PMSとは?
PMSとは、Premenstrual Syndromeの略で、正式名を月経前症候群といいます。
PMSは、生理前に3~10日間続く精神的あるいは身体的症状のことを指し、生理開始とともに軽くなるか、なくなります。
PMSの具体的な心に出る症状は、抑うつ・イライラ・不安などが、身体に出る症状としては乳房の張り・むくみ・頭痛などが挙げられます。また、症状は個人差が大きく、200種類もあると言われています。
PMDDとは?
PMSのなかでも、イライラや気分の落ち込み、不安、怒りっぽくなるといった精神症状が強くでる状態をPMDD(Premenstrual Dysphoric Disorder)、月経前不快気分障害といいます。
PMS・PMDD|症状別にみる市販薬の選び方
PMSの症状に効く市販薬には、漢方薬や西洋ハーブを配合したさまざまな症状に効く薬と、ニキビ・頭痛・腰痛などの一つ一つの症状ごとに使える薬があります。
なかでも漢方薬は、ホルモンバランスも含めた心身のバランスを整えることで体全体の改善を目指すため、複数の症状を併発している場合にも効果があり、当てはまる症状や現状の体力の程度を目安に選ぶことができます。
また、漢方薬や西洋ハーブを含む薬は、飲み続けることで効果があらわれる薬でもあります。気になる症状がひとつであれば、その症状のみをおさえる薬を使うのもひとつの手です。
心と体のさまざまな不調に効く薬
心と体のさまざまな不調に効く薬を、体力の目安と適した症状別に紹介します。
薬の種類 | 体力の目安 | 症状 |
---|---|---|
プレフェミン | 体力問わず | 乳房のはり、頭痛、イライラ、怒りっぽい、情緒不安定 |
命の母ホワイト | 体力問わず | ヒステリー、腰痛、頭痛、貧血、冷え、肩こり、めまいなど |
五苓散 | 体力問わず | めまい、吐き気、頭痛、むくみ、下痢など |
当帰芍薬散 | 体力虚弱 | 冷え、貧血、疲れやすい、下腹部痛、頭が重い、めまい、肩こりなど |
補中益気湯 | 体力虚弱 | だるさ、疲れ、食欲不振など |
加味逍遙散 | 体力中等度※以下 | のぼせ、肩こり、疲れやすくい、不安、イライラ、便秘など |
抑肝散 | 体力中等度 | 怒りやすい、イライラ |
桂枝茯苓丸 | 比較的体力がある | 下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせや足の冷えなど |
(※)体力中等度がどのくらいの体力を示すかについては、通常の生活をするのに差し障りがない程度の体力と考えられています。
症状ごとに使える薬
特定の症状にピンポイントで働きかける薬には、次のようなものがあります。
主な薬 | 症状 |
---|---|
ニキビ治療薬 | ニキビなどの肌荒れ |
ビタミン剤 | だるさ、疲れ |
鎮痛剤 | 頭痛 |
湿布 | 腰痛、肩こり |
睡眠改善薬 | 不眠(寝つきが悪い、眠りが浅い) |
下痢止め | 下痢 |
便秘薬 | 便秘 |
複数の症状に効く薬と症状ごとに使える薬を併用してもいい?
