子どもの病気の治療薬として、バナンドライシロップ5%という薬を処方されることがあります。
病気になったら薬の服用が大切ですが、苦い、飲みづらいなどの理由から飲んでくれない子どももおり、バナンドライシロップ5%も例外ではありません。
この記事では子どもに抵抗なくバナンドライシロップ5%を飲んでもらえる飲ませ方、薬の副作用などについて紹介していきます。
バナンドライシロップはジュース・ヨーグルト・アイスクリームなどに混ぜて飲むとよい
バナンドライシロップと一緒に飲むと苦味を感じにくい食品には次のようなものがあります。
【飲み物】
オレンジジュース、リンゴジュース、番茶、麦茶、スポーツドリンク
【食べ物】
ヨーグルト、アイスクリーム
これらの食品との組み合わせは、味の面で苦味が比較的やわらぐため、バナンドライシロップの製薬メーカーである、第一三共株式会社からも推奨されています。
水以外のもので薬を飲んでいいのか気になる方もいると思いますが、薬の飲み合わせとしてこれらの食品と一緒に飲んでも問題ありません。
このほか、子どもに薬を飲ませやすくするため、ゼリー状のオブラートなどの商品も増えてきました。子どもに安心して薬を飲んでもらうために、このような商品に頼るのもひとつの方法です。
ただし、食品にお薬を混ぜるのは服薬の直前に行ってください。時間が経つと味が変化するおそれがあります。
また、食品に混ぜる際は食べきれる・飲みきれる量に混ぜましょう。食べ残したり、飲み残したりすると必要な量の薬を飲むことができず、期待した効果が得られなくなる可能性があります。
バナンドライシロップは水に混ぜると苦い薬になることも
バナンドライシロップの味は、オレンジ風味で甘みがあります。
苦い薬の原末を甘みでコーティングしていますが、口の中でコーティングが剥がれてくると次第に苦味があらわれます。
水分にとけるとコーティングははがれやすくなり、水に混ぜると苦味が気になる傾向があります。
バナンドライシロップは赤ちゃんにも処方される薬
バナンドライシロップは1歳前後の赤ちゃんから処方される薬です。
赤ちゃんに粉薬を飲ませる場合、粉ミルクに混ぜるのもひとつの方法です。しかし、子どもによってはこれがきっかけで粉ミルクや母乳を飲まなくなってしまうことがあるので注意が必要です。
粉薬を赤ちゃんに飲ませる場合は、ごく少量の水やぬるま湯で粉薬をペースト状にし、うわあごなどにすりつけてから水などで飲ませてあげるとよいでしょう。
薬を舌に乗せないことで、苦味を緩和させることができます。
赤ちゃんが苦味を感じていないようなら、飲み残さない程度の水に溶かして液体として飲ませるのもひとつの方法です。
バナンドライシロップの副作用
バナンドライシロップの主な副作用は下痢・軟便、嘔吐で、発疹、蕁麻疹、紅斑、そう痒、リンパ腺腫脹、関節痛などがみられることもあります。
このような症状がでた場合、使用をいったん中止し、医療機関に相談するようにしてください。
また、稀にひどい皮膚のかゆみ、尿がほとんどでなくなる、ショック症状など、重篤な副作用がでる可能性もあります。
普段と違う症状に気づいたら、ただちに使用を中止し、病院で医師の診察を受けましょう。
バナンドライシロップはこんな病気に処方される薬
バナンドライシロップは、主に細菌による感染症の治療・予防に使われる薬です。
皮膚感染症、呼吸器感染症、耳鼻科感染症、尿路感染症など、使われた方はさまざまです。
子どもに身近な病気では風邪症状があらわれた時に処方されることがあります。
本来、風邪は主にウイルスによって引き起こされますが、細菌による二次感染の予防目的や、咳や鼻水など、喉や鼻などにあらわれている症状が細菌によって引き起こされていると診断された場合、処方されることがあります。
また、中耳炎の治療などにも使用され、中耳炎になりやすい赤ちゃんなどにも処方されます。
バナンドライシロップを飲むにあたって注意すべきこと
① 薬の飲み合わせには注意が必要
バナンドライシロップ処方時に、既に飲んでいる薬があれば医師・薬剤師に相談しましょう。
薬によっては相互作用で期待した効果が得られなくなる可能性があります。
② 抗生物質は処方された量をきちんと飲みきりましょう
バナンドライシロップは抗生物質の一つで、症状の原因になっている細菌をやっつける薬です。
そのため一度薬を飲みはじめると、数日で病気の症状が劇的に改善され、まるで完治したかのような状態になる場合もあります。
しかし、それは症状が改善しただけであって病気が完治したわけではありません。症状をぶりかえさず、完治させるためには、処方された分の薬を飲みきることが大切です。
また、不適切な抗生物質の使用は、薬が効きにくい薬剤耐性菌を生み出すことにもつながります。
抗生物質を処方されたときは、医師の指示にしたがった用法用量で飲み切りましょう。
バナンドライシロップは医師・薬剤師の指示のもと正しく使用しましょう
薬の処方は患者の体重や症状によって変わってきます。
用法・用量、服用回数や服用期間など、医師・薬剤師の指示をまもり、ただしく使用するようにしましょう。