ボルタレンとは

ボルタレン(成分名:ジクロフェナクナトリウム)は炎症をおさえて、腫れ・痛みなどの症状をおさえる解熱鎮痛薬です。

ボルタレンの成分「ジクロフェナクナトリウム」は、痛みを増強し炎症を引き起こす原因物質プロスタグランジンが、体内で産生されるのをおさえるNSAID's(非ステロイド性消炎鎮痛剤)という種類の成分です。

そのほかのNSAID'sには、イブプロフェン・ロキソプロフェンナトリウム・インドメタシンなどが知られています。

中でもボルタレンは、ほかのNSAID'sに比べ鎮痛作用・解熱作用が強い成分です。

さまざまな形状で販売されており、特に錠剤・座薬は劇薬指定されてため注意なども多いですが、肩こり・腰痛・関節痛などの痛みに優れた消炎鎮痛効果を現します。

ボルタレンの剤形ごとの効能・効果

ボルタレンにはさまざまな剤形があります。

こちらで説明するのは飲み薬であるボルタレン錠とボルタレンSRカプセルですが、ほかにもボルタレンにはさまざまな剤形があり、それぞれ効能・効果に違いがあります。

【ボルタレンの剤形】
・ボルタレン錠
・ボルタレンSRカプセル
・ボルタレンサポ(座剤)
・ボルタレンゲル
・ボルタレンローション
・ボルタレンテープ

 

ボルタレン錠

効能・効果

1.下記の疾患ならびに症状の鎮痛・消炎
関節リウマチ、変形性関節症、変形性脊椎症、腰痛症、腱鞘炎、頸肩腕症候群、神経痛、後陣痛、骨盤内炎症、月経困難症、膀胱炎、前眼部炎症、歯痛

2. 手術ならびに抜歯後の鎮痛・消炎

3. 下記疾患の解熱・鎮痛
急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)

ボルタレン錠25mg添付文書 2016年 7 月改訂(第16版)

ボルタレンSRカプセル

効能・効果

下記の疾患並びに症状の消炎・鎮痛
関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群

ボルタレンSRカプセル37.5mg添付文書 2016年7月改訂(第13版)

ボルタレンサポ(座剤)

効能・効果

◯下記疾患並びに症状の鎮痛・消炎
関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、後陣痛

◯手術後の鎮痛・消炎

◯他の解熱剤では効果が期待できないか、あるいは、他の解熱剤の投与が不可能な場合の急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)の緊急解熱

ボルタレンサポ12.5mg/ ボルタレンサポ25mg/ ボルタレンサポ50mg添付文書 2016年 7 月改訂(第12版)

ボルタレンゲル・ボルタレンローション・ボルタレンテープ

効能・効果

下記疾患並びに症状の鎮痛・消炎
変形性関節症、肩関節周囲炎、腱・腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎(テニス肘等)、筋肉痛(筋・筋膜性腰痛症等)、外傷後の腫脹・疼痛

ボルタレンゲル1%ボルタレンローション1%ボルタレンテープ15mg添付文書 2015年 3 月改訂

ボルタレンの飲み薬は頭痛や生理痛には効くの?

【頭痛】

ボルタレン錠・ボルタレンSRカプセルの添付文書の「効能・効果」の欄には、「頭痛」の記載はありません。

しかし、頭痛の種類によっては効果があり、「片頭痛」や「緊張型頭痛」には処方されることがあります。

また原則として、ボルタレン錠・ボルタレンSRカプセルを片頭痛や筋収縮性頭痛(緊張型頭痛)に対して処方した場合でも、保険の適応が認められています。

【生理痛】

生理痛が特にひどく、日常生活に支障をきたすものは「月経困難症」と呼ばれます。

ボルタレン錠・ボルタレンSRカプセルは生理痛にも効果があり、医師から処方されることがあります。

添付文書の「効能・効果」の欄に「月経困難症」と記載があるのは、ボルタレン錠のみですが、ボルタレンSRカプセルの方が患者に適していると医師が判断し、処方されることはあるでしょう。

ボルタレン錠とボルタレンSRカプセルの違い

ボルタレン錠とボルタレンSRカプセルには、錠剤とカプセルという以外にも作用の持続時間に大きな違いがあります。

ボルタレンSRカプセルは、通常のボルタレン錠よりも、持続時間を延ばすように製造された薬です。

ボルタレン錠

使用後だいたい30分ほどで効果が発現し、作用の持続時間は8時間前後の方が多い(6〜10時間ほど)のが錠剤です。

血漿中のジクロフェナクナトリウムの濃度が最高の値に達するまでは、3時間前後と比較的早いのが特徴です。

最高の効果をより早く出したい場合には、ボルタレン錠の方が適しているといえます。

ボルタレンSRカプセル

ボルタレンSRカプセルは作用の発現が早い速溶性顆粒と、作用の発現が遅い徐放性顆粒を3:7の割合で混合した「徐放性製剤」です。

これにより、ボルタレン錠に比べ作用持続時間が長い・副作用が軽減できるというメリットがあります。

腰痛や肩こりに使用する場合、ボルタレン錠が1日3回の使用を基本とするのに対して、ボルタレンSRカプセルは1日2回の使用で済みます。

ただし、血漿中のジクロフェナクナトリウムの濃度が最高の値に達するまでには、7時間前後の時間がかかります。

ボルタレンの主な副作用!眠気はでる?

