市販の酔い止めの選び方
ゲームをしたり、3D映像を見ていると、めまいや冷や汗、吐き気・嘔吐、頭痛など乗り物酔いによく似た症状が起きることがあります。
ゲーム酔いや3D酔いは、乗り物酔いと同じようなメカニズムで発生するため、めまいや吐き気、頭痛などの症状が出た時は、乗り物酔いに効く酔い止めが効果を発揮すると考えられています。
酔い止めには、様々な成分が含まれており、成分によってそれぞれ特徴が異なります。酔い止めを使う目的に合わせて、以下のポイントを見ながら選びましょう。
大人用?子ども用?対象年齢を確認しましょう
酔い止めには、服用できる年齢によって大人用、子ども用など様々な種類があります。薬によって対象年齢が異なるため、事前に確認しておきましょう。
また、子どもが使える酔い止めには、飲みやすいように味や剤形を工夫している薬もあります。
予防に使える薬?酔った時に使う薬?
酔い止めに含まれている主な成分として、抗コリン成分や抗ヒスタミン成分があります。抗コリン成分は、副交感神経を抑制して自律神経の乱れを調整し、主に乗り物酔いの症状を予防します。抗ヒスタミン成分は、脳の嘔吐中枢の興奮をおさえ、内耳前庭での自律神経反射を抑制するため、酔った時の吐き気(嘔吐)やめまいなどの症状を緩和します。
ゲームをする前、3D映画を見る前などに酔わないために飲む場合は、抗コリン成分の入った薬を選ぶとよいでしょう。
酔ってからの症状をおさえたい時は、抗ヒスタミン成分が効果を発揮します。
眠くなりにくい薬か?眠くなりやすい薬か?
酔い止めに含まれている抗ヒスタミン成分は、吐き気やめまいなどの症状をおさえますが、眠くなりやすいという特徴もあります。
ゲームをする間、3D映画を見る間は眠くなってしまっては困るなどという時は、眠くなりにくいタイプを選ぶとよいでしょう。
一方、ゲームや3D映像に疲れてゆっくり休みたいなどという場合は、抗ヒスタミン成分配合の眠くなりやすいタイプをおすすめします。
酔い止めの役割
酔い止めは、目や耳から入る情報が体から入る情報と違うことで起こる脳の混乱による平衡感覚や自律神経の乱れを調整し、症状を予防したり、酔った時の症状を緩和したりする役割があります。
ゲーム酔いや3D酔いの対策には、事前の体調管理や環境を整えることなどもありますが、症状が出ないにするためにも、酔い止めを上手に活用しましょう。
おすすめの酔い止めの市販薬|大人用
ゲーム酔い・3D酔いによるめまい・吐き気・頭痛に効く、大人用の市販薬を紹介します。酔い止めを使う目的に合わせて、以下の特徴を見ながら選ぶとよいでしょう。
商品画像 | 特徴 |
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・ゲーム酔い・3D酔いの予防にも使える ・比較的眠くなりにくい |
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・ゲーム酔い・3D酔いの予防にも使える ・水なしで飲める(グレープフルーツ風味) |
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・ゲーム酔い・3D酔いの予防にも使える ・水なしで飲める |
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・酔った時の症状に ・小さな錠剤 |
トラベルミンR
【第2類医薬品】トラベルミンR 6錠 乗り物酔い 市販薬【第二類医薬品】
特徴 |
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✔️ゲーム酔い・3D酔いの予防にも使える ✔️比較的眠くなりにくい |
抗コリン成分『スコポラミン臭化水素酸塩水和物』が副交感神経を抑制して自律神経の乱れを調整し、吐き気などが起こらないようにします。その他にも、酔った時の症状を緩和する成分が配合されています。
比較的眠気の少ない成分が配合されているため、薬を飲んだ後はゲームや3D映画を楽しみたい方におすすめです。
11歳から服用できます。
センパア トラベル1
センパア トラベル1 6錠【第二類医薬品】
特徴 |
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✔️ゲーム酔い・3D酔いの予防にも使える ✔️水なしで飲める(グレープフルーツ風味) |
抗コリン成分『スコポラミン臭化水素酸塩水和物』が主にゲーム酔い・3D酔いの症状の予防に効きます。
抗ヒスタミン成分『クロルフェニラミンマレイン酸塩』が配合されているため、眠くなることがあります。ゲームや3D映像を見た後にゆっくり休みたい方におすすめです。
水なしでかみくだくチュアブル錠のため、ゲーム酔い・3D酔いで気持ち悪い時に場所を選ばずにすぐに服用できます。
7歳から服用できます。
センパア・QT
センパア・QT 6錠【第二類医薬品】
特徴 |
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✔️ゲーム酔い・3D酔いの予防にも使える ✔️水なしで飲める |
抗コリン成分『スコポラミン臭化水素酸塩水和物』も配合されており、主にゲーム酔い・3D酔いの症状の予防に効きます。
抗ヒスタミン成分『d-クロルフェニラミンマレイン酸塩』が配合されているため、眠くなることがあります。ゲームや3D映像を見た後にゆっくり休みたい方におすすめです。
また、水なしでかまずに素早く溶けるタイプのため、ゲーム酔い・3D酔いで気持ち悪い時に場所を選ばずにすぐ服用できます。
15歳から服用できます。
トラベルミン
【第2類医薬品】トラベルミン 6錠 乗り物酔い 大人【第二類医薬品】
特徴 |
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✔️酔った時の症状に ✔️小さな錠剤 |
『ジプロフィリン』が揺れによって起こる感覚の混乱を抑制し、めまいなどを軽減します。
抗ヒスタミン成分『ジフェンヒドラミンサリチル酸塩』が配合されているため、眠くなることがあります。ゲームや3D映像を見た後にゆっくり休みたい方におすすめです。
15歳から服用できます。
おすすめの酔い止めの市販薬|子ども用
ゲーム酔い・3D酔いによるめまい・吐き気・頭痛に効く、子ども用の市販薬を紹介します。酔い止めを使う目的や年齢に合わせて、以下の特徴を見ながら選ぶとよいでしょう。
商品画像 | 特徴 |
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・5歳から大人まで ・ゲーム酔い・3D酔いの予防にも使える ・水なしで服用できるサイダー味のドロップ |
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・5歳から14歳まで ・酔った時の症状に ・小さな錠剤 |
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・7歳から大人まで ・ゲーム酔い・3D酔いの予防にも使える ・水なしで飲める(グレープフルーツ風味) |
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・11歳から大人まで ・ゲーム酔い・3D酔いの予防にも使える ・比較的眠くなりにくい |
トラベロップQQ S
トラベロップQQ S【第二類医薬品】
特徴 |
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✔️5歳から大人まで ✔️ゲーム酔い・3D酔いの予防にも使える ✔️水なしで服用できるサイダー味のドロップ |
抗コリン成分『スコポラミン臭化水素酸塩水和物』が主にゲーム酔い・3D酔いの症状の予防に効きます。
抗ヒスタミン成分『d-クロルフェニラミンマレイン酸塩』が配合されているため、眠くなることがあります。ゲームや3D映像を見た後にゆっくり休みたい方におすすめです。
5歳以上の子どもから大人まで使えます。ゲームをする前や3D映像を見る前の予防として、また気分が悪くなったときでも水なしで服用できるドロップタイプの薬です。サイダー味のため、苦い味が苦手なお子様にもおすすめです。
トラベルミン・ジュニア
トラベルミンジュニア【第二類医薬品】
特徴 |
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✔️5歳から14歳まで ✔️酔った時の症状に ✔️小さな錠剤 |
大人用のトラベルミン同様、抗ヒスタミン成分『ジフェンヒドラミンサリチル酸塩』が配合されているため、眠くなることがあります。ゲームや3D映像を見た後にゆっくり休みたい方におすすめです。
