子どもの花粉症|鼻・目・肌の症状に使える市販薬を解説
更新日:
薬剤師監修日:
子どもの花粉症は年々増えており、子ども用の市販薬もあります。ただし花粉症と疑われる症状がある場合は、適切な治療を行うためにまずは病院の受診をおすすめします。この記事では、子どものためにできる花粉症対策や花粉対策用の市販薬とその選び方を解説します。

子どもの花粉症について
大人でもつらい花粉症ですが、年々他のアレルギーと同様に花粉症を発症する子どもが増えており、2〜3歳で発症することも少なくありません。特に小さいお子様の場合はうまく症状が伝えられないため、保護者が気をつけて早めに適切なケアを始めることが大切です。
子どもの花粉症の特徴
子どもは鼻が小さくつまりやすいため、子どもの花粉症は、くしゃみよりも鼻づまりが多い傾向にあります。子どもの花粉症を見分けるポイントとして、鼻がつまると息をしづらくなるため、口をあけているかどうかをチェックしてみましょう。子どもが口呼吸をしていると、鼻づまりを起こしているかもしれません。鼻がムズムズするため、鼻や口を動かすこともあります。
また子どもは、目のかゆみ・充血など、目の症状をともなうことも多いです。
症状 |
・主な症状はくしゃみよりも鼻づまり ・口呼吸をしている ・鼻をよくすする、ピクピク動かす ・口をもぐもぐさせる ・透明でサラサラした鼻水だけではなく少し粘っこい鼻水もある ・目をよくこする ・いびきをかく |
---|
花粉症かな?と思ったらまずは病院で検査しましょう
お子様が鼻づまりや目のかゆみで睡眠不足になると、昼間ぼーっとする、元気がないといった様子がみられるようになります。
春先などの花粉シーズンに様子の変化を感じたら、まずは一度病院を受診し、原因を明らかにしましょう。出ている症状が鼻であれば原因が鼻かぜによる一時的なものなのか、花粉症なのか、花粉以外のアレルギーによるものなのかなどを調べることで、効果的な治療を行うことができます。
何科を受診すればよいか迷った時は、かかりつけの小児科または耳鼻咽喉科、アレルギー科、眼科を受診しましょう。どんな症状が強く出ているかによって、受診する科を選びましょう。
市販薬を使うのもひとつの手
子どものための花粉症対策で最も大切なことは、大人同様花粉をできるだけよせつけないようにすることです。学校などの外出時にはマスクやメガネを着用させる、帰宅時には手洗い・うがい・洗顔を促すなど花粉症対策を習慣づけるようにしましょう。
鼻や目などの症状の原因が花粉と分かっている場合は、子ども用の市販薬で症状をおさえることもできます。ただし市販薬を使う場合は、用法・用量を守り、正しくお使いください。また、薬の添付文書にある使用期間を過ぎても症状がよくならない場合はなるべく早く病院を受診しましょう。
子ども用の市販薬の選び方
花粉対策に使える市販薬は、飲み薬・点鼻薬・目薬があります。飲み薬・点鼻薬はどちらも鼻水・鼻づまり・くしゃみの症状を改善しますが、飲み薬の中には皮膚のかゆみなどに使える薬もあります。飲み薬と点鼻薬はおさえたい症状やお子様の好みに合わせて選びましょう。
また、目のかゆみや充血が見られる場合は、目薬を使いましょう。ただし目薬だけでは症状がおさまらない、他に鼻の症状もあるという方は、飲み薬や点鼻薬も併用しましょう。
飲み薬 (内服薬) |
・鼻水・鼻づまり・くしゃみがある方に ・皮膚のかゆみなどの肌トラブルに使える薬もある ・飲むだけで済むため使いやすい |
---|---|
点鼻薬 |
・鼻水・鼻づまり・くしゃみがある方に ・眠気の副作用は飲み薬と比べて少ない、もしくはない |
目薬 | ・目のかゆみ・充血に |
薬の使用年齢に注意しましょう
2才未満の乳幼児は薬の有効性や安全性に関するデータが限られています。2歳未満のお子様の場合は医師の診察を受けさせることを優先し、すぐに病院に行けない時など止むを得ない場合にのみ使用してください。また、目薬については、自分の目の症状や目薬のさし心地などについて意志表示ができる年齢になってから使用することをおすすめします。
花粉による鼻・肌の症状に効く飲み薬|子ども用
子ども用の飲み薬は、薬によって対象年齢が異なります。また、飲みやすいように味や剤形を工夫している薬もあります。子ども用の飲み薬は、以下のポイントを軸に使用するシーンや好みに合わせて選びましょう。
飲み薬を選ぶポイント |
・対象年齢 ・使える症状 ・剤形 ・味 ・1日の服用回数 ・眠気の有無 |
---|
眠気を避けるなら第2世代の抗ヒスタミン薬もしくは漢方薬を
花粉症の治療薬として病院では主に抗ヒスタミン薬が処方されており、市販薬としても数多くの種類が販売されています。
抗ヒスタミン薬は、アレルギーの原因となるヒスタミンなどの物質をおさえますが、成分によって第1世代と第2世代に分けられています。第2世代の抗ヒスタミン薬は第1世代に比べて、眠気などの副作用があらわれにくくなっています。
アレグラFXジュニア|7〜14歳
アレグラFXジュニア16錠【第二類医薬品】

