ムコダイン(L-カルボシステイン)の効果・副作用・使用上の注意点を解説

ムコダイン(成分名:L-カルボシステイン)の効果、副作用、飲み合わせについて解説。ムコダインは主に風邪をひいた時などに痰を出しやすくする薬として使われる代表的な薬です。ムコダインの効果や副作用、飲み合わせについて解説します。

ムコダイン(カルボシステイン)はどんな薬?

ムコダインはカルボシステインを成分とする去痰薬です。風邪・副鼻腔炎の痰や鼻づまりの切れを良くする効果があります。

ムコダインは非常に使いやすい薬であり、幅広い年齢層に処方されます。

ムコダインの剤形

ムコダインには錠剤の他、シロップ剤やドライシロップ剤などさまざまな剤形があります。

ムコダインのジェネリック

ムコダインにはジェネリック医薬品があります。ジェネリック医薬品は開発費用が抑えられるため、先発薬と同じ成分でほとんど同じ効果の薬でありながら、安価に購入することができます。

成分がカルボシステインであることから、「カルボシステイン錠」などの名称で販売されています。ジェネリック医薬品を希望する場合は医師・薬剤師に申告しましょう。

カルボシステイン錠などのジェネリック医薬品も、使用方法や気をつけるべきポイントや効き方・副作用などはムコダインと同様です。

ムコダインの効果

以下は添付文書(薬の説明書)からの引用です。※シロップ剤、ドライシロップ剤のみ

○下記疾患の去痰
 上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核
○慢性副鼻腔炎の排膿
○滲出性中耳炎の排液※
 

去痰(痰の切れを良くする)効果

上気道炎など、いわゆる風邪の症状での痰の切れを良くします。その他気管支の炎症や、喘息、結核などの際の痰切りとして使用されます。

慢性的な副鼻腔炎で溜まった膿を出す効果

慢性副鼻腔炎は副鼻腔に膿が溜まった状態のため、ムコダインで副鼻腔に溜まった膿を出しやすくします。

滲出性中耳炎の排液

ムコダインは耳に溜まった液体を出しやすくする作用もあるため、小児に使われるシロップ剤やドライシロップ剤は滲出性中耳炎の排液にも使われます。

滲出性中耳炎は耳に滲出液という液体が溜まっている状態で、多くが子供に見られる病気です。

ムコダインは効果を感じやすい薬

製造メーカーが公表している約1000人の使用実績の検証結果は以下の通りです。

疾患名 有効以上 やや有効以上
上気道炎 62.4% 92.5%
急性気管支炎 71.9% 94.5%
気管支喘息 51.6% 86.8%
慢性気管支炎 40.1% 75.8%
気管支拡張症 51.9% 77.9%
肺結核 29.5% 69.2%
慢性副鼻腔炎 46.9% 93.0%

上気道炎や急性の気管支炎では「やや有効以上」の効果を感じた方は90%以上の結果を示しています。慢性副鼻腔炎においても「有効以上」は46.9%であるものの、「やや有効以上」で93.0%です。

また、ムコダインのシロップ剤に関しては、約500人の使用実績の結果が確認されており、以下の通りです。

疾患名 有効以上  やや有効以上
上気道炎 76.2% 82.5%
急性気管支炎 67.0% 88.6%
気管支喘息 64.1% 83.4%
慢性副鼻腔炎 56.8% 90.1%
滲出性中耳炎 52.4% 74.1%

小児に対して適応がある滲出性中耳炎の有効性は、「やや有効以上」でも7割程度の有効率となりますが、疾患自体が治りにくいものなので、薬が効いていないわけではありません。

滲出性中耳炎でムコダインが処方された場合は、正しく服用して辛抱強く経過を見ていくことが必要となります。

ムコダインの作用のメカニズム

去痰(痰の切れを良くする)への作用

痰には体に入ってきた病原菌などの異物を外に出す役目があります。

痰の中にはムチンという粘りの原因となる物質が含まれていて、ムチンの構成成分であるフコースとシアル酸という物質のうち、フコースの比率が多くなると粘りが強くなり痰が絡む原因となっているといわれています。

ムコダインの成分であるカルボシステインは、フコースとシアル酸の構成比を正常に戻すことによって痰をサラサラにします。

またムコダインは、痰中のムチンを生産する細胞の増殖をおさえる作用が確認されていてムチン自体の量を減らすことも期待できます。

その他にもムコダインには気道の炎症をおさえたり、気道の粘膜を細胞を修復させる効果も認られています。

異物を外に出す気道粘膜の線毛作用といわれる作用がしっかりと働くようになることで、痰を外に出す効果が期待できるのです。

副鼻腔炎で溜まった膿への作用

副鼻腔炎は副鼻腔に膿が溜まった状態であり、鼻粘膜における粘液線毛輸送という病原菌などの異物を除去する作用が低下した状態です。

ムコダインは粘液線毛輸送の機能を改善し、副鼻腔に溜まった膿を外に出しやすくすることによって、副鼻腔炎に対する効果を発揮します。

また、ムコダインは副鼻腔における粘膜を修復する作用も持っているので、副鼻腔炎の症状改善にもつながります。

滲出性中耳炎への作用

ムコダインは滲出性中耳炎にも効果を発揮します。

滲出性中耳炎は耳の中で鼓膜の奥にある中耳に滲出液という液体が溜まっている状態です。

ムコダインは鼻と同様に、耳においても粘液線毛輸送の機能を改善することにより、滲出性中耳炎の排液作用を発揮します。また、耳の粘膜を正常化する働きや炎症をおさえる作用も認められています。

なお、滲出性中耳炎には錠剤ではなくシロップ剤とドライシロップ剤のみ効果を確認されています。

ムコダインの用法用量

成人の場合は、ムコダインの成分であるカルボシステインを1日1500mgまで使用できます。

また子供に使用する場合は、カルボシステインとして体重1kgあたり30mgまで使用できるとされています。

もし子供の体重が10kgであった場合は、カルボシステインとして1日300mg、シロップ剤のムコダインであれば1日6mL、ドライシロップ剤のムコダインであれば、1日600mg使用できるという計算になります。

子供に使う場合は体重によって使用量が異なってくるため、必ず医師の処方を確認し、正しく使用しましょう。

以下は添付文書(薬の説明書)からの引用です。

<錠剤>
カルボシステインとして、通常成人1回500mgを1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
剤形別の用量は次の通りです。

剤形  1回量 投与回数
ムコダイン錠250mg 2錠 1日3回経口投与
ムコダイン錠500mg 1錠 1日3回経口投与

<シロップ剤>
通常、幼・小児に、体重kg当り、カルボシステインとして1日30mg(本剤0.6mL)を3回に分割して経口投与する。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

<ドライシロップ剤>
・成人
通常、成人にカルボシステインとして1回500mg(本剤1.0g)を用時懸濁し、1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
・小児
通常、幼・小児にカルボシステインとして体重kg当たり1回10mg(本剤0.02g)を用時懸濁し、1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

服用間隔は?

ムコダインは 1日3回服用する使い方が基本です。症状が出ているときのみに使用する頓服の場合は、4〜6時間ほどは使用間隔を空けてください。

また、添付文書の血中濃度から逆算しても、4時間後以降に服用することで安全かつ一定の薬の効果を保つことができると考えられます。

2時間以内など極端に短い時間に続けて服用すると、副作用などが出やすくなる危険性も考えられるので、必ず指示された用法用量に従いましょう。

すぐに効果を感じなくても処方量は飲み切る

ムコダイン自体は、飲んだ直後から劇的に効果を実感できるような薬ではありません。

そのため、薬を飲んでも効果がでないなら止めてしまっても構わないのでは、と考える方もいるのではないでしょうか。

しかし、ムコダインは薬の効果を実感できるまでに比較的時間がかかることも多いため、処方された数日間は飲み続けることが重要となっています。

効果を体感できなくても、実際には体の中で効果が発揮されていると考えられるので医療機関から指示された通りに薬を飲み切ることを心がけましょう。

ムコダインの効果時間

製薬メーカーから公開されているデータを元に、ムコダインの効果が現れる時間や持続時間などについて解説していきます。

効果が現れるまでの時間は1〜2時間程度

まずは、効果が現れるまでの時間について、薬の血中での濃度データを参考に、推定していきましょう。

ムコダインの添付文書(薬の説明書)を見ると、使用した時の血中での濃度は以下のようになります。


個人差はありますが、ムコダインを飲んでから体の中で最も濃度が高い最高血中濃度に到達する時間は「2.3時間」となっています。早ければ1~2時間ほどで、体の中で効果が現れはじめると想定できます。

しかし、効果は比較的緩やかに現れることも多いため、ムコダインはなかなか効果を実感しにくいという面もあります。

2~3日飲み続けることでようやく効果が実感できるというケースも少なくありません。

ムコダインは効果を実感するまではやや時間がかかることもありますが、一定の期間を飲めば高い効果が期待できる薬です。必ず、処方された量をしっかりと飲み続けることが大切です。

