加味帰脾湯とは?

加味帰脾湯(かみきひとう)は、ストレスや不眠に効果をもたらす漢方薬です。

虚弱体質の方、寝汗・微熱など体に熱を感じやすい方に適しています。処方薬、市販薬ともにツムラやクラシエなどから、顆粒や細粒、錠剤の剤形で販売されています。

加味帰脾湯と帰脾湯の違い

加味帰脾湯は、帰脾湯にサイコとサンシシが加えられた処方です。

帰脾湯の効果が貧血や不眠症に対し、加味帰脾湯のサイコは抑うつ感や、吐き気、食欲不振を改善し、サンシシは気鬱ののぼせや、悩みや苦しみによるイライラや憂鬱などをおさえます。

加味帰脾湯と加味逍遥散の違い

加味逍遥散(かみしょうようさん)は、加味帰脾湯と同じように精神神経症状に使用する漢方薬です。

女性向けの漢方で、冷え性・月経不順・月経困難症・更年期障害などによく用いられ、不安や不眠、動悸などの神経症状に使用します。

加味帰脾湯の効果

加味帰脾湯は、虚弱体質で血色の悪い人の貧血、不眠症、精神不安、神経症に使用します。

うつへの効果

不安や緊張、イライラに効果があるほか、寝つきを改善したり、精神安定に効果があります。うつやパニック障害の不安など、多くのメンタルの不調のときに用いられます。また、不安があるだけでなく、体力や気力が低下している場合に使用されます。

耳管開放症への効果

耳管開放症とは、耳管が開いたままの状態になり自分の声が大きく聞こえたり、耳がつまったりするなどの症状が出る耳の疾患です。

加味帰脾湯は耳管開放症などにもよく処方されていますが、耳の疾患そのものを治療する効果はありません。耳管開放症はストレスなど精神面が原因で発症することが多い症状です。加味帰脾湯は精神不安や神経症の効果を和らげることで、耳の疾患を改善することにつながります。

不眠への効果

不眠症には入眠障害や中途覚醒、早朝覚醒などさまざまなタイプがあります。漢方薬を使用する場合、不眠の原因や体質別に薬を選びます。

加味帰脾湯は、感情の不安やヒステリー、ノイローゼな精神神経症状が強い人に使用します。自分の症状のタイプが不明な場合は医師や漢方専門店の薬剤師に相談しましょう。

加味帰脾湯の効果時間

漢方薬を飲んで効果が出始める時間や、効き目の持続時間には個人差があります。

また、自分の体質に合っていれば、早くて数日、遅くても1か月以内に効果を実感することができるとされています。ただし、漢方薬を飲むことで体質が改善されることを期待するためには、少なくとも数か月は使用を続けることが望ましいでしょう。

加味帰脾湯の妊婦への使用

加味帰脾湯は、妊娠中の使用は禁止されていないため、妊婦に処方されることがあります。加味帰脾湯は市販薬の購入が可能ですが、妊娠中の方は自己判断で使用するのではなく、医師の診察を受けて処方薬を出してもらう方が安心といえるでしょう。

妊娠中の薬の使用は、妊娠の初期・中期・後期で大きく変わるため、使用する場合は医師に相談してください。

妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

ツムラ加味帰脾湯 添付文書

加味帰脾湯の副作用

加味帰脾湯の主な副作用には、発疹・蕁麻疹・食欲不振・胃部不快感・悪心・腹痛・下痢などがあります。副作用と思われる症状があらわれた場合は、使用を中止して医師に相談してください。

加味帰脾湯は太る?

加味帰脾湯の使用で副作用として体重増加が起こるという報告はありません。

しかし、重大な副作用のひとつに偽アルドステロン症があり、偽アルドステロン症が起こった場合、低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加などの症状が出る恐れがあります。そのため、加味帰脾湯の使用で全く太らないと言い切ることはできません。

重大な副作用は滅多に起こることはありませんが、体の異変に気づいた場合には、使用を中止し医師に相談してください。

加味帰脾湯は眠気がでる?

加味帰脾湯のおもな副作用に、眠気の記載はありません。ほかの薬と併用している場合には、その薬の副作用に眠気がある可能性があるので、気になる場合は医師に相談しましょう。

おわりに

加味帰脾湯は、不眠症や神経症など、メンタルの不調による症状を改善する漢方薬です。

効果の現れ方には個人差があるため、初めて使用する際や飲んでいて気になることがあるときには、医師や薬剤師、漢方専門店に相談してください。