有効成分 | 特徴 | |
---|---|---|
フェキソフェナジン塩酸塩 | 使える症状 | 花粉などによる鼻水・鼻づまり・くしゃみ |
剤形 | 小さな錠剤 | |
服用回数 | 1日2回 | |
眠気の有無 | 眠くなりにくい |
アレグラFXジュニアはフェキソフェナジン塩酸塩のみを配合した小・中学生用の薬です。第1世代抗ヒスタミン薬に比べて眠くなりにくいため、勉強中眠くなっては困るなどといった方におすすめです。
レスタミンコーワ糖衣錠|5歳から
レスタミンコーワ糖衣錠 80錠【第二類医薬品】

有効成分 | 特徴 | |
---|---|---|
ジフェンヒドラミン塩酸塩 | 使える症状 | 鼻炎、かゆみ、かぶれ、湿疹 |
剤形 | 糖衣錠(甘味成分で包まれた錠剤) | |
服用回数 | 1日3回 | |
眠気の有無 | 眠くなりやすい |
レスタミンコーワ糖衣錠に含まれるジフェンヒドラミン塩酸塩はアレルギー反応をおさえ、かゆみやかぶれなどの肌の症状も鎮めます。また、ジフェンヒドラミン塩酸塩は第1世代抗ヒスタミン薬であるため、第2世代に比べて眠くなりやすいです。
宇津こども鼻炎シロップA|3か月〜10歳
宇津こども鼻炎シロップA 120ML(指定第2類医薬品)【指定第二類医薬品】

有効成分 | 特徴 | |
---|---|---|
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩 dl-メチルエフェドリン塩酸塩 ベラドンナ総アルカロイド グリチルリチン酸ニカリウム |
使える症状 | 急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による鼻水・鼻づまり・くしゃみなど |
剤形 | ぶどう味のシロップ | |
服用回数 | 1日3回 | |
眠気の有無 | 複合成分のため個人差あり |
宇津こども鼻炎シロップAは、くしゃみ、鼻水、鼻づまりだけでなく、なみだ目、のどの痛み、頭重といった症状も改善します。
有効成分に含まれるd-クロルフェニラミンマレイン酸塩は第1世代抗ヒスタミン薬であるため、第2世代に比べて眠くなりやすいです。ただし、抗ヒスタミン以外の成分が配合されているため、眠気の感じ方には個人差があります。
ツムラ漢方小青竜湯エキス顆粒|2歳から
ツムラ漢方小青竜湯エキス顆粒 20包【第二類医薬品】

有効成分 | 特徴 | |
---|---|---|
小青竜湯エキス(1/2量)2.5g | 使える症状 | アレルギーや風邪による鼻の症状 |
剤形 | 顆粒 | |
服用回数 | 1日2回 | |
眠気の有無 | 眠くならない |
小青竜湯は、2歳以上のお子様の鼻水などに効く薬です。
漢方薬であるため眠くなる成分は配合されておりません。年齢に応じて量を調整しながら飲むことができます。
花粉による鼻の症状に効く点鼻薬|子ども用
7歳以上から使えますが、7歳以上のお子様に使う場合は保護者の指導のもと使用してください。
商品画像 | 特徴 |
---|---|
![]() |
・鼻の症状に ・抗アレルギー+抗ヒスタミン+抗炎症+血管収縮成分配合 ・1日3〜5回 |
エージーノーズアレルカットS|7歳から
エージーノーズアレルカットS 15ml【第二類医薬品】
有効成分 | 分類 |
---|---|
クロモグリク酸ナトリウム | 抗アレルギー成分(ケミカルメディエーター遊離抑制) |
クロルフェニラミンマレイン酸塩 | 抗ヒスタミン成分 |
グリチルリチン酸二カリウム | 抗炎症成分 |
ナファゾリン塩酸塩 | 血管収縮成分 |
花粉などによる鼻水・鼻づまり・くしゃみ・頭重感に効きます。
1日3〜5回使えますが、症状の改善がみられても2週間を超えて使用する場合は医師・薬剤師にご相談ください。
花粉による目の症状に効く目薬|子ども用
ロートこどもソフト|4か月から
ロートこどもソフト 8ML(第3類医薬品)【第三類医薬品】

