市販の睡眠改善薬の選び方
2023年7月現在、販売されている市販の睡眠改善薬は有効成分としてジフェンヒドラミン塩酸塩が配合されています。
ジフェンヒドラミン塩酸塩が配合されている市販の睡眠改善薬は、有効成分や記載されている効能効果は同じです。
剤形については、錠剤タイプやカプセルタイプなどがあるので、自身が飲みやすいものを選びましょう。
各商品の大きな違いとしては、販売価格が異なるため、価格を軸に選ぶのもひとつの手段です。
一部の商品には香り付けにラベンダーアロマなどが配合されているものもあるので、そういった好みで選ぶのも良いでしょう。
市販の睡眠改善薬の違いを比較
市販されている睡眠改善薬の一部を例に挙げて、それぞれの違いを詳しく比較してみましょう。
成分・剤形の比較
商品名 | 剤形 | ジフェンヒドラミン塩酸塩(有効成分)配合量/1日分 |
---|---|---|
ドリエル | 錠剤 | 50mg |
ドリエルEX | カプセル | 50mg |
リポスミン | 錠剤 | 50mg |
ハイヤスミンA | 錠剤 | 50mg |
ネオデイ | 錠剤 | 50mg |
基本的には錠剤が多く、今回比較したなかではドリエルEXだけがカプセルタイプです。有効成分の1日分の配合量はいずれの睡眠改善薬も同じです。
また、有効成分はいずれもジフェンヒドラミン塩酸塩で同じですが、ドリエルEXには香料としてラベンダーアロマが配合されています。
1回分の用法・用量での比較
商品名 | 用法用量 |
---|---|
ドリエル | 1回2錠 |
ドリエルEX | 1回1カプセル |
リポスミン | 1回2錠 |
ハイヤスミンA | 1回2錠 |
ネオデイ | 1回2錠 |
一般的な睡眠改善薬は1回当たりの服用量が2錠ですが、ドリエルEXは1カプセルであることが特徴です。
市販の睡眠改善薬5選|おすすめはある?
市販の睡眠改善薬の中から5種類の薬をピックアップしました。いずれの薬も成分が同じなため、特別取り上げておすすめする薬はなく、どれを選んでも良いでしょう。
剤形や価格、メーカーなどから自身に合った薬を選びましょう。
ドリエル
ドリエル 6錠【指定第二類医薬品】
メーカー | 剤形 |
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エスエス製薬 | 錠剤 |
ドリエルEX
ドリエルEX 6CP【指定第二類医薬品】
メーカー | 剤形 |
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エスエス製薬 | カプセル |
ドリエルEXの特徴は、香料としてラベンダーアロマが配合されているところです。有効成分・1日成分量はドリエルと変わりません。
リポスミン
リポスミン 12錠【指定第二類医薬品】
メーカー | 剤形 |
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皇漢堂製薬 | 錠剤 |
ハイヤスミンA
ハイヤスミンA 10錠(指定第2類医薬品)【指定第二類医薬品】
メーカー | 剤形 |
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大昭製薬 | 錠剤 |
ネオデイ
ネオデイ 12錠【指定第二類医薬品】
メーカー | 剤形 |
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大正製薬 | 錠剤 |
不眠症に効く市販薬|体質から改善したい人に
市販の睡眠改善薬は、ストレスや緊張、その時の体調などで一時的に眠れないような症状に適した薬です。一方で、慢性的な不眠を改善することは期待できません。
ここでは、疲れや不安からくる不眠症に効果がある市販薬を紹介します。
漢方ナイトミン 72錠(第2類医薬品)【第二類医薬品】
酸棗仁湯は、どちらかといえば体力がなく、心身が疲れて眠れない方に適した漢方薬です。
漢方の酸棗仁湯処方のお薬である漢方ナイトミンは、心身のバランスを整え、続く不眠を改善します。
錠剤のため、漢方独特の苦味が苦手な方でも比較的飲みやすいお薬です。
効能効果 |
体力中等度以下で、心身が疲れ、精神不安、不眠などがあるものの次の諸症: 不眠症、神経症 |
睡眠改善薬のおすすめの使用タイミング
睡眠改善薬を使用するタイミングとしては、就寝する30分くらい前がおすすめです。
添付文書の用法・用量の欄には、就寝前に服用してくださいという記載がありますが、実際は薬を飲んでから効き始めるまでに少し時間がかかるため、眠りたい時間の30分くらい前に服用すると良いでしょう。
睡眠改善薬の副作用と使用上の注意
睡眠改善薬を使用すると、稀に副作用が起こることがあります。
考えられる副作用は次の通りです。
発現部位 | 副作用 |
---|---|
皮膚 | 発疹、発赤、かゆみ |
消化器 | 胃痛、吐き気、嘔吐、食欲不振 |
全身 | めまい、頭痛、起床時の頭重感、昼間の眠気、気分不快、神経過敏、一時的な意識障害(注意力の低下、ねぼけ様症状、判断力の低下、言動の異常等) |
循環器 | 動悸 |
泌尿器 | 排尿困難 |
その他 | 倦怠感 |
また、使用上の注意点として、市販の睡眠改善薬は、寝つきが悪い・眠りが浅いような一時的な不眠には使用できますが、不眠症のような慢性的な不眠症状には使用できません。
睡眠改善薬を使用しても効果があらわれない場合は、使用をやめて一度病院を受診することをおすすめします。
また、不眠症の診断を受けた人が、市販の睡眠改善薬を使用することはできません。
睡眠改善薬に関するよくある質問
睡眠改善薬に関するよくある質問にお答えします。
使用期間はどのくらい?
使用する期間は長くても2〜3日程度にとどめてください。
元々、睡眠改善薬は寝つきが悪い・眠りが浅いような一時的な不眠に対して使用ができるものであって、慢性的な不眠に対しては使用できないためです。
睡眠改善薬を使用しても効果があらわれない場合は、使用をやめて一度病院を受診することをおすすめします。
処方薬の睡眠薬と睡眠改善薬の違いは?
医師から処方される睡眠薬や睡眠導入剤は、慢性的な不眠(不眠症)を対象とするのに対し、市販の睡眠改善薬は寝つきが悪い、眠りが浅いなどの一時的な不眠を対象にしているという点で異なります。
お酒と一緒に飲んでもいい?
睡眠改善薬の添付文書にも記載がありますが、睡眠改善薬をお酒と一緒に服用したり、アルコールが体内に残った状態で服用したりするのはやめてください。
作用が強くあらわれたり、副作用があらわれやすくなるおそれがあります。
妊娠中や授乳中は使用できる?
妊娠中は睡眠改善薬を使用しないでください。
妊娠中に睡眠改善薬を服用すると、新生児に先天異常が発生する可能性があるという報告があるためです。
また、授乳中の場合も、睡眠改善薬の成分が母乳を通じて乳児に移行し、有害な作用を及ぼすおそれがあるため使用しないでください。
妊娠中の不眠に使える市販薬については、こちらの記事で詳しく解説しています。