たとえば漢方薬を服用中に、急な頭痛を感じたときなどで頭痛薬などと併用したい場合は、同じ生薬を含む薬や同じ成分、似た作用の成分を含む薬の併用には注意が必要です。
飲み合わせが気になる場合は、それぞれの添付文書をよくご確認の上、医師・薬剤師にご相談ください。
どちらかひとつを試してみて、効き目が感じられなかった場合や、痛みがひどいと感じる場合は、PMS以外の症状が隠れている場合もあるため、一度婦人科を受診してください。
PMSによる乳房のはり・頭痛・イライラ・怒りっぽい・情緒不安定に|プレフェミン
特徴 |
---|
・西洋ハーブ|チェストベリー配合 ・PMSでも特に乳房のはり、頭痛、イライラ、怒りっぽい、情緒不安定が気になる方に ・1回1錠、1日1回で済むため、飲み忘れを防ぐためにも飲む回数は少ない方がいい方に |
プレフェミンは、日本で唯一市販薬としてPMSに効能・効果をもつ薬です。
プレフェミンの有効成分チェストベリーは、地中海地方などに自生する植物、チェストツリーの実です。チェストベリーは、西洋ハーブとして古代ギリシャ時代よりさまざまな婦人科系疾患に使われてきました。
チェストベリーがPMSに効く仕組みは、まだはっきりと分かっていませんが、脳下垂体へ作用し、女性ホルモンの分泌バランスを整えることでPMSの症状をやわらげると考えられています。
■効能効果
月経前の次の諸症状(月経前症候群)の緩和:乳房のはり、頭痛、イライラ、怒りっぽい、気分変調 |
■用法用量
以下の量を服用してください。
・成人女性(18歳以上):1錠/回、1回/日 ・18歳未満:服用しないでください |
PMSによるヒステリー・腰痛・頭痛・貧血・冷え・肩こり・めまいに|命の母ホワイト
特徴 |
---|
・生理前〜生理中の心と体の不調に ・15歳から服用できる ・漢方薬独特のにおいや味が苦手な方も比較的飲みやすい糖衣錠タイプ |
命の母ホワイトは、11種類の生薬が血行をうながし、体を内側から温めて女性ホルモンや自律神経の乱れによって起こる不調を改善します。
生理前だけでなく、生理が始まってからもイライラや八つ当たりなどの心の不調を感じる、もしくは、だるさ、胸の張り、肌荒れなど体の不調を感じるといった方におすすめです。
■効能効果
月経痛、月経不順、ヒステリー、腰痛、頭痛、貧血、冷え症、血の道症※1、肩こり、めまい、動悸、こしけ※2 |
(※1)血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性ホルモンの変動に伴ってあらわれる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことです
(※2)こしけとは、おりもののことです
■用法用量
1回4錠 1日3回毎食後に水またはお湯で服用してください(15歳未満の方は服用しないでください) |
プレフェミンと命の母ホワイトの違いについては、別記事で詳しく解説しています。
PMSによるむくみ・吐き気・頭痛・めまいなどに|五苓散
ツムラ漢方五苓散料エキス顆粒A
特徴 |
---|
・漢方薬|五苓散 ・PMSの症状のなかでも、むくみ・吐き気・頭痛・めまいが気になる方に ・体力の程度問わず、症状に当てはまれば誰でも使える |
生理前は、体に水分をため込む働きのある黄体ホルモンが増えることで、むくみやすくなります。
体内に水分が溜まることで「水」の流れが滞ると、のどが渇き、腸からの「水」の吸収が悪くなり、吐き気や下痢が起こります。また、「水」が滞っている部位はむくみやすく、頭に溜まった場合はめまいや頭重感、頭痛といった症状があらわれます。
五苓散は、体の中の余分な「水」を排出し、「水」のバランスを整えることで、むくみなどの症状を軽くする薬です。
■効能効果
体力に関わらず使用でき、のどが渇いて尿量が少ないもので、めまい、はきけ、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどのいずれかを伴う次の諸症:水様性下痢、急性胃腸炎(しぶり腹※のものには使用しないこと)、暑気あたり、頭痛、むくみ、二日酔 |
(※)しぶり腹とは、残便感があり、くり返し腹痛を伴う便意をもよおすもののことです
■用法用量
以下の量を、食前に水またはお湯で服用してください。
・成人(15歳以上):1包/回、2回/日 ・7歳以上15歳未満:2/3包/回、2回/日 ・4歳以上7歳未満:1/2包/回、2回/日 ・2歳以上4歳未満:1/3包/回、2回/日 ・2歳未満:服用しないでください |
PMSによる冷え・疲れ・下腹部痛・頭重感・めまい・肩こりに|当帰芍薬散
生理前は、子宮内膜を厚くするために血が子宮に集まりやすく、全身の血の循環が悪くなることがあります。また、体中に栄養を運ぶ血が不足すると、水分代謝も悪くなり、冷えや貧血、疲れなどを感じやすくなります。
当帰芍薬散は、全身に大切な栄養素を巡らせ、血行を良くするのと同時に、水分代謝を整えることで、冷えや貧血、疲れなどを改善します。
ここでは、錠剤と顆粒、2つのタイプを紹介します。どちらも使える症状に違いはないため、お好みの剤形に合わせてお選びください。
婦徳安潤
特徴 |
---|
・漢方薬|当帰芍薬散 ・細粒タイプ ・漢方薬の味やにおいは苦ではないという方に |
顆粒タイプの当帰芍薬散です。
漢方薬の味やにおいは苦手ではなく、むしろ楽しみたいといった方にもお使いいただけます。
持ち運びしやすい個包装です。
■効能効果
比較的体力が乏しく、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴えるものの次の諸症:月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ |
■用法用量
以下の量を、食前または食間に服用してください。
・成人(15歳以上):1包/回、3回/日 ・15歳未満7歳以上:2/3包/回、3回/日 ・7歳未満4歳以上:1/2包/回、3回/日 ・4歳未満:服用しないでください |
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クラシエ当帰芍薬散錠
特徴 |
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・漢方薬|当帰芍薬散 ・錠剤タイプ ・漢方薬独特の味やにおいが苦手な方に |
漢方の味やにおいが苦手な方に比較的飲みやすい錠剤タイプの当帰芍薬散です。
冷え症でむくみやすい方、または貧血の傾向があり、生理前は疲れやすい方といった方におすすめです。
■効能効果
体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴えるものの次の諸症:月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り |
■用法用量
以下の量を、食前または食間に、水または白湯にて服用してください。
・成人(15歳以上):4錠/回、3回/日 ・15歳未満7歳以上:3錠/回、3回/日 ・7歳未満5歳以上:2錠/回、3回/日 ・5歳未満:服用しないでください |
PMSによる疲れ・だるさに|補中益気湯
クラシエの漢方ワカゲン錠
特徴 |
---|
・漢方薬|補中益気湯 ・疲れやすい、だるいと感じるときに ・食欲が落ちたときにも |
生理前のホルモンバランスの変化で自律神経が乱れると、生きるもととなるエネルギー、「気」が不足しがちです。加えて、生理前に分泌量が多くなる黄体ホルモンには、胃腸の動きを鈍くさせる作用もあります。
「気」は、食べ物の栄養分から生まれると考えられており、胃腸の機能が低下すると、「気」が十分に産生できなくなるため、だるい、疲れやすいといった症状があらわれます。
補中益気湯は、胃腸の働きを高めて食べ物から栄養分を十分吸収できるようにすることで、身体のエネルギー不足を補います。
■効能効果
体力虚弱で、元気がなく、胃腸のはたらきが衰えて、疲れやすいものの次の諸症:虚弱体質、疲労倦怠、病後・術後の衰弱、食欲不振、ねあせ、感冒 |
■用法用量
以下の量を、食前または食間に、水または白湯にて服用してください。
・成人(15歳以上):4錠/回、3回/日 ・15歳未満7歳以上:3錠/回、3回/日 ・7歳未満5歳以上:2錠/回、3回/日 ・5歳未満:服用しないでください |
PMSによるのぼせ・疲れ・イライラ・肩こり・便秘に|加味逍遙散
明華順心(めいかじゅんしん)
特徴 |
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・漢方薬|加味逍遙散 ・生理前は疲れやすくイライラしがちで、気分が不安定になりやすい ・体が熱くなるようなのぼせ感もある |
生理前は、ホルモンバランスや自律神経の乱れにより、ちょっとしたきっかけでイライラしたり落ち込んだりすることがあります。
そしてイライラや不安、疲れは、元気・やる気の源となる「気」と、全身に栄養分を運ぶ「血」のめぐりが悪くなったために起こると考えられています。
加味逍遙散は、「気」のめぐりを正常化し、「血」を補って体中にめぐらせることでPMSなどの女性特有の不調などを改善していきます。
■効能効果
体力中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向のあるものの次の諸症:冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症※、不眠症 |
(※)血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のこと
■用法用量
