タリオンの効果と用法用量
タリオンの効果
タリオンは、花粉症などの鼻のアレルギー症状や、湿疹などによる皮膚のかゆみ、蕁麻疹などに処方される飲み薬です。
ベポタスチンベシル酸塩を主成分として、花粉症のアレルギー症状や皮膚のかゆみの原因となる物質「ヒスタミン」をブロックすることで、アレルギー症状を緩和します。
タリオンの用法用量
タリオンには錠剤タイプのタリオン錠と、唾液で溶ける口腔内崩壊錠のタリオンOD錠の2種類があります。
OD錠は水なしで服用することができるため、外出先でサッと飲みたいときなどに便利な剤形です。
成人 | 通常、1回10mgを1日2回服用する (ただし、年齢・症状により適宜増減) |
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7歳以上の小児 | 通常、1回10mgを1日2回服用する |
7歳未満の小児 | 服用しない |
タリオンの副作用:眠気は強く現れる?
タリオンの主な副作用として、眠気・口の乾き・吐き気・嘔吐・胃痛・下痢・倦怠感などが報告されています。
タリオンは比較的眠気の出にくい抗ヒスタミン薬
タリオンなどの抗ヒスタミン薬は、販売された年代などによって第1世代と第2世代に分けられます。
第1世代抗ヒスタミン薬は、効果が強い分、眠気や口の渇きなどの副作用が現れやすいことが特徴でした。第2世代抗ヒスタミン薬では、第1世代の効果をできるだけ維持したまま、眠気などの副作用が比較的現れにくいように作られています。
タリオンは第2世代抗ヒスタミン薬に分類されるため、眠気の副作用は第1世代に比べ、比較的現れにくくなっています。
ただし、眠気が全くあらわれないというわけではありません。人によってはタリオンの服用により、日中に眠気や倦怠感を感じることがあります。そのため、タリオンの添付文書にはタリオン服用中は自動車の運転などに注意するよう記載されています。
重要な基本的注意
眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
タリオン錠5mg/タリオン錠10mg添付文書
タリオンとその他の薬・アルコールとの飲み合わせ
タリオンとその他の薬との飲み合わせ
タリオンとの飲み合わせに注意が必要な薬は基本的にありません。
一緒に使われる薬の例として、風邪のときの痰を改善する薬のムコダイン(ジェネリック医薬品:カルボシステイン)や、解熱鎮痛剤のロキソニンなどがありますが、これらの薬との飲み合わせも特に問題はありません。
タリオンとアルコールとの飲み合わせ
タリオン(ベポタスチンベシル酸塩)は、添付文書情報では、お酒・アルコールとの併用についての注意喚起はありません。
しかし、一般的に薬とお酒を一緒に飲むことは推奨されていません。タリオンについても例外ではなく、タリオンの使用期間中にお酒やアルコール類を飲む場合はそれぞれを飲む時間の間隔を空けたほうがより安全といえます。
毎日の飲酒が習慣になっている場合は、タリオンが処方された際に医師に相談しましょう。薬やお酒を飲む時間や飲酒の量について医師から指示やアドバイスがあった場合は、その内容にしたがって薬を服用することが望ましいです。
タリオンのジェネリック医薬品について
2018年の3月まで、タリオンのジェネリック医薬品は取り扱われていませんでしたが、2018年3月にニプロESファーマ株式会社からタリオンのジェネリック医薬品が販売開始になりました。
また、2018年6月以降はその他の製薬会社からも通常のジェネリック医薬品が販売されています。
タリオンに市販薬はある?
2016年12月、タリオンのスイッチOTC医薬品である「タリオンAR」が要指導医薬品として承認されることとなりました。
2022年12月現在も要指導医薬品に分類され、薬局やドラッグストアなどで薬剤師と対面で購入ができます。
ただし、同じ成分であっても市販薬のタリオンARが使える症状は限られており、花粉などによる鼻のアレルギー症状(鼻水、鼻づまり、くしゃみの緩和)の適応となっています。
薬局や通販サイトでも購入できる市販の抗ヒスタミン薬の選び方は以下の記事で詳しく解説しています。
タリオンの効果を感じられない場合は?
花粉症の薬は個人の相性によって効果の出方が変わります。もしタリオンで効果を感じにくい場合は、医師に相談してみましょう。
また、タリオンでも眠気を感じてしまう場合は、他の薬に変更することで眠気が出にくくなる場合もあります。