</p>
			</td>
		</tr>
	</tbody>
</table>

<p>ニキビが目立つところにできてしまった際は、肌色のニキビ治療クリームがおすすめです。</p>

<p>目立つニキビの対策としてファンデーションで隠す人は少なくありませんが、このやり方では洗顔の際にしっかりと化粧を落としきれないと、毛穴が詰まり悪化やニキビを増やす原因になります。</p>

<p>その点、肌色タイプのニキビ治療クリームであれば、ニキビを目立たなくしつつ、ケアを行うことができます。</p>

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<table border="1" cellpadding="1" cellspacing="1" style="width:500px;">
	<thead>
		<tr>
			<th scope="col">有効成分</th>
		</tr>
	</thead>
	<tbody>
		<tr>
			<td>
			<p>イオウ、レゾルシン</p>
			</td>
		</tr>
	</tbody>
</table>

<p>エスカメルは、イオウとレゾルシンにより毛穴づまりを解消し、アクネ菌を殺菌する薬です。</p>

<p>また、ベントナイト（添加物）配合で皮脂を吸収させます。</p>

<p>にきびに悪影響を及ぼす油分を全く含みません。</p>

<h3 class="guide-headline">赤ニキビに使える市販薬</h3>

<p>赤ニキビにおすすめの市販薬は以下の3種類です。</p>

<ul>
	<li>ペアアクネクリームW</li>
	<li>マキロン　アクネージュ　メディカルクリーム</li>
	<li>アンナザルベ・エース</li>
</ul>

<p>赤ニキビは炎症を起こしている状態なので、抗炎症成分が入っている市販薬を選ぶ必要があります。</p>

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<table border="1" cellpadding="1" cellspacing="1" style="width:500px;">
	<thead>
		<tr>
			<th scope="col">有効成分</th>
		</tr>
	</thead>
	<tbody>
		<tr>
			<td>イブプロフェンピコノール、イソプロピルメチルフェノール</td>
		</tr>
	</tbody>
</table>

<p>ペアアクネクリームWには抗炎症作用のイブプロフェンピコノールと、殺菌作用のイソプロピルメチルフェノールが入っています。<br>
炎症を起こしている赤ニキビに、これら2種類の有効成分が効果を発揮します。</p>

<p>ペアアクネクリームWは指に出したときは白色ですが、肌に塗り伸ばすと透明になるため、日常的に化粧が必要な方におすすめです。</p>

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<table border="1" cellpadding="1" cellspacing="1" style="width:500px;">
	<thead>
		<tr>
			<th scope="col">有効成分</th>
		</tr>
	</thead>
	<tbody>
		<tr>
			<td>ベンゼトニウム塩化物、イブプロフェンピコノール、トコフェロール酢酸エステル</td>
		</tr>
	</tbody>
</table>

<p>殺菌作用のあるベンゼトニウム塩化物が採用されており、繰り返し発症するニキビにも効果があります。</p>

<p>塗ると透明になるので化粧が必要なときでも使用できます。</p>

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<table border="1" cellpadding="1" cellspacing="1" style="width:500px;">
	<thead>
		<tr>
			<th scope="col">有効成分</th>
		</tr>
	</thead>
	<tbody>
		<tr>
			<td>イオウ、レゾルシン、グリチルレチン酸</td>
		</tr>
	</tbody>
</table>

<p>アンナザルベ・エースはイオウが含まれているため、皮脂が多めの方の赤ニキビにおすすめです。<br>
抗炎症・殺菌作用だけでなく、イオウによる余分な皮脂の取り除きの効果も期待できます。</p>


ニキビ薬はニキビの進行具合に応じて選ぶ必要があります。初期状態のニキビであれば自宅のケアでも対処可能です。正しいニキビ薬の選び方、ニキビの進行具合別のおすすめ市販薬を紹介しているので参考にしてください。