マグミットは酸化マグネシウムを成分とした便秘薬です。
医師の処方箋が必要な薬で、安全性が比較的高く病院で広く用いられています。
この記事では薬剤師監修のもと、マグミットの効果や副作用、飲み方などについて解説します。
マグミットの効果
マグミットの成分である酸化マグネシウムは腸管の水分を集めることで硬い便を柔らかくします。
マグミットは、便秘薬の中でも安全性が比較的高く、習慣性の少ない薬として病院で広く用いられています。また効き目が穏やかであり、軽症~中等度の便秘によく使用されています。
マグミットの効果時間
マグミットが効果を発揮するまでの時間は、個人差はありますが使用から8~10時間程度です。
一般的に、朝に腸がよく動いて便意が起こりやすいので、前日の就寝前に使用するのが効果的です。
酸化マグネシウムは水分を集めることで便を柔らかくするため、多めの水で使用しましょう。
マグミットの飲み方
マグミットは、使用用途によって用法・用量が異なります。
下剤として使用する場合は、 通常は成人1日2gを食前または食後の3回にわけて使用するか、就寝前に1回使用します。
胃酸を中和する制酸剤として使用する場合は、 通常は成人1日0.5~1.0gを数回にわけて使用します。
尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防に使用する場合は、通常は成人1日0.2~0.6gを多量の水とともに使用します。
高齢者は高マグネシウム血症を起こすおそれがあるため、使用量を減らすとともに定期的に血清マグネシウム濃度を測定するなど、十分な経過観察を行います。
いずれの場合も年齢や症状の度合いにより量を調整するため、医師の指示のもと用法・用量は必ず守るようにしましょう。
マグミットの飲み合わせ
マグミットは飲み合わせに注意が必要な薬があります。マグミットを使用している場合は、医療機関を受診した際に必ず医師に申告しましょう。
アルコールとマグミットとの相互作用は報告されていないため、併用自体は注意喚起されていません。しかし、アルコールを飲むことで血流がよくなったり悪くなったりするため、薬の吸収や代謝に影響が出て効果にも影響が出ることがあります。
そのためどうしても外せないお酒の席があるような場合は、必ず医師・薬剤師に相談しながら指示を仰ぐようにしましょう。
牛乳との飲み合わせ
マグミットを大量の牛乳やカルシウム製剤と一緒に服用することでミルクアルカリ症候群を起こすことがあります。
ミルクアルカリ症候群とは代謝性アルカローシスが続くことで、尿細管でのカルシウム再吸収が増え、高カルシウム血症となる状態です。
牛乳の量だけではなく体調や使用量、使用期間も考慮する必要があるため、併用の際は医師や薬剤師に相談しましょう。
妊娠中の使用について
マグミットの成分である酸化マグネシウムは水に溶けにくい性質をもち、体内にほとんど吸収されません。また効き目が穏やかであるため、妊婦の便秘に広く利用されています。
ただし、大量に使用すると、子宮の収縮を誘発する恐れがありますので、使用する場合は医師や薬剤師に相談しましょう。
マグミットの副作用
マグミットの主な副作用は、下痢や血清マグネシウム値の上昇です。
重大な副作用としては、高マグネシウム血症が現れることがあります。高マグネシウム血症の症状には呼吸抑制、意識障害、不整脈などがあり、心停止に至ることもあります。
マグネシアの使用は必要最小限にとどめ、長期使用する場合や高齢者の場合は定期的に血清マグネシウム濃度を測定するなど、とくに注意しましょう。
吐き気や嘔吐、口の渇き、血圧低下、徐脈、皮膚潮紅、筋力低下、傾眠の症状があらわれた場合にはマグネシアの使用を中止して、すぐに病院を受診してください。
下痢の副作用
比較的効果は穏やかですが、量が多いと下痢になることもあります。下痢になった場合は飲む回数や1回に飲む量を調節し、量を少なめにするとよいでしょう。
マグミットと同成分の市販薬
マグミットの成分は、酸化マグネシウムです。酸化マグネシウムを配合した市販薬には、3Aマグネシアとスラーリア便秘薬があります。
おわりに
マグミットは便秘薬の中でも比較的安全で、長期使用されることが多い薬です。しかし、安全だからといって、使用方法を守らないと思いもよらない副作用が起こる場合があります。使用しておかしいと感じたらひどくなる前に医療機関を受診するようにしてください。