薬局では「乾燥肌、手足の荒れ、ひび・あかぎれなどの簡単な治療を市販薬ですませられない?」といった質問を時々受けます。

保湿や血行促進によく処方される「ヒルドイドソフト軟膏」は処方薬(医療用医薬品)なので薬局やドラッグストアで購入することはできません。

しかし、ヒルドイドやジェネリックのビーソフテンと同じ成分「へパリン類似物質」が同じ量配合されている薬は市販薬にも多数あります。

ヘパリン類似物質の効果や、処方薬と同じ成分を持つ市販薬をタイプ別に紹介します。

保湿・血行促進・抗炎症作用のヒルドイドはどんな薬?

ヒルドイドは、乾燥肌や皮脂欠乏症の治療、傷跡(外傷後の腫脹)の治療などに使われる処方薬です。

保湿剤として使われることも多いヒルドイドは、皮膚科で処方される薬の中でも絶大な知名度と人気を誇る薬のひとつでしょう。

代表的な効果は、肌の保湿や角質内の水分を保持して柔らかくする働きがあげられます。

ヒルドイドのさまざまな効果

肌の保湿以外にも、ヒルドイドにはさまざまな効果があります。

血流量を増やす作用、血液凝固をおさえる作用、組織の癒着をおさえる作用(線維芽細胞増殖抑制作用)、青あざなどの血腫を治す作用などがあります。

怪我の後のむくみの治療や、血流を改善することで肌の新陳代謝を高め傷跡の治りを良くすることにも使われています。

病院では、使う患部や症状にあわせてヒルドイドソフト軟膏ヒルドイドクリームヒルドイドローションヒルドイドゲルなど使用感の異なる基剤をうまく選んでもらえます。

ビーソフテンはヒルドイドのジェネリック

ヒルドイドにはさまざまなメーカーからジェネリック医薬品が販売されています。

ジェネリックの中でも、ビーソフテンが代表的な商品です。いずれも処方薬なので医療機関で処方してもらう必要があります。

ヒルドイドと同成分の市販薬は?

ヒルドイドと同成分「ヘパリン類似物質」を配合した市販薬には、各商品100g中0.3g(0.3%)の有効成分が含まれており、処方薬のヒルドイドと同様の濃度となっています。そのため、ヒルドイドと同等の効果が期待できるといえるでしょう。

また、ヘパリン類似物質が含まれている「医薬部外品」も販売されていますが、処方薬のヒルドイドと同様の濃度となっているのは「市販薬(OTC医薬品)」のみです。

乳液 ・クリームより水分が多く伸びが良い
・肌になじみやすい
クリーム ・ベタつきすぎない
・手や足などどこにでも使いやすい
ローション ・サラッとしてベタつかない
・毛が生えている部分に使いやすい

乳液タイプ

ヘパリン類似物質乳状液「JM」

クリームタイプ

ピアソンHPクリーム

ヒフメイド油性クリーム

ローションタイプ

ピアソンHPローション

【ミナハダ乳液】珍しい乳液タイプ

ヘパリン類似物質乳状液「JM」

ミナハダ ヘパリン類似物質 乳状液「JM」は、ヘパリン類似物質配合の市販薬では珍しい乳液タイプです。

乳液の特徴は、肌の潤いを保つ水溶性成分と、油分の膜で肌を保護する油性成分が配合されていること。

乾燥した肌を保湿し、乾燥や肌荒れで傷んだ肌を修復しながら、油分の膜で外部からの刺激から患部を守ります。

クリームも乳液と同じく、水溶性成分と油性成分が配合されていますが、乳液のほうが水溶性成分が多く、伸びが良く使い心地が良いことが特徴です。

無香料・無着色・ステロイド無配合

無香料・無着色で、ステロイド無配合なので、赤ちゃんや子供でも安心して使うことができます。

洗顔後や入浴後など、肌を清潔な状態にしたあとに塗りましょう。特に、冬場に起こりやすい乾燥肌には、1日に複数回塗ることで効果を感じやすくなります。

【ヒフメイド】ヒルドイドソフト軟膏と同じ使用感

ヒフメイド油性クリーム

ヒフメイドの最大の特徴は保湿力と使用感です。

ヒフメイドは、ヘパリン類似物質を配合した市販薬では初めてのW/O(ダブリューオー)型といわれるクリームタイプです。ヒルドイドソフト軟膏もW/O型のクリームであり、ほとんど同じ使用感といえるでしょう。