以下の量を、食前または食間に服用してください。
・成人(15歳以上):1包/回、3回/日 ・15歳未満7歳以上:2/3包/回、3回/日 ・7歳未満:服用しないでください |
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PMSによるイライラに|抑肝散
ツムラ漢方抑肝散エキス顆粒
特徴 |
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・漢方薬|抑肝散 ・生理前にイライラしやすい、または、ついカッとなってしまう方に |
抑肝散は、「PMSのなかでも、とりわけイライラしてしまうのをどうにかしたい!」という方におすすめの漢方薬です。
生理前は、ホルモンバランスの変化が感情に関わる神経伝達物質の量や働きに影響をおよぼすと考えられています。
抑肝散は、「気」を落ち着かせることにより、神経の高ぶりをおさえ、イライラや不安をやわらげます。
■効能効果
体力中等度をめやすとして、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの次の諸症:神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症(神経過敏)、歯ぎしり、更年期障害、血の道症 |
■用法用量
以下の量を、食前に水またはお湯で服用してください。
・成人(15歳以上):1包/回、2回/日 ・7歳以上15歳未満:2/3包/回、2回/日 ・4歳以上7歳未満:1/2包/回、2回/日 ・2歳以上4歳未満:1/3包/回、2回/日 ・2歳未満:1/4包/回、2回/日 |
PMSによる下腹部痛・肩こり・頭重感・めまい・冷えのぼせ|桂枝茯苓丸
恵麗安順(けいれいあんじゅん)
特徴 |
---|
・漢方薬|桂枝茯苓丸 ・下腹部痛や肩こり、頭が重い感じがある方に ・下半身が冷えているのに上半身はのぼせた感じがある方 |
桂枝茯苓丸は、「血」のめぐりを良くする作用があるため、「血」のめぐりが滞っていることで起こる下腹部痛や、足は冷えているが上半身は熱いような状態「冷えのぼせ」を改善する効果があります。
その上、「血」のめぐりを正常化し、頭痛や頭重感、肩こりを解消するだけでなく、肌に栄養をいきわたらせることでしみなどにも効果を示します。
■効能効果
比較的体力があり,ときに下腹部痛,肩こり,頭重,めまい,のぼせて足冷えなどを訴える次の諸症:月経不順,月経異常,月経痛,更年期障害,血の道症,肩こり,めまい,頭重,打ち身(打撲症),しもやけ,しみ |
■用法用量
以下の量を、食前または食間に服用してください。
・成人(15歳以上):1包/回、3回/日 ・15歳未満7歳以上:2/3包/回、3回/日 ・7歳未満4歳以上:1/2包/回、3回/日 ・4歳未満:服用しないでください |
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PMSによるニキビに|ニキビ治療薬
ペアアクネクリームW
特徴 |
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・赤ニキビをしずめる成分配合 ・ニキビの原因菌アクネ菌を殺菌し、ニキビの進行を防ぐ成分も配合 ・弱酸性で、肌にすっとのびて透明になるクリーム |
生理前になると、男性ホルモンと似た働きをもつ黄体ホルモンの分泌量が増えることによって、皮脂の量が増え、顔が脂っぽくなったり、毛穴がつまりやすくなったりして、ニキビができやすくなります。
ペアアクネクリームWは、有効成分イソプロピルメチルフェノールがニキビの原因菌であるアクネ菌を殺菌、イブプロフェンピコノールが赤ニキビの炎症をおさえることによるダブルアプローチでニキビをケアする薬です。
肌にのばすと透明になるクリームのため、塗った上からメイクをすることもできます。
■効能効果
吹き出物、ニキビ |
■用法用量
1日数回、石けんで洗顔後、適量を患部に塗布してください |
また、ニキビは、症状の進行具合によって適した薬の成分が異なります。
次の記事では、ニキビの進行具合の違いと、それぞれの症状にあわせた塗り薬や漢方薬、ビタミン剤などの選び方を解説しています。
PMSによるだるさ・疲れに|ビタミン剤
アリナエコーEX2
特徴 |
---|
・疲労回復をサポートするフルスルチアミン(ビタミンB1 )+ビタミンB6・B12+パントテン酸カルシウム配合 ・体がだるい、重いといった疲れに |
生理前に感じる疲れの原因のひとつは、エネルギー不足といわれています。
アリナエコーEX2には、ビタミンB1誘導体フルスルチアミンのほか、ビタミンB6・B12・E、パントテン酸カルシウム、ガンマ-オリザノールを配合。
三大栄養素(脂質・たんぱく質・糖質)を効率よくエネルギーに変えるサポートをすることで、「だるい」「重い」といった疲れに内側からアプローチします。