なお、今回の推定はあくまで血中での濃度データをもとにしているものであり、実際の実験結果などとは異なる場合がある点は注意してください。

持続時間は4〜8時間程度

ムコダインは1日3回の使用を指示されることが多い薬ですが、正しい用法で服用した場合は、ほぼ1日中効果が得られると考えられます。

添付文書を見ると、ムコダインは血中での濃度が最も高くなってから、薬が代謝などされて濃度が半分になるまでにかかる時間(消失半減期)が「1.6時間」となっています。


このデータから効果の持続時間を推定すると、飲んでから4~8時間程度は薬の効果が続くと想定でき、1日3回の使用では1日中効果が得られるということになります。

ムコダインを処方されたときは、指示された通りに、飲み忘れなく使用することが重要といえるでしょう。

ムコダインの副作用

ムコダインは年齢に関係なく、指示された用法用量を守って使用すれば副作用はほとんど起きないと考えられる薬なので、処方された場合は安心して使用してください。

ムコダインの製造メーカーでは、11042人に使用した結果から副作用の頻度を算出しています。副作用が認められた人はそのうち100人であり、頻度にすると0.91%という結果でした。

100人に1人に副作用が出るか出ないか程度の頻度なので、ムコダインは比較的安全な薬ということができます。

少ない副作用の中でも頻度が高かったものは、食欲不振(0.24%)、下痢(0.17%)、腹痛(0.14%)、発疹(0.10%)といったものです。

いずれも頻度としてはかなり低いものですが、あえて気をつけるとすると、胃腸などの消化器系が不調になるおそれがあることと、発疹の皮膚症状といったところになります。

以下は添付文書の引用です。

副作用等発現状況の概要

総症例11,042例中、100例(0.91%)に副作用が認められ、主な副作用は食欲不振27例(0.24%)、下痢19例(0.17%)、腹痛15例(0.14%)、発疹11例(0.10%)であった。

重大な副作用

副作用名 初期症状
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群) 高熱(38℃以上)、目の充血、めやに、まぶたの腫れ、目が開けづらい、くちびるや陰部のただれ、排尿・排便時の痛み、のどの痛み、皮ふの広い範囲が赤くなるがみられ、その症状が持続したり、急激に悪くなったりする
肝機能障害、黄疸 倦怠感、食欲不振、発熱、黄疸、発疹、吐き気・おう吐、かゆみなど
ショック、アナフィラキシー様症状 呼吸困難、浮腫、蕁麻疹等

その他の副作用

副作用として現れる頻度は少ないため過度に気にする必要はありませんが、中にはこのような副作用も出るおそれがあることを確認しておきましょう。

消化器:食欲不振、下痢、 腹痛、悪心、嘔吐、腹部膨満感、ロ渇 等
過敏症:発疹、湿疹、紅斑、浮腫、発熱、呼吸困難 等
その他:痒感 

鼻水が増えるのは副作用では無い

ムコダインは鼻水のネバネバを薄くしサラサラと流れやすい鼻水に変えて体外に出しやすくするため、飲んだ後は鼻水の量が増えることがあります。

鼻水や痰には「ムチン」という粘り成分が含まれていますが、鼻づまりや痰が喉に絡むといった症状のときは、バランスが崩れ正常時に比べて「ムチン」の比率が増えています。

ムコダインには鼻水や痰に含まれる「ムチン」の分泌量を調節する作用があり、ねばついて鼻の奥に詰まっている鼻水を流れやすくするのです。

そのため、ムコダインを飲んだ後は鼻水が流れやすくなって鼻づまりが改善されます。

このようにムコダインを飲むと鼻水が流れやすくなり鼻水の量が増えますが、副作用ではなく薬が正しく作用しているために起こるものです。

極端なものでなければあまり心配はないので、安心して服用してください。

ムコダインを飲んだ後は眠くなる?