有効成分 | 特徴 | |
---|---|---|
アミノエチルスルホン酸 クロルフェニラミンマレイン酸塩 ビタミンB6 L-アスパラギン酸カリウム |
使える症状 | 目のかゆみ・充血など |
使用回数 | 1日5〜6回 | |
清涼感 | なし |
抗ヒスタミン成分のクロルフェニラミンマレイン酸塩が花粉による目のかゆみを鎮めます。また、ビタミンB6が新陳代謝を促進し、L-アスパラギン酸カリウムが花粉時期に感じる目の疲れを癒します。
目のかゆみに心地よい、しみないさし心地です。ソフトコンタクトレンズを着用したままの使用はできません。
●上手な目薬のさし方
・お子様の目の周りをふいてから、目頭に目薬を2〜3滴落としてまばたきさせると自然に液が目に入ります。
・ティッシュなどで目の周りをふいた後、軽く目頭を押さえて1分程度目を閉じているのが効果的です。
花粉対策用の飲み薬はいつまで飲み続ける?
花粉対策用の飲み薬は、症状の改善がみられても、よくなった症状を維持するために花粉飛散終了まで継続してお使いいただくことが大切です。ただし、継続して服用するときは医師や薬剤師に相談が必要な薬もあるため、自己判断で長期間服用しないようにしましょう。
また、次の服用期間を超えても症状がよくならない場合は、他に原因があることも考えられるため、医師・薬剤師にご相談ください。
●アレグラFXジュニア
3~4日間服用しても症状の改善がみられない場合は服用を中止し、医師・薬剤師に相談してください。また、症状の改善がみられても2週間を超えて服用する場合もご相談ください。
●レスタミンコーワ糖衣錠
5〜6日間服用しても症状の改善がみられない場合。
●宇津こども鼻炎シロップA
5~6回服用しても症状がよくならない場合。
●小青竜湯
1か月程度(ただし風邪に服用する場合には5〜6日間)服用しても症状の改善がみられない場合。
子どものための花粉症対策
花粉症対策の基本は、花粉をなるべく浴びないようにすることです。日常生活においてもお子様が普段と同じ生活を送れるよう、できるだけ花粉を遠ざけてあげましょう。
●花粉の飛散量が多い昼間の外出はできるだけ避ける
●飛散量が多い時はマスクやメガネを使用する
●花粉が付着しやすいウールの服は避ける
●洗濯物や布団を外に干さない
●部屋の換気は花粉の飛散量が少ない早朝か深夜に短時間で
●家に入る前に衣類や髪についた花粉をはらう
●帰宅してからは洗顔、うがいで花粉を洗い流し、鼻をかむ
●空気清浄機で舞い上がった花粉を取り除く
●床に花粉がたまらないよう掃除機や濡れ雑巾などでこまめに掃除する
その他にも、水や市販の洗浄液で眼や鼻を洗浄すると症状が緩和されることもありますが、花粉が逆流して戻り、かえって症状悪化に繋がる恐れもあります。そのため、まずは医師へご相談いただくことをおすすめします。
大人の花粉対策に使える市販薬
大人の花粉対策に使える市販薬には、子ども用の市販薬と同じく抗ヒスタミン薬や漢方薬、点鼻薬、アレルギー用目薬がありますが、選べる薬の種類が異なります。
以下の記事では、大人の花粉対策に使える市販薬だけでなく、花粉時期の肌荒れや喉の痛みなどに効く市販薬も紹介しています。
記事で紹介されている商品一覧
メルマガ登録ですぐに使えるクーポンをGET!
ミナカラのメールマガジンでは、お得なクーポンやセール情報、健康管理に役立つ豆知識を発信中!
メルマガの新規登録で、すぐに使える500円OFFクーポンがご利用いただけます! ご登録方法はメールアドレスを入力するだけ! 不要になったら配信停止も簡単です。メルマガ登録ですぐに使えるクーポンをGET!
ミナカラのメールマガジンでは、お得なクーポンやセール情報、健康管理に役立つ豆知識を発信中!
メルマガの新規登録で、すぐに使える500円OFFクーポンがご利用いただけます! ご登録方法はメールアドレスを入力するだけ! 不要になったら配信停止も簡単です。この記事は参考になりましたか?
関連記事
【2023年】花粉症の市販薬の選び方を解説|症状・目的別に紹介
花粉による症状は、鼻みず、鼻づまり、くしゃみなどの鼻の症状、目のかゆみや充血などの目の症状があらわれることが多いです。花粉症の薬を選ぶ際は、ご自身の症状にあわせて選ぶことをおすすめします。この記事では、花粉による様々な症状に効く市販薬を種類ごとに紹介します。

アレルギー性鼻炎用市販薬の選び方|飲み薬と点鼻薬の使い分けを解説
アレルギー性鼻炎用の市販薬には飲み薬(内服薬)と点鼻薬があります。この記事では薬の選び方に加えて、飲み薬と点鼻薬の併用や使い分け、今日からできるアレルギー性鼻炎の対策について解説します。

子ども向け市販の風邪薬5選 |薬の選び方とNG成分を解説
子どもが使える風邪薬の市販薬の選び方を解説。子どもが使用できる成分と避けたほうがいい成分を紹介。あわせて子どもが使用できる市販の風邪薬を6つピックアップ。症状ごとに適した薬を紹介します。

子どもの乾燥肌に使える市販薬(保湿剤)を紹介|クリームタイプ、ローションタイプなど
子どもの肌は大人に比べて皮脂の分泌量が少ないため、大人よりも乾燥しやすいといえます。 また、皮膚のバリア機能も未発達でデリケートな状態のため、乾燥など外部からの刺激によって様々な皮膚トラブルを引き起こやすいです。 この記事では、子どもの乾燥肌に使える市販薬や乾燥肌対策などについて解説しています。
