眠気覚ましの薬とは?目が覚める?
眠気覚ましの薬とは、勉強中や仕事中などに感じる眠気やだるさを取り除いたり、受験や大事な会議を控えているといったときに眠気を防止する効果のある薬です。
市販されている眠気覚ましの薬は、有効成分としてカフェインが「無水カフェイン」や「カフェイン水和物」という形で含まれており、錠剤や液剤などさまざまなタイプが売られています。
カフェイン水和物は水分と結びついたカフェインで液剤などに含まれ、無水カフェインは錠剤などに使うためにカフェインから水を取り除いたものです。
カフェインの効果
カフェインは、脳内にあるアデノシンという眠気をもたらす物質の働きをおさえ、神経を興奮させることで、眠気や疲労感をとり、頭の重い感じをやわらげる効果があります。
眠気覚ましの薬
眠気覚ましの薬を3種類紹介します。
それぞれの薬は、1回の服用量に含まれるカフェインの量や剤形、服用回数などが異なるため、使用するシーンや好みに合わせてお選びください。
服用年齢は、15歳以上の方がお使いいただけます。
商品画像 | 特徴 |
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・1回量のカフェイン200mg(コーヒー3~4杯分) ・フィルムコーティング錠 ・1日2回まで |
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・1回量のカフェイン100mg ・錠剤 ・1日3回まで |
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・1回量のカフェイン約167mg ・水なしで飲める錠剤 ・1日3回まで |
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・1回量のカフェイン約167mg ・ドロップ ・1日3回まで |
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・1回量のカフェイン150mg ・内服液 ・1日1回まで |
エスタロンモカ12
エスタロンモカ12 20錠【第三類医薬品】
特徴 |
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・1回量のカフェイン200mg(コーヒー3~4杯分) ・フィルムコーティング錠 ・1日2回まで |
かまずに水またはぬるま湯で服用する錠剤タイプで、カフェインの苦味が苦手な方も服用しやすい薬です。
無水カフェインのほかにも、ビタミンB1・B6・B12が配合されており、カフェインとともに働いて倦怠感をとり除きます。
1回2錠、1日2回まで使えますが、服用間隔は6時間以上あけてください。
2錠中に含まれる無水カフェインの量は200mgです。
エスタロンモカ錠
エスタロンモカ錠 24錠【第三類医薬品】
特徴 |
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・1回量のカフェイン100mg ・錠剤 ・1日3回まで |
かまずに水またはぬるま湯で服用する錠剤タイプです。
無水カフェインのほかにも、ビタミンB1が配合されており、カフェインとともに働いて倦怠感をとり除きます。
1回1錠、1日3回まで使えますが、服用間隔は4時間以上あけてください。
1錠中に含まれる無水カフェインの量は100mgです。
トメルミン
トメルミン 6錠【第三類医薬品】
特徴 |
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・1回量のカフェイン約167mg ・水なしで飲める錠剤 ・1日3回まで |
かみくだくか、口の中で溶かして服用する錠剤タイプの薬です。
カフェインの苦味をおさえたメントール味で、メントールのスッキリ感と無水カフェインで眠気を覚まします。
1回1錠、1日3回を限度として服用できますが、服用間隔は4時間以上あけてください。
1日の服用量3錠中に含まれる無水カフェインの量は500mgで、1錠あたり約167mgです。
カフェロップ
カフェロップ12粒【第三類医薬品】
特徴 |
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・1回量のカフェイン約167mg ・ドロップ ・1日3回まで |
口中でかみ砕くか、口中で溶かして服用するドロップタイプです。
1回4粒、1日3回まで服用できますが、4時間以内の連続服用は避けてください。
1日量(12粒)中に含まれる無水カフェインの量は500mgで、1回の服用量4粒には、コーヒー約2杯分に相当するカフェインが入っています。
スティック包装されているため、携帯しやすいです。
エスタロンモカ内服液
エスタロンモカ内服液 30ml×2本【第三類医薬品】
特徴 |
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・1回量のカフェイン150mg ・内服液 ・1日1回まで |
コーヒー風味のドリンク剤で、水なしで飲むことができます。
無水カフェインのほかにも、ビタミンB1やB6、ニコチン酸アミドなどのビタミンなども配合されています。
1回1瓶、1日1回まで使えます。1瓶中に含まれる無水カフェインの量は150mgです。
眠気覚ましの薬を飲むときの注意点
眠気覚ましの薬を服用する際は、添付文書に記載された服用期間や用法・用量を守り、短期間の服用にとどめるようにしてください。
また、カフェインを多く含む飲料と併用した場合には、カフェインの過量摂取となり、重大な健康被害につながるおそれもあります。そのため、コーヒーやお茶、エナジードリンクなどのカフェイン含有飲料と同時に服用しないでください。
服用してはいけない方
次に当てはまる方は、眠気覚ましの薬を服用することができません。
●胃酸過多の症状がある方、胃潰瘍と診断された方
胃痛、胸焼け、胃もたれなどの胃酸過多による症状がある方や、胃潰瘍と診断された方は、カフェインに胃を刺激して胃酸の分泌をうながす働きがあり、胃を荒らすおそれがあるため服用できません。
●心臓病と診断された方
カフェインは、中枢神経に作用して眠気を除去するとともに、心臓の収縮や脈拍数を増やし、心臓に負担をかけて症状を悪化させる可能性があるため、心臓病の方は服用を避けなければなりません。
眠気覚ましの薬の飲み合わせ
他の眠気防止薬とは、併用しないでください。
また、風邪薬などのカフェインが配合された薬と一緒に飲んだり、エナジードリンクや眠気覚まし用の清涼飲料水と一緒に飲むとカフェインの過剰摂取につながるおそれがあるため、カフェインを含む医薬品、飲み物との併用もしないでください。
眠気覚ましの薬の副作用
この記事で紹介している眠気覚ましの薬の添付文書によると、副作用として主に次のような症状が報告されています。
服用後に副作用とみられる症状があらわれた場合や、このほかにも気になる症状がある場合は、直ちに服用を中止し、医師・薬剤師にご相談ください。
部位 | 主な症状 |
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消化器 | 食欲不振、吐き気・嘔吐 |
精神神経系 | ふるえ、めまい、不安、不眠、頭痛 |
循環器 | 動悸 |
依存性はある?
トメルミンのような眠気覚ましの薬は、服用を続けても効果が弱くなったり、依存することはほとんどありませんが、眠気をおさえられないときに一時的に使用するもので、続けて服用するような薬ではありません。
薬以外で眠気を覚ます方法|日中の居眠りや睡魔を抑えるために
眠気を覚ます方法は、市販のカフェイン剤を服用する以外に、次の方法で眠気を覚ますこともできます。
また、日中眠くならないようにするためには、質の良い睡眠をとることと、規則正しい生活リズムを意識し、睡眠時間を十分に確保することも大切です。
一連の対策を試してみても日中の眠気がとれない場合は、一度睡眠外来の専門医にご相談いただいてもよいでしょう。
短い仮眠をとる
仮眠は、短時間で脳内をスッキリさせるために有効な手段です。
15分以上眠ってしまうと脳が睡眠モードになって起きにくくなるため、机で5~10分ほどの仮眠を試してみてください。
短い仮眠をとることで眠気が軽減し、作業効率が上がるといわれています。
気分転換に体を動かす
同じ姿勢で勉強や仕事を続けるのではなく、適度に体を動かすことで眠気対策ができます。ストレッチを試してみたり、気分転換にトイレ休憩に行ったり、外の空気を吸って体を伸ばしてみるのもよいでしょう。
眠いときは副交感神経が優位になっていますが、体を動かすことで交感神経が優位になり、眠気がとれるだけでなく、脳の血行も改善し頭がスッキリします。
部屋や車内の換気をする
部屋の二酸化炭素濃度が高いと、眠気を引き起こすと考えられています。勉強部屋や会議室、車内など密閉された空間では二酸化炭素濃度が高くなり、酸素濃度が低くなりがちです。
窓やドアを開けて、こまめに換気をしましょう。一般的な換気方法の目安は、夏場は1時間に5分の換気を2回。冬場は、5分より少し短めの換気を2回といわれています。
飲み物によるカフェイン摂取について
カフェインは、適切な量を守れば、眠気を解消したり、集中力を上げたりするのに役立ちますが、過剰に摂取すると、動悸、下痢、吐き気などの症状や興奮、不安、イライラするなどの精神症状、さらには不眠の症状をもたらすこともあります。
また、過剰摂取を数日間続けた場合は、疲労感を強く感じるようになる可能性も示唆されています。
清涼飲料水などに含まれるカフェインにも同じ作用があるため、とりすぎにならないように飲料のカフェイン量の目安も知っておきましょう。缶コーヒーやペットボトルなどには1本あたりに含まれるカフェイン量が記載されていることが多いため、飲む前にラベルを確認しておくのもよいでしょう。
内閣府の食品安全委員会が海外の情報をまとめた資料によると、悪影響とはならないカフェインの最大摂取量の目安は次の通りです。
悪影響のない1日あたりのカフェイン最大摂取量目安 | |
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健康な成人 | 400mg(コーヒーマグカップ3杯分) |
妊娠中の方 | 200〜300mg/日(コーヒーマグカップ2杯分) |
授乳中の方 | 200mg/日 |
眠気覚ましの薬に関するQ&A
Q 受験の前などに薬を飲み続けても大丈夫?
A 眠気覚ましの薬は、一時的に眠気を防止する目的で服用するものであるため、短期間の服用にとどめ、長期にわたっての服用や常用はしないようにしてください。添付文書に書かれた用法・用量をご確認の上、服用してください。
Q 薬はいつ飲むのが効果的?
A 眠気を感じたら飲むようにしましょう。
効果が効き始めるまでの時間については、トメルミンを例にとると、効き始めるまで約10分というデータもありますが、人によって異なります。
Q 15歳未満が使える眠気覚ましの薬はある?
A 市販薬としては販売されていないため、薬以外の眠気を覚ます方法を試すか、生活リズムを整えたり、睡眠を見直してみることをおすすめします。