マイスリー(ゾルピデム)は効き目が早い!効果と作用時間について

マイスリー(ゾルピデム)は超短時間型と呼ばれるすぐ効くタイプの薬で、寝付きの悪さや入眠障害で使われることが多い薬です。マイスリーの効果時間・作用時間・服用時の注意点などを添付文書を元に徹底解説します。

不眠は日本の成人の約20%強の方が訴えているといわれ、実に5人中1人にのぼります。(参考文献:Psychiatry Research, 93・1, 1-11(2000)—Liu X et al.)

ドリエルなど、安全性の高いタイプのお薬は市販薬でも手に入りますが、本格的に治療が必要だったり、効果の高いお薬が必要な場合はマイスリー(成分名:ゾルピデム)、ルネスタ、ハルシオン、アモバンなど処方薬も頼りになる存在の一つです。

マイスリーを含めた睡眠薬全体の効果と強さの比較に関しては以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

マイスリーは「超短時間型」と呼ばれる「すぐ効くタイプ」のお薬で、寝付きの悪さ、つまり入眠障害で使われることの多いお薬です。ですので、睡眠薬の中でも特に「どのくらいで効くのか?」といった効果時間が気になる方も多いでしょう。

そこで今回は、マイスリーの効果発現時間と持続時間を見ていきたいと思います。

なお、マイスリーの成分は「ゾルピデム」という名前のもので、最近はマイスリーのジェネリック医薬品としてゾルピデム錠などが登場しており、こういった名称のものをご利用されている方も多いかと思います。

ゾルピデム錠などのジェネリック医薬品も使用方法や気をつけるべきポイントや効き方・副作用などもマイスリーと同様になりますので、ゾルピデムを使用されている方も同じようにこちらの情報をご参考いただけます。

マイスリー(ゾルピデム)の効能・効果は「不眠症」

マイスリーは「非ベンゾジアゼピン系」というグループの入眠剤で、GABA系の抑制機構と呼ばれる脳内の興奮性の神経伝達を抑えるメカニズムに作用することで、鎮静作用を発揮し、入眠をサポートします。

その適用は「不眠症(統合失調症及び躁うつ病に伴う不眠症は除く)」となっています。
※ 統合失調症や躁うつ病による不眠症の場合は、原因疾患自体への治療も必要となることが多いです。

また臨床試験の結果、マイスリーの効果には以下のような特徴があることがわかっています。

①睡眠潜時を短縮する
②徐波睡眠を増加させる
③翌朝への持ち越し効果がみられない
④反跳現象がみられないことも
⑤催眠・鎮静に選択的な効果

これらについてもみていきましょう。

マイスリー(ゾルピデム)は睡眠潜時を短縮して「寝付き」を良くする

睡眠潜時(すいみんせんじ)とは、消灯してから睡眠開始までにかかる時間を差します。

つまり、寝床に横になり寝る体制に入った就床時刻から、実際に睡眠し始めることができるまでの時間をさします。

入眠障害の場合は、寝る体制に入ってから実際に寝付けるまでに時間がかかってしまうことが多いですが、マイスリーはこの睡眠潜時を短縮することで寝付き自体と、寝付きの不快感の改善を期待できます。

マイスリーは徐波睡眠を増加させることで「睡眠の質」を良くする

徐波睡眠とはノンレム睡眠の中でも脳波の周波数の低い成分が主になる睡眠のことです。マイスリーは睡眠後にレム睡眠に影響することなく徐波睡眠を増加させることで、睡眠の質が良くなります。

催眠・鎮静に選択的な効果

他の超短時間型の入眠剤(ハルシオンなど)の中には、催眠・鎮静作用以外に不安を抑えるような効果ももったお薬があります。
しかし、マイスリーの場合は催眠・鎮静作用が最も出やすく、他の効果である不安を抑えたり、痙攣を抑えたり、筋肉のこわばりを抑えるような作用は出にくくなっているため、寝付きの効果を選択的に期待することができます。

以下の記事ではマイスリーとハルシオンの比較について詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

翌朝への持ち越し効果がみられない

睡眠薬の中には効果が翌朝まで残ってしまい、その結果「眠気、ふらつき、頭痛、頭重、倦怠感、脱力感、構音障害(音がどもって聞こえる)」などの現象が翌朝以降に残ってみられることがあります。
この現象を翌朝への「持ち越し効果」といいます。

