エナジードリンク戦国時代に突入!
巷にあふれる多種多様な栄養ドリンク。
滋養強壮や疲労への文言がうたわれ、コンビニエンスストアでも手軽に手に入る栄養ドリンクは、仕事や家庭で疲れ切った現代人には強い味方に感じられるときもあるのではないでしょうか。
数ある商品を選ぶときに気になってくるのはその成分と値段です。
100円程度のものから数千円のものまで、さまざまな商品が市販されています。さらに最近はエナジードリンクなるものまで登場しました。コンビニエンスストアなどでは栄養ドリンク専用の棚もあり、ずらりと並ぶ商品の前でどれを選ぶべきか悩んでしまうこともあるでしょう。
栄養ドリンクやエナジードリンクは、成分によって分類できます。
薬局やドラッグストアでしか販売することができない医薬品、コンビニでも購入可能な医薬部外品、そして清涼飲料水です。
そのなかでも大きな違いは、医薬品・医薬部外品である栄養ドリンクなのか、清涼飲料水であるエナジードリンクなのか、ということです。
成分や成分含有量、効果がそれぞれ異なるため、違いをはっきり知ることが大切です。
この記事ではエナジードリンクと栄養ドリンクの違い、エナジードリンクに含まれる成分や危険性についてご紹介します!
医薬品・医薬部外品である滋養強壮剤については関連記事をごらんください。
エナジードリンクと栄養ドリンクの違い
簡単にいうと、栄養ドリンクは薬機法に関わる医薬品、または医薬部外品。エナジードリンクは食品衛生法に関わる清涼飲料水です。
エナジードリンクでは、食品衛生法で食品添加物と認められている成分しか使用することはできません。含有量や効能表示の関係で、栄養ドリンクに含まれているタウリンなどは含まれていないなど、成分の制限規定があります。
また医薬品・医薬部外品では、滋養強壮・肉体疲労・食欲不振など効果効能に対する表現や表記が認められていますが、清涼飲料水では効果効能の表現は認められていません。
清涼飲料水では、すっきりとした飲み口・喉を通る爽快感、などの飲み心地の表現が認められています。
基本的には清涼飲料水には医学的な効能はないとされていますが、医薬品・医薬部外品である栄養ドリンクが必ずしも期待した効果を発揮するというわけではないのでご注意ください。
エナジードリンクに含まれる特徴的な成分
カフェイン
カフェインは大半のエナジードリンクに含まれている成分です。
カフェインはアルカロイドという化合物の一種です。効用として、覚醒作用、解熱鎮痛作用、利尿作用が広く知られています。そのほか、自律神経の働きを促進する、集中力や記憶力がアップする、疲労を抑制するなどの働きを示す研究報告もあります。また、交感神経を刺激することにより、代謝を高めて脂肪燃焼を促すとされています。
アルギニン
アルギニンは、アミノ酸のなかでも体内で生産することができる非必須アミノ酸の一種です。血流を改善して疲労回復、筋肉増強の補助からスキンケア効果まで、その働きは多岐に渡ります。
ナイアシン
ナイアシンは水に溶けるビタミンで、ビタミンB群の一種です。ニコチン酸とニコチンアミドの総称になりますが、ニコチンアミドは栄養ドリンクにも含まれている成分です。
ナイアシンは体内でさまざまな酸化還元反応を幅広くサポートする補酵素として働きます。皮膚や粘膜の状態を維持や血流をよくする作用があります。
ナイアシンが不足すると、消化不良で食欲不振になったり、皮膚が荒れて炎症を起こしてしまいます。
ビタミンB群
ビタミンB群には、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類のビタミンがあります。それぞれのビタミンは働きが違いますが、相互に作用しあい体内にエネルギーを行き渡らせています。
ビタミンB群が不足してエネルギーが体内で欠乏することが、疲労を招く原因にもなっています。
ほとんどの栄養ドリンク製品に含まれているほど代表的な成分ですが、それぞれの含有量によって働きは変わります。
