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ヤーズの効果|避妊効果・副作用・飲み方・飲み合わせも解説

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薬剤師監修日:

ヤーズは、超低用量ピルのひとつで、月経困難症の治療に使われる薬です。この記事では、ヤーズの効果や避妊効果に加え、体重増加や不正出血などの副作用、飲み方や飲み合わせ、ヤーズフレックスとの違いなどについて解説します。

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監修薬剤師 :ミナカラ薬局 薬剤師 小寺 瑶
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編集者 :株式会社ミナカラ ライター 都筑 亜希
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ヤーズについて

ヤーズは、月経困難症の治療に使われる薬で、正式名を『ヤーズ配合錠』といいます。

ヤーズは、月経周期をコントロールしている、プロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)という2つの女性ホルモンが配合されているホルモン剤です。

いわゆるピルと呼ばれる薬で、副作用を軽減するために卵胞ホルモンの含有量もおさえられていることから、超低用量ピルに分類されています。

ヤーズの成分

ヤーズの成分は『ドロスピレノン』と『エチニルエストラジオール』です。

『ドロスピレノン』は人工的に合成された黄体ホルモンで、『エチニルエストラジオール』も合成による卵胞ホルモンです。

ドロスピレノンは、生体内の自然な黄体ホルモンの働きに近いため、男性ホルモン様作用がほとんどなく、食欲増進、体重増加、多毛、ニキビなどの副作用が出にくいとされています。

ヤーズの購入について

ヤーズは、医師の処方が必要な薬です。薬局やドラッグストアでは購入できないため、医療機関で処方してもらう必要があります。

オンライン診療での処方も

「毎日忙しくて病院に行く時間がない!」という方は、診察から薬の受け取りまでスマホ・PCを通じてヤーズなどのピルを処方してもらうこともできます。
ただし、医師の判断により、検査や対面診療が必要となる場合もあるため、処方可能かどうかオンライン診療を受ける予定の病院にあらかじめ確認しておきましょう。

ミナカラ薬局が提供しているオンラインクリニックでも、ピルに関するご相談ができます。詳しくは、こちらのページをご覧ください。

▶︎ミナカラオンラインクリニック|ピル

ジェネリック医薬品はある?

ヤーズのジェネリック医薬品には、ドロエチ配合錠「あすか」 という名前のジェネリック医薬品が2022年6月から販売されています。

ヤーズのジェネリック医薬品は、2023年5月時点ではドロエチ配合錠「あすか」の1種類のみです。

市販薬はある?

2023年5月時点で、ヤーズと同じ成分を含む市販薬は販売されていません。

ヤーズの効果

ヤーズには、排卵をおさえて、子宮内膜が厚くならないようにする効果があります。具体的には、子宮内膜が厚くなるのを防ぐことで、子宮内膜に多く含まれる痛みの原因となる物質『プロスタグランジン』の産生を減らし、月経困難症による痛みなどの症状をやわらげます。

プロスタグランジンには、生理中、子宮を収縮させ、はがれ落ちた子宮内膜を体外に押し出す役割があります。プロスタグランジンが必要以上に分泌されると、経血を外に押し出そうと子宮が過度に収縮され、痛みも強くなります。

また、ヤーズには次のような特徴があります。

休薬4日間でホルモンの変動による症状を軽減

ヤーズの休薬期間は4日間と、従来のピルの休薬期間である7日間から短くなりました。休薬期間が短縮されたことで、休薬期間における卵胞の発育抑制を維持し、また、休薬による女性ホルモンの変動を少なくすることで、女性ホルモンの低下によって起きる症状(下腹部痛、頭痛等)を軽減する効果が期待できます。

ヤーズの避妊効果は?

ヤーズは、海外では避妊薬として認定されておりますが、日本人における避妊目的での有効性や安全性は確認されておらず、日本国内では、月経困難症の治療薬として承認されています。

避妊が必要な方は、医師に相談するようにしましょう。

ヤーズの副作用

ヤーズの主な副作用として、服用開始初期にホルモンバランスの変化により、不正出血、吐き気、頭痛などがみられることがあります。治療を続けるうちに症状は落ち着きますが、副作用と疑われるような症状に気づいたら、必ず医師にご相談ください。

また、不正出血が心配なときは、あらかじめパンティライナー(おりものシート)や軽い日用のナプキンを用意しておくと安心です。

ヤーズを飲むとうつになる?

