ムコダイン(カルボシステイン)の効果や副作用、使用上の注意点を解説

ムコダイン(成分名:カルボシステイン)は風邪をひいた時などに痰を出しやすくする薬として使われます。効果や副作用、飲み合わせについて薬剤師が解説します。ムコダインを服用する際の参考にして下さい。

ムコダイン(カルボシステイン)とは?

ムコダインは薬の名前(先発医薬品)であり、カルボシステインは薬の名前(ムコダインのジェネリック医薬品名)であり成分名でもあります。

ムコダイン ・薬の名前(先発医薬品)
 (ex.ムコダイン錠500mgムコダイン錠250mg)
カルボシステイン

・薬の名前(ムコダインのジェネリック医薬品名)
 (ex.カルボシステイン錠250mg「トーワ」)
・成分名

​ムコダイン(カルボシステイン)は風邪をひいて痰がでる時や副鼻腔炎の際に最もよく使われる痰や鼻づまりの切れを良くする薬です。

ムコダイン(カルボシステイン)は非常に使いやすい薬であり、幅広い年齢層に使用されています。

ムコダインの成分は「カルボシステイン」という名前のもので、最近はムコダインのジェネリック医薬品としてカルボシステイン錠などが登場しており、こういった名称のものをご利用されている方も多いかと思います。

カルボシステイン錠などのジェネリック医薬品も使用方法や気をつけるべきポイントや効き方・副作用などもムコダインと同様になりますので、カルボシステインを使用されている方も同じようにこちらの情報をご参考いただけます。

ムコダイン(カルボシステイン)の剤形

ムコダイン(カルボシステイン)には錠剤の他、シロップ剤やドライシロップ剤などさまざまな剤形があります。

シロップ

薬品名 薬価 先発 製造
ムコチオシロップ10%   ジェネリック 小林化工
ムコトロンシロップ5%   ジェネリック テバ製薬
カルボシステインシロップ小児用5%「テバ」 2.60円/mL ジェネリック テバ製薬
C-チステンシロップ5% 2.60円/mL ジェネリック 鶴原製薬
カルボシステインシロップ5%「JG」 2.60円/mL ジェネリック 大興製薬
カルボシステインシロップ5%「タカタ」 2.60円/mL ジェネリック 高田製薬
カルボシステインシロップ小児用5%「トーワ」 2.60円/mL ジェネリック 東和薬品
カルボシステインシロップ10%「KN」 6.00円/mL ジェネリック 小林化工
ムコダインシロップ5% 6.00円/mL 先発 杏林製薬

ドライシロップ

薬品名 薬価 先発 製造
カルボシステインドライシロップ33.3%「タイヨー」   ジェネリック テバ製薬
カルボシステインDS33.3%「トーワ」 8.30円/g ジェネリック 東和薬品
カルボシステインDS50%「タカタ」 11.40円/g ジェネリック 高田製薬
カルボシステインDS50%「ツルハラ」 11.40円/g ジェネリック 鶴原製薬
カルボシステインドライシロップ50%「テバ」 11.40円/g ジェネリック テバ製薬
カルボシステインDS50%「トーワ」 11.40円/g ジェネリック 東和薬品
ムコダインDS50% 30.60円/g 先発 杏林製薬

細粒

薬品名 薬価 先発 製造
ムコダイン細粒50%   先発 杏林製薬
C-チステン細粒50% 6.40円/g ジェネリック 鶴原製薬
ルボラボン細粒50% 6.40円/g ジェネリック コーアイセイ

