トコフェロール酢酸エステルの効果

トコフェロールは、足や腕といった末梢血管や網膜のような毛細血管の血行を良くします。

血行を良くすることで、毛細血管壁の細胞を改善させたり細動脈や細静脈のような微小循環系の動きを良くするはたらきがあります。

また、トコフェロールは過剰な酸化を抑制する抗酸化作用もあります。

ビタミンE欠乏症の予防・治療

トコフェロール酢酸エステルは、ビタミンE欠乏症の予防や治療に使用されます。

ビタミンE欠乏症は、肝臓や胆のうなどに脂肪吸収障害がある方や低出生体重児などの新生児に起こる障害です。

ビタミンE欠乏症になると以下のような障害が生じます。

・眼や肺への障害
・筋肉の萎縮
・神経機能の異常
・寿命の低下
・赤血球の溶血が進む

トコフェロール酢酸エステルの使用で、このような症状が改善することが報告されています。

末梢循環障害の治療

トコフェロール酢酸エステルは、末梢血管や毛細血管に血液の循環がうまくされない以下のような方の治療に役立つことが認められています。

・四肢冷感症の方
・糖尿病性網膜症の方
・動脈硬化症の方
・静脈血栓症の方
・血栓性静脈炎の方

過酸化脂質の増加防止

トコフェロール酢酸エステルは、過酸化脂質の増加防止にも使用されます。

過酸化脂質とは、脂肪の構成成分である不飽和脂肪酸が活性酸素と反応し酸化した脂質のことです。

過酸化脂質は毒性を持っていることが認められており、小腸の粘膜や肝臓などの組織で細胞を破壊したりリンパ球などの免疫機能にも影響します。

過酸化脂質の増加は以下のような命にかかわる病気が生じる原因となります。

・心筋梗塞や脳梗塞
・動脈硬化症
・がん疾病
・糖尿病

トコフェロール酢酸エステルの用法・用量

トコフェロール酢酸エステルは、年齢や症状によって医師の診察のもと使用量が決められます。

通常の成人15歳以上は、トコフェロール酢酸エステルとして1回50~100mgを1日2~3回に分けて飲みます。

トコフェロール酢酸エステルの剤形は錠剤・カプセルで、先発品のユべラには顆粒もあります。

トコフェロールの使用量に注意

ビタミンCや葉酸といった水に溶ける水溶性ビタミンと違い、トコフェロールは水に溶けない脂溶性ビタミンです。

トコフェロールのような脂溶性ビタミンは、使用量を守らなかったり長期間に渡って使用したりすると体内に蓄積されやすく、蓄積されると病気の原因になります。

病気の発症を防ぐためにも医師に指示されたトコフェロールの使用量を守りましょう。

トコフェロールの副作用

ごくわずかですが、トコフェロール酢酸エステルの使用で以下のような副作用が確認されたという報告があります。

・便秘、胃部不快感、下痢、発疹

このような副作用があらわれた場合には、医師か薬剤師に相談してください。

トコフェロールが含まれるサプリメント

一般的なビタミンEのサプリメントは、トコフェロールの一種であるα-トコフェロールだけが含まれています。

まれに、α-トコフェロール以外のトコフェロールやトコトリエノールを含む混合型のサプリメントもあります。

ビタミンEだけを含むサプリメントのほとんどが100 IU以上のビタミンEを含んでおり、ビタミンEの推奨栄養所要量の9~28.4 IUを大幅に超えています。

サプリメントの効果

ビタミンEは冠動脈性疾患の予防や発症を遅らせる効果があることが報告されていますが、市販のビタミンEのサプリメントの試験では異なる報告がされています。

サプリメントのビタミンEの研究では、7年間ビタミンEを摂取しても心臓発作や脳卒中などによる死亡に関して有用な効果を得られていません。

ビタミンEを摂取した被験者はビタミンEを摂取しなかった被験者に比べて心不全の発症の確率が高いという統計的な結果が出ています。

また、サプリメントのビタミンEががん予防やアルツハイマー病のような認知障害の低下などに関与するかどうかの研究もすすめられていますが、信頼性の高い研究では関連性は認められていません。

摂取量には十分に注意を

食品からビタミンEを摂取することと異なり、サプリメントからビタミンEを過剰にとると血液凝固能が低下します。

これにより、切り傷やけがなどで出血した場合に血が止まらなかったり脳内の重い出血が増大するおそれがあります。

ビタミンEを多く含む食品

・小麦胚種油、ひまわり油、ベニバナ油、トウモロコシ油、大豆油などの植物油
・アーモンド、ピーナッツ、ヘーゼルナッツなどのナッツ類
・ひまわりの種など種子類
・ほうれん草、ブロッコリー、トマトなどの緑黄色野菜
・キウイフルーツ、マンゴー

食品からビタミンEを摂取して悪影響が出たという報告はありません。

ただし、偏った食事は栄養素の吸収がうまくされないのでたんぱく質やミネラルや他のビタミン類もバランスの良くとれるような食事を心がけましょう。

まとめ

トコフェロール酢酸エステルは末梢血管の血液の流れを良くする薬です。ビタミンE欠乏症の治療や末梢循環に障害がある方に処方され、他には過酸化脂質の防止にも使用されています。

脂溶性ビタミンであるビタミンEは体内に保持されやすいため、医師から指示された用法・用量を守って使用してください。