花粉症の薬と風邪薬は併用できる?
一般的に花粉による鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの症状には、抗ヒスタミン成分が配合された飲み薬が使用されています。
市販されている風邪薬の中には花粉症の飲み薬と併用できる薬もありますが、成分によっては併用できない薬もあるため注意が必要です。
成分によっては併用できる風邪薬もある
市販されている風邪薬の中には、花粉症の飲み薬と同じく抗ヒスタミン成分が配合されている薬があります。その場合、成分が重複して思わぬ副作用を引き起こすおそれがあるため併用はできません。
花粉症の薬とあわせて市販の風邪薬を服用したい場合は、抗ヒスタミン成分が配合されていない風邪薬を選びましょう。
抗ヒスタミン成分を含む風邪薬の使用上の注意の例 |
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本剤を服用している間は、次のいずれの医薬品も使用しないで下さい。 他のかぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮静薬、鎮咳去痰薬、抗ヒスタミン剤を含有する内服薬等(鼻炎用内服薬、乗物酔い薬、アレルギー用薬等) |
花粉症の薬と併用できる市販の風邪薬
この記事で紹介する風邪薬は抗ヒスタミン成分が含まれておらず、花粉症の薬と併用が禁止されていません。
ただし、薬を服用する際は添付された説明文書を確認し、用法・用量も守って服用してください。また、他の薬と併用したい場合や不安な点がある場合は、医師・薬剤師に相談してください。
改源錠
改源錠 36錠(指定第②類医薬品) 限定パッケージ
特徴 |
・抗ヒスタミン成分が入っていない風邪薬 ・3種類の生薬成分を配合 ・対象年齢|5歳以上 |
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解熱作用や頭痛などの痛みを鎮める作用がある成分に加えて、3種類の生薬成分を配合した風邪薬です。抗ヒスタミン成分が配合されていません。
5歳から服用でき、のどの痛み、発熱、頭痛、せき、たん、悪寒、関節の痛み、筋肉の痛みなどの風邪の諸症状に効きます。
パブロン50
パブロン50錠 48錠【第二類医薬品】
特徴 |
・抗ヒスタミン成分が入っていない風邪薬 ・喉の乾燥を潤す”麦門冬湯エキス”を配合 ・対象年齢|15歳以上 |
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喉の乾燥を潤す”麦門冬湯エキス”を配合した風邪薬です。抗ヒスタミン成分が配合されていません。
15歳から服用でき、のどの痛み、悪寒、発熱、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み、たんなどの風邪の諸症状に効きます。
市販の風邪薬の選び方
市販されている風邪薬は様々な種類が販売されています。市販の風邪薬の選び方については以下の記事で詳しく解説しています。
花粉症に風邪薬は効く?
花粉症と風邪の症状はよく似ていますが、風邪には風邪薬を、花粉によるアレルギー症状には抗ヒスタミン薬など、効能・効果にあった薬を使用しましょう。
効能・効果の範囲外の症状には使用できない
市販薬には、効能・効果が定められており、薬に添付された説明文書などに記載されています。
効能・効果の範囲外の症状に対して、薬を使用することはできないため、薬を選ぶ際は効能・効果の欄を確認しましょう。
一般的な風邪薬の効能・効果の例 |
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かぜの諸症状(のどの痛み、発熱、頭痛、せき、たん、悪寒、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和 |
一般的な花粉症の薬(抗ヒスタミン薬)の効能・効果の例 |
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花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和:くしゃみ、鼻みず、鼻づまり |
花粉による鼻水、鼻づまり、くしゃみに効く市販薬の選び方
花粉による鼻水、鼻づまり、くしゃみには、抗ヒスタミン薬と呼ばれる飲み薬が使用されています。
抗ヒスタミン薬には多くの成分があり、成分によって第1世代と第2世代に分けられます。第2世代の抗ヒスタミン薬は第1世代の特徴であった、眠気・口が渇くなどの副作用があらわれにくくなっています。
また、成分によっては湿疹・かぶれによる皮膚のはれ、かゆみに効く薬も市販されています。
アレジンAZ錠【第二類医薬品】
特徴 |
・第2世代の抗ヒスタミン成分『アゼラスチン塩酸塩』 ・第1世代に比べて眠くなりにくい ・花粉による鼻みず、鼻づまり、くしゃみに効く ・じんましん、湿疹・かぶれによる皮膚のはれ、かゆみに効く |
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効能効果 | ○花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和:くしゃみ、鼻みず、鼻づまり ○じんましん、湿疹・かぶれによる次の症状の緩和:皮膚のはれ、かゆみ |
アレジンAZ錠は第2世代の抗ヒスタミン成分『アゼラスチン塩酸塩』を配合した市販薬です。花粉による鼻みず、鼻づまり、くしゃみに加えて、湿疹・かぶれによる皮膚のはれ、かゆみにも効きます。第1世代の抗ヒスタミン薬と比較して、眠気や集中力の低下などの副作用があらわれにくいことが特徴です。
花粉による鼻の症状に効く飲み薬は、成分などの異なる様々な薬が市販されています。対象年齢や効能・効果、1日の服用回数、眠気の有無などの特徴から、自分にあった市販薬を選びましょう。
花粉による鼻の症状に効く飲み薬の選び方は、以下の記事で詳しく解説しています。
花粉による目のかゆみ、充血に効く市販薬の選び方
花粉などの目の症状には、抗アレルギー成分(ケミカルメディエーター遊離抑制成分・抗ヒスタミン成分)が配合された目薬を選びましょう。
ケミカルメディエーター遊離抑制成分は、アレルギー反応を起こす物質の放出を抑えることで、目のかゆみや充血を緩和する効果があります。
また目薬に配合されている抗ヒスタミン成分は、目のかゆみを直接おさえる効果があり、抗炎症成分は充血の原因のひとつとなる目の炎症をおさえる効果があります。
特に目のかゆみや充血が気になる方は、ケミカルメディエーター遊離抑制成分に加えて抗ヒスタミン成分や抗炎症成分が配合された目薬がおすすめです。
以下の記事では、市販されているアレルギー用目薬の詳しい選び方や、使い方だけでなく、コンタクトを装着したまま使える目薬、点眼型洗眼薬なども紹介しています。
花粉症か風邪かわからないときの対処法
鼻炎症状の原因が花粉なのか風邪なのかわからない場合、まずは病院を受診することをおすすめします。
原因をあきらかにすることで、適した治療方法を選択できます。
鼻炎症状を市販薬で対処したい場合
市販薬には鼻炎症状全般に効く薬もあります。ただし、こういった市販薬には鼻炎症状を緩和する効果はありますが、あくまで一時的な対処のため、症状が続く場合は早めに病院を受診するようにしましょう。
レスタミンコーワ糖衣錠
レスタミンコーワ糖衣錠 80錠【第二類医薬品】
特徴 |
・抗ヒスタミン成分を配合 ・じん麻疹、湿疹、かぶれ、かゆみ、鼻炎に効く ・対象年齢|5歳以上 |
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風邪による鼻炎症状にも、花粉による鼻炎症状にも使える飲み薬です。鼻炎症状の原因がわからないときは選択肢のひとつになりますが、レスタミンコーワ糖衣錠を服用する場合でも早めに病院を受診してください。また、5〜6日間服用しても症状が良くならない場合にも病院を受診してください。
レスタミンコーワ糖衣錠に配合されている抗ヒスタミン成分は、第1世代の抗ヒスタミン成分のため、一般的な花粉症の飲み薬(第2世代抗ヒスタミン薬)に比べて眠くなりやすいことも特徴のひとつです。