エナジードリンクの過剰摂取の危険性
成分だけをみると、体によさそうに感じるエナジードリンクですが、カフェインの過剰摂取が健康に影響を及ぼすこともあります。
カフェインを過剰摂取すると、めまい、心拍数の増加、震え、下痢、吐き気などがあらわれます。
また、エナジードリンクを日常的に大量摂取すると、命に関わる危険性もあります。
2015年には20代男性が、エナジードリンク常用でのカフェイン中毒による国内初の死亡例として報告されています。
厚生労働省によると、エナジードリンクのカフェイン含有量は製品によって異なりますが、32~300mg/100mL(製品1本あたりでは36~150mg)程度とされています。
特に小さな子供は、カフェインの過剰摂取がときには命に関わります。コーヒーとは違い、甘くて飲みやすいエナジードリンクは、知らず知らずに飲み過ぎてしまう可能性もあります。
そのほか、カフェイン以外の成分でも、過剰に摂取すると悪影響を及ぼすおそれがあることを覚えておきましょう。
人気エナジードリンクの成分を比較
それぞれの商品には共通する成分が含まれていますが、栄養ドリンクが成分や成分の含有量で商品を選択することに比べて、エナジードリンクは成分よりは味で選択されていることも多く見られます。また、他の商品には含まれていない独自の成分を、商品の個性として売り出されていることもあります。
商品のプロモーションでオリジナリティを競い合っていることも、エナジードリンクの特徴といえるのではないでしょうか。
レッドブルエナジードリンク 250ml×24本
エネルギー46kcal/100ml | カフェイン32mg、炭水化物10.7g、ナトリウム80mg、ナイアシン3mg、パントテン酸2mg、ビタミンB6 2mg、ビタミンB2 0.09mg、ビタミンB12 2μg、アルギニン120mg |
エナジードリンクブームの火付け役となったオーストリアのエナジードリンクです。他にも砂糖不使用の「レッドブルシュガーフリー」やライチ味の「レッドブルブルーエディション」などがあります。
アサヒ飲料 モンスター エナジー 355ml×24本
エネルギー50kcal/100ml | カフェイン 40mg、炭水化物 12.6g、ナトリウム 78mg、ビタミン B2 0.7mg、ナイアシン 8.5mg、ビタミンB6 0.8mg、ビタミンB12 1~6μg |
アメリカ発のモンスターエナジーシリーズでは、「モンスターエナジー」以外にも、ゼロカロリー・ゼロシュガーの「モンスターエナジーゼロシュガー」などが販売されています。
SHARK エナジードリンク 250ml×24本
エネルギー60cal/100ml | 天然カフェイン 8mg、糖質 15g、炭水化物 15g、イノシトール 20mg、ナイアシンアミド 8mg、ビタミンB6 2mg、ビタミンB2 0.6mg、ビタミンB1 0.1mg、ビタミンB12 1.2ug、ガラナエキス0.6mg |
タイ発のエナジードリンクです。天然カフェインに加えてガラナエキスが含まれていることが特徴です。
栄養ドリンク・エナジードリンクに頼りすぎない身体づくりを
エナジードリンクに含まれている成分や、炭酸飲料のノド越し、飲んだことによる心理的効果で、一時的には爽快感を実感することもあるでしょう。
しかし大切なことは日々の生活で疲れをためこまないことです。
ちょっとしたポイントで、栄養ドリンクやエナジードリンクに頼らない身体づくりにつながります。
・ぬるめのお湯に入浴する
・7時間以上の睡眠を確保
・食事は満腹になりすぎないように腹八分目を心がける
・滋養強壮に効果のある食事をとる(にんにく、山芋、にらなど)
・就寝前は軽いストレッチで身体をリラックスさせる
・適度な運動でストレスを発散させる
・過度な飲酒は心も身体も疲れさせることを覚えておく
日々の生活を見直して、健康でハリと潤いのある生活を目指しましょう!