■効能効果
◯次の諸症状の緩和:神経痛、筋肉痛・関節痛(肩・腰・肘・膝痛、肩こり、五十肩など)、手足のしびれ、眼精疲労(慢性的な目の疲れ及びそれに伴う目のかすみ・目の奥の痛み) 「ただし、これらの症状について、1か月ほど使用しても改善がみられない場合は、医師又は薬剤師に相談すること。」 ◯次の場合のビタミンB1B6B12の補給:肉体疲労時、妊娠・授乳期、病中病後の体力低下時 |
■用法用量
以下の量を服用してください。
・成人(15歳以上):1〜2錠/回、1回/日 ・7歳以上15歳未満:1錠/回、1回/日 ・7歳未満:服用しないでください |
PMSによる頭痛・腹痛(生理痛)などに|鎮痛剤
ロキソニンS
特徴 |
---|
・解熱・鎮痛成分ロキソプロフェンナトリウム水和物のみ配合 ・小型の錠剤 ・胃への負担が比較的少ない仕組みの製剤 |
生理前は、卵胞ホルモンの分泌量が低下することで脳にある血管の収縮のコントロールに影響があらわれ、頭痛が起きやすくなると考えられています。加えて、身体に水分が溜まりやすくなるのも頭痛の原因になります。
ロキソニンSは、ロキソプロフェンのみが配合された錠剤です。
有効成分ロキソプロフェンナトリウム水和物が痛みの元となるプロスタグランジンという物質の生成をおさえ、痛みをやわらげます。
鎮痛剤は、痛みがあるときだけ薬を飲みたいというときや、漢方薬独特の味やにおいが苦手という方にも向いています。
■効能効果
○頭痛・月経痛(生理痛)・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・腰痛・関節痛・神経痛・筋肉痛・肩こり痛・耳痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛 ○悪寒・発熱時の解熱 |
■用法用量
以下の量を、水又またはお湯で服用してください。
・成人(15歳以上):1錠/回、2回まで/日 ・15歳未満:服用しないでください |
*症状があらわれた時、なるべく空腹時をさけて服用してください
*再度症状があらわれた場合には3回目を服用できます
*服用間隔は4時間以上おいてください
バファリンルナJ
特徴 |
---|
・解熱・鎮痛成分アセトアミノフェンのみ配合 ・水なしで飲めるフルーツ味のチュアブル錠 ・7歳から服用できる |
バファリンルナJは7歳から服用でき、小学生・中学生・高校生や授乳中の方でも服用できる鎮痛薬です。
有効成分アセトアミノフェンが痛みの伝達に作用することで、頭痛や腹痛(生理痛)を和らげます。
眠くなる成分が含まれておらず、水なしでも飲めるチュアブル錠のため、学校に通っていて授業がある日でも服用できます。
■効能効果
○月経痛(生理痛)・頭痛・腰痛・肩こり痛・筋肉痛・関節痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・歯痛・抜歯後の疼痛・神経痛・耳痛・外傷痛・咽喉痛の鎮痛 ○悪寒・発熱時の解熱 |
■用法用量
以下の量を、かみくだくか、口の中で溶かして服用してください。
・成人(15歳以上):3錠/回、3回を限度/日 ・11歳以上15歳未満:2錠/回、3回を限度/日 ・7歳以上11歳未満:1錠/回、3回を限度/日 ・7歳未満:服用しないでください |
*なるべく空腹時をさけて服用してください
*服用間隔は4時間以上おいてください
そのほかの頭痛に効く市販薬については、以下の記事をご覧ください。
PMSによる腰痛・肩こりに|湿布
生理前は、ホルモンバランスが崩れることで首や腰まわりの血行が悪くなると、肩こりや腰痛が起きることがあります。また、血行が悪くなることで起きる体の冷えも肩こりや腰痛を悪化させる原因となります。
PMSで肩や腰が重いといった方には、患部に密着することで効果を発揮する湿布を紹介します。
どちらも貼ったときに目立ちにくく、はがれにくいテープ剤です。
ロキエフェクトLXテープα
特徴 |
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・鎮痛・消炎成分|ロキソプロフェンナトリウム水和物配合 ・1日1回まで |
有効成分「ロキソプロフェン」を配合した鎮痛消炎テープ剤です。肩こりに伴う肩の痛み、腰痛、関節痛にお悩みの方におすすめです。
1日1回で24時間持続。エコ包装でリーズナブルな価格を実現しています。
■効能効果
関節痛、肩こりに伴う肩の痛み、筋肉痛、腰痛、打撲、捻挫、腱鞘炎(手・手首の痛み)、肘の痛み(テニス肘など) |
■用法用量
表面のライナーをはがし、1日1回患部に貼付してください |
フェイタス5.0
特徴 |
---|
・鎮痛・消炎成分|フェルビナク配合 ・微香性 ・1日2回まで |