錠剤

薬品名 薬価 先発 製造
カルボシステイン錠500mg「タイヨー」   ジェネリック テバ製薬
シスカルボン錠250mg   ジェネリック 共和薬品工業
ムコチオ錠250mg   ジェネリック 小林化工
ムコチオ錠500mg   ジェネリック 小林化工
ムコトロン錠250mg   ジェネリック テバ製薬
カルボシステイン錠250mg「テバ」 5.60円/錠 ジェネリック テバ製薬
カルボシステイン錠500mg「テバ」 6.80円/錠 ジェネリック テバ製薬
C-チステン錠250mg 5.60円/錠 ジェネリック 鶴原製薬
C-チステン錠500mg 6.80円/錠 ジェネリック 鶴原製薬
カルボシステイン錠250mg「サワイ」 5.60円/錠 ジェネリック 沢井製薬
カルボシステイン錠250mg「トーワ」 5.60円/錠 ジェネリック 東和薬品
カルボシステイン錠500mg「KN」 6.80円/錠 ジェネリック 小林化工
カルボシステイン錠500mg「サワイ」 6.80円/錠 ジェネリック 沢井製薬
カルボシステイン錠250mg「KN」 5.60円/錠 ジェネリック 小林化工
カルボシステイン錠500mg「トーワ」 7.80円/錠 ジェネリック 東和薬品
クインスロン錠250mg 5.60円/錠 ジェネリック 辰巳化学
クインスロン錠500mg 6.80円/錠 ジェネリック 辰巳化学
シスダイン錠250mg 5.60円/錠 ジェネリック 武田テバ薬品
カルボシステイン錠250mg「JG」   ジェネリック 日本ジェネリック
シスダイン錠500mg 6.80円/錠 ジェネリック 武田テバ薬品
カルボシステイン錠500mg「JG」   ジェネリック 日本ジェネリック
ムコダイン錠250mg 8.30円/錠 先発 杏林製薬

ムコダイン(カルボシステイン)の効果

以下は添付文書(薬の説明書)からの引用です。※シロップ剤、ドライシロップ剤のみ

○下記疾患の去痰
 上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核
○慢性副鼻腔炎の排膿
○滲出性中耳炎の排液※
 

要約して大きく分けると2つの効果があります。

■去痰(痰の切れを良くする)効果
上気道炎とはいわゆる風邪の症状で、この症状でムコダインを使用した経験がある方も多いのではないでしょうか。
その他は気管支の炎症や、喘息、結核などの際の痰切りとして使用されます。

■慢性的な副鼻腔炎で溜まった膿を出す効果
慢性副鼻腔炎は副鼻腔に膿が溜まった状態のため、ムコダインで副鼻腔に溜まった膿を出しやすくします。

また、ムコダインは耳に溜まった液体を出しやすくする作用もあります。小児に使われるシロップ剤やドライシロップ剤は滲出性中耳炎の排液にも使われます。滲出性中耳炎は耳に滲出液という液体が溜まっている状態で、多くが子供に見られる病気です。

ムコダインはなぜ効くの?

■なぜ去痰(痰の切れを良くする)に作用するのか
そもそも痰には体に入ってきた病原菌などの異物を外に出す役目があります。

痰の中にはムチンという粘りの原因となる物質が含まれていて、ムチンの構成成分であるフコースとシアル酸という物質のうち、フコースの比率が多くなると粘りが強くなり痰が絡む原因となっているといわれています。

ムコダインの成分であるカルボシステインは、フコースとシアル酸の構成比を正常に戻すことによって痰をサラサラにします。

またムコダインは、痰中のムチンを生産する細胞の増殖を抑える作用が確認されていてムチン自体の量を減らすことも期待できます。

その他にもムコダインには気道の炎症を抑えたり、気道の粘膜を細胞を修復させる効果も認られています。

異物を外に出す気道粘膜の線毛作用と言われる作用がしっかりと働くようになることで、痰を外に出す効果が期待できるのです。

 

■なぜ副鼻腔炎で溜まった膿に作用するのか

副鼻腔炎は副鼻腔に膿が溜まった状態であり、鼻粘膜における粘液線毛輸送という病原菌などの異物を除去する作用が低下した状態です。

ムコダインは粘液線毛輸送の機能を改善し、副鼻腔に溜まった膿を外に出しやすくすることによって、副鼻腔炎に対する効果を発揮します。

また、ムコダインは副鼻腔における粘膜を修復する作用も持っているので、副鼻腔炎の症状改善にもつながります。

 

