花粉などによるアレルギー症状(目のかゆみ、充血、鼻炎など)があらわれる理由
花粉などによるアレルギー症状(目のかゆみや充血、鼻炎など)は、空気中に浮遊する異物などが鼻や目の粘膜に付着することであらわれます。
空気中に浮遊している花粉などの異物が鼻や目の粘膜に付着すると、体の細胞からヒスタミンなどの物質が放出されます。
そして放出されたヒスタミンなどの物質によって、鼻水や鼻づまり、目のかゆみなどの様々なアレルギー症状があらわれます。
花粉などによるアレルギー症状
花粉などによるアレルギー症状は、アレルギー性鼻炎とアレルギー性結膜炎が代表的です。
■アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎とは、鼻の粘膜に入った異物を排除しようとするアレルギー反応が過剰に起こることによって、鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの症状があらわれることです。 花粉などによる鼻の症状(鼻水や鼻づまり、くしゃみなど)には、飲み薬や点鼻薬を使いましょう。 |
花粉などによる鼻の症状(鼻水や鼻づまり、くしゃみなど)は、市販されている飲み薬や点鼻薬で症状を軽減することができます。
市販されている飲み薬・点鼻薬については、下記の記事で解説しています。
■アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎とは、花粉などの異物が目に侵入することによって、まぶたの裏側にある結膜に炎症が起こっている状態のことで、かゆみや充血を起こします。 花粉などによる目の症状(目のかゆみや充血など)には、『目薬』使いましょう。 |
花粉などによる目の症状(目のかゆみや充血など)は、市販されている目薬で症状を軽減することができます。
花粉などによる目の症状に効く目薬の選び方
花粉などによる目の症状(目のかゆみや充血など)に使用される目薬には、様々な有効成分が配合されています。
有効成分によって役割が異なるため、ご自身の症状にあわせて薬を選ぶことが大切です。
市販の目薬に配合されている主な有効成分
花粉などの目の症状には、抗アレルギー成分(ケミカルメディエーター遊離抑制成分・抗ヒスタミン成分)が配合された目薬を選びましょう。
ケミカルメディエーター遊離抑制成分は、アレルギー反応を起こす物質の放出を抑えることで、目のかゆみや充血を緩和する効果があります。
また目薬に配合されている抗ヒスタミン成分は、目のかゆみを直接おさえる効果があります。
抗炎症成分は充血の原因のひとつとなる目の炎症をおさえる効果があります。
特に目のかゆみや充血が気になる方は、ケミカルメディエーター遊離抑制成分に加えて抗ヒスタミン成分や抗炎症成分が配合された目薬がおすすめです。
有効成分 | 効果 |
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ケミカルメディエーター |
目のかゆみや充血を緩和する |
抗ヒスタミン成分 |
目のかゆみを直接おさえる |
抗炎症成分 |
目の炎症を緩和 |
花粉による目の症状には洗眼薬でのセルフケアも
花粉による目の症状に対しては、『アレルギー性結膜炎疾患診療ガイドライン|診断と治療のポイント』のなかで、人工涙液による洗眼をセルフケアとして推奨しています。
セルフケアとして洗眼をおこなうと、目の表面の花粉などを洗い流し、アレルギーの原因となる異物を除去できます。
ただし市販されているカップ式の洗浄器具は、目の周囲についている花粉なども洗浄液の中に浮遊して目の中に入ってしまうため、推奨されていません。
ガイドラインではこまめな洗眼をするため、防腐剤無添加の人工涙液が勧められています。
参照:アレルギー性結膜炎疾患診療ガイドライン|診断と治療のポイント
花粉などによる目の症状(かゆみ、充血など)に効く市販の目薬を紹介
アレジフェンス|病院で処方される目薬と同じ有効成分が配合
アレジフェンス 5ml×2本【第二類医薬品】
有効成分 | コンタクト装着中の 使用可否 |
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アシタザノラスト水和物 |
ソフト:☓ ハード:☓ カラー:☓ |
アレジフェンスは、ケミカルメディエーター遊離抑制成分である、”アシタザノラスト水和物のみ”が配合されたシンプルな目薬です。(添加物は配合されています)
アシタザノラスト水和物は、医療用医薬品のゼペリン点眼液にも含まれている有効成分です。
アシタザノラスト水和物が、アレルギー症状を引き起こす化学伝達物質の放出をおさえることで花粉などによる目のかゆみなどのアレルギー症状を緩和します。
アレジフェンスは”小ボトル”のため、外出の際の持ち歩きにも便利です。
効果・効能 |
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花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような目のアレルギー症状の緩和:目の充血、目のかゆみ、目のかすみ(目やにの多いときなど)、なみだ目、異物感(コロコロする感じ) |
