救心の効果|飲むと危険?注意点は?副作用についても解説
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薬剤師監修日:
救心は、9種の動植物生薬が配合された、動悸・息切れなどに効果のある薬です。この記事では、救心の成分や効果に加えて、救心を飲むと危険?という疑問に答え、服用上の注意点や副作用のほか、効果が現れるまでの時間についても解説します。
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救心はどんな薬?
救心は、9種類の動植物から作られた生薬を配合した、動悸や息切れなどに効く薬です。
動悸や息切れの主な原因
激しい運動や興奮したときなどの一時的な動悸や息切れは、誰にでも起こり得ます。
ただし、日常生活や、安静にしている時に起こる動悸や息切れは、なんらかの不調が起こっている可能性があります。
激しく動いたわけではないのに感じる動悸や息切れは、次のようなことが原因で起こります。
動悸や息切れの主な原因 |
・循環器系や呼吸器系の機能の低下 ・過度の緊張やストレス ・更年期や暑さ・寒さなどによる自律神経の乱れ ・過労 ・睡眠不足 ・たばこやアルコールの飲み過ぎ ・肥満 ・激しい運動 など |
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救心の効果
救心は、動悸、息切れ、気つけに効果がある薬です。
気つけとは、脳への酸素供給や栄養分の補給が低下して生じる、めまいや立ちくらみを薬などで改善する効果のことをいいます。
救心に含まれる9種の成分とその作用
救心に含まれる9種の生薬には、それぞれ次のような作用があります。
9種が合わさることで、循環器系のバランスを整え、動悸、息切れ、気つけに効果を発揮します。
成分 | 特徴・作用 |
---|---|
①蟾酥 | ヒキガエル科のシナヒキガエルなどの耳下腺、皮脂腺の分泌液を集めて塊にしたもの |
心筋の収縮力を高める | |
②牛黄 | 牛の胆のう中に生じた結石(胆石) |
心筋の収縮力を高めるほか、末梢血管を広げる、興奮を静める | |
③鹿茸末 | シカの雄の袋角を乾燥させたもの |
心筋の収縮力を高めるほか、強壮(活力を与える)作用により気力を高める | |
④人参 | オタネニンジン(別名:高麗人参・朝鮮人参)の根を乾燥もしくは軽く湯通ししたもの |
強壮作用により気力を高める | |
⑤羚羊角末 | ウシ科のサイガレイヨウの角を粉末にしたもの |
鎮静作用により、ストレスなどからくる神経の緊張をやわらげる | |
⑥真珠 | アコヤガイ等からとれた真珠を粉末にしたもの |
鎮静作用により、ストレスなどからくる神経の緊張をやわらげる | |
⑦沈香 | 沈香樹(ジンコウジュ)の木材部が樹脂化したもの |
鎮静作用、強壮作用がある | |
⑧龍脳 | 竜脳樹(リュウノウジュ)の樹幹の空隙にできた結晶 |
気力や意識をはっきりさせる | |
⑨動物胆 | ブタの胆汁を乾燥させたもの |
消化器の働きをよくする |
救心はどんなときに使える?
救心は、例えば次のような症状が出た時に使用できます。
こんなときに |
・ちょっとした階段や坂道を上るだけで息が切れる ・人ごみの中でめまいや意識が遠くなるような感覚がする ・残業続きや睡眠不足で仕事に集中できずボーっとすることがある ・温かい室内から急に寒い屋外に出ると胸がドキドキする ・長時間の運転や作業をしていると頭がボーッとすることがある ・座りっぱなしや立ちっぱなしでいると足がむくむ など |
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救心の種類
救心には、丸剤・錠剤・カプセル剤と3種類の剤形があります。
いずれも効能・効果は「どうき、息切れ、気つけ」に変わりありませんが、カプセルタイプは、丸剤や錠剤に含まれる、羚羊角末(レイヨウカクマツ)および沈香(ジンコウ)が配合されておらず、代わりにサフラン末というものが含まれております。
サフラン末とは、アヤメ科サフランのめしべの柱頭で、血液循環をよくする作用があります。
丸剤・錠剤・カプセル剤、それぞれの特徴は、以下の通りです。
商品画像 | 特徴 |
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![]() |
・小粒の丸剤タイプ ・1回2粒、1日3回 (15才以上) |
![]() |
・フィルムコーティングされた錠剤タイプ ・1回1錠、1日3回 (15才以上) |
![]() |
・ミニカプセルタイプ ・1回1カプセル 、1日3回 (15才以上) |
救心
救心【第二類医薬品】

剤形 | 丸剤 |
---|---|
用法・用量 | 1回2粒、1日3回 (15才以上) |
小さな丸剤で、口にふくむと崩れやすい設計となっています。また、薬効成分がすみやかに吸収されるよう工夫されています。
救心錠剤
救心錠剤【第二類医薬品】

剤形 | 錠剤 |
---|---|
用法・用量 | 1回1錠、1日3回 (15才以上) |
スルッとのどを通るフィルムコーティング錠で、生薬特有の味やニオイも比較的気になりません。
また、プラスチックボトルのため、携帯しやすく、外出先での服用に便利です。
救心カプセルF
救心カプセルF 30カプセル【第二類医薬品】

剤形 | カプセル |
---|---|
用法・用量 | 1回1カプセル 、1日3回 (15才以上) |
小さなカプセル剤で、シート状になっているため、携帯もできます。
救心を飲むと危険?注意点は?
「救心は心臓の薬だから強い薬」「強いから、飲むと危険なのでは?」というイメージを持たれている方もいるかもしれません。
救心は、生薬のみを配合した薬です。全身の血流を改善することで、動悸や息切れを改善します。
ただし、病院で医師の診断のもと処方される薬と異なり、救心は自己判断で使用することができます。そのため、服用の際にはいくつか注意点があることも覚えておきましょう。
救心を服用する上での注意点
救心の添付文書によると、現在の症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなるため、他の強心薬との併用はできません。
また、医師の治療を受けている方や、妊娠・妊娠していると思われる方は服用の前に医師・薬剤師または登録販売者にご相談ください。
加えて、救心を口の中で溶かしたり、水なしで服用すると、成分中の蟾酥(センソ)の作用により、舌や口の中にしびれを感じることがあります。しびれは、口の中に留めた時間の違いや個人差により、長くても数時間で消失しますが、服用時は口の中に長く留めないよう、水かお湯ですみやかに服用してください。
救心の副作用
救心を服用後、次の症状が現れた場合は、副作用の可能性があるため、直ちに服用を中止し、添付文書をご持参の上、医師・薬剤師または登録販売者にご相談ください。
関係部位 | 症状 |
---|---|
皮膚 | 発疹・発赤、かゆみ |
消化器 | 吐き気・嘔吐 |
救心の効果が出るまでの時間は?
救心を服用後、効果が出るまでの時間については、症状や体質によって個人差はありますが、服用後30分程度で作用が現れ始めます。
救心は、服用後すみやかに吸収・代謝され、いつまでも薬が体の中に残ったり、服用をやめることで急に症状が強く現れたりすることもないと考えられています。
ただし、5~6日間を目安に薬の使用を続けてみても効果を感じられない場合は、薬が合っていないなど他の原因が考えられるため、一度医師や薬剤師、または登録販売者にご相談ください。
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