マイスリーは超短時間型の睡眠剤で、翌朝には効果が残らず持ち越し効果がみられないことがわかっており、寝付きの改善に使っても翌朝にはしっかりと目覚めて翌日に影響しないことを期待できます。

反跳現象が弱めとされる

睡眠剤の中には、睡眠剤でほぼ満足できる睡眠が得られるようになったあとに突然服用を中止すると、服用前より強い不眠が現れるようになることがあり、この現象を反跳現象(はんちょうげんしょう)・反跳作用(はんちょうさよう)・リバウンド現象、ないしは反跳性不眠(はんちょうせいふみん)などといいます。

マイスリーの公式情報である添付文章上では反跳現象がみられないとされています。

ただし、実際には長期間服用(連用)した後に中止すると反跳現象がみられることがあるという報告もあるため、長期間服用(連用)してから中止する場合は自己判断で中止せず、処方医とも相談しつつ徐々に減薬していくことも大切です。

市販後にも8割以上の改善率という高い効果が確認されている

2000年〜2003年に実施された、マイスリーを使用している患者約3500人程度を対象とした使用成績調査では、患者がもつ睡眠障害の型に関わらず、全般改善度という指標において、89.0%の改善率という高い有効性が示されました。また、同時に安全性も確認されており、副作用の発現率は全体の4.4%という結果で、安全性においても安心できる結果がでています。

他にもマイスリーを長期的に使用した場合の特別調査においては、550人程度のデータが得られており、改善率は86.7%副作用の発現率は9.0%という結果でした。また、この調査では長期のマイスリーの使用によって効果が減弱する事はなかったという結果も得られています。

さらに、65歳以上の高齢者に関しても、400人程度を対象に特別調査を実施しており、結果は改善率が87.9%副作用の発現率が3.8%であり、こちらも高い有効性と安全性が示される結果となりました。

このようにマイスリーは市場で一般の患者に使われた実績からも、8割以上の改善率を持つ高い有効性と、長期投与によっても効果が落ちない耐薬性、高齢者にも安全に使用できる安全性などがしっかりと確認されている薬です。

マイスリー(ゾルピデム)が効き始めるのにかかる時間は約15〜30分

マイスリー(成分:ゾルピデム)を服用したあとに効果発揮の指標となる血中の濃度は以下のようになります。

マイスリーは服用後すみやかに吸収され、約15〜30分程度で効果が出始め、約40〜50分(投与後0.7〜0.9時間)後には血中の濃度が最高値となりピークに達します。

その後、1時間半〜2時間半で血中の濃度が半減しすみやかに減少します。

服用から5〜6時間前後にはほとんどの量が消失するため、起床時には持ち越しが少なく、「寝付けない」タイプの不眠の治療に向いているわけです。

マイスリー(ゾルピデム)の服用で気をつけるべきこと

寝付きに悩む方にとってマイスリーは心強い味方になりますが、医薬品であるだけでなく向精神薬という取り扱いに注意すべきお薬でもあります。

マイスリーを活用する際は、必ず以下のようなことには気を付けましょう。

必ず睡眠直前(電気を消して横になるくらいのタイミング)に服用して一過性前向性健忘対策をしましょう

マイスリーの副作用には「一過性前向性健忘、もうろう状態」といったものがあります。

一過性前向性健忘はお薬の服用後〜入眠までの間に起きた出来事を覚えてなかったり(物忘れ)、夜間に目覚めてしまった際に起きた出来事を覚えていない(寝ぼけ+物忘れ)といった副作用です。

一過性前向性健忘の発生頻度は0.1〜5%ほどといわれていますが、服用したらすぐに電気を消して入眠体制に入ることが大切になります。また、身近な方がマイスリーを服用している場合は、睡眠中に起こさないことも大切です。

むやみに連用しないようにしましょう

睡眠剤なしで寝付くことができる場合は、むやみにマイスリーを飲まないにこしたことはありません。

発生頻度は不明なものの、マイスリーの連用で依存が生じることもあるため、基本的には経過観察を十分に行いながら必要な量を必要なタイミングで使うことが勧められます。

また、連用中に急激に減量したり突然中止することでイライラ感や不眠の離脱症状が起こる可能性も報告されています。

もし連日寝付くことができず、連用が必要な場合は、一度心療内科などで処方医に相談しながら徐々に減量するなどの治療にあたってください。

必ず用法用量を守ること

マイスリーに限らず、処方薬は処方医の処方どおり、用法用量を守って服用することが大切です。

用法用量を守って使っていただく分には重大な副作用はめったに発生しないものですし、連用する場合も指示通り減量していけばお薬を止めることができます。まずはしっかりと相談できる医療機関(主に心療内科)をみつけていきましょう。

またアルコールとの併用にも注意が必要です。以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

妊婦(妊娠中)や授乳婦(授乳中)での使用は要注意

妊婦(妊娠中)や授乳婦(授乳中)でのマイスリーの使用は、禁止はされていないものの、注意が必要となります。それぞれ確認していきましょう。

・妊婦(妊娠中)のマイスリーの使用

妊娠中に関しては、製薬会社から「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。」という注意喚起がされています。

その根拠としては、妊娠中の投与に関して、確実な安全性が確認されていない(妊婦への使用実績が少ない)という点と、妊娠後期にマイスリーを投与された患者より出生した児に呼吸抑制、痙攣、振戦、易刺激性、哺乳困難等の離脱症状があらわれることがあるという点とされています。

従って、少なくとも自己判断で妊娠中にマイスリーを使用することはせず、使用したい場合は、医師に妊娠している旨を伝えた上で判断を仰ぎましょう

なお、虎の門病院「妊娠と薬」相談外来における実際の相談事例では、相談のあった31例の妊婦においていずれも奇形などのない健常児を出産されたというデータもあり、万が一間違って服用してしまった場合は、過剰な心配はせず、まずは医師に相談しましょう。

・授乳婦の(授乳中)のマイスリーの使用

授乳中においては製薬会社から「授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。」という注意喚起されています。

こちらの根拠は、マイスリーが母乳中へ移行することが報告されており、新生児に嗜眠を起こすおそれがあるとされています。

授乳中への移行に関しては、外国人のデータで、授乳中の婦人5例にマイスリーの成分を夕食30分後に使用したところ、3時間後の乳汁中におけるマイスリーの成分の濃度が、投与量の 0.004~0.019%であったという結果があります。

この濃度は、マイスリーの血中における濃度の0.11〜0.18倍であり、かなり低い濃度ではありますが、マイスリーが乳汁中に移行されることは確認されているため、その母乳を飲んだ子供にもマイスリーの成分が吸収されることになってしまいます。

上記ようなデータもあるため、注意喚起されている通り、授乳中はマイスリーを使用しない、使用した場合は母乳を子供に与えないようにしましょう。

なお、別の項目でも記載したようにマイスリーはおよそ1時間程度で血中での濃度が最高となり、その後、2時間程度で濃度が半分になっていくという性質の薬です。
参考までに授乳中にマイスリーを服用した際に、母乳を再開するまでの時間は、最低でも3時間、できれは5時間以上空けると比較的安全性は高くなると考えられます。
しかし、絶対に安全ということはないため、授乳中にマイスリーを使用する場合は必ず医師に相談しましょう。

さいごに:マイスリーの市販薬はある?

睡眠薬が欲しいけれど病院へ行く時間が無い場合、マイスリーと同じ成分の市販薬があれば便利ですが、残念ながらマイスリーと同様の効果を得られる市販薬は現在ありません。また、ネット通販などでマイスリーを個人購入することは法律違反となっています。

マイスリーを手に入れるためには、病院へ言って処方箋を必ず貰わなければいけませんが、どうしても病院へ行くことができない場合、市販の睡眠導入剤や漢方薬を飲んでみるのも良いでしょう。 

病院で処方されている睡眠薬よりも比較的効果は低いので、市販薬を飲んでも効果を感じられない場合は、病院で薬を処方してもらいましょう。

睡眠に悩みを感じる方はこういったお薬の活用も踏まえ、まずは気軽に相談できる内科や心療内科にご相談いただければと思います。

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