メインテートとは

メインテートとはビソプロロールフマル酸塩を主成分とする薬で、比較的軽度~中度の高血圧症や、狭心症不整脈などの治療に広く使用されています。
心拍数を上げる作用のあるβ受容体を遮断し、心拍数が上がらないようにすることで血圧の上昇を抑える効果があります。血圧の上昇を抑える以外にも、心臓の拍動を調節して狭心症や頻脈、不整脈などを治療する効果があります。

メインテートの剤形

メインテートは主成分ビソプロロールフマル酸塩の含有量によって、3種類販売されています。
すべて処方薬のため、どの薬を使用するかは医師の判断で決められます。

  1錠中の成分 薬価
メインテート錠0.625mg ビソプロロールフマル酸塩 0.625mg 20.0円
メインテート錠2.5mg ビソプロロールフマル酸塩 2.5mg 61.0円
メインテート錠5mg ビソプロロールフマル酸塩 5mg 106.4円

■ジェネリック医薬品について
すべての剤形にジェネリック医薬品の取り扱いがあります。
ジェネリック医薬品の場合、先発品と比べると薬価がおよそ半分から半分以下になります。
ジェネリック医薬品に変更したい場合は医師に相談してみるといいでしょう。

メインテートの効果

メインテートの効果について、本能性高血圧症の治療の場合72.6%、狭心症の治療の場合70.9%、心室性期外収縮の場合53.3%の人に効果が見られたというデータがあります。
また、頻脈性心房細動についても有意な低下が見られたとされ、メインテートはこれらの疾患に効果がある薬だということができます。

メインテートが効果を発揮する病気

メインテートの服用が効果的な病気について、添付文書には以下のように記載されています

 ・本態性高血圧症(軽症~中等症)
・ 狭心症
・ 心室性期外収縮
・ 虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全
・ 頻脈性心房細動

メインテート錠0.625mg/メインテート錠2.5mg/メインテート錠5mg

※虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全のうち、メインテートが使用できるのはアンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンII受容体拮抗薬、利尿薬、ジギタリス製剤等の基礎治療を受けている場合です。

■症状による剤形の使い分け
メインテートを服用する場合、その時の症状によって3種類の剤形が使い分けられます。
<参考>

メインテート錠0.625mg/メインテート錠2.5mg/メインテート錠5mg添付文書より

症状によってはメインテート錠0.625mgでは効果が出ない場合もあるため、服用の際には医師から指示された薬を用量通り飲むようにしてください。

■メインテートの効果時間
血液中の薬の濃度が最も高くなる時間は、薬を使用してから約3時間後とされています。 
また、その後約9時間後に血液中での薬の濃度が半分になりますが、メインテートの効果はほぼ24時間持続するように配合されているため、1日1回の服用で効果が期待できます。

メインテートの具体的な効果

■心臓の拍動を正常にする
心臓の拍動が異常に多くなったり少なくなったりした状態が不整脈であり、メインテートの適応病名である頻脈性心房細動などは不整脈の一種です。
メインテートは不整脈のうち、心拍数が多すぎる症状の改善に効果があります。

心拍数が多すぎる不整脈は一般的に頻脈(ひんみゃく)と呼ばれ、心臓の拍動が多すぎることにより1回の拍動の力が弱くなり、体中に充分な血液を送ることができなくなります。

この症状が心不全です。

メインテートを服用すると、心臓の拍動の回数を減らし一回の拍動を力強くすることができます。
拍動を強くすることで心不全の症状を改善し、脈拍を正常な数に戻すことで頻脈などの不整脈を治療することができます。

また、メインテートの脈拍数を正常の数に戻す効果から、あがり症の改善などに使用されることもあります。

■血圧を下げる効果
メインテートは、心拍数が上がりすぎないように抑える薬です。
心拍数が高すぎると、血液が血管へ送りだされる量が増え、血圧の上昇し、動脈硬化につながります。
血管が弱り、動脈硬化が起こると、血管中に血栓ができ塞栓症(そくせんしょう)を起こす確率が高まってしまいます。

つまり、メインテートを服用し血圧を下げることで、脳梗塞や心筋梗塞などの危険性を下げることができるのです。

アーチストとの違いは?

