ビオスリーは市販されている?|腸内環境を整える整腸剤を紹介
更新日:
薬剤師監修日:
ビオスリーは下痢、便秘、腹部膨満感などの症状を改善する処方薬です。ビオスリーと同じ成分を含む市販の整腸剤にはビオスリーHi錠とビオスリーHがあります。この記事ではビオスリーHi錠とビオスリーHなど市販の整腸剤について紹介します。

ビオスリーは市販されている?
ビオスリーと同じ成分を含む市販の整腸剤にはビオスリーHi錠とビオスリーHがあります。
ビオスリーは腸内環境を整えることで下痢、便秘、腹部膨満などの症状を改善する処方薬です。
ビオスリーの剤形には、散剤(粉薬)と錠剤、OD錠(※)があります。剤形の違いによる大きな違いはなく、いずれか飲み慣れている剤形で処方されることが多いです。
また、ビオスリーのジェネリック医薬品はありません。
(※)OD錠とは口の中ですぐ溶け、水なしでも服用できる剤形のことです。
ビオスリーの製品名 |
・ビオスリー配合散 ・ビオスリー配合錠 ・ビオスリー配合OD錠 |
---|
成分は『ラクトミン』『酪酸菌』『糖化菌』の3つ
ビオスリーの成分は、『ラクトミン』と『酪酸菌』、『糖化菌』の3つです。
ラクトミンは乳酸菌の仲間で、腸内で乳酸を産生し腸内環境を整えるとともに、酪酸菌の増殖を助けます。酪酸菌は、腸内フローラを改善し、大腸のバリア機能に必要な粘液の分泌をうながすとされている酪酸を産生します。糖化菌は、善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌を増やします。
3つの成分はお互いに相性が良く、糖化菌が乳酸菌の増殖を促進し、乳酸菌は酪酸菌の増殖を促進します。
ビオスリーの処方薬と市販の整腸剤の違い
ビオスリーは下痢、便秘、腹部膨満感などの症状に対して処方される薬です。市販の整腸剤でも同様の症状を改善することができます。
処方薬と市販の整腸剤の違いは、ビオスリーHi錠とビオスリーHは服用方法が決められている整腸剤であるのに対し、処方薬ビオスリーは医師が患者さんの状態に応じて用法・用量を決め処方する薬であることです。
また、ビオスリーHi錠とビオスリーH以外の市販薬については、処方薬にはない成分が含まれています。
(※)乳酸菌の種類について、ビオスリーHi錠・Hにはラクトミン、太田胃散整腸薬にはラクトミン(ガッセリ菌)とビフィズス菌が含まれています。
市販の整腸剤
下痢、便秘、腹部膨満感などの症状に効く市販の整腸剤を紹介します。医師から処方された薬の代用として市販の整腸剤を使用する場合は、使用しても問題ないか医師や薬剤師に相談しましょう。
ビオスリーHi錠|3種の菌の相乗効果が腸を整える
ビオスリーHi錠 42錠 (指定医薬部外品)

処方薬ビオスリーと同様にラクトミン(乳酸菌)や酪酸菌、糖化菌が配合されています。3種の菌が腸内フローラと大腸のバリア機能を改善することで、便通を整えます。3種の菌はお互いに相性が良く、それぞれを単独でとるよりも、あわせてとる方がより多く増殖します。
やや甘みのある小粒の錠剤タイプで、薬の味が苦手な方にもおすすめです。
5歳から服用できます。
ビオスリーH|散剤タイプの整腸剤
ビオスリーH 36包 (指定医薬部外品)

処方薬ビオスリー配合散と同じ散剤(粉薬)タイプの整腸剤です。やや甘みがあり、薬の味が苦手な方にもおすすめです。
ビオスリーHi錠と同様にラクトミン(乳酸菌)や酪酸菌、糖化菌が配合されています。3種の菌が腸内フローラと大腸のバリア機能を改善することで、便通を整えます。3種の菌はお互いに相性が良く、それぞれを単独でとるよりも、あわせてとる方がより多く増殖します。
生後3ヶ月から服用できます。
太田胃散整腸薬|消化不良を改善する整腸剤
太田胃散整腸薬 370錠(第3類医薬品)【第三類医薬品】