■なぜ滲出性中耳炎に作用するのか
ムコダインは滲出性中耳炎にも効果を発揮します。

滲出性中耳炎は耳の中で鼓膜の奥にある中耳に滲出液という液体が溜まっている状態です。

ムコダインは鼻と同様に、耳においても粘液線毛輸送の機能を改善することにより、滲出性中耳炎の排液作用を発揮します。また、耳の粘膜を正常化する働きや炎症を抑える作用も認められています。

なお、滲出性中耳炎には錠剤ではなくシロップ剤とドライシロップ剤のみ効果を確認されています。

ムコダインの実際の効果は90%以上?!

ムコダインの効果を確認してきましたが、実際にはどの程度効果があるのでしょうか。

メーカーは公表している情報の中に約1000人程度の方に使用した結果があります。その内容は以下の通りです。

疾患名 有効以上 やや有効以上
上気道炎 62.4% 92.5%
急性気管支炎 71.9% 94.5%
気管支喘息 51.6% 86.8%
慢性気管支炎 40.1% 75.8%
気管支拡張症 51.9% 77.9%
肺結核 29.5% 69.2%
慢性副鼻腔炎 46.9% 93.0%

上気道炎や急性の気管支炎では「有効以上」で見るとところどころ有効率が低いものもありますが、「やや有効以上」でみると90%以上の効果を示しています。

慢性副鼻腔炎においても「有効以上」は46.9%であるものの、「やや有効以上」だと93.0%であり、劇的な効果は出なくても、正しく服用すれば一定の効果がえられるということがいえます。

また、ムコダインのシロップ剤に関しては別途、500人程度の患者さんに使用した結果が確認されており、その結果は以下の通りです

疾患名 有効以上  やや有効以上
上気道炎 76.2% 82.5%
急性気管支炎 67.0% 88.6%
気管支喘息 64.1% 83.4%
慢性副鼻腔炎 56.8% 90.1%
滲出性中耳炎 52.4% 74.1%

小児に対して適応がある滲出性中耳炎の有効性は、「やや有効以上」でも7割程度の有効率となりますが、疾患自体が治りにくいものなので、滲出性中耳炎においてムコダインが処方された場合は正しく服用して辛抱強く経過を見ていくことが必要となりますね。

ムコダイン(カルボシステイン)の用法用量

成人の場合はムコダインの成分であるカルボシステインを1日1500mgまで使用できます。

また子供に使用する場合は、カルボシステインとして体重1kgあたり30mgまで使用できるとされています。

もし子供の体重が10kgであった場合は、カルボシステインとして1日300mg、シロップ剤のムコダインであれば1日6mL、ドライシロップ剤のムコダインであれば、1日600mgしようできるという計算になります。

子供に使う場合は体重によって使用量が異なってくる点に注意が必要です。

以下は添付文書(薬の説明書)からの引用です。

<錠剤>
カルボシステインとして、通常成人1回500mgを1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
剤形別の用量は次の通りです。

剤形  1回量 投与回数
ムコダイン錠250mg 2錠 1日3回経口投与
ムコダイン錠500mg 1錠 1日3回経口投与

<シロップ剤>
通常、幼・小児に、体重kg当り、カルボシステインとして1日30mg(本剤0.6mL)を3回に分割して経口投与する。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

<ドライシロップ剤>
・成人
通常、成人にカルボシステインとして1回500mg(本剤1.0g)を用時懸濁し、1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
・小児
通常、幼・小児にカルボシステインとして体重kg当たり1回10mg(本剤0.02g)を用時懸濁し、1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

服用間隔は?

ムコダインは 1日3回服用する使い方が基本です。その点からも4〜6時間ほどは時間を空けるようにしてください。

また、添付文書の血中濃度から逆算しても、4時間後以降に服用することで安全かつ一定の薬の効果を保つことができると考えられます。2時間以内など極端に短い時間に続けて服用すると、副作用などが出やすくなる危険性も考えれますので、必ず指示された用法に従いましょう。

効かないと思っても継続を

ムコダイン自体は劇的に効果を実感できるような薬ではありません。

そのため、飲んでも効いている気がせず、効かないなら止めてしまっても構わないのでは、と考える方もいるのではないでしょうか。

しかし、ムコダインは薬の効果を実感できるまでに比較的時間がかかることも多いため、処方された数日間は飲み続けることが重要となっています。

効果が実感できなくても、実際には体の中で効果が発揮されていると考えられるので医療機関から指示された通りに薬を飲み切ることを心がけましょう。

ムコダイン(カルボシステイン)の効果時間

以下で公開されているデータを元にムコダインの効果が現れる時間や持続時間などについて解説していきます。

効果が現れるまでの時間は1〜2時間程度

まずは、効果が現れるまでの時間について、薬の血中での濃度データを参考に、推定していきましょう。
ムコダインの添付文書(薬の説明書)を見ると、使用した時の血中での濃度は以下のようになります。

個人差はありますが、ムコダインを飲んでから体の中で最も濃度が高い最高血中濃度に到達する時間は2.3時間となっており、早ければ1~2時間ほどで体の中で効果が現れはじめると想定できます。

しかし、その効果は比較的緩やかに現れることも多いため、ムコダインはその効果がなかなか実感しにくいという面もあります。

そのため、2~3日飲み続けることで、ようやくその効果が実感できるというケースも少なくありません。

このように、ムコダインは効果を実感するまでは少々時間がかかることもありますが、一定の期間を飲めば効果が得られる薬なので、必ず処方された量をしっかりと飲み続けることが大切です。

なお、今回の推定はあくまで血中での濃度データをもとにしているものであり、実際の実験結果などとは異なる可能性がある点はご注意ください。

持続時間は4〜8時間程度

ムコダインは1日3回の使用を指示されることが多い薬ですが、正しい用法で服用した場合は、ほぼ1日中効果が得られると考えられます。

添付文書を見ると、ムコダインは血中での濃度が最も高くなってから、薬が代謝などされて濃度が半分になるまでにかかる時間(消失半減期)が1.6時間となっています。

このデータから効果の持続時間を推定すると、飲んでから4~8時間程度は薬の効果が続くと想定でき、1日3回の使用では1日中効果が得られるということになります。

ムコダインを処方されたときは、指示された通りに飲み忘れなくしっかりと使用することが重要と言えるでしょう。

ムコダイン(カルボシステイン)の副作用

ムコダインは前述の通り非常によく使われる薬のため、その副作用が気になる方も多いのではないでしょうか。また、風邪の時は多種類の薬と一緒に処方させることも多く、他の薬との飲み合わせも気になるところかと思います。

以下で、主な副作用や重大な副作用について解説していきます。

よくみられる副作用

ムコダインは副作用に関して、11042人に使用した結果から副作用の頻度を算出しています。副作用が認められた人はそのうち100人であり、頻度にすると0.91%という結果でした。100人に1人に副作用が出るか出ないか程度の頻度ですので、ムコダインはかなり安全な薬と言って良さそうです。

その少ない副作用の中でも頻度が高かったものは、食欲不振(0.24%)、下痢(0.17%)、腹痛(0.14%)、発疹(0.10%)といったものでした。いずれも頻度としてはかなり低いと考えて良さそうですが、あえて気をつけるとすると、胃腸などの消化器系が不調になる可能性と、発疹の皮膚症状といったところになります。
以下は添付文書の引用です。

副作用等発現状況の概要

総症例11,042例中、100例(0.91%)に副作用が認められ、主な副作用は食欲不振27例(0.24%)、下痢19例(0.17%)、腹痛15例(0.14%)、発疹11例(0.10%)であった。

重大な副作用

安全な薬と言えるムコダインですが、中には重大な副作用の報告もあるようです。あまり心配はいらないかと思いますが、以下のような副作用も報告されているということをその初期症状と併せて紹介させていただきます。

