コンドロイチン硫酸とは?
コンドロイチンは、正式にはコンドロイチン硫酸と呼ばれる成分です。
コンドロイチン硫酸はムコ多糖類の一種であり、骨・軟骨・結合組織など全身に存在しています。コラーゲンなどのたんぱく質と結合して細胞と細胞の間を満たす細胞間質を構成している成分です。
関節において物理的な刺激を吸収したり、カルシウムの代謝、物質の透過、水分の保持・調節などの役割も担っています。ただし、加齢とともに体内での生成能力が低下します。
医薬品をはじめとして、サプリや化粧品・食品添加物・健康食品など、広く用いられています。
コンドロイチン硫酸の効果
コンドロイチン硫酸を含む医薬品に対しては、臨床試験が行われており、関節の痛みを和らげたり難聴の改善に効果があるという結果が報告されています。
関節の痛みに対しての効果は、抗炎症作用、局所循環改善作用、コラーゲン線維安定化作用によるものと考えられています。
難聴に対しては、音を感じ取る耳の細胞である有毛細胞に蓄積したダメージの消失を促し、また変性を予防するといわれています。
目の角膜を保護する作用もあり、点眼薬としても使われます。
コンドロイチン硫酸の副作用
コンドロイチンの副作用には、発疹・発赤・かゆみなどの過敏症や食欲不振・下痢・吐き気・胃部不快感などの胃腸障害があります。重篤な副作用は報告されていません。
コンドロイチンは糖の一種ですが、現時点では血圧や血糖値を引き上げる例は報告されておらず、高血圧や糖尿病の方でも使用できます。気になる方は、使用の前にかかりつけの医師や薬剤師に相談しましょう。
コンドロイチン硫酸の医薬品:コンドロイチンZSとコンドロイチンZ
コンドロイチン硫酸が配合された医薬品には、錠剤・注射・目薬などがあり、それぞれ使用される症状が異なります。
錠剤タイプであるコンドロイチンZS錠とコンドロイチンZ錠は、ともにコンドロイチン硫酸のみが配合された薬で同じ製薬会社ですが、市販薬と処方薬という違いがあります。
コンドロイチンZ
コンドロイチンZは、医師の処方箋が必要な処方薬です。
腰痛症、関節痛、肩関節周囲炎(五十肩)、症候性神経痛、進行する感音性難聴(音響外傷を含む)、慢性腎炎(軽症例)といった症状に対して処方されます。
コンドロイチンとグルコサミン
グルコサミンはアミノ糖の一種で、軟骨・皮膚・血管・腸管・脳などの多くの体内組織に存在しており、軟骨の主成分であるプロテオグリカンの原料となります。
プロテオグリカンにはコンドロイチンも含まれているため、グルコサミンはコンドロイチンの原料であるともいえます。グルコサミンもコンドロイチンと同様に、加齢とともに減少していく成分です。
関節炎の治療にはコンドロイチンとグルコサミンが併用されることがあり、関節痛の緩和や関節の可動性が向上する可能性があるといわれています。
おわりに
コンドロイチン硫酸は医薬品だけでなくサプリや化粧品など幅広く使用されており、その効果が注目されている成分です。
コンドロイチン硫酸は副作用が少ない成分ですが、医薬品を使用する際は、医師や薬剤師の指示にしたがってください。