かかとのひび割れ・ガサガサのケアに|市販薬の選び方を解説
かかとのガサガサ・ひび割れの原因
かかとは角質が硬くなってしまったり、乾燥してガサガサしたり、ひどい場合にはひび割れを起こしてしまったりします。かかとのケアをしっかり行うために、まずはかかとの特徴とトラブルの原因について解説します。
かかとは乾燥しやすい場所
通常、皮膚は皮脂によって膜を作り、水分を保持しています。しかし、足の裏には皮脂を出す機能がないため、足の裏は他の皮膚に比べても乾燥しやすい場所のひとつです。
さらに、かかとは体を支える場所でもあるため、体重による圧力や地面や靴との摩擦が皮膚への刺激になり、皮膚のガサガサや角質が硬くなる原因になります。
皮膚のターンオーバーの乱れ
ターンオーバーの乱れも皮膚トラブルの原因のひとつです。
健康な皮膚は約4〜6週間の周期で新しく生まれ変わっており、これをターンオーバーといいます。何らかの原因でターンオーバーの周期が乱れると、皮膚の表面にザラザラとした古い角質が残ったり、皮膚トラブルが起こったりします。
ターンオーバーの周期が乱れる原因は、紫外線などの外的な刺激や、生活習慣の乱れなどです。紫外線を防ぐためには、丈が長い服を着たり、日焼け止めを活用したりすると良いでしょう。
かかとは他の部位に比べ皮膚が厚いため、ターンオーバーの周期も他の部位より長くなるのも特徴です。
かかとのガサガサ・ひび割れのケア|市販薬の選び方
かかとの角質ケアにおすすめの市販薬は皮膚の状態によって異なります。ご自身のかかとの状態から適した薬を選びましょう。
| 皮膚の状態 | おすすめの薬 |
|---|---|
| カチカチタイプ | 尿素 |
| ガサガサタイプ | ヘパリン類似物質 |
| ひび割れタイプ | ワセリン |
硬い角質を柔らかくしたい方に|尿素クリーム
角質が硬くなっているカチカチタイプの方には、尿素を含んだ保湿剤の使用がおすすめです。
尿素は、皮膚の保湿効果とあわせて、硬くなった皮膚を柔らかくする作用をもつのが特徴です。
高濃度の尿素は角質の元となるたんぱく質に作用し、硬くなった角質をやわらかくする働きをします。そのため、角質をやわらかくする目的で尿素を含んだ薬を選ぶときは尿素20%配合のものがおすすめです。
ただし、皮が剥けている場合や、炎症を起こしている場合、傷がある場合は刺激を感じる可能性があるため使用をお控えください。
| 有効成分 | 剤形 |
|---|---|
| 尿素(20%) | クリーム |
有効成分が尿素のみのため、まずは硬い角質をやわらかくしたいという方におすすめです。尿素の角質軟化作用とともに皮膚の保湿にも効果を発揮します。15歳から使用できます。
かかとのガサガサが気になる方に|ヘパリン類似物質
皮膚が乾燥しているガサガサタイプの方には、ヘパリン類似物質を含んだ保湿剤の使用がおすすめです。
ヘパリン類似物質の主な効果に角質水分保持増強作用があり、医療用でも保湿剤として使用されています。
ヘパリン類似物質は、肌内部の角質層まで浸透し、肌細胞に働きかけます。角質層の水分保持機能を改善し、正常なバリア機能を取り戻すように促します。この作用によって、肌内部に水分を保つことができるようになります。
| 有効成分 | 剤形 |
|---|---|
| ヘパリン類似物質 | ローション |
ヘパリン類似物質が配合された保湿剤です。さらっと伸びるローションタイプです。
クリームよりも比較的べたつきが少なく伸びが良いため、広範囲に使用する場合に適しています。
| 有効成分 | 剤形 |
|---|---|
| ヘパリン類似物質 | クリーム |
クリームタイプでしっとりした使用感の薬です。塗り広げやすいクリームが患部をしっかりとカバーします。
かかとのひび割れを保護したい方に|ワセリン
皮膚に傷ができてしまっているひび割れタイプの方には、ワセリンの使用がおすすめです。
ワセリンは皮膚の外側に膜を作ることで皮膚を保護し、水分の蒸発を防ぎます。水分を直接与える効果はありませんが、その分皮膚への刺激が少ないため、ひび割れができている場合にも使用できます。
| 有効成分 | 剤形 |
|---|---|
| ワセリン | 軟膏 |
ワセリンが皮膚の外側に膜を作り皮膚を保護します。手足のヒビ・アカギレや乾燥した肌、唇の保護にも使える柔らかく不純物の少ないワセリンです。刺激が少ない軟膏タイプです。
かかとの角質ケアの方法
かかとのガサガサやひび割れは、毎日のケアで予防することが大切です。かかとがひび割れてしまう前に、尿素クリームやヘパリン類似物質の保湿剤を使ってケアしましょう。
入浴後のケア
入浴後は皮膚が乾燥しやすいため、体を拭いたらすぐに保湿剤を使用してください。
保湿剤の使用後は、患部をラップで巻いてパックしたり、蒸したタオルで温めたりすると、成分が皮膚に浸透しやすくなります。乾燥が気になるときのスペシャルケアとして取り入れてみても良いでしょう。
皮膚のターンオーバーを整える
ターンオーバーの周期が乱れる原因は、紫外線などの外的な刺激や、生活習慣の乱れなどです。紫外線を防ぐためには、丈が長い服を着たり、日焼け止めを活用したりすると良いでしょう。また、食生活の乱れや睡眠不足、精神的なストレスなどもターンオーバーが乱れる原因になります。普段の生活を見直し、健康な肌を目指しましょう。良い生活習慣が肌を健康に保ちます。
かかとの角質は削っても良い?
かかとの厚くなった角質が気になる場合は、基本的には削る処置を行っても問題ありません。ただし、削っていいのは硬く、厚くなった部分に限ります。硬くなっていない正常な皮膚組織を削ってしまうと皮膚トラブルの原因になるため、無理に削ってしまって症状を悪化させないように注意しましょう。
かかとの角質の削り方
かかとの角質を削る場合は角質がやわらかくなっている入浴後がおすすめです。
市販されているかかとの角質用やすりなどを使って角質を削りましょう。やすりは清潔な状態で使用してください。
かかとの角質を削る際は、正常な肌を傷つけないことが最も大切です。状態を悪化させないよう慎重に削ることを心がけてください。
削った後のケア
削った後の皮膚はとても敏感です。削った後はヘパリン類似物質を含む保湿剤などで保湿すると良いでしょう。
保湿剤を使った後は靴下をはいて保護するのもおすすめです。靴下に保湿剤が付着してしまうのが気になる場合は、包帯などを使ってかかとを保護しましょう。

昭和大学大学院薬学研究科修了
昭和大学薬学部客員講師
株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局
薬局、ドラッグストアで臨床経験を積み、その後昭和大学薬学部の教員、チェーンドラッグストア協会の教育機関でOTCの研修講師を務める。
【著書】
•現場で差がつく! もう迷わない! ユーキャンの登録販売者お仕事マニュアル 症状と成分でわかるOTC薬
•現場で差がつく! ユーキャンの新人登録販売者お仕事マニュアル

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