副作用名 初期症状
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群) 高熱(38℃以上)、目の充血、めやに、まぶたの腫れ、目が開けづらい、くちびるや陰部のただれ、排尿・排便時の痛み、のどの痛み、皮ふの広い範囲が赤くなるがみられ、その症状が持続したり、急激に悪くなったりする
肝機能障害、黄疸 倦怠感、食欲不振、発熱、黄疸、発疹、吐き気・おう吐、かゆみなど
ショック、アナフィラキシー様症状 呼吸困難、浮腫、蕁麻疹等

その他の副作用

ムコダインの副作用の中でも比較的頻度の高い副作用と、報告があった重大な副作用を紹介してきましたが、それ以外の比較的軽微で頻度も高くない副作用も紹介しておきます。あまり注意は必要ないかもしれませんが、中にはこのような副作用も出る可能性があるという点を知っておいていただければと思います。

消化器:食欲不振、下痢、 腹痛、悪心、嘔吐、腹部膨満感、ロ渇 等

過敏症:発疹、湿疹、紅斑、浮腫、発熱、呼吸困難 等

その他:痒感 

副作用から考えて子供や赤ちゃんでも安心して使える

ムコダインの副作用は頻度が最も高いものでも食欲不振の0.24%なので、比較的安全性が高いと考えられる薬です。
子供や赤ちゃんには、ムコダインシロップムコダインDS(ドライシロップ)など飲みやすいタイプのものが作られており、痰切りや咳、鼻水などによく処方されます。
また、子供に限った場合のみですが、中耳炎の一種である滲出性中耳炎の薬として処方されることもあります。
気管への作用と同様に、鼓膜の奥にある中耳の粘膜にも作用し、炎症で傷ついた粘膜を修復したり、中耳に溜まった浸出液(耳垂れ)を体の外に出す効果が期待できます。
ムコダインは年齢に関係なく、指示された用法・用量を守って使えば副作用はまず起きないと考えられる薬なので、処方された場合は安心してご使用ください。

鼻水が増えるのは副作用では無い

ムコダインは鼻水のネバネバを薄くして、サラサラと流れやすい鼻水に変えて体外に出しやすくするため、飲んだ後は鼻水の量が増えることがあります。
鼻水や痰には「ムチン」という粘り成分が含まれていますが、鼻づまりや痰が喉に絡むといった症状のときはバランスが崩れ、正常時に比べて「ムチン」の比率が増えています。
ムコダインには鼻水や痰に含まれる「ムチン」の分泌量を調節する作用があり、ねばついて鼻の奥に詰まっている鼻水を流れやすくするのです。
そのため、ムコダインを飲んだ後は鼻水が流れやすくなって鼻づまりが改善されます。
このようにムコダインを飲むと鼻水が流れやすくなり鼻水の量が増えますが、副作用ではなく薬が正しく作用しているために起こるものです。
極端なものでなければあまり心配はありませんので、安心して服用してください。

服用時の眠気は副作用ではない

添付文書にはムコダインを飲んで眠くなるという副作用の記載はありません。
ではなぜ、ムコダインを飲むと眠くなったように感じるのでしょうか。
 

■一緒に飲んでいる薬が原因で眠くなる

その原因の一つとして、一緒に飲んでいる薬に眠くなる作用がある可能性が考えられます。
たとえば、咳止めによく使われるアスベリンやメジコン、くしゃみや鼻水・咳などの症状に使われるペリアクチンなどといった薬には、眠気を催す副作用があります。
特に、ペリアクチンは眠気を催しやすい抗ヒスタミン薬の一つなので、一緒に飲んでいる場合は眠気の原因となっている可能性が高い薬です。
このように、ムコダインは他の薬と一緒に出されることが多い薬であり、眠くなる原因は併用している(一緒に飲んでいる)薬に原因がある可能性があるとも考えられます。
 

■病気の症状が原因で眠くなる

他の薬が原因でないときは、風邪の症状や副鼻腔炎など、病気が原因となっている可能性も考えられます。
風邪を引いているときは、発熱などが原因で体力を消耗しがちです。
このような消耗が原因で体に疲労が溜まると、眠気を感じることがあります。
また、鼻が詰まった状態では空気がうまく取り込めず、眠くなったような感覚になることもあるようです。
 

