アジルバは高血圧症の薬
アジルバは有効成分としてアジルサルタンを含有する、高血圧症の治療薬です。
アジルバはARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)と呼ばれる薬の種類で、同じくARBである医薬品のブロプレスと比較した臨床試験では、ブロプレスよりも統計学的に優れた降圧効果が示されています。
また、夜間や早朝に起きやすい血圧の上昇を抑え、1日の中での血圧の変動を抑えることも特徴のひとつです。
高血圧症に使用される主な薬
高血圧に使われる薬はさまざまありますが、ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)は、高血圧症の治療の主力薬のひとつです。
【高血圧に使われる主な治療薬の種類】
薬の分類 | 薬の作用 |
カルシウム拮抗薬 | 血管を広げる |
ARB・ACE阻害薬 | 血管を収縮させる物質の働きを阻害する |
利尿薬 | 血液から塩分と水分を減らす |
β(ベータ)遮断薬 | 心臓の過剰な働きを抑える |
用法・用量
通常、成人には1日1回20mgを使用します。症状や年齢によって医師の判断により用量は変更されますが、1日の最大用量は40mgです。
また、6歳以上の小児については、体重50kg未満の場合は2.5mg、体重50kg以上の場合は5mgを1日1回使用します。なお年齢、体重、症状により、医師の判断で用量は変更されることがありますが、体重50kg未満の1日の最大用量は20mg、体重50kg以上の1日の最大用量は40mgです。
用法用量については医師の指示を正しく守りましょう。
アジルバの種類
アジルバは3種類の錠剤と1種類の顆粒剤が販売されています。
錠剤は、アジルバ錠10mg、20mg、40mgの3種類です。
顆粒剤はアジルバ顆粒1%という名称で販売されています。
これらと同じ成分を使用した市販薬は販売されていません。(2022年11月現在)
アジルバの副作用
アジルバの副作用として、急激に血圧が下がりすぎることによりめまいやふらつきが現れることがあります。アジルバを使用中は、高所での作業、自動車や危険な機械などの運転をする際は十分に注意してください。
そのほかにも、頭痛、下痢、腎臓や肝臓の検査値の異常、発疹、湿疹、皮膚のかゆみなどもあげられます。
重大な副作用
頻度は不明ですが、場合によっては、以下のような重大な副作用が起こることも報告されています。アジルバを服用中にいつもと違う症状が出た場合には、医師や薬剤師に相談しましょう。
・血管浮腫
・ショック、失神、意識消失
・急性腎障害
・高カリウム血症
・肝機能障害
・横紋筋融解症
使用に注意が必要な方
高齢者
一般的に、過度に血圧を下げることは望ましくないとされていおり、低用量から投与を開始するなど、注意して使用する必要があります。
妊娠中・授乳中の方
妊婦または妊娠している可能性のある方はアジルバを使用できません。使用中に妊娠が判明した場合は、すぐに医師に相談し使用を中止してください。
授乳中の方は授乳をしないことが望ましいとされているため、使用を避けるか、やむを得ず使用する場合には授乳を中止してください。まずは医師に相談してみましょう。
アリスキレンフマル酸塩使用中の糖尿病の方
糖尿病の治療に使われるアリスキレンフマル酸塩を使用している方は必ず医師や薬剤師に伝えるようにしてください。
アジルバとアリスキレンフマル酸塩を同時に使用した場合、腎機能障害、 高カリウム血症、低血圧を起こすおそれがあることから、併用することは禁止となっています。
他の病気の治療中の方
アジルバを使用することで、急激な血圧降下を起こすおそれがあるため、以下に該当する方は薬の使用中の体調の変化に十分注意してください。この他にもなにか持病を持っていたり、他の薬を服用されている方は医師に相談しましょう。
・血液透析中の方
・厳重な減塩療法中の方
・利尿降圧剤使用中の方
おわりに
高血圧症の治療は、薬物療法に加えて、生活習慣の見直しもとても大切になります。バランスのとれた食生活と規則正しい生活習慣を心がけましょう。また、日頃から家庭内で血圧を測る習慣をつけることも大切です。