添付文書にはムコダインを飲んで眠くなるという副作用の記載はありません。しかし、ムコダインを飲むと眠くなったと感じる方も中にはいます。

一緒に飲んでいる薬が原因で眠くなる

ムコダインの服用後に眠くなる原因の一つとして、一緒に飲んでいる薬に眠くなる作用がある場合が考えられます。

ムコダインは他の薬と一緒に処方されることが多い薬です。たとえば、咳止めによく使われるアスベリンやメジコン、くしゃみや鼻水・咳などの症状に使われるペリアクチンなどといった薬には、眠気を催す副作用があります。

特に、ペリアクチンは眠気を催しやすい抗ヒスタミン薬の一つなので、一緒に飲んでいる場合は眠気の原因となっているおそれがあります。

病気の症状が原因で眠くなる

他の薬が原因でないときは、風邪の症状や副鼻腔炎など、病気が原因となっていることも考えられます。

風邪を引いているときは、発熱などが原因で体力を消耗し疲労が溜ま理安い状態です。過度な疲労状態では眠気を感じることがあります。

また、鼻が詰まった状態では空気がうまく取り込めず、眠くなったような感覚になることもあるようです。

子供や赤ちゃんも同じ理由

ムコダインを飲んで子供や赤ちゃんが眠たそうにしていたり、眠りがちになった場合も、極端な症状でなければあまり心配する必要はありません。

ムコダインにはムコダインシロップムコダインDS(ドライシロップ)など子供や赤ちゃんでも服用しやすいものがあり、処方されることも多い薬です。

子供や赤ちゃんがムコダインの薬を飲んだ後に眠たそうにしていたり、眠りがちになってしまうのも併用している薬、特にアスベリンやペリアクチンなどを一緒に飲んでいる場合はそれらの薬が原因となっている可能性が高いと考えられます。

また、子供は大人に比べて体力が低く、風邪を引いたときなどは疲労が溜まりやすくなるためよく眠るようになりますが、こちらもあまり心配する必要はないでしょう。

ムコダインの使用上の注意点・飲み合わせの注意

ムコダインは比較的安全に使える薬ですが、それでも何点かは注意が必要なことがあります。

また、中には使ってはいけない人や使う際に注意が必要な場合があります。それぞれ確認していきましょう。

ムコダインを使ってはいけない人

以前にムコダインを使ったときに過敏症(発疹などが出たなど)の症状が出た人は使用できません。

繰り返し使うことによって、再び過敏症の症状が出たり、場合によってはより重篤な過敏症症状が出るおそれもあるためです。

ムコダインに限らず特定の薬で過敏症を経験している場合は、病院やクリニック、薬局などで必ずその旨を伝えましょう。

ムコダインを使うときに注意が必要な人

肝臓に障害のある人と、心臓に障害がある人はいずれもムコダインを使うときには慎重に使用することとされています。

ムコダイン(もしくはその成分)を使用した時に、それぞれの障害に悪影響を及ぼしたという報告があるためです。必ず悪影響があるというわけではありませんが、心配な方は担当医と相談しましょう。

飲み合わせで注意が必要な薬は?

ムコダインは、基本的には飲み合わせに注意が必要な薬はありません。他の薬を一緒に処方されることが多くありますが、医師の指示通りに薬を併用しましょう。

頭痛や熱などで使われるロキソニン、咳止めののメジコン、喉の痛みに使われるトランサミンといった風邪で一緒に処方される薬は、ムコダインと一緒に処方されることが多くあります。

また、同じ痰を出しやすくする目的で使われるムコソルバンについても、作用のメカニズムが異なるため、一緒に飲んでも問題ありません。

ムコダインなどの市販薬を処方薬と併用する場合は、成分を重複して服用してしまうと過剰摂取になるおそれもあるので、必ず医師や薬剤師に確認しましょう。

ムコダインとムコソルバンの違いは?

ムコダインと同じ去痰薬に分類される薬の中では、ムコソルバンがあります。

ムコダインとムコソルバンは同じ去痰の効能・効果がありますが、それじれ異なるメカニズムを持つ薬です。

そのため、症状によってはムコダインとムコソルバンが一緒に処方されることもありますが、用法用量を正しく守っていれば併用が可能な薬です。

ムコダインとムコソルバンの違いについて、詳しくは以下の記事をごらんください。

ムコダインの市販薬はある?

ムコダインと全く同じ成分の市販薬は販売されていません。ムコダインを購入したい場合は病院を受診して処方箋をもらう必要があります。

ムコダインと同じ成分であるL-カルボシステインを配合した市販の鎮咳去痰薬は販売されています。

おわりに

ムコダインは劇的な効果を感じられる薬ではありませんが、副作用もあまりなく安心して使用できる薬のひとつです。

また、飲み合わせでも特に注意が必要なものはないため、基本的にどの薬と一緒に飲んでも問題ありません。処方薬は医師の指示通り、用法・用量を正しく守り服用してください。

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