■子供や赤ちゃんも同じ理由

ムコダインを飲んで子供や赤ちゃんが眠たそうにしていたり、眠りがちになった場合も、極端な症状でなければあまり心配する必要はありません。
ムコダインにはムコダインシロップムコダインDS(ドライシロップ)など子供や赤ちゃんでも服用しやすいものがあり、処方されることも多い薬です。
子供や赤ちゃんがムコダインの薬を飲んだ後に眠たそうにしていたり、眠りがちになってしまうのも併用している薬、特にアスベリンやペリアクチンなどを一緒に飲んでいる場合はそれらの薬が原因となっている可能性が高いと考えられます。
また、子供は大人に比べて体力が低く、風邪を引いたときなどは疲労が溜まりやすくなるためよく眠るようになりますが、こちらもあまり心配する必要はないでしょう。

ムコダインの使用上の注意点・飲み合わせの注意

続いてはムコダインを実際に使用する際に注意していただきたい点についてです。繰り返しになりますが、ムコダインは比較的安全に使える薬です。ただ、それでも何点かは注意が必要なことがありますので、それらを紹介していきたいと思います。
安全性の高いムコダインですが、中には使ってはいけない人や使う際に注意が必要な場合があります。それぞれ確認していきましょう。

ムコダインを使ってはいけない人

以前にムコダインを使ったときに過敏症(発疹などが出たなど)の症状が出た人は使ってはいけない(禁忌)とされています。その理由として繰り返し使うことによって、再び過敏症の症状が出たり、場合によってはより重篤な過敏症症状が出る可能性もあるためです。

ムコダインに限らず特定の薬で過敏症を経験している場合は、病院やクリニック、薬局などで必ずその旨を伝えるように心がけましょう。

ムコダインを使うときに注意が必要な人

肝臓に障害のある人と、心臓に障害がある人はいずれもムコダインを使うときには慎重に使用することとされています。その理由は、ムコダイン(もしくはその成分)を使用した時に、それぞれの障害に悪影響を及ぼしたという報告があるためです。必ず悪影響があるというわけではありませんが、心配な方は先生と相談してみると安心かと思います。

妊婦さんはムコダインの使用が推奨されていない

妊婦さんについてですが、製薬会社からの情報ではムコダインは使わないことが望ましいとされています。その理由は、妊娠中の患者さんに使用した場合に安全であるという確実な根拠が得られてないためです。逆に妊娠中に使用した場合に危険という根拠もありません。ですので、先生の判断によって妊娠中でも処方される可能性は考えられます。ただし、先生が妊娠中であることを知らないで処方している状況は望ましくないため、必ず妊娠中であることを先生に伝えるようしましょう。

万が一妊娠していることに気づかないで服用してしまったり、妊娠中に間違えて服用してしまった時は、まずは産科の先生に服用してしまったことは伝えておくと安心ですが、あまり心配をしなくて大丈夫かと思います。その理由としては動物実験においても悪影響は報告されておらず、また、限られた人数ですが、実際の妊婦さん200人弱の相談事例からもムコダインの悪影響は考えにくいとされています。妊娠中に意図せずにムコダインを使ってしまった場合はまずは落ち着いて、必要に応じて先生に伝え、次からは気をつけるようにしましょう。

ムコダインは授乳中でも使用できる

続いては授乳中についてです。授乳中のムコダインの使用に関しては、製薬会社からの情報でも特に注意喚起されていません。ムコダインはシロップ剤などもあり、場合によっては乳幼児にも使われるケースもあるような安全な薬です。処方された場合は安心して服用してもらって大丈夫かと思います。ただし、授乳中であることは必ず先生に伝えるようにしておきましょう。

飲み合わせで注意が必要な薬は?

