アセリオとは
アセリオは解熱鎮痛成分の点滴薬です。内服薬や座薬の使用が困難な方に点滴として使用します。
アセリオはアセトアミノフェン成分で、解熱鎮痛成分の中でも比較的安全性が高く、妊婦や小児に使用されるケースもあります。
アセリオが販売されるまでは、アセトアミノフェン成分の薬は内服薬か座薬のみしかなく、内服薬も座薬も使用できない方はアセトアミノフェン成分の薬を使用することができませんでした。
2013年に日本ではじめてアセトアミノフェンを成分とした注射剤として、アセリオ静注液1000mgが販売開始されました。アセリオ静注液1000mgは瓶に詰められた製品ですが、2017年に利便性の向上のために薬をソフトバッグに詰めたアセリオ静注液1000mgバッグが販売開始されました。
アセリオの効果
アセリオは、発熱や頭痛などでズキズキするような痛みをおさえる効果が期待できます。基本的には飲み薬や座薬の使用が困難な方に対して点滴注射として使用されます。
風邪などで発熱や痛みが起こる原因がウイルスや細菌となっていることがありますが、アセリオにはウイルスや細菌を殺す効果はありません。対症療法として発熱や痛みを和らげる目的で使用されます。
効能又は効果
経口製剤及び坐剤の投与が困難な場合における疼痛及び発熱アセリオ静注液1000mg/アセリオ静注液1000mgバッグ 添付文書
アセリオの作用時間
血液中で最も薬の濃度が高くなる最高血中濃度に達する時間は、アセトアミノフェンの飲み薬よりもアセリオのほうが早いとされています。
効果を感じ始めるまでの時間は、薬を使用してから10〜15分程度と、比較的即効性があるといえます。
アセリオの用法用量
用法用量は年齢・使用する症状によって医師の判断により調整されます。
15歳以上の成人が使用する場合
【痛み(疼痛)に対して使用する場合】
年齢や症状によって医師の判断により使用量は調整されますが、通常、1回300~1000mgを15分かけて静脈内に点滴として使用されます。
体重が50kg未満の方には、体重1kgあたり1回15mgを上限として静脈内に点滴として使用されます。
一度薬を使用したら次の使用まで4〜6時間はあけます。なお、薬の1日あたりの総量は、通常使用の場合4000mg、体重50kg未満の方の場合60mg/kgを限度とします。
【解熱目的で使用する場合】
年齢や症状によって医師の判断により使用量は調整されますが、通常、1回300~1000mgを15分かけて静脈内に点滴として使用されます。
一度薬を使用したら次の使用まで4〜6時間はあけます。また、原則として1日2回までの使用とし、1日1500mgを使用限度とします。
2歳以上15歳未満の子どもが使用する場合
ズキズキするような痛み(疼痛)、発熱に対して使用し、いずれの症状においても用法用量は同じです。
年齢や症状によって医師の判断により使用量は調整されますが、通常、体重1kgあたり1回10~15mgを15分かけて静脈内に点滴として使用されます。
一度薬を使用したら次の使用まで4〜6時間はあけます。また、薬の1日の総量は60mg/kgを限度とし、さらに成人の用量を超えない範囲とします。
乳児および2歳未満の子どもが使用する場合
ズキズキするような痛み(疼痛)、発熱に対して使用し、いずれの症状においても用法用量は同じです。
年齢や症状によって医師の判断により使用量は調整されますが、通常、体重1kgあたり1回7.5mgを15分かけて静脈内に点滴として使用されます。
一度薬を使用したら次の使用まで4〜6時間はあけます。また、薬の1日の総量は30mg/kgを限度とします。
アセリオの副作用
アセリオの副作用として悪心・嘔吐、食欲不振、血小板減少、血小板機能低下(出血時間の延長)、過敏症などがあげられます。
万が一副作用と思われる症状があらわれた場合は、医師の指示をあおいでください。
65歳以上の高齢者は副作用があらわれやすい傾向があります。使用中は体調の変化に十分に注意してください。
アセリオを使用できない方
アセリオの成分やアセトアミノフェンを使用して過敏症をおこしたことのある方はアセリオを使用できません。
また、重篤な肝障害・腎障害・血液の異常がある方が使用すると、悪影響を及ぼすおそれがあるため使用できません。
その他にもアセリオを使用できない方がさまざまいます。詳しくは関連ページをごらんください。
アセリオの薬価
アセリオの薬価はアセリオ静注液1000mg、アセリオ静注液1000mgバッグともに、1瓶・袋あたり332.00円です。
保険が適用される場合は332.00円の3割、もしくは2割の額が購入にかかる値段です。
また、アセリオのジェネリック医薬品は今のところ発売されていません。
※2017年8月現在
おわりに
アセリオは点滴として使用する薬であり、病院を受診しなければ基本的に使用することはありません。
使用については医師の指示を正しく守り、使用後に体調不良などがあらわれた場合は必ず報告してください。
出典:独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページ