うがい薬の種類と選び方|症状別におすすめを解説
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薬剤師監修日:
うがい薬は、喉の痛み・腫れや口の中の腫れを鎮めたり、殺菌・消毒をするために使うことができます。この記事では、「うがい薬はこんなとき・こんな方におすすめ」を紹介し、症状や目的ごとにうがい薬を選ぶポイントを解説します。正しいうがいの仕方も要チェックです。

うがい薬はどんなときに使う?
うがい薬は、喉の痛み・腫れや、口の中の腫れを鎮めたり、喉や口の中の殺菌・消毒をするために使うことができます。
具体的には、こんなときにおすすめです。
うがい薬はこんなときに おすすめ |
・喉が痛い、腫れている ・口臭をおさえたい ・口の中のネバネバ・べたつきが気になる ・うがい薬の殺菌作用で風邪・インフルエンザを予防したい ・人の多い場所に行った後 など |
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口内炎や歯茎の腫れ・歯周病にも使える?
病院で処方されるうがい薬のなかには口内炎に効くものもありますが、市販のうがい薬で口内炎に効くものは販売されておらず、口内炎そのものを治療することはできません。
口内炎に効く市販の外用薬には、喉に直接噴射する喉スプレーなどがあるため、喉スプレーを活用するのもよいでしょう。
喉スプレーなどの口内炎に効く市販薬については、こちらの記事で詳しく解説しています。
また、磨き残しなどが原因で歯の表面に細菌が付着すると、歯茎が腫れ、腫れが進行すると歯周病につながることがあります。歯茎の腫れの症状には、殺菌・消毒用のうがい薬を補助的に使うこともできます。
ただし、歯茎の腫れなどの症状は、うがい薬だけで治すことはできないため、症状に適応のある市販薬で対処するか歯科で適切な治療を行うことが必要です。
歯茎の腫れなどの歯周病の症状に使える市販薬については、別記事をご覧ください。
うがい薬の種類と選び方
うがい薬には、主に「殺菌・消毒作用のあるもの」「抗炎症作用のあるもの」「殺菌・消毒と抗炎症作用を兼ね備えたもの」と、3つのタイプがあります。
3つのタイプのうがい薬は、次の表を目安に症状や用途に合わせて選びましょう。
いずれのうがい薬も、うがいができるようになれば、お子様もお使いいただけます。
こんなとき・こんな方に | |
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殺菌・消毒用うがい薬 | ・口の中の殺菌・消毒で風邪などの感染症を予防したい ・口の中のネバネバやべたつきが気になる ・口臭をおさえたい |
抗炎症用うがい薬 | ・喉が痛い、腫れている ・口の中が腫れている |
殺菌・消毒+抗炎症用うがい薬 | ・殺菌・消毒で風邪などの感染症を予防したい ・口の中がネバネバ、ベタベタする ・喉がムズムズ、イガイガする ・口臭ケアもしたい |
殺菌・消毒用うがい薬|風邪予防・口臭ケアに
殺菌・消毒作用のあるポビドンヨードを含むうがい薬を紹介します。
ポビドンヨードはヨウ素の化合物で、ヨウ素と同じように殺菌・消毒作用がある成分です。病院でもうがい薬として使われています。
イソジンうがい薬
イソジンうがい薬 50ml【第三類医薬品】

特徴 |
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・ポビドンヨード配合 ・口の中や喉の殺菌・消毒・洗浄や口臭対策に |
有効成分ポビドンヨードは、各種細菌・真菌・ウイルスなど広範囲の微生物に対して殺菌・消毒効果を発揮します。
効能・効果 |
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口腔内およびのどの殺菌・消毒・洗浄、口臭の除去 |
イソジンうがい薬P
イソジンうがい薬P 50ML(第3類医薬品)【第三類医薬品】

特徴 |
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・ポビドンヨード配合 ・フルーティーなイソジン ・ポビドンヨードのにおいや風味が苦手な方に |
ポビドンヨード独特のにおいや風味がおさえられた、フルーティーな風味のイソジンです。
イソジンうがい薬と比べてみても、ポビドンヨードの配合量や使える症状に変わりはありません。
効能・効果 |
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口腔内およびのどの殺菌・消毒・洗浄、口臭の除去 |
抗炎症用うがい薬|喉の痛み・口の中の腫れに
風邪や喉の使い過ぎで、喉の痛みや腫れといった症状があるときにおすすめのうがい薬を紹介します。
パープルショットうがい薬F
パープルショットうがい薬F 50ML(第3類医薬品)【第三類医薬品】

特徴 |
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・抗炎症成分アズレンスルホン酸ナトリウム水和物配合 ・口の中や喉の腫れに ・1回分の量がワンプッシュで出せる |
有効成分アズレンスルホン酸ナトリウムがうがいをすることで口の中や喉の粘膜に直接作用し、痛みのもととなっている腫れをおさえます。
1回分の量がワンプッシュで出せ、計量カップが付いているため、使いやすいです。
効能・効果 |
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口腔・咽喉のはれ、口腔内の洗浄 |
殺菌・消毒+抗炎症用うがい薬|風邪予防と合わせて喉の違和感・口臭もケアしたい方に
口の中の殺菌・消毒や、喉の痛み・腫れ、口臭ケアなどができる殺菌・消毒と抗炎症作用の両方を合わせ持ったうがい薬を紹介します。
今ある症状や使用するシーンに応じてお好みでお選びください。
新コルゲンコーワうがいぐすり「ワンプッシュ」
新コルゲンコーワうがいぐすり「ワンプッシュ」 350ml

特徴 |
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・殺菌・消毒成分+抗炎症成分配合 ・ハーブを含む清涼成分配合で口の中をさわやかに ・ワンプッシュで1回分の薬液が出るタイプ ・喉がムズムズ・イガイガするときに |
殺菌・消毒作用を持つセチルピリジニウム塩化物水和物に加え、喉の痛みや腫れといった炎症を鎮めるグリチルリチン酸ニカリウム、喉と口に清涼感を与えるl-メントール・チョウジ油・ハッカ油を配合したうがい薬です。
1回プッシュすると、1回分の薬液が出るように設計されています。
効能・効果 |
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口腔内及びのどの殺菌・消毒・洗浄、口臭の除去 |
ラリンゴール
ラリンゴール40mL【第三類医薬品】

特徴 |
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・ハーブや生薬を含む殺菌・消毒成分2種類+抗炎症成分2種類配合 ・喉の痛み・腫れに ・喉が荒れているときや喉の不快感があるときに ・声が枯れたときにも |
炎症をおさえる作用を持つハーブのミルラと生薬ラタニアのほか、殺菌・消毒作用を持つハーブであるタイムから抽出されたチモールと、西洋薬サリチル酸フェニルを配合したうがい薬です。
喉の痛み・腫れ・荒れ・不快感といった喉のさまざまな症状だけでなく、声枯れにも効きます。
効能・効果 |
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・のどの炎症によるのどの痛み・のどのはれ・のどのあれ・のどの不快感・ 声がれ ・口内の洗浄 ・口臭の除去 |
トラフルクリアウォッシュ
トラフルクリアウォッシュ 65ml【第三類医薬品】

特徴 |
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・殺菌・消毒成分+抗炎症成分配合 ・口内炎などの口内トラブルができやすい方に ・毎日のケアで口内環境を整えたいときにも |
殺菌・消毒成分セチルピリジニウム塩化物水和物と、炎症をおさえる成分アズレンスルホン酸ナトリウム水和物が含まれています。
喉や口の中がよく腫れる、口臭もある、といった口内トラブルを繰り返す方におすすめです。
効能・効果 |
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口腔内およびのどの殺菌・消毒・洗浄、口腔・咽喉のはれ、口臭の除去 |
正しいうがいの仕方
うがい薬の効果を十分に発揮させるためには、正しい方法でうがいをすることが大切です。
正しいうがいの仕方を症状・目的別に説明します。
殺菌・消毒や喉の痛み・腫れでうがいをする場合
①口の中に残った食べかすなどを取り除くため、少し強めにブクブクっと口の中をゆすいで吐き出します。
②添付文書や容器などに書かれた方法に従って正しくうすめたうがい薬を適量口に含みます。
天井が見える程度に上を向き、喉の奥までうがい薬が行き渡るように、約15秒位ガラガラうがいを続けて、吐き出します。もう1度15秒位ガラガラうがいを繰り返します。
以上を1日数回行います。
口の中の腫れでうがいをする場合
①正しくうすめたうがい薬を適量口に含み、頬を左右に交互にふくらませて移動させ、歯の間まで洗い出すイメージで、ブクブクを繰り返して吐き出してください。
②①を数回繰り返します。
以上を1日数回行います。
イソジンなどうがい薬の副作用
イソジンうがい薬の添付文書によると、次のような副作用が報告されています。
副作用と思われる症状や何か気になる症状がある場合は、すぐに使用を中止し、医師・薬剤師にご相談ください。
また、イソジン以外のこの記事で紹介しているうがい薬については、副作用として口の刺激感などが挙げられています。
部位 | イソジンうがい薬の副作用と思われる症状 |
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皮膚 | 発疹・発赤、かゆみ |
口 | あれ、しみる、灼熱感、刺激感 |
消化器 | 吐き気 |
その他 | 不快感 |
イソジンで喉が痛くなる?
イソジンは病院でも処方されることのあるうがい薬ですが、処方薬のイソジンガーグル液では、「口腔、咽頭の刺激感等」といった副作用が報告されており、市販薬のイソジンうがい薬でも、副作用として「口のあれ、しみる、灼熱感、刺激感」があります。
万が一イソジン使用後に喉が痛くなった場合は、副作用の可能性も考えられるため、一度医師・薬剤師にご相談いただくことをおすすめします。
うがい薬に関するQ&A
Q イソジンなどのうがい薬で口臭をおさえられる?予防もできる?
A 殺菌・消毒作用のあるうがい薬であれば、口臭をおさえる効果はありますが、予防をする効果はありません。
口臭の原因の大半は、口の中の細菌です。食べかすや唾液、口の中のはがれた粘膜などに含まれるたんぱく質が、口の中にいる細菌を分解・発酵する過程で出るガスが嫌な臭いを発生させます。
イソジンの有効成分ポビドンヨードは口の中と喉の殺菌・消毒・洗浄をするため、うがいによる洗浄効果により口臭除去に効き目をあらわします。
Q 妊婦はイソジンなど使ってうがいをしてもよい?
A イソジンの有効成分ポビドンヨードは、ヨウ素の一種です。妊娠中の方がヨウ素を過剰に摂取すると、お腹の中の赤ちゃんに移行し、胎児の甲状腺機能に影響を及ぼす可能性があります。
授乳中の方も母乳に移行し、赤ちゃんへヨウ素が蓄積してしまうおそれがあるため、ポビドンヨード配合のうがい薬を使用する前に医師に相談し、長く使い続けることは避けましょう。
一方、アズレンスルホン酸ナトリウム配合の抗炎症用うがい薬など、ヨウ素を含まないうがい薬は、妊娠中・授乳中の方でもお使いいただけます。
Q うがい薬の代わりになるものはある?
A 風邪やインフルエンザなどを予防するために、うがい薬の代用として、水やぬるま湯で頻繁にうがいをすることも効果的です。
水やぬるま湯によるうがいが適したタイミングもあり、健康な方はそれでも十分であるといえます。水・ぬるま湯によるうがいでは、口の中にある食べ物のかすを取り除くことができ、口の中を湿らせることで乾燥を予防することもできます。
Q うがい薬は濃い方がよく効く?
A うがい薬の濃度が濃すぎると、喉や口の中に刺激を感じることがあります。
一方、薄すぎても期待する効果が得られない可能性があるなど、適切な濃度で薄めないと薬の十分な効果が発揮されません。
うがい薬の効果を得るためには、自分の好みでは変えずに、用法・用量にしたがって正しい濃度でうがい液を作りましょう。
市販のうがい薬には、希釈用目盛り付きのカップが付属しているものもあるため、希釈方法に不安がある場合はカップ付きの商品を選ぶのもよいでしょう。
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記事で紹介されている商品一覧
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