また、『ジプロフィリン』が揺れによって起こる感覚の混乱を抑制し、めまいなどを軽減します。
5歳から14歳まで服用できる小さな錠剤の薬です。
センパア トラベル1
センパア トラベル1 6錠【第二類医薬品】
特徴 |
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✔️7歳から大人まで ✔️ゲーム酔い・3D酔いの予防にも使える ✔️水なしで飲める(グレープフルーツ風味) |
抗ヒスタミン成分『クロルフェニラミンマレイン酸塩』が配合されているため、眠くなることがあります。ゲームや3D映像を見た後にゆっくり休みたい方におすすめです。
抗コリン成分『スコポラミン臭化水素酸塩水和物』が主にゲーム酔い・3D酔いの症状の予防に効きます。
7歳以上の子どもから大人まで使えます。水なしでかみくだくチュアブル錠のため、ゲーム酔い・3D酔いで気持ち悪い時に場所を選ばずにすぐに服用できます。
トラベルミンR
【第2類医薬品】トラベルミンR 6錠 乗り物酔い 市販薬【第二類医薬品】
特徴 |
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✔️11歳から大人まで ✔️ゲーム酔い・3D酔いの予防にも使える ✔️比較的眠くなりにくい |
抗コリン成分『スコポラミン臭化水素酸塩水和物』が副交感神経を抑制して自律神経の乱れを調整し、吐き気などが起こらないようにします。その他にも、酔った時の症状を緩和する成分が配合されています。
11歳以上の子どもや大人に使えます。比較的眠気の少ない成分が配合されているため、薬を飲んだ後はゲームや3D映像を楽しみたい、眠くなるのは困るという方におすすめです。
酔い止めを飲むタイミング
この記事で紹介している市販薬を乗り物酔いの予防として飲む場合は、ゲームや3D映画を見る30分前に服用してください。
また、ゲーム酔い・3D酔いの症状が出た時に飲む場合は、薬の説明書(添付文書)にある用法・用量を守って飲むようにしましょう。
使用上の注意
この記事で紹介している市販薬を服用後は、眠気や目のかすみ、異常なまぶしさ等の症状が現れることがあるため、乗り物または機械類の運転操作をしないでください。
また、薬によっては服用に注意が必要な方や服用してはいけない方もいるため、気になる場合は医師や薬剤師にご相談いただくか、服用前に添付文書をご確認ください。
他の薬との飲み合わせ
次の薬については成分が重なるため、この記事で紹介している市販薬を服用している間は服用しないようにしてください。
- 他の乗り物酔い薬
- 風邪薬
- 解熱鎮痛薬
- 鎮静薬
- 鎮咳(ちんがい)去痰薬
- 胃腸鎮痛鎮痙(ちんけい)薬
- 抗ヒスタミン剤を含有する内服薬等(鼻炎用内服薬、アレルギー用薬等)
ゲーム酔い・3D酔いの原因
ゲーム酔い・3D酔いは、仮想空間の情報と現実の自分の内耳や体からの情報が違うことで脳が混乱するのが原因と考えられています。
具体的には、映像からは急激な加速や曲がるといった目からの情報が届いている一方で、耳や体は実際に加速を感じない、体が傾いていないために脳が混乱して自律神経を乱し、乗り物酔いのようなめまい・吐き気・頭痛などの症状を引き起こしてしまいます。
ゲーム酔い・3D酔いの対策
ゲーム酔い・3D酔いの対策としては、酔い止めをあらかじめ服用しておくことも効果的ですが、ゲーム酔い・3D酔いをしやすい方は次の点にもご注意ください。
- モニター画面だけが明るくならないように、部屋全体を明るくしましょう。
- 大画面テレビではなくパソコンのモニターにするなど、画面は小さめに、画面からなるべく離れて見るようにしましょう。
- VRゴーグルを使うゲームの場合、頭を動かし過ぎないようにしましょう。コントローラー等でゲーム操作を行う場合も、画面を上下左右に動かし過ぎないようにしましょう。
- 疲れや睡眠不足などの体調がすぐれない時や、不規則な生活をしている時は、ゲームや3D映像を見続けないようにしましょう。
めまい・吐き気・頭痛などの症状が出た時や、心臓がドキドキしたり呼吸が早くなったりした時は、ゲームを中断したり、画面から視線を外したりして休憩することが大切です。ゆっくり深呼吸をし、目を閉じて横になれる場所があれば横になって、頭を動かさないようにしましょう。