ベンザブロックを飲むと眠くなる?
薬を飲む際、副作用に「眠気」がないか確認する方も多いのではないでしょうか。
会社勤めのビジネスパーソンや育児中のお母さんにとって、眠気の到来はとても厄介なものです。
市販の風邪薬「ベンザブロック」シリーズにも、症状の改善が期待できる一方でいくつかの副作用があります。
ベンザブロックシリーズの副作用には眠気が含まれるのか、製品ごとに見ていきましょう。
黄色のベンザブロック(鼻水・鼻づまり)
黄色のベンザ(ベンザブロックS、ベンザブロックS錠、ベンザブロックSプラス、ベンザブロックSプラス錠)は、鼻水・鼻づまりによく効く処方です。
鼻汁の分泌をおさえるヨウ化イソプロパミド、抗ヒスタミン成分であるd-クロルフェニラミンマレイン酸塩を配合し、鼻水・鼻づまりを改善します。
解熱鎮痛成分アセトアミノフェンなど8種の成分がバランスよくはたらいて、風邪のいろいろな症状を緩和します。
<ベンザブロックプラスには、ベンザブロックSの処方に加え、風邪のときに消耗しやすいリボフラビン(ビタミンB2)を配合しています。
【眠気】
咳を和らげるジヒドロコデインリン酸塩、鼻水・くしゃみを和らげるd-クロルフェニラミンマレイン酸塩、鼻水を少なくするヨウ化イソプロバミド、咳を和らげるdl-メチルエフェドリンの作用が原因となり眠気を引き起こす恐れがあります。
銀のベンザブロック(のどの痛み・発熱)
銀のベンザ(ベンザブロックL、ベンザブロックL錠、ベンザブロックLプラス、ベンザブロックLプラス錠)は、のどの痛み・発熱によく効く処方です。
イブプロフェンの解熱・鎮痛作用により、のどの痛み・発熱などを改善します。
また、塩酸プソイドエフェドリンが鼻粘膜の充血を抑え、鼻づまりを緩和します。5種の成分がバランスよくはたらいて、風邪のいろいろな症状を緩和します。
ベンザブロックプラスには、ベンザブロックLの処方に加え、鼻水・くしゃみを和らげるd-クロルフェニラミンマレイン酸塩を配合しています。
【眠気】
咳を和らげるジヒドロコデインリン酸塩、鼻水・くしゃみを和らげるd-クロルフェニラミンマレイン酸塩の作用が主な原因となり眠気を引き起こす恐れがあります。
青のベンザブロック(熱・さむけ)
青のベンザ(ベンザブロックIP、ベンザブロックIP錠、ベンザブロックIPプラス、ベンザブロックIPプラス錠)は、発熱・さむけ(悪寒)・頭痛によく効く処方です。
イブプロフェンの解熱・鎮痛作用により、風邪による発熱・さむけ(悪寒)・ 頭痛・のどの痛みなどを改善します。6種の成分がバランスよく働いて、風邪のいろいろな症状を緩和する薬です。
柑橘類などに含まれるビタミンPの一種であるヘスペリジンを配合しています。
また、ベンザブロックIPプラスには、風邪のときに消耗しやすいビタミンC(アスコルビン酸カルシウムとして配合)を配合し、8種の成分がバランスよく働きます。
【眠気】
<咳を和らげるジヒドロコデインリン酸塩、鼻水・くしゃみを和らげるd-クロルフェニラミンマレイン酸塩、咳を和らげるdl-メチルエフェドリンの作用が主な原因となり眠気を引き起こす恐れがあります。
以上の通り、ベンザブロックシリーズには眠気をうながす成分が配合されています。
人によって眠気の強さは異なると考えられますが、薬を飲んだ後は乗り物や機械の運転操作は禁止です。
どうしても眠気が気になる方は、医療機関への受診をおすすめします。
ベンザブロックの眠気はいつ解消される?
いずれのベンザブロックシリーズにも配合されているジヒドロコデインリン酸塩とd-クロルフェニラミンマレイン酸塩という成分が眠気を引き起こしますが、どれくらいの時間が経過すれば眠気は解消されるのでしょうか。
それぞれの成分の添付文書には、ジヒドロコデインリン酸塩の血液中の成分が代謝されて半減するまでにかかる時間(半減期)は4時間前後、d-クロルフェニラミンマレイン酸塩の半減期は5.4~10.4時間と記載されています。
あくまで予測ですが、ベンザブロックは8時間〜10時間で副作用の眠気は少なくなりますが、眠気を引き起こす成分が複数入っているため、人によっては眠気の副作用が延長するおそれがあります。
ベンザブロックを使用したら、副作用の程度を確認するためにも半日程度は様子をみるようにしてください。
眠気がない市販の風邪薬は?
市販の風邪薬には、鼻水を止めるために抗ヒスタミン剤が配合されているので眠気が生じやすいですが、眠気を引き起こす成分を省いた製品も販売されています。
いずれも生薬が主成分として配合されていて、眠くなったり尿が出にくくなる抗ヒスタミン薬、便秘を起こしやすいジヒドロコデインリン酸塩、糖尿病や高血圧に影響を与えるdl-メチルエフェドリン塩酸塩が入っていません。
どうしても眠気を避けたい時には他の製品を探してみましょう。
眠くならない成分を含んでいない市販の風邪薬は以下です。
【パブロン50】
国内の風邪薬市場で売り上げ1位を誇るパブロンのシリーズ製品で、生薬エキスと洋薬を配合したW処方の優れた効き目の風邪薬です。
傷んだのど粘膜を修復・潤してたんを除く麦門冬湯乾燥エキス、のどの痛みを和らげ熱を下げるアセトアミノフェン、たんを出しやすくするグアヤコールスルホン酸カリウムを配合しています。
【改源】
風邪薬の老舗改源ファーマが販売する改源は、非ピリン系の風邪薬で、眠くなる成分である抗ヒスタミン剤が入っていません。
風邪の回復を助ける生薬成分のカンゾウ末、ケイヒ末、ショウキョウ末を配合しています。
【葛根湯】
葛根湯は、風邪の引きはじめに使用することで、肩こり、鼻風邪、頭痛、筋肉痛、手や肩の痛みを改善します。体を温めて発汗をうながす働きがあります。
おわりに
ベンザブロックをはじめとする市販の風邪薬には、眠気を促進させる副作用をもつ製品が多くあります。
使用する際は、自動車などの運転は控えて休息をとるようにしましょう。
どうしても休めない場合は、眠くなる成分を除いた風邪薬や葛根湯で対処しましょう。