ケナログとは

ケナログは、口内炎や舌炎に効果のある軟膏です。市販薬と処方薬があります。

市販薬は「ケナログA口腔用軟膏5mg」、処方薬は「ケナログ口腔用軟膏0.1%」という名称で、どちらもブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社が販売しています。(2017年8月現在)

ケナログの成分

ケナログの主成分は、市販薬・処方薬ともにトリアムシノロンアセトニドというステロイドです。

炎症を抑え、痛みをやわらげる効果のある成分です。市販薬と処方薬で、トリアムシトロンアセトニドの含有量に違いはありません。

ケナログの市販薬と処方薬との違い

ケナログの市販薬「ケナログA口腔用軟膏5mg」と処方薬「ケナログ口腔用軟膏0.1%」では、適応する疾患が異なります。市販薬は口内炎・舌炎のみに使用されるのに対し、処方薬は口内炎・舌炎だけでなく歯肉炎にも適応があります。

また、市販薬では口腔内に感染症をともなう方は使用できませんが、処方薬では、感染症をともなう場合も特に必要な場合には抗菌剤・抗真菌剤を一緒に使うなどして処方される事があります。

市販薬は薬局などで購入することができますが、処方薬の購入には医師の処方箋が必要です。

ケナログA口腔用軟膏5mgの効果

ケナログは口内炎・舌炎に効果がある薬ですが、口内炎と言ってもさまざまな種類があります。

ケナログが効果を発揮するのは、主に表面が白か黄色の膜で覆われ、周りが赤くなっている口内炎です。そのような口内炎をアフタ性口内炎と呼び、アフタ性口内炎ができる主な原因はストレスや寝不足などの生活習慣の悪化による免疫力低下です。

白い苔や水ぶくれのような症状の口内炎は、カンジダ性口内炎やウイルス性口内炎のおそれがあります。カンジダ性口内炎やウイルス性口内炎にはケナログは効果がありません。

ケナログはヘルペスに効く?

口唇ヘルペスとはヘルペスウイルスが原因の感染症で、唇やその周辺に水ぶくれができる病気です。

ケナログはウイルスを殺菌する効果がないので、ヘルペスには効果がありません。

ヘルペスにはケナログは使用せず、ヘルペス治療薬を使用しましょう。

ケナログは口角炎に効く?

市販薬のケナログA口腔用軟膏5mgは口角炎には使えません。口角炎は、乾燥やビタミンB2の不足が原因のひとつとして考えられています。

市販薬を使用する場合は唇専用のものを購入しましょう。口角炎・口唇炎を治療する薬を使用し、市販薬のケナログA口腔用軟膏5mgは使用しないでください。

ケナログA口腔用軟膏5mgの塗り方

ケナログA口腔用軟膏5mgの使用方法を説明します。正しい使用方法を守り、しっかり治しましょう。

添付文書による用法用量は下記の通りです。

1日1〜数回、適量を患部に塗布する。

ケナログA口腔用軟膏 添付文書

以下で詳しい塗り方を解説します。

①口の中をきれいにする

水やうがい薬などで口の中をすすぎ、きれいにします。ケナログは殺菌効果が無いので、殺菌効果のあるうがい薬などを使用すると効果的です。

②患部の周りの水分をとる

ケナログがつきやすいようにティッシュペーパーやガーゼなどで軽く押さえるようにして、患部の周りの水分や唾液をぬぐってください。

このとき、患部が乾きすぎてしまうとケナログがつきにくくなります。

③ケナログをつける

患部をおおうだけの量を指先にとり、患部の周りから、静かにおおうようにしてつけます。

④つけた後はしばらく飲食をしない

つけた後はしばらく飲食を控えましょう。また、患部を舌で探らないようにしましょう。

⑤食後と就寝前につける

食後と就寝前につけることで、しばらく飲食を控えることができます。

ケナログA口腔用軟膏5mgの副作用

ケナログA口腔用軟膏5mgの副作用のひとつとして、ステロイドによる免疫力低下が原因の口腔感染症があります。下記の症状が現れた場合は、口腔感染症を起こしているおそれがあります。

・口腔内に斑点(カンジダ感染症の疑い)
・患部に黄色い膿(細菌感染症の疑い)

ほかにも以下の副作用があります。

・味覚の異常、しびれ
・アレルギー症状など

上記のような副作用が現れた場合、使用を中止し、医師に相談してください。

ケナログA口腔用軟膏5mgの使用上の注意

ケナログA口腔用軟膏5mgは感染性の口内炎が疑われる方は使用しないでください。感染性の口内炎が疑われる人は以下になります。

・ガーゼなどで擦ると剥がせる白い斑点が口腔内全体に広がっている方
・患部に黄色い膿が発生している方
・口腔内に水疱が多発している方、口腔粘膜以外の唇、皮膚にも水疱、発心がある方

ほかにも使用してはいけない方は以下になります。

・歯槽膿漏、歯肉炎の部位と口内炎が発生している部位が重なっている方
・5日間使用しても症状の改善がみられない方
・1日〜2日使用して、症状の悪化がみられた方

ケナログA口腔用軟膏5mgとほかの市販薬の比較

口内炎に効果のある市販薬は、ケナログA口腔用軟膏5mgのほかにも多くの製品があります。さまざまな剤形があり、特徴も異なります。

以下でトラフル錠、口内炎パッチ大正Aとの比較を解説します。

  ケナログA口腔用軟膏5mg トラフル錠

口内炎パッチ大正A

剤形 軟膏 錠剤 パッチ
剤形別特徴

量を調節できる

飲むだけなので使用しやすい 患部を刺激から保護できる
効果 炎症を抑え、痛みをやわらげる 喉の痛みにも効果がある かさぶた形成を促す効果がある

トラフル錠(第一三共ヘルスケア)

口内炎治療薬のトラフルシリーズの錠剤タイプです。

ケナログの主成分が、抗炎症・鎮静に効果のあるステロイド成分(トリアムシノロンアセトニド)なのに対し、トラフル錠は痛みを起こす原因物質を抑え、口内炎の痛み、はれなどに効果のあるトラネキサム酸が主成分となっています。

また、炎症を抑える作用のあるカンゾウ乾燥エキス、粘膜の機能を正常にさせるビタミンB2・B6・Cも配合されています。

口内炎パッチ大正A(大正製薬)

口内に貼るパッチタイプの口内炎治療薬です。

主成分はかさぶた形成を促すシコンエキスと、炎症を抑えるグリチルレチン酸です。

パッチが患部を刺激から保護するため、痛みの強い口内炎に効果的です。

おわりに

口内炎・舌炎の症状が起きる原因は、噛んで口内の粘膜を傷つけたり、栄養摂取の偏り、睡眠不足、ストレスからくる免疫力の低下などさまざまです。

口内炎の改善には、薬を上手に使いながら、生活習慣を正すことも大切です。

出典:独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページ