タケキャブの市販薬はある?|胃酸の分泌をおさえる成分を解説
更新日:
薬剤師監修日:
タケキャブは、胃酸の分泌をおさえる働きのあるプロトンポンプ阻害薬(PPI)のひとつです。タケキャブと同じ成分を含む市販薬はありませんが、タケキャブと似た作用の成分の薬はあります。この記事では、タケキャブの代わりに使える市販薬について解説します。

タケキャブと同じ成分の市販薬はある?
現在、タケキャブと同じ成分を使用した市販薬は販売されていません。(2022年10月時点)
しかし、タケキャブと似た作用をもつ成分の市販薬は販売されています。
タケキャブとは?
タケキャブは、胃潰瘍・逆流性食道炎などの治療やヘリコバクター・ピロリ除菌に使われる処方薬です。
タケキャブの剤形は錠剤のみで、成分の配合量が異なる10mgと20mgの錠剤があります。
また、タケキャブにはジェネリック医薬品はありません。
成分は『ボノプラザンフマル酸塩』
タケキャブの成分『ボノプラザンフマル酸塩』には、胃酸の分泌をおさえる働きがあります。胃酸の分泌が過剰になると、胃粘膜を傷つけ胃痛の原因になります。また胃痛の他にも、胃もたれ、胸やけなどの症状を起こします。
タケキャブと似た市販薬の選び方
市販の胃腸薬には、成分に『ボノプラザンフマル酸塩』を使用した薬がなく、タケキャブとまったく同じ効能・効果をもつ市販薬はありません。
胃酸の分泌をおさえる『H2ブロッカー』を選びましょう
胃薬には様々な種類がありますが、タケキャブの成分『ボノプラザンフマル酸塩』の主な作用は胃酸の分泌をおさえることです。タケキャブと同じく胃酸をおさえる作用がある成分には、H2ブロッカーがあります。
『H2ブロッカー』とは胃粘膜のH2受容体と結びつくことで、過剰な胃酸の分泌をおさえる働きをする成分の総称です。
タケキャブの代わりに市販薬を使う場合の注意点
タケキャブなどの処方薬の代用として市販薬を使用したい場合は、使用前に医師に確認してください。成分が異なるため、薬が症状に合わず治療の妨げになる可能性があります。
市販の胃腸薬を3日間使用しても効果が感じられない場合は使用を中止し、医師に相談してください。また、2週間以上の長期連用もおやめください。
いずれの市販薬も1日2回まで服用できますが、2回目の服用時は8時間以上の間隔をあけてください。
ガスター10<錠>
ガスター10<錠> 12錠【第一類医薬品】

有効成分 | 含有量(1錠中) |
---|---|
ファモチジン(H2ブロッカー) |
10mg |
主成分のファモチジン(H2ブロッカー)が過剰な胃酸の分泌を抑制することで、胃痛、もたれ、胸やけ、むかつきを緩和します。症状があらわれた時に服用するタイプの薬です。
薬の表面に甘いコーティングがされている小粒の錠剤のため、薬特有の味が苦手な方や粉薬が苦手な方におすすめです。
ガスター10<散>
ガスター10<散> 12包【第一類医薬品】

有効成分 | 含有量(1錠中) |
---|---|
ファモチジン(H2ブロッカー) |
10mg |
ガスター10の散剤(粉薬)タイプの薬です。ガスター10と同じ『ファモチジン(H2ブロッカー)』が同量配合されています。また、スーッとする清涼感があるのが特徴です。
散剤タイプをお好みの方におすすめです。
ガスター10 S錠
ガスター10 S錠 12錠【第一類医薬品】

有効成分 | 含有量(1錠中) |
---|---|
ファモチジン(H2ブロッカー) |
10mg |
ガスター10 S錠は、口の中の水分を含むと速やかに溶け、水なしでも服用できるタイプの薬です。移動中や仕事中にもその場ですぐに服用できます。
ガスター10と同じ『ファモチジン(H2ブロッカー)』が同量配合されています。
ファモチジン錠「クニヒロ」
ファモチジン錠「クニヒロ」 12錠【第一類医薬品】

