スチブロンとは?
スチブロンは皮膚炎や湿疹、虫さされなどに塗ることで炎症を和らげることのできるステロイド剤です。
比較的に効き目が強いステロイド剤に分類されるスチブロンは、さまざまな皮膚の病気の治療に使用されます。効き目が強い分、副作用にも気をつけなければならない薬です。
スチブロンは皮膚に塗るタイプの薬で、軟膏・クリーム・ローションの三種類があります
軟膏タイプ
ワセリンなどの脂肪分に薬の成分が混ぜられているため保湿性に優れていますが、使用感はべたつきがあります。
クリームタイプ
水にも油にもなじみやすい界面活性剤と薬の成分を混ぜ合わせているため、肌になじみやすくべたつきも少ないことが特徴です。
皮膚への浸透性が高く刺激性があるため傷口などに使用するのは避けましょう。
ローションタイプ
水やアルコールに薬の成分が混ぜられており、皮膚への浸透性が高くすぐに症状に効くため痒みや痛みを和らげたいときに使用するのが適切です。
スチブロンの用法・用量
スチブロンの用法・用量は通常であれば1日に1~数回患部に適量塗って使用しますが、年齢や症状によって使用する量は変わる可能性があります。必ず医師の指示を正しく守って使用しましょう。
スチブロンの効果
スチブロンは主に湿疹や皮膚炎、じん麻疹、薬疹、円形脱毛症などの治療に使用されます。ステロイド剤のスチブロンは皮膚の炎症をおさえる薬であり、患部が炎症で悪化し、痛みやかゆみという症状があらわれた場合にその症状を和らげる、いわゆる対症療法の薬です。
また、スチブロンをはじめとするステロイドは、免疫を抑制するため感染症をはじめとする化膿性疾患や細菌との関連が疑われる症状には用いられません。
細菌やウイルスの感染以外の炎症にスチブロンは効果があります。
炎症をおさえるスチブロンはニキビに効く?
ニキビに効果はありません。ニキビの原因となる菌に関係する症状にスチブロンは用いられず、むしろ症状が悪化する恐れがあるため、使用しないでください。
ニキビ跡への効果は?
すでにクレーター状となっているニキビ跡にはスチブロンの効果は期待できません。
スチブロンの副作用
スチブロンの副作用として眼圧亢進、緑内障、後のう白内障、細菌やウイルスなどによる皮膚の感染症などが報告されています。
ステロイド剤を長い期間使用することで、皮膚の萎縮や色素の脱失などが起こることもあり、刺激感や乾燥などがあらわれることもあります。
スチブロンを使用して体調の変化や刺激感などを感じた際は使用を中止し、医師の診察を受けてください。
スチブロンの使用上の注意点
皮膚の細菌、ウイルス感染をともなう湿疹や皮膚炎にはスチブロンは使用できません。感染症や炎症を悪化させるおそれがあります。
また、長期間スチブロンを使用することには注意が必要です。スチブロンを使用して症状が改善しない場合や悪化した場合は、すぐに使用を中止して医師の相談してください。
症状が改善した場合は、漫然とスチブロンを使い続けずに使用を中止しましょう。
また、ひげそりの後などに使用することも避けてください。
スチブロンを使用してはいけない人
以下に該当する人はスチブロンを使用できません。
・患部に細菌、真菌、ウイルスによる皮膚感染症がある場合
・以前スチブロンまたはスチブロンに含まれる成分に対して過敏症(発疹などが出たなど)を起こしたことのある
・鼓膜に穿孔(穴)のある湿疹性外耳道炎を発症している
・潰瘍や熱傷、凍傷がある
妊娠中・授乳中・小児への使用
妊娠中や授乳中の場合はスチブロンの使用には注意が必要です。スチブロンを大量に使用したり、長期間広い範囲に使用することは避けてください。
小児へ使用する場合も、スチブロンの大量使用、数ヶ月にわたる長期間の広範囲使用は避けてください。
顔への使用
スチブロンはステロイド剤の中でも非常に強力な部類に分類されます。
顔や首、陰部、赤ちゃんの肌などは薬が効きやすく体内に吸収されやすくなるため、一般的に顔などの皮膚が薄いデリケートな部分への使用はおすすめできません。
スチブロンを顔などに使用する場合は、必ず医師の指示にしたがって使用回数や期間、用法・用量などを守り使用してください。
スチブロンの市販薬の有無
スチブロンは病院で診断を受けた後、処方される薬ですのでスチブロンの市販薬はありません。
スチブロンを使用する際は医師の診療を受け、指示にしたがって使用してください。
スチブロンの薬価
スチブロンの薬価は以下の通りです。(2017年7月現在)
スチブロン軟膏0.05% | 7.30円/g |
スチブロンクリーム0.05% | 7.30円/g |
スチブロンローション0.05% | 7.30円/g |
スチブロンのまとめ
スチブロンは強力なステロイド剤で効果も期待できる薬です。
ニキビの周りの炎症をおさえる効果はありますが、ニキビを根本的に治す薬ではないということを知っておきましょう。
スチブロンは用法・用量や注意点などを守らないと症状を悪化させたり、完治が遅くなる可能性があります。自己判断で使用せずに、医師の指示にしたがって正しく使用しましょう。