アンテベートと同じ成分の市販薬はある?
アンテベート®軟膏は、ステロイド成分が配合された塗り薬です。ローションやクリームの剤形もあり、皮膚の炎症に対して使用されます。
アンテベートの主成分は『ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル』というステロイド成分です。アンテベートと同じ成分を含む塗り薬は市販されていないため、同じ薬を使用したい場合は病院で処方してもらう必要があります。しかし、種類の異なるステロイド成分が含まれた薬は薬局などでも市販されています。
※2023年11月の情報
アンテベートの主な効果は?
アンテベートは皮膚の炎症によく使用されるステロイドの1つで、湿疹、蕁麻疹、かぶれや皮膚炎、虫刺され等に処方されることが多い薬です。
虫刺されに効く市販薬の選び方
虫刺されに効く市販薬の詳しい選び方はこちらで解説しています。
アンテベートと”アンフラベート”の違いは?
アンテベートと似た名称の”アンフラベート”は、アンテベートより後に作られたジェネリック医薬品です。同じ成分が同量配合されているため、効能効果は同等と考えてよいでしょう。なお、アンフラベートは旧販売名で、現在は成分名の「ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル」として販売されています。
ステロイドは効果の強さで分けられる
ステロイドは皮膚の炎症・赤みを鎮める効果が高く、湿疹、皮膚炎、あせも、かぶれ、しもやけ、虫さされ、じんましんなどに使用される成分です。
ステロイドは、強さに応じて5つのランクに分けられています。効き目が強い2つのランクは入手するために医師の処方箋が必要です。下から3つのランクは薬局などでも購入することができます。
アンテベートの強さはベリーストロング
アンテベートの主成分『ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル』はベリーストロングに分類されるステロイド成分です。
同じ強さのステロイド薬は市販されていませんが、ウィークからストロングのステロイドは市販されており、薬局などでも購入することができます。
アンテベートの代用として市販薬を使える?
医師から処方されたアンテベートの代用として市販薬を使用したい場合は、使用前に医師に確認してください。成分が異なるため、薬が症状に合わず治療の妨げになる可能性があります。
リンデロンVs軟膏(ストロング)
リンデロンVs軟膏 5g【指定第二類医薬品】
ステロイドランク | 剤形 |
---|---|
ストロング(強い) |
軟膏 |
ステロイド成分『ベタメタゾン吉草酸エステル』のみが配合された薬です。湿疹やかぶれなどの皮膚の腫れ、赤みに効果を発揮します。
刺激性が少ない軟膏タイプです。
リンデロンVsクリーム(ストロング)
リンデロンVsクリーム 5g【指定第二類医薬品】
ステロイドランク | 剤形 |
---|---|
ストロング(強い) |
クリーム |
ステロイド成分『ベタメタゾン吉草酸エステル』のみが配合された薬です。湿疹やかぶれなどの皮膚の腫れ、赤みに効果を発揮します。
やわらかく塗り広げやすいクリームタイプです。
リンデロンVsローション(ストロング)
リンデロンVsローション 10g【指定第二類医薬品】
ステロイドランク | 剤形 |
---|---|
ストロング(強い) |
ローション |
ステロイド成分『ベタメタゾン吉草酸エステル』のみが配合された薬です。湿疹やかぶれなどの皮膚の腫れ、赤みに効果を発揮します。
ローションは、頭皮など毛のある部位に塗るのに適しています。
新リビメックスコーワローション(ミディアム)
新リビメックスコーワローション 15g【指定第二類医薬品】
ステロイドランク | 剤形 |
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ミディアム(普通) |
ローション |
ステロイド成分の『プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル』のみが配合された薬です。ローションタイプでベタつきが少ないため、頭部などにも使いやすいことが特徴です。
アンテベートの種類|軟膏・クリーム・ローションの違い
アンテベートには軟膏・クリーム・ローションの3つのタイプがあります。
配合されている成分や濃度は同じで、患部の状態、部位、広さなどによって使い分けられます。
軟膏タイプ
べたつきがある油脂性基剤の塗り薬です。皮膚を保護する作用が強く刺激性が少ないため、あらゆる症状に使用できます。
ジュクジュクしている皮膚炎にも使用でき、特に乾燥してカサカサしている状態の皮膚に適しています。
べたつき感があるため、洋服に薬がついてしまったり、肌から洗い落としにくいという欠点があります。
クリームタイプ
水と油を混ぜてつくられる乳剤性基剤の塗り薬です。軟膏に比べてのびが良く、さらっとしています。軟膏より少し刺激が強いため、ひどく悪化している症状には適していません。
ローションタイプ
ローション剤は、乳剤性ローション・溶液性ローション・懸濁性ローションの3種類があり、アンテベートローションは白色の乳剤性ローションです。
水と油を混ぜ合わせてつくられており、クリームよりさらっとしています。頭皮などの軟膏やクリームが塗りにくい部位に使用されます。
残ったアンテベートは使ってもいい?
「皮膚に症状が出ているので、前に病院で処方されたアンテベートを使っていいですか?」という質問をよくいただきますが、医師の診断をせずに使用することは避けてください。
アンテベートは処方箋が必要な薬で、市販では類似薬は販売されていません。その理由は、アンテベートなどのステロイドの強さがベリーストロング以上の塗り薬は、医師の診断や経過観察のもと、適切に使用しなければならないからです。
そのため、残ったアンテベートは医師の診断なしに使用しないでください。
特に、わきや陰部のデリケート部分や顔面などの皮膚がやわらかいところに使用すると、症状を悪化させてしまう可能性もあるため注意が必要です。
アンテベートは赤ちゃんでも使える?
アンテベートは赤ちゃんの湿疹や皮膚炎などの症状がひどい場合に、医師の判断のもとで使用されることがあります。
赤ちゃんに湿疹や皮膚炎がでた場合は、まずはワセリンやヒルドイドソフトなどの保湿剤が使用され、次にかゆみをおさえる抗ヒスタミン成分が入った塗り薬が使われることが多いです。
それでも、炎症やかゆみがひどい場合には、アンテベートなどのステロイドが使用されます。
用法・用量を守って使用しましょう
赤ちゃんに使用する際には、湿疹や炎症がある部位のみに使用し、広範囲に大量に使用することは避けましょう。医師の指示のもと用法・用量を守って使用するようにしてください。
また、赤ちゃんにステロイド薬を使用する時は、塗った箇所がおむつで密封されると薬の作用が強まるおそれがあるため注意しましょう。
妊娠中・授乳中の使用について
アンテベートは、妊娠中・授乳中の方にも使用されます。
ただし、妊娠中は大量または長期にわたる広範囲の使用は避けることとされています。使用の際は、医師の指示に従いましょう。
また、授乳中の方は、薬が赤ちゃんの口に入らないように気を付けてください。赤ちゃんが薬を手で触れて、その手を口に運ぶこともあるため、くれぐれもご注意ください。
アンテベートの副作用
アンテベートの主な副作用として、毛のう炎・せつ、刺激感、ざ瘡様発疹、皮膚萎縮、白癬、皮膚乾燥、そう痒などが報告されています。
なお、まぶたや目の周りに使用した場合、眼圧亢進、緑内障、 白内障などが起こり、目の痛み、かすみ、まぶしさなどの症状がでる場合があります。このような症状がでた場合は、医師に相談してください。