メインテートと同じく、慢性心不全などの治療に使われる薬にアーチストガルベジロール)という薬があります。

メインテートはβ1のみに作用するのに対し、アートストはα遮断とβ1、β2遮断の作用があります。
作用する場所が少しずつ違うため、そのときの症状や心臓以外の疾患などによって使い分けがされています。

【メインテート】
・呼吸器疾患のある場合でも使用できる。
・心拍数が下がりやすいため、頻脈の治療に使われることが多い。

【アーチスト】
・呼吸器疾患がある場合、使用が難しい。
・心拍数に影響を与えづらいため、徐脈の症状にも使用できる。

医師がより適切だと判断した薬が処方されますが、なにか疑問点がある場合は医師に相談してみるといいでしょう。

メインテートの副作用

メインテートは身体の循環器系に影響を与え、心拍数が上がることを阻害する作用のある薬です。
そのため、心臓に副作用を及ぼすことがあります。

治療している病気の種類によって症状や発症確率が変わってきますが、主な症状は徐脈などの脈拍数の減少が原因のものです。

■徐脈(じょみゃく)
徐脈とは脈が遅くなる不整脈の一種です。

具体的には、脈拍数が1分間に60未満になることを指します。
脈拍が減少するため血液の回りが遅くなり、体中に酸素が行き渡らなくなります。

徐脈の症状として、めまいや息切れがあり、メインテートを飲んだ時にめまいが起こる場合などは徐脈による可能性があります。
メインテート服用後にひどいめまいや息切れの症状があらわれた場合はすぐに医師に相談しましょう。

高血圧症・狭心症・心室性期外収縮の治療の場合

高血圧症・狭心症・心室性期外収縮の治療にメインテートを使用した場合、10.22%の確率で副作用が起こるという臨床試験の結果があります。
心不全など重大な副作用が起こる危険性は低いですが、服用の際には十分に注意しましょう。

症状 発症確率
心不全 0.1%未満
心房ブロック 0.11%
徐脈 1.55%
心胸比肥大 1.44%
倦怠感 1.24%
ふらつき 0.93%
めまい、頭痛 0.72%
肝臓検査値の上昇 1.34%

慢性心不全の治療の場合

慢性心不全の治療にメインテートを使用した場合、臨床試験において57%の確率で副作用が起こったという報告があります。
重大な副作用である心不全の発症確率も7%と高めです。
慢性心不全の治療にメインテートを使用する際は、医師の指示する検査などをきちんと受け、副作用の発生を抑えるようにしましょう。

症状 発症確率(国内) 発症確率(海外)
心不全 7% 15.6%
完全心房ブロック・高度徐脈・洞不全症候群 頻度不明 頻度不明
徐脈 記載なし 15%
倦怠感 10% 記載なし
めまい 7~9% 記載なし
肝臓検査値の上昇 8~9% 記載なし
呼吸困難 記載なし 12.2%
低血圧 記載なし 11%
疲労 記載なし 8.7%

頻脈性心房細動

頻脈性心房細動の治療にメインテートを使用した場合、11.5%の確率で副作用が起こるという臨床試験の結果があります。
重大な副作用が起こる危険性は低いですが、肝機能などに影響を与えることがあるため、服用中は充分に注意してください。

症状 発症確率
γ-GTP(肝臓の検査値)上昇 2.60%
肝機能検査値異常 2.60%
心室性期外収縮 1.30%
頭痛 1.30%
腹部不快感 1.30%
尿中ブドウ糖陽性 1.30%
頻尿 1.30%

重大な副作用・その他の副作用

■重大な副作用
メインテートの副作用のうち、重大な副作用は、心不全完全心房ブロック高度徐脈洞不全症候群です。
それぞれ以下のような初期症状があります。当てはまるものがある場合は充分に注意し、早めに医師に相談してください。

【心不全】
倦怠感、全身のむくみ、息切れ、動悸、横になるより座っているときに呼吸が楽になる、など

【完全心房ブロック】
めまい、気を失う、など

【高度徐脈】
めまい、意識の低下、息切れ、脈拍の異常、意識の低下、判断力の低下、など

【洞不全症候群】
めまい、胸の痛み、息切れ、脈が遅くなる、など

これらの副作用を早期に発見するため、メインテート服用中は新機能検査を定期的に受けるよう指示されます。
また、重大な副作用が起こってしまった場合には、薬の量を減らしたり薬の服用を中止するなどの処置がとられます。

■その他の副作用:眠気やめまい、頭痛など
メインテートの副作用はさまざまで、頭痛、動悸や低血圧などがあります。
眠気やめまいなどの症状も起こりやすいため、メインテート服用中の車の運転は充分に注意してください。
その他に、発疹や眼のかすみ、悪寒やしびれ感などの症状も報告されていますが、いずれも確率は0.1%未満です。

