プレマリンとは

プレマリンとは、卵胞ホルモン「エストロゲン」を身体に補充することで、卵胞ホルモンが影響する婦人科疾患を改善する錠剤の薬です。このような薬を「エストロゲン製剤」と呼びます。

プレマリンは主に、卵巣欠落症状、更年期障害、腟炎、機能性子宮出血の治療に使います。また、卵巣機能を改善することで、不妊治療における体外受精の効果を高めるために使うこともあります。

プレマリンは、アメリカでは1941年から、日本では1964年から使われていおりエストロゲン製剤の中で最も古い歴史を持つ薬です。

プレマリンの効果

生理・排卵異常の改善

生理不順や、不妊治療中に起こりやすい排卵障害などに行う「カウフマン療法」の際にプレマリンを使います。

女性ホルモンは1か月間で、卵胞を育てるエストロゲンを低温期に、子宮内膜を厚くするプロゲステロンを高温期に分泌し、身体のリズムを保っています。この2つのホルモンのリズムが崩れてしまうと、生理不順や排卵障害が生じます。

そこで、カウフマン療法でホルモンのリズムを整えます。低温期にはエストロゲンであるプレマリンを、高温期には「ルトラール」「ヒスロン」「プロベラ」「プロゲストン」「プラノバール」などのプロゲステロン製剤を使用し、人工的にホルモンのリズムを作り、卵巣を休ませます。治療を数か月続けることで、卵巣の機能回復を目指します。

更年期障害の改善

プレマリンを使うことで、ほてりやのぼせ、イライラや不安感、頭痛など、エストロゲンの減少により起こる更年期障害の諸症状を改善します。

骨粗しょう症の治療

エストロゲンの低下などによって起こる骨粗しょう症にも、エストロゲンは効果を発揮します。

骨粗しょう症とは、骨の強度が低下して、骨折しやすくなる病気です。骨粗しょう症になると、骨の中がスカスカになり、くしゃみやつまずきなどの些細なことで骨折しやすくなります。

骨量増加と骨折予防に処方されることがある女性ホルモン剤ですが、骨粗しょう症の治療薬としての適応はないので、保険適応外の治療として用いられます。

プレマリンの用法用量

プレマリンは通常15歳以上の成人に対して1日0.625〜1.25mg(1~2錠)を、機能性子宮出血又は腟炎に対しては、1日0.625〜3.75mg(1~6錠)を使用します。年齢や症状によって、用法用量は調整されます。

プレマリンを飲み忘れた場合

薬を飲み忘れた場合は、気が付いたときに1回分を飲んでください。

ただし、次の飲む時間が近い場合は、1回飛ばして、次の時間に1回分を飲んでください。決して2回分を1度に飲まないでください。

プレマリンの使用上の注意

プレマリンの処方前には、病歴、家族がこれまでかかった病気、乳房検診と婦人科検診を行い、薬を飲み始めたら定期的に乳房検診と婦人科検診を行います。

外国では、卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を長期併用した女性は、乳がんになる可能性が高く、その危険性は併用期間が長くなるにつれて高くなるとの報告があります。期待される効果とリスクについて、医師から説明を受けましょう。

プレマリンと一緒に使用する時に注意が必要な薬

以下の薬をプレマリンと一緒に使用すると、相互作用が起こることがあります。

・骨粗しょう症治療薬「イプリフラボン」

・「グリベンクラミド」「グリクラジド」「アセトヘキサミド」などの血糖降下剤

・「プレドニゾロン」などの副腎皮質ホルモン製剤

プレマリンを使用できない方

以下に当てはまる方はプレマリンを使用できません。

1.エストロゲン依存性腫瘍(例えば乳癌、子宮内膜癌)及びその 疑いのある患者[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。]

2.乳癌の既往歴のある患者

3.血栓性静脈炎や肺塞栓症のある患者、又はその既往歴のある患 者[エストロゲンは凝固因子を増加させ、血栓形成傾向を促進 するとの報告がある。]

4.動脈性の血栓塞栓疾患(例えば、冠動脈性心疾患、脳卒中)又はその既往歴のある患者[「その他の注意」の項参照]

5.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

6.妊婦又は妊娠している可能性のある女性[「妊婦、産婦、授乳 婦等への投与」の項参照]

7.重篤な肝障害のある患者[代謝能が低下しており肝臓への負担 が増加するため、症状が増悪することがある。]

8.診断の確定していない異常性器出血のある患者[出血が子宮内 膜癌による場合は、癌の悪化あるいは顕性化を促すことがあ る。]

9.未治療の子宮内膜増殖症のある患者[子宮内膜増殖症は細胞異 型を伴う場合があるため。]

プレマリン錠0.625mg 添付文書

 

プレマリンを慎重に使用しなければならない方

以下に当てはまる方はプレマリンを使用するときは注意が必要です。

肝障害のある患者[肝障害を悪化させるおそれがある。]

子宮内膜症のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]

子宮筋腫のある患者[子宮筋腫の発育を促進するおそれがある。]

心疾患・腎疾患のある患者、又はその既往歴のある患者[エストロゲンの過量投与では体液貯留を来し、これらの疾患を悪化させるおそれがある。]

てんかんの患者[症状を悪化させることがある。]

糖尿病患者[耐糖能を低下させるおそれがあるので十分管理を行いながら使用すること。]

手術前4週以内又は長期臥床状態の患者[血液凝固能が亢進し、血管系の副作用の危険性が高くなるおそれがあるので、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。]

思春期前の少女[「小児等への投与」の項参照]

乳癌家族素因が強い患者、乳房結節のある患者、乳腺症の患者又は乳房レントゲン像に異常がみられた患者[症状を悪化させるおそれがある。]

全身性エリテマトーデスの患者[症状を悪化させるおそれがある。]

片頭痛の患者[症状を悪化させるおそれがある。前兆を伴う片頭痛は虚血性脳卒中を有するおそれがある。]

プレマリン錠0.625mg 添付文書

プレマリンの副作用

プレマリンの添付文書に記載されている副作用は以下の通りです。

・むくみや体重増加

・血栓症あるいは血栓塞栓症(四肢、肺、心、脳、網膜など)

・下肢の疼痛・浮腫、突然の呼吸困難、息切れなどの血栓症の初期症状

その他に頭痛やめまい、腹痛、発疹など副作用と思われる症状があらわれた場合は、医師の診療を受けてください。

プレマリンを使用すると太る?

エストロゲンが増加すると、体はナトリウムや体液などをため込もうとするので、体内の不要な水分や老廃物の排出が抑えられてしまい、むくみや体重増加が起こることもあります。

副作用にも記載されている体重の増加やむくみが気になる場合は、自己判断で薬を使用するのをやめずに、医師に相談してください。

おわりに

プレマリンはエストロゲン製剤の中でも長い歴史を持つ薬で、更年期障害や骨粗しょう症の治療など、さまざまな効果が期待できる薬です。

プレマリンは医師から処方される処方薬です。医師の指示を守り正しく使用してください。

出典:独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページ