ナゾネックスはどのような薬?

ナゾネックス点鼻液は、アレルギー性鼻炎に使用される鼻噴霧用点鼻薬です。点鼻薬は鼻粘膜に直接使用することで症状をやわらげます。鼻の症状が主な場合や内服薬だけでは効果が感じられない場合、眠気を避けたい場合に適しています。

アレルギー性鼻炎に使用される点鼻薬にはさまざまな種類がありますが、ナゾネックスはどのような薬なのでしょうか。

ナゾネックスの有効成分|ステロイドとは

ナゾネックス点鼻薬には「モメタゾンフランカルボン酸エステル水和物」という成分が配合されています。この成分は「ステロイド」の一つ。ステロイドは、アレルギーや炎症をおさえる強い作用があり、不快な鼻炎症状をやわらげるのに効果を発揮します。効果が高く、医療の現場でもよく使われています。

ステロイド点鼻には他に「アラミスト」、「エリザス」、「フルナーゼ」や「リノコート」などがあります。

副作用が少ない

ステロイドに対してこわいイメージをもつ方もいますが、ナゾネックスは鼻の部分にだけ局所的に作用するので、全身性の副作用は少ないとされています。

ナゾネックスは他のステロイド点鼻薬と比べても特に全身への移行が少ないとされている薬です。

使用回数が少ない

使用回数が1日1回と簡便です。従来のステロイド点鼻薬から作用時間を長くした薬で、他のステロイド点鼻薬「フルナーゼ」や「リノコート」が1日2回以上使用するのに対し、1日1回の点鼻で効果が持続するため、使いやすい薬です。

子どもにも使える

小児に対する有効性と安全性が確認されており、3歳以上であれば子どもにも使うことができます。用法・用量については、成人と異なるのでよく確認して使用しましょう。

市販はされてない

ナゾネックスは医師から処方箋をもらわないと買えない薬であるため、ドラッグストアや薬局では販売されていません。

他の点鼻薬に含まれる成分

点鼻薬にはステロイド成分」の点鼻薬の他に、「抗アレルギー成分」の入った点鼻薬、「血管収縮成分」の入った点鼻薬などがあり、それぞれ特徴や使い方も異なります。

抗アレルギー成分

抗アレルギー成分として、「抗ヒスタミン成分」や「ケミカルメディエーター遊離抑制成分」に分けられます。

花粉症のシーズンに入る前や症状の軽いうちから使用すると効果的です。

「抗ヒスタミン成分」は眠くなる副作用があり、「ケミカルメディエーター遊離抑制成分」は効果発現がマイルドで、効果が現れるのに時間がかかることから、現在は使う頻度が少なくなっています。

血管収縮成分

鼻づまりは、鼻の粘膜にある血管が拡張し、浮腫を起こしている状態です。血管収縮成分はこの血管を収縮させることで、浮腫を取りのぞき、鼻づまりを解消するとされています。しかし、長期的に使用すると鼻粘膜の血管が収縮しにくくなってしまい、点鼻薬を使わないと鼻がつまってしまうようになるため、注意が必要です。

ナゾネックスの使い方

通常、成人の場合はそれぞれの鼻腔(鼻の穴)に1日1回、2噴霧ずつ使用します。

大人が2噴霧ずつであるのに対し、12歳未満の小児の場合は、1噴霧ずつとなっています。1本(容器)で28回の定量噴霧ができ、成人であれば、2週間で使い切るように設定されています。

それでは使い方を詳しく見ていきましょう。
 

①最初に使用する時だけ、よく振ったあとにしっかり10回程度押して、液が完全に霧状になるのを確認しましょう。(2回目からは必要ありません。)

 

②使用する前に鼻をかんで、できるだけ鼻の通りをよくしておきましょう。

 

③容器を指で挟み、上下によく振っておきます。

 

④頭をうつむき加減にし、鼻の穴に容器の先を立てて入れ、そのまま、止まるところまで押し上げ、1回噴霧してください。 もう片方の鼻にも同じようにしましょう。

 

⑤鼻に噴霧した後は、鼻の奥まで行きわたらせるために、数秒間上を向いて、鼻でゆっくり息をしてください。このとき、鼻をかまないようにしてください。

(その後、④、⑤をもう一度繰り返してください。)

 

⑥使用後は容器の先端をきれいに拭いて、必ずキャップをし、室温で保管しましょう。

 

ナゾネックスは朝食後や寝る前など使う時間の指定がなく、いつ点鼻しても問題ありません。

ご自身の生活習慣に合わせて忘れず毎日点鼻できるタイミングでしっかり点鼻しましょう。
ただ、点鼻する際にはできるだけ鼻通りがいい状態の方がいいので、1日の中でまだ鼻の通りがいいと思われる時間に使うのがおすすめ。

毎日継続して使用することで効果を発揮するので、毎日忘れずにしっかり使いましょう。

病院に行けない時どうする?