メインテートの用法・用量と使用上の注意

メインテートは医師から処方される薬であるため、詳しい用量や使用上の注意については必ず医師と確認するようにしてください。

用法・用量

メインテートの用法・用量は治療する病気や症状により異なります。
いずれの場合でも服用は1日1回ですが、用量は年齢や症状によって医師が判断するため、処方された際の指示をよく守ってください。

■本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、心室性期外収縮の場合

通常、成人にはビソプロロールフマル酸塩として、5mgを1日1回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

メインテート錠0.625mg/メインテート錠2.5mg/メインテート錠5mg

■虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全

通常、成人にはビソプロロールフマル酸塩として、1日1回0.625mg経口投与から開始する。
用量の増減は1回投与量を0.625、1.25、2.5、3.75又は5mgとして必ず段階的に行い、いずれの用量においても、1日1回経口投与とする。
通常、維持量として1日1回1.25~5mgを経口投与する。

メインテート錠0.625mg/メインテート錠2.5mg/メインテート錠5mg

■頻脈性心房細動

通常、成人にはビソプロロールフマル酸塩として、1日1回2.5mg経口投与から開始し、効果が不十分な場合には1日1回5mgに増量する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、最高投与量は1日1回5mgを超えないこと。

メインテート錠0.625mg/メインテート錠2.5mg/メインテート錠5mg

使用上の注意 

ここでは一部の主な使用上の注意を紹介しています。
詳しい使用上の注意についてはミナカラ薬辞典をご覧ください。
ミナカラ薬辞典:メインテート錠0.625mgメインテート錠2.5mgメインテート錠5mg

■使用に注意が必要な人
以下の症状がある場合、メインテートの服用ができない場合があります。

・気管支喘息や気管支痙攣の症状がある人。
・低血糖症や、コレステロール不十分な糖尿病の症状がある人。
・過度の低血圧の症状がある人。
・65才以上の高齢者。
・その他心臓や肝臓、腎臓になんらかの疾患がある人。

喘息の発作のおそれがある場合、メインテートが気管支を収縮させ、症状を起こす危険性があるため注意が必要です。

また、65才以上の高齢者は65才以下の成人と比べて副作用を起こす確率が高く、処方の際には慎重な判断がされます。

妊娠中・授乳中の使用は胎児への影響の危険性から避けるようにされています。
また、子どもが使用した場合の安全面も確立されていないため、注意してください。

■服用中の注意
メインテート服用中は以下のことに注意してください。

・投与が長期にわたる場合は、心機能検査を定期的に行いましょう。
・急に投与を中止すると症状が悪化したり心筋梗塞を起こす可能性があるため、服用をやめる際には少しずつ減量してください。
・薬の飲み忘れに注意しましょう。症状の悪化や心筋梗塞の危険性があります。
・副作用としてめまいやふらつきがあらわれることがあるので、服用中には自動車などの運転には充分に注意しましょう。
・慢性心不全の治療に使用する際には、入院し医師の管理のもと服用したほうがいいでしょう。

■ほかの薬との飲み合わせ
メインテートとの飲み合わせに注意が必要な薬は以下の通りです。
血圧や血糖値を下げる薬との併用は危険なため、必ず医師に確認してください。

・交感神経系に対し抑制的に作用する薬剤(レセルピン等)

・血糖降下剤(インスリン製剤、トルブタミド等)

・Ca拮抗剤(ベラパミル塩酸塩、ジルチアゼム塩酸塩等)

・ジギタリス製剤(ジゴキシン、メチルジゴキシン)

・クロニジン塩酸塩、グアナベンズ酢酸塩

・クラスI抗不整脈剤(リン酸ジソピラミド、プロカインアミド塩酸塩、アジマリン等)及びクラスIII抗不整脈剤(アミオダロン塩酸塩)

・非ステロイド性抗炎症剤(インドメタシン等)

・降圧作用を有する薬剤(降圧剤、硝酸剤)

メインテート錠0.625mg/メインテート錠2.5mg/メインテート錠5mg

まとめ 

血圧を下げたり不整脈を改善する効果のあるメインテートですが、副作用の危険性などもあります。
服用の際には指示された用法・用量を必ず守り、少しでも不安や疑問がある場合にはすぐに医師に相談するようにしましょう。

剤形と薬価一覧まとめ

ビソプロロールフマル酸塩を主成分とするお薬には、以下のように貼付剤、錠剤に分けられています。
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