タケキャブ®︎(ボノプラザン)の市販薬はある?胃痛に効果ある?を解説
タケキャブ*と同じ成分の市販薬はある?
現在、タケキャブ*と同じ成分を使用した市販薬は販売されていません(2024年8月時点)。
しかし、タケキャブ*と似た作用をもつ成分の市販薬は販売されています。
タケキャブ*とは?
タケキャブ*は、胃潰瘍・逆流性食道炎などの治療やヘリコバクター・ピロリ除菌に使われる処方薬です。
タケキャブ*の剤形は錠剤のみで、成分の配合量が異なる10mgと20mgの錠剤があります。
また、タケキャブ*にはジェネリック医薬品はありません。
成分は『ボノプラザンフマル酸塩』
タケキャブ*の成分『ボノプラザンフマル酸塩』には、胃酸の分泌をおさえる働きがあります。
胃酸の分泌が過剰になると、胃粘膜を傷つけ胃痛の原因になります。また胃痛の他にも、胃もたれ、胸やけなどの症状を起こします。
タケキャブ*と似た市販薬の選び方
市販の胃腸薬には、成分に『ボノプラザンフマル酸塩』を使用した薬がなく、タケキャブ*とまったく同じ効能・効果をもつ市販薬はありません。
胃酸の分泌をおさえる『H2ブロッカー』を選びましょう
胃薬には様々な種類がありますが、タケキャブ*の成分『ボノプラザンフマル酸塩』の主な作用は胃酸の分泌をおさえることです。タケキャブ*と同じく胃酸をおさえる作用がある成分には、H2ブロッカーがあります。
『H2ブロッカー』とは胃粘膜のH2受容体と結びつくことで、過剰な胃酸の分泌をおさえる働きをする成分の総称です。
タケキャブ*の代わりに市販薬を使う場合の注意点
タケキャブ*などの処方薬の代用として市販薬を使用したい場合は、使用前に医師に確認してください。成分が異なるため、薬が症状に合わず治療の妨げになる可能性があります。
市販の胃腸薬を3日間使用しても効果が感じられない場合は使用を中止し、医師に相談してください。また、2週間以上の長期連用もおやめください。
いずれの市販薬も1日2回まで服用できますが、2回目の服用時は8時間以上の間隔をあけてください。
ガスター10<錠>
| 有効成分 | 含有量(1錠中) |
|---|---|
|
ファモチジン(H2ブロッカー) |
10mg |
主成分のファモチジン(H2ブロッカー)が過剰な胃酸の分泌を抑制することで、胃痛、もたれ、胸やけ、むかつきを緩和します。症状があらわれた時に服用するタイプの薬です。
薬の表面に甘いコーティングがされている小粒の錠剤のため、薬特有の味が苦手な方や粉薬が苦手な方におすすめです。
■用法用量
胃痛、もたれ、胸やけ、むかつきの症状があらわれた時、以下の量を、水またはお湯で服用してください。
| ・成人(15歳以上、80歳未満):1錠/回、2回まで/日 ・小児(15歳未満):服用しないでください ・高齢者(80歳以上):服用しないでください |
*服用後8時間以上たっても症状が治まらない場合は、もう1錠服用してください
ガスター10<散>
| 有効成分 | 含有量(1錠中) |
|---|---|
|
ファモチジン(H2ブロッカー) |
10mg |
ガスター10の散剤(粉薬)タイプの薬です。ガスター10と同じ『ファモチジン(H2ブロッカー)』が同量配合されています。また、スーッとする清涼感があるのが特徴です。
散剤タイプをお好みの方におすすめです。
■用法用量
胃痛、もたれ、胸やけ、むかつきの症状があらわれた時、以下の量を、水またはお湯で服用してください。
| ・成人(15歳以上、80歳未満):1包/回、2回まで/日 ・小児(15歳未満):服用しないでください ・高齢者(80歳以上):服用しないでください |
*服用後8時間以上たっても症状が治まらない場合は、もう1包服用してください
ガスター10 S錠
| 有効成分 | 含有量(1錠中) |
|---|---|
|
ファモチジン(H2ブロッカー) |
10mg |
ガスター10 S錠は、口の中の水分を含むと速やかに溶け、水なしでも服用できるタイプの薬です。移動中や仕事中にもその場ですぐに服用できます。
ガスター10と同じ『ファモチジン(H2ブロッカー)』が同量配合されています。
■用法用量
胃痛、もたれ、胸やけ、むかつきの症状があらわれた時、以下の量を、口中で溶かして服用するか、水またはお湯で服用してください。
| ・成人(15歳以上、80歳未満):1錠/回、2回まで/日 ・小児(15歳未満):服用しないでください ・高齢者(80歳以上):服用しないでください |
*服用後8時間以上たっても症状が治まらない場合は、もう1錠服用してください
ファモチジン錠「クニヒロ」
| 有効成分 | 含有量(1錠中) |
|---|---|
|
ファモチジン(H2ブロッカー) |
10mg |
ガスター10と同じ『ファモチジン(H2ブロッカー)』が同量配合されています。胃痛、もたれ、胸やけ、むかつきを緩和します。
ガスター10<錠>と同様、薬の表面に甘いコーティングがされている錠剤のため、薬特有の味が苦手な方や粉薬が苦手な方におすすめです。
■用法用量
胃痛、もたれ、胸やけ、むかつきの症状があらわれた時、以下の量を、水またはお湯でかまずに服用してください。
| ・成人(15歳以上、80歳未満):1錠/回、2回まで/日 ・小児(15歳未満):服用しないでください ・高齢者(80歳以上):服用しないでください |
*服用後8時間以上たっても症状が治まらない場合は、もう1錠服用してください
市販薬が使える症状
この記事で紹介している『ファモチジン(H2ブロッカー)』を主成分とした市販薬は、胃痛、もたれ、胸やけ、むかつきに使用することができます。
胃痛・胃もたれに効く市販薬の選び方
胃の痛みや胃もたれなどの胃のトラブルは、胃を守る”防御因子”と胃を攻撃する”攻撃因子”のバランスが崩れることで起こります。胃のトラブルの原因によって適した薬は異なります。
市販薬の選び方については以下のリンクからご確認ください。
タケキャブ*と市販薬の違い
タケキャブ*は主成分を『ボノプラザンフマル酸塩』とした、胃酸の分泌をおさえる働きのあるプロトンポンプ阻害薬(PPI)のひとつです。
この記事で紹介している『H2ブロッカー』と胃酸の分泌をおさえるという点では同じですが、作用や効果が少し異なります。
プロトンポンプ阻害薬(PPI)とは
『プロトンポンプ阻害薬』とは、胃酸を分泌するプロトンポンプの働きをおさえる作用がある薬の総称です。
通常は、アセチルコリン・ヒスタミン・ガストリンの3つの物質がそれぞれの受容体を刺激し、その信号がプロトンポンプに伝わることで胃酸が分泌されます。

H2ブロッカーとは
『H2ブロッカー』は別名を「ヒスタミンH2受容体拮抗薬」といい、胃酸分泌の原因となるヒスタミンの信号をブロックする成分の総称です。
『H2ブロッカー』は、アセチルコリンやガストリンによる胃酸分泌までは抑制できないため、胃酸をおさえる強さは『プロトンポンプ阻害薬』の方が強いといえます。
タケキャブ*・タケプロン®︎・ネキシウム®︎の違い
タケキャブ*の他に『プロトンポンプ阻害薬』には、タケプロン*1やネキシウム*2などがあります。タケキャブ*は胃酸による活性化が不要なため、タケプロン*1やネキシウム*2に比べ早く効き目が現れると考えられています。また、胃壁の分泌細胞に長く留まることができるため、効き目が持続するとされています。
使用上の注意|治らない場合は病院へ
医師から処方された薬の代用として市販薬を使用する場合は、使用しても問題ないか医師や薬剤師に相談しましょう。
また上記の市販薬を使用する際は、薬の説明書(添付文書)に記載された使用期間や用法・用量を守り、症状がよくならない場合や他にも気になる症状がある場合には早めに医療機関を受診しましょう。
*タケキャブは武田薬品工業株式会社の登録商標です。
*1 タケプロンは武田薬品工業株式会社の登録商標です。
*2 ネキシウムはアストラゼネカ アクチボラグの登録商標です。

昭和大学大学院薬学研究科修了
昭和大学薬学部客員講師
株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局
薬局、ドラッグストアで臨床経験を積み、その後昭和大学薬学部の教員、チェーンドラッグストア協会の教育機関でOTCの研修講師を務める。
【著書】
•現場で差がつく! もう迷わない! ユーキャンの登録販売者お仕事マニュアル 症状と成分でわかるOTC薬
•現場で差がつく! ユーキャンの新人登録販売者お仕事マニュアル

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