整腸・健胃生薬と消化酵素の力により胃腸機能を高め、消化を促進するため、敏感なお腹を改善したい方、飲んだ次の日お腹がゆるくなる方におすすめです。
また、2種の乳酸菌(ビフィズス菌、ガッセリ菌)と酪酸菌がそれぞれ乱れた腸内バランスを整え、刺激を受けにくい腸内環境にします。
5歳から服用可能です。
市販の整腸剤の選び方
市販の整腸剤は、おなかの症状に応じて様々な成分が配合されています。以下のような症状がある時はそれぞれの成分が含まれた薬を選びましょう。
おなかの症状 | 成分 |
---|---|
おなかが張った感じがする | 消泡剤など |
胃腸が弱り消化不良を起こしている | 健胃生薬、消化酵素など |
整腸剤とは?
食生活や生活環境の変化、ストレスなどで腸の働きが低下すると、おなかが張る、ごろごろ鳴るなど様々な症状が起こります。整腸剤は腸内の環境を改善することで、おなかの症状を改善する薬です。
便の状態は様々な要因で変化しますが、腸内の善玉菌が減り、悪玉菌が増えると、便秘にも軟便にもなります。整腸剤は、腸の善玉菌を増やし、悪玉菌とのバランスを整えるように働きかけるため、便秘と軟便の両方の症状に効果があります。
どんな症状にも使える?
整腸剤は時間をかけて作用するため、「便秘や下痢の症状をすぐに改善したい」という場合は、便秘薬や下痢止め薬の方が適している場合もあります。医師または薬剤師に相談の上、より症状に適した医薬品を選びましょう。
市販の整腸剤に含まれている成分
市販の整腸剤に配合されていることが多い成分の一例を紹介します。以下の成分は処方薬ビオスリーには含まれていない成分です。
●整腸生薬、健胃生薬
生薬は漢方薬を構成する原料で、植物の葉、茎、根などや鉱物、動物のなかで薬効があるとされる一部分を加工したものです。整腸生薬は乱れた腸の動きを正常化し、健胃生薬は弱った胃の働きを高める作用があります。
●消化酵素
炭水化物、たんぱく質、脂質などを分解し体内で利用しやすい形にかえる働きを手助けする物質です。体内の消化酵素が不足すると便秘、下痢などの消化器症状などに影響をおよぼす可能性があります。
●消泡剤
腸内に溜まったガスに直接働きかけ、溜まったガスをつぶします。市販薬では、『ジメチルポリシロキサン』という成分の消泡剤が配合されています。
●粘膜修復剤
荒れて傷んだ胃の粘膜を修復し、胃の血流を増加させることにより、粘膜を保護・修復します。
●制酸剤
胃内に分泌された胃酸を中和することによって胃の粘膜を保護する効果があります。
●ビタミン
他の栄養素の働きをサポートし、健康を維持する働きをします。ザ・ガードコーワ整腸錠α3+ に含まれているビタミン『パントテン酸カルシウム』のように、善玉菌の増殖をうながすビタミンもあります。
使用上の注意|治らない場合は病院へ
医師から処方された薬の代用として市販薬を使用する場合は、使用しても問題ないか医師や薬剤師に相談しましょう。
また市販薬を使用する際は、薬の説明書(添付文書)に記載された服用期間や用法・用量を守り、症状がよくならない場合や他にも気になる症状がある場合には、早めに医療機関を受診しましょう。
ミナカラ薬局の薬剤師に相談する
薬や症状について心配や不安がある方は、ミナカラ薬局の薬剤師相談をご利用ください。ミナカラ薬局では薬剤師にLINEで相談することができ、それぞれのお悩みにお応えします。
記事で紹介されている商品一覧
この記事は参考になりましたか?
関連記事
下痢や軟便に効く市販薬|薬の選び方も解説
この記事では下痢や軟便に効く下痢止めや整腸剤の市販薬を紹介するとともに、下痢の症状別の薬のおすすめの選び方についても解説します。また、下痢の症状でどんなときに病院を受診したほうが良いかの目安と、下痢の時に注意したい3つのポイントについても解説します。

便秘に効く市販薬|薬の選び方と解消方法
便秘は市販薬でも治療をすることができます。内服薬や浣腸、坐剤と種類は多岐に渡るため、何を選んだらいいか分からない、という方もいるのでは?この記事では市販の便秘薬の種類と選び方を紹介します。

お腹の張りに効く市販薬|ガスだまりを解消する方法を解説
お腹の張り(腹部膨満感)の主な原因は、腸のガスだまりによるものです。この記事では、お腹の張りを解消する市販薬と、腸内環境を改善する方法について解説します。

ミヤBMの市販薬はある?|腸内環境を整える整腸剤を紹介
ミヤBMは下痢、便秘、腹部膨満感などの消化器症状を改善する処方薬です。ミヤBMと同じ酪酸菌(宮入菌)を含む市販薬は販売されています。この記事では酪酸菌を含む市販薬や整腸剤について紹介します。