ロートアルガードクリアマイルドZ|スーッとした使い心地が苦手な方に
ロートアルガードクリアマイルドZ【第二類医薬品】
有効成分 | コンタクト装着中の 使用可否 |
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・クロモグリク酸ナトリウム ・クロルフェニラミンマレイン酸塩 ・プラノプロフェン ・コンドロイチン硫酸エステルナトリウム |
ソフト:☓ ハード:☓ カラー:☓ |
ロートアルガードクリアマイルドZは、ケミカルメディエーター遊離抑制成分であるクロモグリク酸ナトリウムと、抗ヒスタミン成分であるクロルフェニラミンマレイン酸塩が、配合された目薬です。
クロモグリク酸ナトリウムとクロルフェニラミンマレイン酸塩が、アレルギー症状を緩和し花粉などによる目のかゆみなどの症状に効果を発揮します。
また抗炎症成分のプラノプロフェンが、充血などの症状に効果を発揮します
さらに清涼剤無添加のため、スーっとした使い心地が苦手な方にオススメです。
効果・効能 |
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花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような目のアレルギー症状の緩和:目の充血、目のかゆみ、目のかすみ(目やにの多いときなど)、なみだ目、異物感(コロコロする感じ) |
ロートアルガードコンタクトa|コンタクト装着中の目のかゆみ・不快感に効く
ロートアルガードコンタクトa【第三類医薬品】
有効成分 | コンタクト装着中の 使用可否 |
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・クロルフェニラミンマレイン酸塩 ・コンドロイチン硫酸エステルナトリウム ・ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩) |
ソフト:◯ ハード:◯ カラー:☓ |
ロートアルガードコンタクトaは、ソフトコンタクトレンズ(カラーコンタクトレンズを除く)及びハードコンタクトレンズ(酸素透過性を含む)装用中にも使用できる目薬です。
抗ヒスタミン成分であるクロルフェニラミンマレイン酸塩が配合され、目のかゆみやコンタクト装着中の不快感に効果を発揮します。
効果・効能 |
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目のかゆみ、目の疲れ、眼病予防(水泳のあと、ほこりや汗が目に入ったときなど)、紫外線その他の光線による眼炎(雪目など)、ソフトコンタクトレンズ又はハードコンタクトレンズを装着しているときの不快感、目のかすみ(目やにの多いときなど) |
ウェルウォッシュアイ|花粉による目の症状のセルフケアに
ウェルウォッシュアイ 10mL×2本【第三類医薬品】
有効成分 | コンタクト装着中の 使用可否 |
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ホウ酸 |
ソフト:◯ ハード:◯ カラー:☓ |
ウェルウォッシュアイは裸眼でも、コンタクトをしたままでも(カラーコンタクトは除く)目の洗浄ができる『点眼型洗眼薬』です。
ウェルウォッシュアイは、目の周囲についている花粉などを目にいれることなく『目の表面だけ』を洗浄することができます。
ウェルウォッシュアイは、コンタクトをしたままでも(カラーコンタクトは除く)使用できますが、少しでも異常を感じた場合は、コンタクトをはずし、速やかに眼科を受診してください。
■注意点
・ウェルウォッシュアイは洗眼薬であり、治療を目的とした点眼薬ではありません。 ・ウェルウォッシュアイは、コンタクトレンズ洗浄液ではありません。 |
効果・効能 |
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目の洗浄、眼病予防(水泳のあと、ほこりや汗が目に入ったときなど) |
市販の目薬に配合されている主な成分について
ここでは、市販の目薬に配合されている主な成分について解説します。
目のかゆみに効く成分
花粉などによる目のかゆみなどのアレルギー症状に対して効果を発揮する成分を抗アレルギー成分といいます。
抗アレルギー成分のなかには、ケミカルメディエーター遊離抑制成分と抗ヒスタミン成分などの種類がありそれぞれ作用が異なります。
また成分によっては、両方の作用を併せ持つものもあります。
■ケミカルメディエーター遊離抑制成分
ケミカルメディエーター遊離抑制成分はアレルギー反応を起こす物質の放出を抑えることで、目のかゆみや充血などのアレルギー症状をおさえます。
ケミカルメディエーター遊離抑制成分は、花粉症などのアレルギー専用の目薬に含まれている成分です。
■抗ヒスタミン成分
抗ヒスタミン成分は、かゆみの原因物質であるヒスタミンの働きを抑え、目のかゆみを直接おさえます。
すでに目のかゆみが出ていてる方は、抗ヒスタミン作用を持つ成分が配合された目薬を使用すると良いでしょう。
ケミカルメディエーター 遊離抑制成分 |
・クロモグリク酸ナトリウム ・アシタザノラスト水和物 ・ケトチフェンフマル酸塩など |
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抗ヒスタミン成分 | ・クロルフェニラミンマレイン酸塩 ・ケトチフェンフマル酸塩など |
目の充血に効く成分
目の充血がある場合は、抗炎症成分が入った目薬を選ぶと良いでしょう。
抗炎症成分によって、目の充血の原因のひとつとなる目の炎症をおさえることができます。
プラノプロフェンは炎症の原因となるプロスタグランジンという物質の生成を抑制することで、グリチルリチン酸二カリウムはアレルギー原因成分の放出をおさえることで目の炎症をおさえます。
抗炎症成分 | ・プラノプロフェン ・グリチルリチン酸二カリウム |
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その他の成分
市販の目薬には、抗アレルギー成分や抗炎症成分の他にも、様々な成分が配合されています。
多くの成分が配合された目薬は、目のかゆみだけでなく、目のトラブルとして多い乾燥や疲れなどの症状の緩和が期待できます。
コンドロイチン | 目の角膜を保護し、乾燥・花粉の付着を防ぐ。 |
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タウリン | 目に栄養を与え、目の疲れを緩和する。 |
ピリドキシン | 目の新陳代謝を促進し、疲れを緩和する。 |
市販の目薬を使用するときの注意点
ここでは市販の目薬を使用する際の主な注意点について解説します。
正しい使い方について
■市販の目薬の使い方
目薬の使用は以下の流れで行ってください。正しく使うことで薬の効果を十分に発揮することができます。
1.手を洗う
点眼の際に、目の周りや容器の先に手が触れてしまうことがあるため、手をしっかりと洗い、清潔な状態にしてから使用してください。
2.点眼する
下まぶたを指で下に軽く引っ張り、下まぶたの内側に点眼します。
点眼時に容器がまぶたやまつ毛に触れないようにしましょう。皮膚などに付着しているほこりや雑菌が容器に付着しないように注意してください。
3.拭き取る
溢れた点眼液は清潔なガーゼやティッシュで拭き取りましょう。そのままにしておくと、目の周りの皮膚が、点眼液でかぶれてしまうおそれがあります。
4.目を閉じる
点眼後は1~5分程度目を閉じるか、目頭を軽く押さえ、成分を目全体に行き渡らせましょう。
■ウェルウォッシュアイの使い方
1.あふれた液を吸い取るために、事前に清潔なティッシュなどを準備してください。
2.清潔な手で下まぶたを引っ張り、洗い流すように「1回4〜6滴、1日3〜6回」点眼することにより目を洗浄してください。
3.点眼する時は、容器の先がまぶたやまつ毛、目に触れないように注意してください。※まばたきをしても構いません。
アレルギー用目薬とウェルウォッシュアイの併用について
アレルギー用目薬とウェルウォッシュアイを併用する場合には、先にウェルウォッシュアイを使用し、少なくとも『5分以上の間隔』をあけてからアレルギー用目薬を使用してください。
妊娠中・授乳中の使用について
妊娠中の方は、市販の目薬を使用する前にかかりつけの医師にご相談ください。
授乳中の方は、薬によっては使用できない場合があるため、購入する前に薬の添付文書をご確認ください。
市販の目薬に関するQ&A
ここでは市販の目薬に関するQ&Aについて解説します。
市販の目薬と病院で処方される目薬との違いは?
市販の目薬と病院で処方される目薬では、「有効成分の配合量」が違います。
市販の目薬の場合は、安全性が最優先されるため、有効成分の配合量が病院で処方される目薬に比べて少なめになっているものが多いです。
また病院で処方される目薬の場合は、有効成分が1種類のものが多いですが、市販の目薬の場合は複数の有効成分が配合されているものが多くあります。
目薬を使用した後に口の中に甘みを感じます。問題ないですか?
目薬を使用した後に口の中に甘みを感じても、問題はありません。
目と鼻、口はつながっているため、点眼後に薬液が鼻や口に出てくることがあります。
そのため苦味や甘味などを持つ成分を配合する目薬を点眼すると、点眼後にその成分の苦みや甘みなどを感じることがあります。
去年購入した目薬を使用してもいいですか?
使用期限(外箱及びラベルに記載)を過ぎた目薬は、使用しないでください。
なお、外箱及びラベルに記載されている使用期限は、『未開封状態』での目薬の品質を保証する期間です。
開封後は使用方法・保管方法を守り、適切な期間内に使用するようにしてください。
開封後の目薬の使用期限は商品によって異なるため、薬の添付文書や商品サイトなどをご確認ください。