タバコを吸うと痰がでやすくなる?メカニズムは?
タバコの煙には、多数の有害物質が含まれています。これらの有害物質は全身に悪影響を及ぼしますが、そのなかでも、とくに直接的な影響を受けやすいのが気道や気管支、肺です。
タバコの煙が気道を通ると、気道内の痰が増えたり、気管に侵入する異物を取り除く働きが弱くなったりするため、痰が出やすくなる、痰が絡みやすくなるなどの、症状があらわれやすくなります。
また、タバコの煙を長期間吸い込むと、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の発症リスクも高くなります。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは
慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、主にタバコの煙などの有害物質を、長期間吸うことにより発症する病気で、咳や痰、動いた時の息切れなどの症状があらわれます。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の症状を悪化させないためには、早期発見・早期治療が大切です。特に40歳以上の喫煙者の方で、以下のような症状がある場合は、早めに病院を受診するようにしましょう。
・3週間以上、咳や痰がでる ・黄色または緑色の痰がでる ・呼吸をするとゼーゼー、ヒューヒューと音がする ・階段の上り下りをしたり、坂道を登ったりすると、息切れがする など |
タバコによる痰・咳を緩和させる市販薬はある?
タバコによる痰・咳を緩和する市販薬には、漢方薬の清肺湯や、L-カルボシステインとブロムヘキシン塩酸塩が配合された去痰薬があります。
清肺湯には、痰を切りやすくする作用と気管支の炎症を抑える作用があり、痰の多くでる咳、気管支炎に効果をあらわします。
去痰薬には、痰の通りをスムーズにする作用と、痰をサラサラにする作用があり、痰、痰の絡む咳に効果をあらわします。
清肺湯 |
・痰を切りやすくする作用と、気管支の炎症をおさえる作用 ・痰の多く出る咳、気管支炎に |
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去痰薬 |
・痰の通りをスムーズにする作用と、痰をサラサラにする作用 ・痰、痰のからむ咳に |
清肺湯が配合された漢方薬
清肺湯は16種類の生薬からなる漢方薬で、痰を切りやすくする作用と、気管支の炎症をおさえる作用があります。この2つの働きにより、痰の多く出る咳、気管支炎に効果をあらわします。
ダスモックa
効能効果 |
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体力中等度で、せきが続き、たんが多くて切れにくいものの次の諸症:たんの多く出るせき、気管支炎 |
ダスモックaは、去痰作用と抗炎症作用のある生薬が配合された、顆粒タイプの漢方薬(清肺湯)です。錠剤は飲み込みにくいという方におすすめです。
清肺湯が気管支粘膜の汚れを取り除きながら、タバコなどによる咳・痰を和らげます。
ダスモックb
効能効果 |
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体力中等度で、せきが続き、たんが多くて切れにくいものの次の諸症:たんの多く出るせき、気管支炎 |
ダスモックbは、去痰作用と抗炎症作用のある生薬が配合された、錠剤タイプの漢方薬(清肺湯)です。漢方薬特有の味やにおいが苦手な方におすすめです。
清肺湯が気管支粘膜の汚れを取り除きながら、タバコなどによる咳・痰を和らげます。
去痰薬
クールワン去たんソフトカプセルとストナ去たんカプセル、去痰CB錠は、2種類の去痰成分(L-カルボシステイン・ブロムヘキシン塩酸塩)が配合された市販薬です。
L-カルボシステインが痰の通りをスムーズにし、ブロムヘキシン塩酸塩が痰をサラサラにします。この2つの働きにより、痰、痰の絡む咳に効果をあらわします。
クールワン去たんソフトカプセル
効能効果 |
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痰、痰のからむ咳 |
L-カルボシステインとブロムヘキシン塩酸塩の、2種類の去痰成分が配合された市販薬です。
L-カルボシステインが痰の通りをスムーズにし、ブロムヘキシン塩酸塩が痰をサラサラにします。
ストナ去たんカプセル
効能効果 |
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痰、痰のからむ咳 |
L-カルボシステインとブロムヘキシン塩酸塩の、2種類の去痰成分が配合された市販薬です。
L-カルボシステインが痰の通りをスムーズにし、ブロムヘキシン塩酸塩が痰をサラサラにします。
去痰CB錠
効能効果 |
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たん、たんのからむせき |
L-カルボシステインとブロムヘキシン塩酸塩の、2種類の去痰成分が配合された市販薬です。
L-カルボシステインが痰の通りをスムーズにし、ブロムヘキシン塩酸塩が痰をサラサラにします。
タバコによる痰・咳を緩和させるためには禁煙が大切
タバコによる痰・咳を緩和させるためには、禁煙をすることが重要です。禁煙を行うと、1〜2か月後に咳や痰の症状が改善するとの報告もあります。
禁煙してから5〜9年経過すると肺がんのリスクが低下する
喫煙を続けた場合と禁煙した場合では、虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症など)や肺がんなどにかかるリスクが異なります。
たとえば、禁煙をしてから2〜4年経過すると、喫煙を続けた場合に比べて、脳梗塞や虚血性心疾患のリスクが約1/3に減少します。
また、禁煙後5〜9年では、喫煙を続けた場合に比べて、肺がんのリスクが明らかに低下します。
禁煙したいけどできないときの対処法
禁煙が続かない方は、禁煙補助薬を試してみるのも一つの方法です。
禁煙補助薬を使用すると、禁煙開始後の離脱症状が緩和されるため、薬を使わない場合に比べて禁煙をおこないやすくなります。
■離脱症状は禁煙開始後2〜3日をピークに現れる
離脱症状は禁煙開始後2〜3日をピークに現れ、その後10〜14日ごろまで続きます(個人差があります)。
とくに禁煙開始後の2〜3日は、タバコが吸いたい欲求やイライラして落ち着かないなどの離脱症状が、1日に複数回現れることがあります。
禁煙補助薬は市販で購入できる
市販で購入できる禁煙補助薬には、ニコチンパッチとニコチンガムがあります。
ニコチンパッチは体に貼り皮膚からニコチンを吸収させることで、ニコチンガムは口の粘膜からニコチンを吸収させることで、禁煙開始後の離脱症状を緩和します。
禁煙補助薬の選び方や、使用方法については、以下の記事で解説しています。