ムコダインは風邪の時などは様々な薬と一緒に処方されることもあり、飲み合わせが心配になった方もいるかと思いますが、ムコダインは飲み合わせで注意が必要な薬は基本的にありません。ですので、安心して他の薬と一緒に使ってもらって大丈夫です。

心配に思われる方が多いものを挙げますと、頭痛や熱などで使われるロキソニンや、咳止めののメジコン、喉の痛みに使われるトランサミンといった、風邪で一緒に処方される薬は、ムコダインと一緒に使ってもらって全て問題ありません。また、同じ痰を出しやすくする目的で使われるムコソルバンについても、作用のメカニズムが異なるため、一緒に飲んでも問題ありません。

強いて注意するものを挙げますと、市販薬でムコダインの成分であるカルボシステインが含まれているもの(ストナプラスジェル2、ストナ去痰カプセル、新エスエスブロン錠エースなど)があります。これらの市販薬はムコダインの成分を重複して服用してしまうことになるため、一緒に飲むのは止めましょう。

ムコダインとムコソルバンの違いは?

ムコダインと同じ去痰薬に分類される薬剤として、有名なものでムコソルバンがあります。ムコソルバンとムコダインの違いについて確認しましょう。

ムコソルバンはサーファクタントの分泌を促進!

ムコソルバン(成分名:アンブロキソール)もムコダインと同様に非常によく使われている去痰薬の一つです。

ムコソルバンには肺のサーファクタント(表面活性物質)という物質の分泌を促進する働きがあるとされています。サーファクタントには肺の表面張力を調整する作用があり、サーファクタントが分泌されることにより、気道の痰も排出されやすくなるといわれています。

それ以外にも気道液の分泌が促進されたり、気道における線毛運動を活発にする作用があり、痰を出しやすくするのがムコソルバンです。

ムコダインとムコソルバンは併用してもOK

ムコダインとムコソルバンという同じような薬が処方されたけど、一緒に飲んで問題ないのかという疑問を持つ方もいらしゃると思います。

結論としてはこの二剤は併用しても問題ありません。
ムコダインとムコソルバンはそれぞれ違った作用の仕方をするため、相乗効果を期待することができ、安全面でも副作用が出やすくなるといったことはあまり考えられません。
ムコダインとムコソルバンが一緒に処方された場合は安心して使用しましょう。

市販の去痰薬をご紹介

痰がなかなか切れない時、仕事中や夜寝る時も苦しくて不快。
だけど、病院に行く時間が無い!行くのが面倒!
という方のために市販薬をご紹介します。

市販の総合感冒薬は鎮痛成分や抗炎症成分など様々な症状に対応していますが、痰に悩まされている時は、その他の「有効な成分」はかえって邪魔になってしまいます。そんな時は痰の排出に特化した鎮咳去痰薬を選びましょう。

市販されている鎮咳去痰薬は次の2種類です。

ストナ去たんカプセル(佐藤製薬)、クールワン去たんソフトカプセル(杏林製薬)です。
2つの市販薬は成分、分量(1日量)ともに同じです。

成分(成人1日量6カプセル中)

  • カルボシステイン・・・750㎎
  • ブロムヘキシン塩酸塩・・・12㎎
  •  

【第2類医薬品】ストナ去たんカプセル 36カプセル

商品価格 ¥ 980

 

 

★クールワン去たんソフトカプセル(杏林製薬)★

【第2類医薬品】クールワン去たんソフトカプセル 48カプセル

商品価格 ¥ 1,389

 

用法・用量

次の量を食後に水またはお湯で服用します。

年齢 1回服用量 1日服用回数
成人(15歳以上) 2カプセル 3回
8~14歳 1カプセル
8歳未満 ×服用しないでください。

まとめ

ムコダインが処方されたのだけど何の薬かよくわからない、作用が強すぎる薬だと心配、飲み合わせや副作用は大丈夫?というような不安点についてご参考にしてもらえるよう解説してきました。

ムコダインは劇的な作用がある薬ではないため、副作用もあまりありません。また、飲み合わせでも特に注意が必要なものはないため、基本的にどの薬と一緒に飲んでも問題ありません。ただし、用法・用量を正しく守り、服用することが大事です。

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