赤ちゃんや子どもは、ちょっとしたことでお腹をこわしてしまうもの。
そんなとき、病院で処方される下痢止めにアドソルビンがあります。
少し灰色がかった白い粉薬で、味やにおいはありませんが、ザラザラとした食感が小児には「飲みにくい」とされるようです。
今回は、食感にひと癖あるアドソルビンを小児でも飲みやすくする方法をご紹介します。
普段からお子さんの薬ギライで苦労している方は、ぜひお試しください。
アドソルビンの特徴 <味・におい・食感>
・味とにおい: どちらもありません。いわゆる無味無臭の粉薬です。
・食感: 砂を口に入れたようなザラつきを感じます。
アドソルビンの主成分である天然ケイ酸アルミニウムは、天然に産する酸性白土と呼ばれる吸着剤です。水に溶けず、強力な吸水・吸着力をもちます。
アドソルビン特有のザラついた食感は、この性質が生み出しているのです。
アドソルビンは「なめらかな食品」と相性がよい
アドソルビンをそのまま飲ませる際は、アドソルビンに少量の水を加えてペースト状に練り、頬の内側か上あごに塗りつけます。
その後、すぐに水やぬるめの白湯などを飲ませてください。
これだけでも、アドソルビンを粉状のまま水で飲み込むよりずっと飲みやすくなります。
食べ物に混ぜて食べさせるときは、以下のものを試してみてください。
ただし、食べ残すと必要な量の薬を飲めなくなり期待した効果が得られない場合があります。
お子さまが食べきれる量の食品に混ぜましょう。
◎ ヨーグルト、ジャム、シロップ、アイスクリーム
上記の食品を小皿にとり、アドソルビンを混ぜてスプーンで食べさせます。
口当たりがなめらかな食品との組み合わせによって、アドソルビンのザラつきが感じにくくなります。
ただし、冷たいものは腸に刺激をあたえるため、アイスクリームに混ぜるときは食べさせる量に注意してください。
◎ バナナ
バナナはフォークやスプーンでよく潰し、なめらかにします。
アドソルビンを混ぜて食べさせてましょう。
バナナの甘い香りや味も加わって、お子さまでも口にしやすくなります。
◎ 薬の嚥下補助ゼリー
薬を飲み込みやすくすることを目的に開発された商品なので、アドソルビン服用の際にも利用できます。
ピーチやブドウなど、さまざまな味がありますが、無味無臭の薬なのでどれでも大丈夫です。
お子さまの好きな味でお試しください。
アドソルビンと相性の悪い食品
× 牛乳、オレンジジュース
水に溶けない薬なので、水やジュースなどに溶かして飲むのは不向きです。
ザラザラとした食感が気になり、食べづらくなってしまいます。
アドソルビンの作用と注意点
< アドソルビンの効果効能 >
アドソルビンは、腸を刺激するような異常有害物質、過剰な水分、粘液を吸着して除去することで収れん作用を示し、下痢を改善します。
<アドソルビンの副作用>
下痢止めの薬の中には、腸管の動きを止め過ぎてしまうなどの副作用が心配されるものもありますが、アドソルビンはあくまで吸着剤として作用しますので、重篤な副作用が少ないとされています。
アドソルビンの副作用として嘔吐、胃部膨満が報告されていますが頻度は不明となっています。
< アドソルビン服用時の注意点 >
・アドソルビンは、ビタミンやミネラルなども吸着し排出するので、長期間飲ませることは好ましくありません。
また、下痢の症状が落ち着いてもアドソルビンを飲み続けると、便が出にくくなってしまいます。下痢をしている期間だけ服用させてください。
・下痢が続くときは脱水症に注意が必要です。
アドソルビンは、水やスポーツ飲料などではザラつきを感じて飲みにくいものですが、水分・塩分・糖分は補わなければなりません。
ヨーグルトなどに混ぜて薬を服用させたら、少しずつこまめに水分を飲ませましょう。
なお、下痢のなかには、腸管に細菌が感染して起こる「細菌性腸炎」など、下痢止めの使用を控えた方がよいケースもあります。
薬の適応は主治医に慎重に見極めてもらい、自己判断での使用は避けるようにしてください。