猪苓湯は頻尿や残尿感、排尿痛に用いられる漢方薬
猪苓湯は5種類の生薬からなる漢方薬で、口の渇きがある方の頻尿や残尿感、排尿痛、むくみ、排尿困難に用いられます。
5種類の生薬 |
---|
カッセキ、タクシャ、チョレイ、ブクリョウ、アキョウ |
猪苓湯の効能効果
猪苓湯には、尿の出をよくし膀胱炎の原因菌を洗い出す働きがあります。この働きにより頻尿や残尿感、排尿痛、むくみなどに効果をあらわします。
また、実際に効果が現れるまでの具体的な日数には個人差があります。
市販薬の添付文書に記載された日数を過ぎても症状がよくならない、または悪化するような場合は、市販薬の使用をやめ、病院を受診するようにしましょう。
効能効果 |
---|
体力に関わらず使用でき、排尿異常があり、ときに口が渇くものの次の諸症:排尿困難、排尿痛、残尿感、頻尿、むくみ |
猪苓湯は、排尿時に痛みがある、尿が残っている感じがある、トイレに行く回数が多いという悩みがある方に適した漢方薬です。
猪苓湯が配合された市販薬
ツムラの漢方 猪苓湯エキス顆粒A
ツムラ漢方猪苓湯エキス顆粒A 20包(第2類医薬品)【第二類医薬品】
効能効果 |
---|
体力に関わらず使用でき、排尿異常があり、ときに口が渇くものの次の諸症:排尿困難、排尿痛、残尿感、頻尿、むくみ |
猪苓湯は、5種類の生薬から構成され、尿の出を良くして細菌の排出を助ける効果があります。
顆粒タイプのため、錠剤は飲み込みにくいという方や、漢方薬特有の味やにおいが苦にならないという方にも適しています。
1か月くらい服用しても症状がよくならない場合は、市販薬の服用をやめ、医師または薬剤師に相談してください。
頻尿や残尿感、排尿痛に効く猪苓湯以外の漢方薬・生薬製剤
頻尿や残尿感、排尿痛に効く市販薬には、猪苓湯以外にも漢方薬の五淋散や、生薬製剤の腎仙散があります。
猪苓湯と五淋散、腎仙散の違い
五淋散と猪苓湯、腎仙散では、配合されている生薬や作用に違いがあります。
■猪苓湯
尿の出をよくし膀胱炎の原因菌を洗い出す作用により、頻尿や残尿感、排尿痛、排尿困難、むくみに効果をあらわします。5種類の生薬が配合されています。
■五淋散
膀胱や尿道の炎症を改善する作用と、尿の量を増やし菌を押し流す作用によって、頻尿や残尿感、排尿痛、尿のにごりに効果をあらわします。11種類の生薬が配合されています。
■腎仙散
原因菌による炎症を抑える作用と、炎症の原因となっている菌を弱らせる作用、排尿痛を和らげる作用、原因菌を尿で洗い出す作用によって、膀胱炎などに効果をあらわします。15種類の生薬が配合されています。
ボーコレン
ボーコレン 48錠【第二類医薬品】
効能効果 |
---|
体力中等度のものの次の諸症:排尿痛、残尿感、頻尿、尿のにごり |
ボーコレンは、抗菌・抗炎症作用、傷修復・血流改善作用、利尿作用のある11種類の生薬からなる薬です。
錠剤タイプのため、漢方薬特有の味やにおいが苦手な方にもおすすめです。
腎仙散
腎仙散 12包(第2類医薬品)【第二類医薬品】
効能効果 |
---|
腎炎、ネフローゼ、腎盂炎、膀胱炎、ムクミ、尿利減少 |
腎仙散は、抗菌作用のある生薬や、利尿作用のある生薬、抗炎症作用のある生薬、鎮痛作用のある生薬など15種類の生薬が配合された市販薬で、膀胱炎などに効果をあらわします。
散剤タイプのため、錠剤を飲み込むのが苦手な方におすすめです。
猪苓湯と五淋散、腎仙散を併用してもいい?
複数の漢方薬や生薬製剤を服用すると配合されている生薬が重複し、作用が強くですぎたり、副作用を引き起こすおそれがあります。
漢方薬・生薬製剤と他の薬を併用するときは、服用前に医師または薬剤師に相談するようにしましょう。
頻尿や残尿感は膀胱炎以外の原因でも起こる
頻尿や残尿感の症状が起こる原因には、膀胱炎以外にも、加齢による膀胱機能の低下や、精神的なストレスがあり、市販の漢方薬や膀胱機能を調節する薬で対処することができます。
加齢による膀胱機能の低下や、精神的ストレスをともなう頻尿や残尿感に効果をあらわす市販薬については、以下の記事で紹介しています。