ベルソムラは2014年に発売された睡眠薬です。
入眠時間の短縮や総睡眠時間の増加に加え、従来の睡眠薬に比べて副作用の減少が期待されていて、不眠に悩む方への新しい選択肢として考えられています。
ベルソムラは副作用が比較的少ないとされていますが、薬を飲む以上は副作用が絶対にでないとはいいきれません。
この記事では、ベルソムラの副作用と副作用が起こったときの対処法についてご紹介します。
ベルソムラの主な副作用
ベルソムラは、オレキシンという脳内物質をおさえることで睡眠へと導く作用を持ちます。
ベルソムラの添付文書によると、不眠症患者を対象とした試験でベルソムラを服用した患者のうち傾眠(4.7%)、頭痛(3.9%)、疲労(2.4%)の副作用がみられました。他にも悪夢、めまいなどの副作用も報告されています。
ベルソムラの副作用への対処法
傾眠(眠気)がでたら
ベルソムラは半分に割るなどの服用量の調節ができないため、副作用がみられる場合は、薬の変更が必要な場合もあります。
症状が強い場合や長く続く場合には、まずは医師に相談をしてみましょう。
悪夢をみたら
睡眠中は、身体も脳もほとんど眠っている状態のノンレム睡眠と、身体は眠っていても脳が働いているレム睡眠の状態が繰り返されています。
悪夢をみるのはレム睡眠のときです。眠りが浅くて脳がつらさや怖さなどを感じている時に悪夢をみやすいといわれています。
悪夢を見たらまずは経過観察をしましょう。もしも悪夢が頻繁に続くようなら医師に相談しましょう。睡眠薬に原因があるのか、不眠の元となっているのストレスに原因があるのかなどを判断する必要があります。
頭痛がおきたら
ベルソムラは、薬の効果が持続する時間が6~8時間あるため、人によっては朝まで薬の効果が続いている場合があります。そのため、起床時に頭痛がしたり、頭が働かずぼーっとする原因となっている可能性があります。
ベルソムラを飲んで頭痛がおきたら医師に相談し、服用に関して指導をあおぎましょう。
ベルソムラ服用時の注意すべき飲み合わせ
アルコール
ベルソムラを服用している間は飲酒は避けましょう。精神運動機能を低下させる可能性があります。
飲み合わせに注意すべき薬
以下の薬を飲んでいる方は、必ず医師・薬剤師に相談してください。
中枢神経系に対する抑制作用を増強させたり副作用を増強させるおそれがあります。
・中枢神経抑制剤 (フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体など)
・CYP3Aを阻害する薬剤(ジルチアゼム、ベラパミル、フルコナゾールなど)
・CYP3Aを強く誘導する薬剤(リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン等)
・ジゴキシン
併用が禁止されている薬
以下の薬を飲んでいる方は、ベルソムラを使用することができません。副作用が強まるおそれがあります。
・イトラコナゾール(イトリゾール)
・クラリスロマイシン( クラリシッド)
・リトナビル(ノービア)
・ネルフィナビル(ビラセプト)
・ボリコナゾール(ブイフェンド)
さいごに:睡眠薬の副作用を正しく理解しましょう
睡眠薬の使用には、副作用があることを理解しなければなりません。服用方法に不安がある場合は、必ず医師に相談をして正しい使用方法や指示を仰ぎましょう。
不眠症状に改善がみられたら睡眠薬を漫然と使用しないことも大切です。しかし、自己判断で中止するのではなく医師と相談しながら治療をすすめましょう。