現在、睡眠障害を改善する睡眠薬は5種類ありますが、主に使用される睡眠薬は2種類あります。
中枢神経に作用し、興奮を鎮静するベンゾジアゼピン系と、ベンゾジアゼピン系を改良し副作用を軽減した非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。

ルネスタとマイスリーは、入眠効果が良く重篤な副作用も少ない非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。
この2つの薬は、薬を使用したあと、薬の血中濃度が半分になる時間が2〜4時間であるため、どちらも超短時間作用型に分類されます。

しかし、同じ作用を持つ薬でも、効果や副作用に違いがあります。ルネスタとマイスリーにもいくつかの違いがあり、体質や症状に合わせて使い分けなければなりません。
この記事では、ルネスタとマイスリーを比較し、違いや併用について解説します。

ルネスタとマイスリーの効果や用量用法などの詳細は以下のリンクをご参照ください。
ミナカラおくすり辞典:ルネスタ1mgマイスリー5mg

ルネスタとマイスリーは超短時間型の薬!

睡眠薬は、症状に合わせて使い分ける必要があります。それぞれの睡眠薬が持つ作用について理解しましょう。

睡眠薬の作用時間について

睡眠薬は作用別に4つに分類され、超短時間作用型の他に、短時間作用型、中間作用型、長時間作用型があります。

下のグラフは、睡眠薬の効果の強さと持続時間を表したものです。

作用型別の薬の代表例として、以下のものが挙げられます。
薬の効能・効果などの詳細については、リンクをご参照ください。

・超短時間作用型…ハルシオンアモバン
・短時間作用型…レンドルミンリスミーエバミール
・中間作用型…エリミンロヒプノールベンザリン
・長時間作用型…ドラールダルメートソメリン

ルネスタとマイスリーは併用しない

睡眠薬を使用するときに、同じ作用型の薬は併用しません。したがって、ルネスタとマイスリーの併用はしないようにしましょう。

副作用を防ぐためにも、複数の睡眠薬の併用は医師の許可がない限り避けるべきですが、何種類か組み合わせて使用する必要があるときは、同じ作用の睡眠薬を併用するのではなく、作用の異なる睡眠薬が処方されます。

また、ルネスタには1〜3mgまで種類があるので、段階的に使用量を増やすことが可能です。
しかし、自己判断で薬の使用量を変えたり、併用をすることは大変危険なので薬の効果に疑問を感じたときは、必ず医師に相談するようにしましょう。

ルネスタとマイスリーの違いは半減期にあり!

同じ超短期作用型の睡眠薬であるルネスタとマイスリーですが、最高血中濃度到達時間と、半減する時間に違いがあります。
最高血中濃度到達時間とは、薬を使用したあと、血の中の薬の濃度がピークに達する時間で、そこから血の中の薬の濃度が半分になるまでにかかる時間のことを、半減期といいます。

ルネスタの入眠効果はマイスリーよりも緩やか

ルネスタを使用したあと、約1時間で血中濃度がピークになり、約5時間で半減します。
一方、マイスリーは、約0.8時間で血中濃度がピークになり、約2時間で半減します。

マイスリーの方が効きが早く、ルネスタの方が作用時間が長いので、ルネスタはマイスリーよりも緩やかに効き、緩やかに抜けていきます。

ルネスタとマイスリーを使用するときに気をつけること!

ルネスタとマイスリーに共通している主な副作用は、眠気やふらつきなどの持ち越し効果、一過性健忘・もうろう状態、依存性です。また、ルネスタには苦味を感じるという副作用があります。

持ち越し効果とは

睡眠薬を使用すると、翌日まで眠気が残ってしまったり、頭痛やふらつきなどの症状が現れる持ち越し効果が起こってしまうことがあります。
どちらも超短時間型の睡眠薬であるため、翌日への持ち越し効果が起こることはあまりないのですが、アルコールとの併用などの間違った使い方をしてしまうと、副作用が起きやすくなってしまうので注意しましょう。

一過性前向症健忘とは

前向症健忘とは、薬を使用した後の数時間の記憶をなくしてしまう症状です。睡眠薬によって中途半端に覚醒してしまい、このような症状が起こされることがあります。
この副作用も滅多に起こることはないですが、薬の使用量が多かったり、アルコールと併用することによってリスクが高まります。
アルコールとの併用は避けて、睡眠薬を使用したら、なるべくすぐに布団に入って寝るようにしましょう。

それでも健忘が起こってしまうときは、医師に相談し、使用量を減らしたり、睡眠薬の種類を変更するなどの改善策を考えてもらいましょう。

依存性について

睡眠薬を使用するときに気をつけなければいけないのが、依存性の形成です。
非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬と比較して依存性の低い薬ですが、ルネスタとマイスリーを比べると、どちらかというとマイスリーの方が少し依存性が強くなっています。

依存性を形成してしまう要因としては、服薬期間が長いこと、睡眠薬の使用量が多いこと、アルコールと併用していることなどが挙げられます。

依存性が形成されてしまうと、身体が薬のある状態に慣れてしまいます。そのため、急に薬の使用をやめてしまうと、さらにひどい不眠症になってしまたり、体調不良などの離脱症状を起こす危険性があります。
もし依存性が形成されてしまったら、自己判断で薬をやめることはせずに、必ず医師に相談しましょう。

苦味

ルネスタを使用すると、苦味を感じることがあります。
この苦味とは、薬を使用した直後だけではなく、翌日まで苦味が続いてしまうことがあります。体質によるので個人差がありますが、苦味を1日中感じる人もいます。
この苦味が身体に悪影響を及ぼすことはありませんが、我慢できない程の苦味を感じる場合は、医師に相談し、薬の使用量を減らしたり、他の睡眠薬に切り替えましょう。

おわりに

睡眠薬は、体質や症状に合わせて適切なものを使用する必要があります。
人によって症状や副作用の起こり方は様々であり、どの薬が一番であるかは個人差があります。副作用のリスクを軽減するためにも、医師と相談し、身体に合った薬を正しく使用しなければなりません。
また、睡眠薬に頼るだけではなく、睡眠障害を起こす原因を発見し、改善することを心がけることも大切です。