W/O型クリームは、油分に水分を混ぜて作られており、水に溶けにくいという性質があります。そのため、水仕事をする方などでも、薬が流されにくく皮膚をしっかり保護することができます。

また、水分が油分に包まれているため、水分が蒸発しにくく長く潤いを保つこともメリットの一つです。

【HPクリーム&ローション】情報提供の質が高い

HPローション・HPクリームに代表されるHPシリーズは、保湿・抗炎症・血行促進を特徴としている商品です。

「おでこや手足・首などのお肌の乾燥に使える」「ステロイド無配合で赤ちゃんから使える」ことも打ち出しており、保湿剤としての使用を検討されている方に最適です。

ローションタイプとクリームタイプが販売されており、おでこなどにはローション、手足などにはクリームといった使い分けも可能です。

安心できる情報提供の質と量

HPシリーズの販売元は、数々の医療用医薬品も手がける製薬メーカー、ノバルティスファーマです。

ノバルティスファーマのHPローション・HPクリームの紹介ページは、情報提供の質が非常に高く、ヘパリン類似物質を知る上でもとてもわかりやすいことが特徴です。

HPローション&クリームを利用したことのない方も一度チェックしてみると良いでしょう。

ノバルティスファーマ:HPシリーズ紹介ページ(外部リンク)

ヘパリン類似物質の優れた効果とは?

ヒルドイドの有効成分は「ヘパリン類似物質(へぱりんるいじぶっしつ)」です。ヘパリン類似物質は、文字通り「ヘパリン」と似た作用を持った天然由来成分のことです。

ヘパリンとは、ヒアルロン酸などと同じ「ムコ多糖類(むこたとうるい)」と呼ばれるグループの物質です。

肝臓で生成され、私たちの体内にもともと広く存在しています。

保湿だけではなく血行促進・抗炎症作用もあり

一般的に市販されている保湿系のクリームは、以下のように肌の保湿がメインになります。

・肌の油分を補うもの(ワセリンなど)
・肌の細胞間の水分や油分を保ちうるおいを補うもの(セラミドなど)
・保湿し角質を柔らかくするもの(尿素など)

それに対してへパリン類似物質は、保湿だけではなく、以下のような乾燥や肌荒れを修復する働きをもっています。

・血行を良くし、肌の新陳代謝・再生をうながし傷跡などを修復する作用
・肌の潤いを取り戻し外部から保護する保湿作用
・炎症を抑えて肌荒れを正常化する作用

乾燥肌だけでなく、ひびやあかぎれなど荒れてしまった手足の改善や、角質が硬くなりやすいかかと・くるぶし・ひじ・ひざの角化の改善や、かゆみのあるしもやけの改善などに効果を発揮します。

また、血行促進や血が固まることを防ぐ働きもします。

安全性が高い

ヘパリン類似物質は体内に存在する成分に似た構造を持っているため、安全性が高く敏感肌やアトピー性皮膚炎に広く使われています。

非ステロイド性で、赤ちゃんでも安心して使用できる薬です。

出血・ジュクジュクしている傷には使用しないこと

ヘパリン類似物質は、副作用がほとんどない安全性の高い薬ですが、使用方法を間違えると悪化してしまう場合があります。

それは、出血している部分への使用です。

ヘパリン類似物質には血液が固まるのを防ぐ作用があります。また、血行促進作用もあるため、出血している部分に使用すると傷が治りにくくなってしまうのです。

ヘパリン類似物質は、掻きむしり出血してる部分や、ジュクジュクした傷がある部分などには使用しないでください。

また、副作用が少ない成分とはいえ、医薬品である以上副作用がゼロではありません。

薬の使用時には必ず使用上の注意を読み、用法用量を守って使ってください。万が一異変や違和感が起きた時は皮膚科などに相談しましょう。