ナゾネックス点鼻液と同じ成分「モメタゾンフランカルボン酸エステル」を配合した市販薬は販売されていません。ナゾネックスが欲しいけど病院に行く時間がない!という場合はどうすればいいのでしょうか。

市販薬でも症状はおさえられる

ナゾネックス点鼻液と同じ成分の市販薬はありませんが、「ベクロメタゾンプロピオン酸エステル」という他のステロイド成分を配合した市販薬は販売されています。

ベクロメタゾンプロピオン酸エステルは処方薬の「リノコート」に含まれる成分です。

「アンテドラッグ型ステロイド」と呼ばれ、患部でよく効きいた後は、体内で作用の弱い物質に分解されるのが特徴です。

ナゾネックスの成分「モメタゾンフランカルボン酸エステル」と比較しても効果にはっきりした差は見られず、同等の効果が期待できると考えてよいでしょう。

代用できる市販薬

 

ナザールαAR〈季節性アレルギー専用〉

ナザールαARは、1日2回の使用で効果が持続します。「ベクロメタゾンプロピオン酸エステル」を医療用の薬と同じ濃度配合。一定量の薬液が噴霧できるスプレータイプで、液だれしにくい商品です。一度スプレーした液は、容器内に逆流しないので衛生的。また、最長で3か月使用することができるのが特徴です。

 

内容量:10ml
ベクロメタゾンプロピオン酸エステル:0.1g配合(100g中)


・1日最大4回(8噴射)まで使えますが、3時間以上間隔をあけてください
・1年に3か月を超えて使用しないでください
・過去1年に3か月以上ステロイド点鼻薬を使った人は使用できません

市販薬を使用する際の注意点

市販薬は手軽に使用できて便利ですが、いくつか注意点があります。用法用量を守って正しく使用しましょう。

子どもには使用できる?

ナゾネックス点鼻薬は3歳以上であれば子どもにも使用することができましたが、「ベクロメタゾンプロピオン酸エステル」配合の市販薬は18歳未満の使用はできません。

18歳未満の場合は市販薬で代用せず、病院でナゾネックス点鼻液を処方してもらいましょう。

妊娠中、授乳中は使用できる?

ナゾネックス点鼻液は、医師の判断によっては妊娠中や授乳中であっても使用することができます。

しかし、代用の市販薬は妊娠中に使用することができません。また、授乳中の場合は購入前に医師や薬剤師に相談する必要があります。

長期使用はNG

ステロイド成分の長期的な使用は避けてください。

1週間ほど最大量使用しても症状の改善がみられない場合は使用を中止し、医師に相談するようにしましょう。

他のステロイド点鼻薬は使用しない

ステロイド点鼻薬を使用した後に、新たに他のステロイド成分が配合された点鼻薬を使うことは避けてください。病院で処方された場合は医師の指導に従いましょう。

副作用にも注意

点鼻薬は全身性の副作用は少ないとされていますが、全くないわけではありません。以下のような副作用が起こることがあるので注意しましょう。

出血、鼻の中のかさぶた、刺激感、かゆみ、乾燥感、不快感、くしゃみの発作、嗅覚異常、化膿症状(膿がたまり、痛みやはれが起こる)
刺激感、異物感、化膿症状(喉の奥に白っぽい膿がたまり、痛みやはれが起こる)
皮膚 発疹、発赤(皮膚が赤くなる)、かゆみ、はれ
消化器 吐き気、嘔吐、下痢、食欲不振
その他 頭痛、めまい、喘息の発現、目の痛み、目のかすみ、動悸、血圧上昇

これらの症状が現れたら、使用を中止して医師や薬剤師に相談しましょう。このほか、まれに使用後すぐに皮膚のかゆみや声のかすれ、動悸といった症状が現れることがあります。その際はただちに使用を中止して医療機関を受診してください。