ヤーズの添付文書によると、起きる頻度は1%未満とされていますが、服用後、うつのような気分の落ち込みといった副作用がみられることがあります。

しかし、うつ状態が起こった原因が、超低用量を含む低用量ピルによるものだという研究結果はなく、因果関係ははっきりしていません。

ヤーズは太る?眠気もある?

ヤーズの副作用として、体重増加や眠気(傾眠)などが生じるという報告もあります。それぞれ起こる頻度は、体重増加・眠気(傾眠)ともに1〜5%未満となっています。

特に飲み始めは体内のホルモンバランスが一時的に変化することでむくみやすくなり、飲み始めの数か月は1~2kg体重が増加したり、体温が高くなって眠くなったりという変化が副作用として現れることがあります。ただしその一方で、体重減少や不眠症といった副作用の報告もあるため、個人差が大きいようです。

重大な副作用のひとつである血栓症

頻度は不明ですが、ヤーズの重大な副作用の1つに血栓症があります。血栓症は血管のなかに血栓と呼ばれる血の塊ができることが原因で起こる病気で、次のような症状があげられます。

部位 主な症状
手足 突然の足の痛み・腫れ、手足の脱力・まひ、
ふくらはぎが赤くなっている、ふくらはぎを握ると痛い
激しい胸の痛み、突然の息切れ、胸が押しつぶされるような痛み
激しい頭痛、前兆のある痛み
(頭痛の前にチカチカあるいはキラキラしたり、閃光が走ったりする)
激しい腹痛
舌のもつれ、しゃべりにくい
突然の視力障害(見えにくいところがある・視野が狭くなる)

その他、足のしびれ・赤み・ほてりなど、服用前にみられなかった症状が出た場合もすぐに服用をやめ、医療機関を受診してください。

なお、ヤーズを使用中にやむを得ず手術が必要となった場合には、血栓症の予防に配慮する必要があります。必ず手術を担当する医師に、ヤーズを服用中であることを伝えてください。

ヤーズが処方されると、『ヤーズ配合錠患者携帯カード』が配布されます。患者携帯カードは保険証と一緒に持ち歩き、緊急の際は医療機関がヤーズを服用していることが分かるようにするものです。血栓症は早く気がつき、すぐに治療を受けることで重症化を防ぐことができます。服用中の方は忘れずに携帯しましょう。

ヤーズの飲み方について

ヤーズの添付文書による服用方法は以下の通りですが、必ず医師の指示に従い服用してください。

●1日1錠を毎日同じ時間に、定められた順に従って服用します。

体調がよくなったと自己判断して使用を中止したり、量を加減したりすると症状が悪化することがあります。指示通りに飲み続けることが重要です。

ヤーズを飲み始めるタイミング

●ヤーズを初めて飲む方

月経が始まった日から飲み始めます。

●他の黄体ホルモン・卵胞ホルモン配合薬から切り替える方

休薬期間のあるタイプと、プラセボ(お薬の成分が入っていない錠剤)のあるタイプからの切り替えで飲み方が異なります。

休薬期間のあるタイプ
からの切り替え
プラセボのあるタイプ
からの切り替え
休薬期間の翌日から飲み始める プラセボを飲み終えた翌日から飲み始める

ヤーズを飲み忘れた時はどうする?