鎮痛・消炎成分フェルビナクに加えて、l-メントールやトコフェロール酢酸エステル(ビタミンE)が含まれているため、さわやかな清涼感を与えるだけでなく、患部の血行を促進します。
微香性で湿布特有のにおいも比較的少なく、貼ったまま外出する場合にもおすすめです。
1日2回まで使えるため、朝と晩を目安に貼り替えることもできます。
■効能効果
関節痛、筋肉痛、腰痛、腱鞘炎(手・手首・足首の痛みとはれ)、肘の痛み(テニス肘など)、打撲、ねんざ、肩こりに伴う肩の痛み |
■用法用量
表面のフィルムをはがし、1日2回を限度として患部に貼付してください |
サロンパス30
特徴 |
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・鎮痛・消炎成分|サリチル酸グリコール配合 ・1日数回 ・微香性 ・子どもも使用できる |
子どもから大人まで使用できる刺激マイルドタイプの湿布です。
痛みや炎症を和らげるサリチル酸グリコールに加えて、患部の血行を促進するビタミンE酢酸エステル、炎症を抑えるグリチルレチン酸が配合されています。
柔軟性のあるプラスター製剤で、肌にやさしくフィットします。
■効能効果
肩こり、腰痛、筋肉痛、筋肉疲労、打撲、捻挫、関節痛、しもやけ |
■用法用量
1日数回患部に貼付してください |
PMSによる一時的な不眠に|睡眠改善薬
ドリエル
特徴 |
---|
・抗ヒスタミン成分の眠くなる作用を利用した睡眠改善薬 ・就寝30分前を目安に服用する錠剤 ・生理前、一時的に寝つきが悪くなる、眠りが浅くなるというときに |
生理前になると、いつもより眠れていないと不眠の症状を感じることがあります。原因は、ホルモンバランスの乱れが感情をコントロールしているセロトニンの低下に影響しているためと考えられていますが、正確な原因はわかっていません。
ドリエルには、市販のかぜ薬や鼻炎薬などに含まれる抗ヒスタミン成分の一種、ジフェンヒドラミン塩酸塩の眠くなる作用を利用して、一時的な不眠の症状を緩和する効果があります。
脳内の覚醒をもたらす物質ヒスタミンをブロックし、自然に近い眠りに導きます。
■効能効果
一時的な不眠の次の症状の緩和:寝つきが悪い、眠りが浅い |
■用法用量
寝つきが悪い時や眠りが浅い時、以下の量を就寝前に水またはぬるま湯で服用してください。
・成人(15歳以上):2錠/回、1回/日 ・15歳未満:服用しないでください |
ドリエル以外の睡眠改善薬については、次の記事を参考にしてください。
PMSによる下痢に|下痢止め
エクトール赤玉
特徴 |
---|
・5つの成分が下痢に効果をあらわす ・錠剤タイプ ・3歳から |
生理周期にともない、体内で分泌されるホルモンの量が変化することで、腸が異常収縮して下痢が起きることがあります。
エクトール赤玉に配合された5つの有効成分が、下痢や食あたりに効果をあらわします。
■効能効果
下痢、消化不良による下痢、食あたり、はき下し、水あたり、くだり腹、軟便、腹痛を伴う下痢 |
■用法用量
以下の量を、水またはお湯で服用してください。
・成人(15歳以上):6錠/回、3回を限度/日 ・11歳以上15歳未満:4錠/回、3回を限度/日 ・8歳以上11歳未満:3錠/回、3回を限度/日 ・5歳以上8歳未満:2錠/回、3回を限度/日 ・3歳以上5歳未満:1錠/回、3回を限度/日 ・3歳未満:服用しないでください |
*服用間隔は4時間以上おいて下さい
*3歳以上の幼児に服用させる場合には、薬剤がのどにつかえることのないよう、よく注意してください
PMSによる便秘に|便秘薬
メタスルー
特徴 |
---|
・酸化マグネシウム配合 ・錠剤タイプ ・続けやすいリーズナブルな価格 ・便秘薬と気づかれにくいパッケージ ・お腹が痛くなりにくく、癖にもなりにくい |
生理前に黄体ホルモンの分泌が増えると、自律神経を介して、便を運ぶための腸のぜん動運動が抑制され、便秘が起きやすくなります。
酸化マグネシウムには、腸内に水分を集めて便を柔らかくし、スムーズな排便をうながす効果があります。腸を刺激しないため、腹痛や腹部の不快感を比較的起こしにくいです。
メタスルーは、続けやすいリーズナブルな価格です。便秘薬と気づかれにくいパッケージも特徴の一つです。
■効能効果
○便秘 ○便秘に伴う次の症状の緩和:頭重、のぼせ、肌あれ、吹出物、食欲不振(食欲減退)、腹部膨満、腸内異常醗酵、痔 |
■用法用量
以下の量を、就寝前にコップ1杯の水またはぬるま湯で服用してください。
・大人(15歳以上):3〜6錠/回、1回/日 ・11歳〜14歳:2〜4錠/回、1回/日 ・7歳〜10歳:2〜3錠/回、1回/日 ・5歳〜6歳:1〜2錠/回、1回/日 ・乳幼児(5歳未満):服用しないこと |
*初回は最小量を用い、便通の具合や状態をみながら少しずつ増量又は、減量してください
中学生も使えるPMS・PMDDの市販薬はある?
中学生でも15歳以上であれば、大人向けの市販薬を使用することができます。
一方で、体格が大きくても14歳以下の場合は内臓が十分に発達していない場合もあり、肝臓や腎臓などの働きが大人と同等に機能しているとは限りません。
14歳以下の場合は小児が使用できる市販薬を選び、年齢に合った用法用量を守りましょう。どのような市販薬を選んだらよいか判断に迷う場合は、薬剤師や登録販売者にご相談ください。
今回紹介している商品で、14歳以下の小学生や中学生が使える市販薬は次のとおりです。
症状 | 商品名 | 対象年齢 |
---|---|---|
むくみ・吐き気・頭痛・めまいなどに | ツムラ漢方五苓散料エキス顆粒A | 2歳から |
冷え・疲れ・下腹部痛・頭重感・めまい・肩こりに | 婦徳安潤(ふとくあんじゅん) | 4歳から |
クラシエ当帰芍薬散錠 | 5歳から | |
疲れ・だるさに | ワカゲン錠 | 5歳から |
のぼせ・疲れ・イライラ・肩こり・便秘に | 明華順心(めいかじゅんしん) | 7歳から |
イライラに | ツムラ漢方抑肝散エキス顆粒 | 3か月から |
下腹部痛・肩こり・頭重感・めまい・冷えのぼせ | 恵麗安順(けいれいあんじゅん) | 4歳から |
ニキビに | ペアアクネクリームW | 年齢制限なし |
だるさ・疲れに | アリナエコーEX2 | 7歳から |
頭痛・腹痛に | バファリンルナJ | 7歳から |
腰痛・肩こりに | サロンパス30 | 年齢制限なし |
下痢に | エクトール赤玉 | 3歳から |
便秘に | メタスルー | 5歳から |
授乳中も使えるPMS・PMDDの市販薬はある?
今回紹介している商品で、授乳中の使用については次のとおりです。
症状 | 商品名 | 授乳中の 使用 |
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乳房のはり・頭痛・イライラ・怒りっぽい・情緒不安定に | プレフェミン | × |
ヒステリー・腰痛・頭痛・貧血・冷え・肩こり・めまいに | 命の母ホワイト | × |
むくみ・吐き気・頭痛・めまいなどに | ツムラ漢方五苓散料エキス顆粒A | ○ |
冷え・疲れ・下腹部痛・頭重感・めまい・肩こりに | 婦徳安潤(ふとくあんじゅん) | ○ |
クラシエ当帰芍薬散錠 | ○ | |
疲れ・だるさに | ワカゲン錠 | ○ |
のぼせ・疲れ・イライラ・肩こり・便秘に | 明華順心(めいかじゅんしん) | ○ |
イライラに | ツムラ漢方抑肝散エキス顆粒 | ○ |
下腹部痛・肩こり・頭重感・めまい・冷えのぼせ | 恵麗安順(けいれいあんじゅん) | ○ |
ニキビに | ペアアクネクリームW | ○ |
だるさ・疲れに | アリナエコーEX2 | ○ |
頭痛・腹痛に | ロキソニンS | 要相談 |
バファリンルナJ | ○ | |
腰痛・肩こりに | ロキエフェクトLXテープα | ○ |
フェイタス5.0 | ○ | |
サロンパス30 | ○ | |
一時的な不眠に | ドリエル | × |
下痢に | エクトール赤玉 | × |
便秘に | メタスルー | ○ |
PMS・PMDDの原因
PMSやPMDDの原因ははっきりとは分かっていませんが、女性ホルモン(卵胞ホルモン・黄体ホルモン)の変動が関わっていると考えられています。排卵を境に、分泌量が多くなったり、バランスが崩れるふたつの女性ホルモンが影響して、PMSを引き起しているようです。
重ねて、女性ホルモンの働きで脳内の「セロトニン」という神経伝達物質が低下すると、苛立ちやネガティブ思考が続いてストレスがたまり、PMSが悪化する原因にもなります。
PMSで病院に行くべき?