ボルタレン錠・ボルタレンSRカプセルの主な副作用

副作用は必ず起こるものではなく、まれな出現のものがほとんどです。

主な副作用は、胃痛・腹部不快感・下痢・吐き気など消化器症状です。

ボルタレンの副作用もまれではありますが、ほかのNSAID'sと比較すると消化器症状系の副作用の頻度は高いため注意が必要です。

市販後の使用成績調査ではそれぞれ、ボルタレン錠では6.63%、ボルタレンSRカプセルでは2.48%の方に認められています。

また、頻度は低いながらむくみの報告もあります。

市販後の使用成績調査では、ボルタレン錠では0.60%、ボルタレンSRカプセルでは0.27%の報告があります。

副作用を避けるためには、医師の指示通り使用することが大切で、自宅にボルタレンが余っていても、自己判断での使用は避けましょう。

ボルタレンで眠気はでる?

ボルタレン錠・ボルタレンSRカプセルには、非常にまれですが、眠気の副作用が報告されています。

ボルタレン錠・ボルタレンSRカプセルどちらでも0.1%未満の発生頻度という、非常にまれな副作用です。

もし、ボルタレンを使用していて、眠気・めまい・かすみ目などが起こった場合は、自動車の運転などの危険をともなう機械の操作を中止しましょう。

同じ副作用が出る可能性もあるため、その後も自動車の運転などを控える必要があります。

眠気・めまいなどがひどい方や、どうしても自動車の運転など危険をともなう作業が必要な方は医師に相談しましょう。

使用上の注意|飲み合わせ・妊娠中・授乳中の使用について

飲み合わせ

【トリアムテレン】
利尿薬であるトリアムテレン(トリテレン)を使用している方が、ボルタレン錠・ボルタレンSRカプセルを使用することは禁止されています。

ボルタレンと使い合わせることにより、トリアムテレンの腎臓への障害を増大させてしまうおそれがあり、急性腎不全の原因になると考えられています。

そのほか医師の診断によっては使い合わせることもありますが、利尿剤・降圧剤・抗血栓剤・アスピリンなど多くの薬剤との飲み合わせに注意が必要です。

詳しい飲み合わせについては以下のページをご確認ください。

ボルタレン錠/ボルタレンSRカプセル

【アルコール】
添付文書ではアルコールとの併用に関する注意は特にされていませんが、アルコールは腸や肝臓の働きを低下させます。

腸や肝臓の働きが低下することによって、薬の成分の吸収や代謝に影響が出てしまうことは十分考えられ、過度な飲酒は薬の効果を落としたり、副作用を出やすくしたりする原因になるおそれがあります。

飲酒は控えめにしましょう。

【ロキソニン】
ボルタレンとロキソニンはどちらもNSAIDsで、同じグループの解熱鎮痛剤です。

ボルタレンとロキソニンを一緒に服用してしまうと、相互に胃腸障害などの副作用が増強されるおそれがあります。

ボルタレンを処方された場合、自宅にロキソニンが残っていても、ボルタレン使用中は服用しないようにしてください。

また、市販のロキソニンSなどの解熱鎮痛薬も同様です。

そのほか、市販の総合風邪薬も成分に解熱鎮痛薬が配合されているものがほとんどのため、使い合わせには注意が必要です。

今飲んでいるボルタレン錠・ボルタレンSRカプセルとほかの薬との飲み合わせが知りたい場合は、「薬剤師オンライン医療相談」でお気軽にご質問ください。

妊娠中・授乳中の使用について

ボルタレン錠・ボルタレンSRカプセルは、妊婦中または妊娠している可能性のある方の使用は禁止されています。

ボルタレンの成分であるジクロフェナクナトリウムは血液胎盤関門を通過するものと考えられ、動脈管収縮・閉鎖、徐脈、羊水過少が起きたとの報告があり、赤ちゃんの安全性面から使用が禁忌となっています。

また、授乳中の使用に関しては医師の判断が必要となります。

授乳中の方は医療機関を受診して、医師の指示に従って薬を使用しましょう。

子どもの使用について

ボルタレン錠・ボルタレンSRカプセルを子どもに使用するかどうかには、医師の判断が必要になります。

錠剤やカプセルが使いにくい小さな子どもには、通常ボルタレンサポ(座薬)が処方されます。

症状・年齢によって使用する量が変わり、場合によってはボルタレンが適さないケースもあるため、自宅にボルタレンが余っていても自己判断で使用しないでください。

おわりに

ボルタレン錠・ボルタレンSRカプセルは医師の指示を守って使用すれば、非常に優れた解熱鎮痛作用を示す薬です。

強めの解熱鎮痛薬ですが注意点もあるため、医療機関を受診して処方される薬で、医師の指示通りに市湯する必要があります。

また、ボルタレン錠とボルタレンSRカプセルでは使用目的・作用持続時間などにも違いがあるため、使い方が異なります。

自宅に余っていても、自己判断での使用は絶対にやめましょう。