トラネキサム酸に期待できる効果とは?副作用や用法・用量も解説
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薬剤師監修日:
トラネキサム酸の効果は止血や抗炎症作用などで、のどの炎症や湿疹を抑える薬に用いられます。美白効果も期待できるとされ、美容目的で使われているのも特徴です。この記事では、トラネキサム酸の効果や副作用などについて解説します。

トラネキサム酸は、止血や抗炎症作用のある成分です。美白効果も期待できると、化粧水や美容液などに使用されていることでも知られています。この記事では、トラネキサム酸の概要や効果、取り入れ方、副作用などを解説します。
トラネキサム酸とは?
トラネキサム酸は人工的に合成されたアミノ酸の一種で、主な効果は止血や抗炎症作用です。
アレルギー反応や炎症は「プラスミン」という物質が大きく関係しており、トラネキサム酸には、このプラスミンの働きを抑える作用があります。
先発品はトランサミンという名前で、以下の目的に対して病院でも処方されることがあります。
- 扁桃炎など、のどの炎症を抑える
- 湿疹などのかゆみや炎症を抑える
- 口内炎による痛みを抑える
トランサミンには、以下の5種類の剤形があります。
- 錠剤
- カプセル
- 散剤(粉薬)
- シロップ
- 注射
また、各剤形でジェネリック医薬品があります。
最近ではトラネキサム酸に、肌荒れを防ぐ効果や、シミの一種である肝斑の改善に効果があると認められたため、美容目的でも使われるようになりました。
医療用医薬品のトラネキサム酸錠(先発品名トランサミン錠)に期待できる効果
医療用医薬品として処方されるトラネキサム酸錠に期待できる効果は主に以下の2つです。
- のどや肌の炎症を抑える効果
- 血液の溶解を抑える止血効果
のどや肌の炎症を抑える効果
プラスミンはメラニンの生成だけでなく、炎症を引き起こす原因物質の一つです。
そのため、トラネキサム酸によってプラスミンが少なくなれば、のどや肌の炎症の改善も期待できます。
医療用医薬品のトラネキサム酸錠(先発品名トランサミン錠)は以下の症状に適応があります。
- 湿疹およびその類症における紅斑・腫脹・そう痒
- 蕁麻疹における紅斑・腫脹・そう痒
- 薬疹・中毒疹における紅斑・腫脹・そう痒
- 扁桃炎
- 咽頭炎
- 口内炎
上記の症状があらわれた際は、病院でトラネキサム酸錠を処方されることがあります。
血液の溶解を抑える止血効果
止血効果も、トラネキサム酸に期待できる効果の一つです。
人体の止血の流れは以下の5段階になっています。
- 破れて出血している箇所に血小板が集まり血栓を作る
- 血栓の周りにフィブリノゲンが集まり血栓を固める膜を作る
- 血管壁が修復され元に戻る
- プラスミンが血栓の膜を溶かす
- 白血球が固まった血小板を食べて傷があった場所はきれいになる
プラスミンは出血を止めるために固まった血液を溶かす働きがあります。
プラスミンが活発な状態だとフィブリノゲンが作った膜を溶かし血栓が固まりません。
トラネキサム酸は、プラスミンの働きを抑制するため、止血効果が期待できます。
医療用医薬品のトラネキサム酸錠の効果を得るための用法・用量
医療機関から処方されるトラネキサム酸錠は、250mgで1日3~8錠、500mgで1日2~4錠を目安として医師が決定します。
トラネキサム酸によって起こり得る副作用
重大な副作用として痙攣があります。
頻度は少なく、必ず起こるものではありませんが、もしこのような症状が起きたらすぐに受診しましょう。
その他の主な副作用として挙げられるものは以下のとおりです。
- 発疹
- 嘔吐
- 吐き気
- 下痢
- 食欲不振
- 眠気
- 胸やけ
- 痒み
上記以外に、白髪の増加といった副作用を聞いたことがある方もいるかもしれませんが、医学的根拠はありません。
トラネキサム酸の服用を始めてから、上記の症状が出た場合や体調が悪くなった場合は使用をやめ、医師に相談してください。
トラネキサム酸の摂取を避けたほうがよい人
トラネキサム酸は持病により摂取を避けたほうがよい方がいます。
まず、トロンビンという止血薬を使用している方は、血栓ができやすくなるため絶対に使用しないでください。
以下の方は摂取の際に注意が必要な方です。
- 血栓に関わる持病の方
- 脳血栓・狭心症・心筋梗塞・血栓性静脈炎・消費性凝固障害など
- 術後の臥床状態にある方
- 圧迫止血の処置を受けている方
- 腎不全の方、透析治療を受けている方
上記に当てはまる方は、受診の際に必ず医師に相談してください。
妊娠中、授乳中の方も、受診されたときは必ずそのことを伝えるようにしてください。
トラネキサム酸を含む市販薬の効果について
市販薬でもトラネキサム酸を含むものがあります。
手軽に購入できて便利ですが、医療用医薬品と比べてトラネキサム酸の含有量は少なめです。
また、医療用医薬品とはちがい、トラネキサム酸以外の有効成分が組み合わさって販売されています。
トラネキサム酸が配合された市販薬には、扁桃腺のはれや痛み、のどの痛み、咳、口内炎を抑えるといった効果・効能のある薬が販売されています。
先ほど挙げた「トラネキサム酸の摂取を避けたほうがよい人」に当てはまる方や、他に薬やサプリメントを使用している方は、必ず購入前に医師や薬剤師に相談してください。
また、美白有効成分としてトラネキサム酸を含んだ化粧水や美容液などもあり、メラニンの生成を抑えてしみやそばかすを予防します。
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