●ピンク色の錠剤(1~24番、実薬)の飲み忘れに気づいたとき

すぐに飲み忘れていた分の1錠を服用し、当日の1錠もいつもの時間に服用してください。

2日以上服用し忘れた場合は、気づいた時点で前日分の1錠を服用し、当日の1錠をいつもの時間に服用し、その後は当初のスケジュールどおりに服用を続けてください。

●白色の錠剤(25~28番目、プラセボ)の飲み忘れに気づいたとき

飲み忘れた分も飲んだものとみなして廃棄し、その後は当初のスケジュールどおりに服用を続けてください。

飲み忘れた日数が多くなると、不正出血が起きる可能性が高くなるため、ご注意ください。

ヤーズとヤーズフレックスの違い

ヤーズと似た名前の薬に、ヤーズフレックスがあります。

ヤーズとヤーズフレックスは、いずれも同じ有効成分が同量配合された薬ですが、1シート(28錠)の錠剤構成に違いがあるため、効能・効果や服用方法も異なってきます。

1シートの錠剤構成 効能・効果 服用方法
ヤーズ ・24錠が実薬、
残りの4錠はプラセボ
・月経困難症のみ

・シートに記載されている順番どおりに服用

・28日周期のうち、必ず4日間は休薬

ヤーズフレックス ・すべて実薬

・子宮内膜症に伴う痛み

・月経困難症

・生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整

・子宮内膜症に伴う痛み、月経困難症では最長120日間の連続服用ができ、服用中に起きる出血にあわせて休薬期間を設ける

生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整では、通常1日1錠を14~28日間毎日服用する

ヤーズフレックスの詳しい効果や副作用などについては、別記事で詳しく解説しています。

ヤーズの服用で気をつけたいこと

ヤーズの服用中に気をつけたいことを確認しておきましょう。

不正出血が続く場合

ヤーズに限りませんが、ピルの服用期間中に生理以外の出血を起こすことがあります。
不正出血は主にホルモンバランスが崩れることで起こり、茶色っぽいおりものが出ることもあれば、生理のような血が出るなど、出血の状態は人によって様々です。

特に飲み始めの1~2周期は不正出血がみられるケースが起こりやすいと言われています。

不正出血や頭痛、軽い吐き気といったマイナートラブルは、多くの場合、体がヤーズに慣れる3か月ほどでおさまります。体の変化に注意しつつ、まずは3か月毎日用法どおりの服用を続けましょう。

ただし、出血の量が多い場合や出血が長期間続く場合は他の病気の可能性も考えられるため、必ず医師に相談してください。また、薬の飲み忘れで不正出血が起こる可能性もあるためご注意ください。

お酒は飲み過ぎに注意

アルコールには利尿作用があるため、お酒を飲みすぎると脱水症状となり、血が固まりやすくなる原因になります。

お酒を飲んだ場合は、脱水症状を起こさないためにも、必ず水を飲むようにしましょう。

たばこを吸う場合

喫煙によって、心筋梗塞など心血管系の障害が起こりやすくなるという報告があります。ヤーズを含むピルを服用する場合は、禁煙が望ましいです。

血栓症を予防するために

血栓症のリスクを減らすために、日常生活で次のことも意識するとよいでしょう。

●着圧ソックスをはく

着圧ソックスは、足のむくみをとるだけではなく、足の静脈の血栓予防にも役立ちます。

立ち仕事の多い方や、オフィスや学校で座わっていることの多い方は、一度試してみてもよいでしょう。ただし着圧ソックスがきつすぎると、逆効果になるため、適度な圧力のものをお選びください。

●座りっぱなしは避け、こまめに動きましょう

オフィスなどで長時間座ったままでいると、血液中の水分が血管の周囲にしみ出し、むくみの原因になるだけではなく、静脈にたまった血液が濃くなって固まりやすくなります。

数時間ごとに立って歩き回る、足のエクササイズをするなど、こまめに動くよう心がけましょう。また、エアコンのきいた室内は空気が乾き、体の水分も奪われやすいため、意識して水分をとるようにしましょう。

ヤーズとの飲み合わせ

ヤーズなどのピルは、飲み合わせに注意が必要な薬やサプリメントが数多くあります。

添付文書で併用に注意とされている具体的な薬・サプリメントは以下の通りです。一緒に服用すると、飲み合わせによっては効果を弱めたり、場合によっては強めることで効果が過剰に現れ、副作用を招くなど本来の効果に影響が出る場合があります。

薬の併用には専門的な判断が必要です。以下に該当しない薬・サプリメントで飲み合わせが気になる方は、併用する前に必ず医師・薬剤師に相談してください。

ヤーズが処方される時に服用中の薬・サプリメントがある場合や服用中に医療機関を受診する場合も医師・薬剤師に相談するようにしましょう。

ヤーズの効果を増強させる薬

・フルコナゾール

・ボリコナゾール

・アセトアミノフェン

・HIVプロテアーゼ阻害剤(アタザナビル)

・非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(エトラビリン)

ヤーズによって効果が増強する薬

・副腎皮質ホルモン(プレドニゾロンなど)

・三環系抗うつ剤(イミプラミンなど)

・セレギリン塩酸塩

・シクロスポリン

・オメプラゾール

・テオフィリン

・チザニジン塩酸塩

・ボリコナゾール

ヤーズの効果を減弱させる薬

・リファンピシン

・バルビツール酸系製剤(フェノバルビタールなど)

・ヒダントイン系製剤(フェニトインナトリウムなど)

・カルバマゼピン

・トピラマート

・ボセンタン

・モダフィニル

・トピラマート

・テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリンなど)

・ペニシリン系抗生物質(アンピシリンなど)

・HIVプロテアーゼ阻害剤(ネルフィナビルメシル酸塩、 リトナビル、 ダルナビル、 ホスアンプレナビル (リトナビル併用時)、 ロピナビル・リトナビル配合剤など)

・ネビラピン

ヤーズによって効果が減弱する薬

・Gn-RH誘導体(ブセレリン酢酸塩など)

・血糖降下剤(インスリン製剤、 スルフォニル尿素系製剤、 スルフォンアミド系製剤、 ビグアナイド系製剤など)

・ラモトリギン

・モルヒネ

・サリチル酸

・アセトアミノフェン

その他の薬・食品

・テルビナフィン塩酸塩

ヤーズのような黄体ホルモン・卵胞ホルモン配合剤との併用で、月経異常があらわれたとの報告があります。

・セイヨウオトギリソウ (St. John's Wort、 セント・ジョーンズ・ ワート)含有食品

ハーブの一種です。欧米では抗うつ薬として広く処方されていますが、日本では気分が落ち込んだ時などに使える健康食品として市販されています。

ヤーズの効果を減弱させ、不正出血の発現率が増大するおそれがあります。

高カリウム血症を誘発するおそれのある薬

次の薬との飲み合わせは、高カリウム血症を誘発するおそれがあるためご注意ください。

高カリウム血症になると、吐き気・嘔吐などの胃腸症状、しびれ感、知覚過敏、脱力感などの筋肉・神経症状、不整脈などが主な症状として現れます。

・カリウム製剤(塩化カリウム、 グルコン酸カリウムなど)

・ACE阻害剤(カプトプリル、 エナラプリルなど)

・アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤(ロサルタンカリウム、カンデサルタンシレキセチルなど)

・カリウム保持性利尿薬(スピロノラクトン、トリアムテレン、カンレノ酸カリウムなど)

・非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシンなど)

ヤーズのネット販売や個人輸入について

ヤーズなどのピルをインターネットなどの通信販売で購入したり、個人輸入で入手する方もいらっしゃいますが、個人輸入でピルを購入する場合は、以下のリスクがあります。

◼︎個人輸入で入手した医薬品で発生する問題はすべて自己責任となる

◼︎販売ページに商品についての詳細な説明がないため、購入後に自分で外国語の取扱説明書を読む必要がある

◼︎日本国内で流通している医薬品とは異なり、品質が保証されているとは限らない

■正規品かどうかの判別が難しい

◼︎副作用があったときに国の補償などを受けられない

病院で処方してもらった医薬品で重大な副作用が起きた場合は、医薬品副作用被害救済制度などで補償されることがありますが、個人輸入の医薬品はすべて補償の対象外になります。

個人輸入は様々な危険がともなう恐れがあるため、避けましょう。ご自身の安全のためにも、病院で相談し、適切に処方してもらうようにしましょう。

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監修薬剤師

ミナカラ薬局薬剤師小寺 瑶

(経歴)
  • 福岡大学薬学部薬学科卒業
  • 福岡大学大学院薬学研究科薬学専攻修士課程修了
  • 株式会社大賀薬局
  • 株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局
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小寺 瑶 プロフィール画像
編集者

株式会社ミナカラライター都筑 亜希

2016年より2年間タイを中心に約50の病院を擁する東南アジアの病院グループにて医療通訳他事業企画等の実務に従事。皆さまの暮らしに寄り添った健康づくりを応援していきます。

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