有効成分 | 含有量(1錠中) |
---|---|
ファモチジン(H2ブロッカー) |
10mg |
ガスター10と同じ『ファモチジン(H2ブロッカー)』が同量配合されています。胃痛、もたれ、胸やけ、むかつきを緩和します。
ガスター10<錠>と同様、薬の表面に甘いコーティングがされている錠剤のため、薬特有の味が苦手な方や粉薬が苦手な方におすすめです。
市販薬が使える症状
この記事で紹介している『ファモチジン(H2ブロッカー)』を主成分とした市販薬は、胃痛、もたれ、胸やけ、むかつきに使用することができます。
胃痛・胃もたれに効く市販薬の選び方
胃の痛みや胃もたれなどの胃のトラブルは、胃を守る”防御因子”と胃を攻撃する”攻撃因子”のバランスが崩れることで起こります。胃のトラブルの原因によって適した薬は異なります。
市販薬の選び方については以下のリンクからご確認ください。
タケキャブと市販薬の違い
タケキャブは主成分を『ボノプラザンフマル酸塩』とした、胃酸の分泌をおさえる働きのあるプロトンポンプ阻害薬(PPI)のひとつです。
この記事で紹介している『H2ブロッカー』と胃酸の分泌をおさえるという点では同じですが、作用や効果が少し異なります。
プロトンポンプ阻害薬(PPI)とは
『プロトンポンプ阻害薬』とは、胃酸を分泌するプロトンポンプの働きをおさえる作用がある薬の総称です。
通常は、アセチルコリン・ヒスタミン・ガストリンの3つの物質がそれぞれの受容体を刺激し、その信号がプロトンポンプに伝わることで胃酸が分泌されます。
H2ブロッカーとは
『H2ブロッカー』は別名を「ヒスタミンH2受容体拮抗薬」といい、胃酸分泌の原因となるヒスタミンの信号をブロックする成分の総称です。
『H2ブロッカー』は、アセチルコリンやガストリンによる胃酸分泌までは抑制できないため、胃酸をおさえる強さは『プロトンポンプ阻害薬』の方が強いといえます。
タケキャブ・タケプロン・ネキシウムの違い
タケキャブの他に『プロトンポンプ阻害薬』には、タケプロンやネキシウムなどがあります。タケキャブは胃酸による活性化が不要なため、タケプロンやネキシウムに比べ早く効き目が現れると考えられています。また、胃壁の分泌細胞に長く留まることができるため、効き目が持続するとされています。
使用上の注意|治らない場合は病院へ
医師から処方された薬の代用として市販薬を使用する場合は、使用しても問題ないか医師や薬剤師に相談しましょう。
また上記の市販薬を使用する際は、薬の説明書(添付文書)に記載された使用期間や用法・用量を守り、症状がよくならない場合や他にも気になる症状がある場合には早めに医療機関を受診しましょう。
ミナカラ薬局の薬剤師に相談する
薬について心配や不安がある方は、ミナカラ薬局の薬剤師相談をご利用ください。ミナカラ薬局では薬剤師にLINEで相談することができ、それぞれのお悩みに対応します。
記事で紹介されている商品一覧
この記事は参考になりましたか?
関連記事
胃痛・胃もたれに効く市販薬|症状別での胃薬の選び方
胃痛や胃もたれに効く市販の胃薬は種類が多く、症状によって適した薬が異なります。この記事では、胃痛や胃もたれに効く胃薬の選び方と、市販薬を紹介します。

胸焼けに効く市販薬|原因と胃薬の選び方
胸やけを放置すると悪化の危険性があるため、早めのケアが重要です。この記事では胸やけに効くおすすめの市販薬や、胃薬の正しい選び方、胸やけの原因について解説します!

タケプロン(ランソプラゾール)の市販薬はある?|胃酸の分泌をおさえる成分を解説
タケプロンは主成分に『ランソプラゾール』という成分を配合した、胃酸の分泌をおさえる働きのあるプロトンポンプ阻害薬(PPI)のひとつです。この記事では、タケプロンと似た作用の成分と、タケプロンの市販薬の有無、代用として使える市販薬について解説します。

ネキシウムの市販薬はある?|胃酸の分泌をおさえる成分を解説
ネキシウムは、胃酸の分泌をおさえる働きのあるプロトンポンプ阻害薬(PPI)のひとつです。ネキシウムと同じ成分を含む市販薬はありませんが、ネキシウムと似た作用の成分の薬はあります。この記事では、ネキシウムの代わりに使える市販薬について解説します。
