赤ちゃんの便秘の原因
便秘とは、排便が遅れたり困難になったりする状態をさします。
赤ちゃんが便秘になる原因の多くは、水分や栄養不足が考えられます。母乳や粉ミルクなどの摂取が少ないと、水分や栄養が足りない状態になり、十分な便を作ることができず排泄をすることもできません。
それ以外の原因として、赤ちゃんの体に構造的な問題や、腸や筋肉、神経に問題があるおそれもまれにあります。
赤ちゃんの便秘は市販薬で治療可能
赤ちゃんの便秘は市販薬で治療をすることが可能です。水分や食物繊維を多く摂取することも重要ですが、乳幼児は食事のみでのコントロールが難しいため、市販薬を使用して早くうんちを出してあげることが重要です。
赤ちゃんの便秘のサイン・症状
大人の場合は、3日以上排便がない場合は便秘になっている※という定義がありますが赤ちゃんの場合は「何日間、便が出ないと便秘」という明確な決まりは特にありません。
赤ちゃんの便秘に気付くために大事なことは、排便回数よりも排便時の様子や日々の体重変化です。
※日本内科学会より
排便時の様子を見る
赤ちゃんの排便時の様子を見ることで便秘に気づけることがあります。赤ちゃんの便秘のサインを察知するために、次の点に気をつけましょう。
- 排便時に痛がっていないか
- 便が出ずに苦しそうにしていないか
- お腹が張っていないか
一週間の排便回数が少なくても、痛がる様子や苦しそうにする様子がなければ問題はありません。
しかし、排便時に痛がっていたり苦しそうにしたりしている場合は、便が出にくい状態もしくは肛門が切れているおそれがあります。
機嫌・体重の変化に気をつける
赤ちゃんの健康管理では、体重の増減は重要な指標です。
便がなかなか出ない状態が続いたり、お腹が張っていたりすると、食欲がなくなり体重が減ってしまうこともあります。
また、体重の減少のほかに機嫌が悪い場合も、便秘になっている、あるいはお腹をはじめとした体のどこかに異常があるかも知れません。
赤ちゃんの市販便秘薬の選び方
市販の便秘薬は主に4つの種類がありますが、赤ちゃんが服用できるのは基本的に浣腸と整腸剤のみになります。
赤ちゃんの服用可否 | |
---|---|
非刺激性剤下剤 |
× |
刺激性下剤 |
× |
浣腸 |
◯ |
整腸剤 |
◯ |
酸化マグネシウムなどの非刺激性下剤や、ピコスルファートなどの刺激性下剤は市販薬の場合、剤形が全て錠剤となります。赤ちゃんは錠剤を飲み込むことが難しいため、必然的にこの2種の便秘薬は服用できません。(処方薬であれば粉薬もあるため、赤ちゃんが服用することもあります。)
浣腸
浣腸は肛門や直腸に刺激を与えることによって、大腸が動いて強制的に排便をうながす薬です。即効性がありますが、クセになりやすいのでどうしても出したい!という緊急時に使用します。
整腸剤
便秘薬が腸に刺激を与えたり、水分を集める作用があるのに対し、整腸剤は腸内の環境を整えて自然な排便をうながす薬になります。刺激も少なく、長期連用しても問題ないため、子供や妊婦さんも安心して飲める薬です。比較的症状が軽い便秘に使用しましょう。
赤ちゃんの便秘に効く市販薬
赤ちゃんも使える便秘に効く市販薬を紹介します。
年齢に応じて使用量が異なるのでよく確認してお使いください。
どうしても出したい緊急時には浣腸を、慢性的な便秘には整腸剤がおすすめです。
早く出したい緊急時に : 浣腸
年齢 | 1回量 | 使用本数 |
1〜5才 | 1個 | 1日2本まで |
3ヶ月〜1才 | 1/2個 | 1日2本まで |
3ヶ月未満 | 医師に相談してください |
有効成分 |
グリセリン |
イチジク浣腸は主にグリセリンと精製水の2つを含んでいます。
薬液を入れてから効果が現れるまで3分から10分と、便意の促進が速やかであるところが浣腸ならではの特徴です。即効性があり排便のタイミングを計りやすいというメリットがありますが、長期間使用すると薬に頼りがちになるため緊急時のみ使用してください。
腸を整えて自然な排便へ : 整腸剤
年齢 | 1回量 | 1日服用回数 |
3ヶ月〜15才 | 1/2包 | 3回 |
3ヶ月未満 | 服用しないこと |
有効成分 |
ラクトミン(乳酸菌) 酪酸菌 糖化菌 |
腸内は主に善玉菌と悪玉菌と呼ばれる細菌群が生息し、両者のバランスが崩れると腸の健康を維持する機能が損なわれ、便秘の原因となります。
ビオスリーHは善玉菌であるラクトミン(乳酸菌)、酪酸菌、糖化菌の3種を配合し、腸内環境を整えるため、自然な排便が期待できます。
粉薬のため赤ちゃんに飲ませる場合はそのまま舐めさせるか、少量の水などに混ぜて服用させてください。
家でできる赤ちゃんの便秘解消方法
赤ちゃんの便秘をやわらげるためには、多めの水分を与えたり、お腹のマッサージや綿棒で肛門を刺激するなどの対処方法があります。
果汁や砂糖水を与える
果汁(特に柑橘系)、砂糖水を飲ませます。十分に水分を与えることで排便をうながします。砂糖水は水や白湯に対して5%ほど入れたものが理想とされています。
また、食物繊維が含まれた飲料を飲ませることもおすすめです。
コレカットは水溶性食物繊維(低分子化アルギン酸ナトリウム)を4g配合し、1本でレタス中玉1個分の食物繊維を摂取することができます。
グレープフルーツ味の「コレカットゼロ(0kcal)」とレモン味の「コレカットレモン(27kcal)」の2種類から選ぶことができ、どちらもさわやかな味で飲みやすいドリンクです。
マッサージ
赤ちゃんのおなかが少しへこむくらいの力で、手のひらでおなかに「の」の字を書くようにマッサージします。大腸を刺激することで排便をうながします。
綿棒刺激
赤ちゃんは排便をしようとしても、どこに力を入れれば良いのかが分からず、うまく排便することができません。
綿棒で肛門を刺激することで、その綿棒を押し出すために腸や肛門に力を入れることができ、結果的に排便をうながすことができます。
■綿棒刺激のやり方
綿棒の先にベビーオイルやオリーブオイルなどの潤滑油や水を1~2滴つけて2cmほど肛門に入れて赤ちゃんの腸を刺激します。
予想以上に多く便が出るときもあるために、新聞紙を広げておくとよいでしょう。綿棒で肛門を刺激するときは、奥に入れすぎないように注意しましょう。
また、強く刺激すると肛門を傷つけるおそれがあるので、優しく丁寧にしてあげましょう。
こんな症状がある時は病院へ
赤ちゃんの排便回数が少なくても、元気そうであれば多くの場合は問題ありません。
しかし、以下の症状が見られる場合はなんらかの病気が関わっているか、赤ちゃんの体のどこかが損傷しているおそれがあるため、一度病院を受診しましょう。
- 体重や食欲が低下した
- 血便がみられる
- 発熱がある
- 嘔吐がある
- 腹部に不自然なふくらみがある
- ぐったりしている、あるいは哺乳時に力が入らないようにみえる
上記の症状が出ていなくても、赤ちゃんの様子が普段とおかしいか、もしくは心配なことがあれば一度病院を受診することをおすすめします。