PMSの症状が深刻で日常生活に支障が出ているほど辛い場合、例えば仕事や学校を休まざるを得ないなどの場合は、何かの病気が隠れているといけないため、なるべく早く婦人科を受診しましょう。
また、病院の受診は、「生理中に行っても大丈夫?」と思う方がいるかもしれません。生理中の受診は躊躇してしまいがちですが、生理が来て体調がどう変わったかを確認できるということもあります。辛い、しんどいと感じたそのタイミングで受診してください。
PMS・PMDDの病院での治療法
PMSには、「何らかの検査値が異常値になったら治療」といった明確な診断基準はありません。婦人科などでは、まずカウンセリングや生活指導、運動療法などが行われますが、薬による治療が必要な場合は、主に次のような方法で症状の改善を目指します。
①ピルで排卵をおさえる治療
排卵が起こり、女性ホルモンの大きな変動があることがそもそもの原因であるため、低用量ピルなどで排卵を止め女性ホルモンの変動をなくすことで症状が軽快します。
②あらわれた症状に対して治療
頭痛、腹痛などの痛みに対しては鎮痛剤、むくみなどに対しては利尿剤、心の不調には精神安定剤といったように、そのときあらわれた症状に対して治療をおこなっていきます。
③漢方薬による治療
PMSのように、原因が解明されておらず、症状もさまざまある病気には、体質から見直し、心身のバランスを整える漢方薬が効果的に働くこともあります。
漢方薬は、個人の症状や体質に合わせて処方されます。当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、加味逍遥散、桃核承気湯、女神散、抑肝散などが選ばれています。
ピルがPMSに効かないこともある?
「ピルを飲んでみたけれど良くならない」「ピルを試したがかえって具合が悪くなってしまった」という方は、女性ホルモン以外の原因が不調をもたらしている可能性もあります。
PMSは、女性ホルモンだけでなく、ストレスなどの精神的要因が影響するなど、さまざまな要因が関与して起きています。そのため、ピルを服用して排卵がおさえられても不調が続くときは、一度ピルの処方医にご相談ください。
PMS・PMDDの症状をやわらげるためのセルフケア
PMSやPMDDの症状は、ストレスがたまると強くなってしまうため、いつも以上に心と体を労わることを心がけましょう。
おすすめの食べ物と避けた方がいい食べ物
病院でのPMSの治療では、カルシウムやマグネシウムを積極的にとることが推奨されています。摂取量の目安としては、カルシウムは、毎日1,000mg、マグネシウムは毎日400mgです。
特にカルシウムを豊富に含む牛乳や乳製品は、比較的カルシウムの吸収率が高い上、1回の摂取量も多いため、効率よくカルシウムをとれます。
ただし、特定の栄養素に偏って摂取するのではなく、栄養が偏らないように、バランスよく食べることが大切です。
その一方で、カフェイン、アルコール、喫煙は症状が重くなってしまうため、控えた方がよいと言われています。
代表的な食べ物 | |
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カルシウム | 牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品、骨ごと食べられる小魚、 豆腐や納豆などの大豆製品、野菜類や海藻など |
マグネシウム | マメ科植物、ナッツ類、種子類、全粒粉、緑色の葉野菜(ほうれん草など) |
アロマで癒される
ストレスを感じたときには、アロマをかぐと、心が落ち着くこともあります。
お気に入りの香りを探してみて、お風呂にたらし、心身ともにリラックスさせるのもよいでしょう。アロマのなかには、生理前後の女性特有の悩みをサポートしてくれるものもあるため、活用してみても◎
症状の日記をつけてみる
いつ、どんな症状がでたのかをスケジュール帳や日記に記録してみましょう。
自分のリズムを知って、症状を理解し把握することで、仕事を調整したり、お気に入りのリラックスグッズを用意しておくなど、自分に合った対処法を見つけることができます。
また、病院を受診をすることになったときの治療にも役立ちます。