正露丸とは

正露丸は古くからある下痢止めの薬の名前で、さまざまな製薬会社から販売されています。現在市販されている正露丸の中で有名なものの一つに、ラッパのマークでおなじみの大幸製薬の正露丸があります。

この記事では、ラッパのマークでおなじみ「大幸薬品の正露丸」の下痢への効果について解説していきます。

正露丸の下痢への効果は?

正露丸の主成分である木(もく)クレオソートが、腸内のぜん動運動や腸液の水分量を調節し、下痢症状を改善します。

木クレオソートはもともと、肉などの食品を燻製にするときの煙に含まれる殺菌成分を抽出したものでした。

殺菌成分を抽出したものだったので、当初は腸で悪さをしている菌を殺すことで下痢症状を改善していると考えられていましたが、最近の研究結果から、クレオソートには腸のぜん動運動の調節と腸液の分泌を調節をする作用があると分かりました。

そもそも、クレオソートは胃で吸収されるため腸にはほとんど届かず、腸内の細菌に直接作用することはありません。

腸内の細菌に対しては、有効成分の一つとして含まれているオウバク末が効果を示します。オウバク末は細菌の増殖をおさえる作用があるので、症状の軽い細菌性の下痢を改善する効果が期待できます。

なお、木クレオソートの殺菌効果は虫歯に対して有効だと考えられており、神経を麻痺させる作用もあるため、虫歯の痛みをおさえる効果が期待できます。

あくまで痛みを抑えているだけの対症療法であり虫歯を治療するものではありませんので、早めに歯科を受診して治療を受けましょう。

正露丸の詳しい効果や成分などについて、詳しくは関連記事をごらんください。

下痢のときに薬は飲まない方がいい?

下痢のときには下痢止めの薬を飲まない方が良い、と聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

これは半分正解で、食中毒など細菌感染によって起こる下痢の中でも血便をともなう場合などは腸内で悪さをしている細菌を早めに排出した方がいいので、下痢止めを飲まない方が良いケースが多いです。

しかし、下痢の原因として細菌感染に心当たりがない場合(ストレスや乳製品の摂りすぎなど)の場合は、体力の消耗や下痢による脱水などの危険性があることから、薬で下痢を止めて体力や水分の消耗をおさえることも大切です。

下痢はどうして起こる?

下痢は便の水分が多すぎる状態のことをいい、腸の働きに異常が生じることで起こります。

腸は「ぜん動運動」という運動をすることで、消化物などの内容物を肛門の方へと運ぶはたらきがあります。腸のはたらきが正常なときは、腸は内容物から水分を吸収し、便は適度な水分量と柔らかさになります。

しかし、何らかの原因で腸の「ぜん動運動」が活発になりすぎると、便の水分が腸で十分に吸収されないまま肛門に運ばれてしまい、便の水分量が多くなり下痢や軟便などの症状として現れます。また、水分の吸収機能や腸からの水分分泌量が増えるなど調節機能に障害が起きたりした場合にも、下痢・軟便の症状が現れます。

下痢の原因

下痢の原因は主に次の4つに分けられます。

【浸透圧性下痢】

糖分の吸収がよくないときや、キシリトールなどの人工甘味料を摂りすぎたときなどに起こる下痢です。食べたものの浸透圧(水分を取り込もうとする力)が高いと、腸で水分が吸収されないまま排便されてしまい下痢・軟便を招きます。牛乳でお腹をこわす「乳糖不耐症」も浸透圧性の下痢に分類されます。

【分泌性下痢】

腸管内の分泌液が過剰になることで起こる下痢です。腸は水分を吸収するだけでなく、腸液などの液体も分泌しています。食べ物や水などによる細菌の感染(食中毒)や食物アレルギーによる腸の分泌液の増加や、薬の影響で生じた腸粘膜の障害などが原因となりします。

【ぜん動運動性下痢】

腸のぜん動運動が活発になりすぎることで起こり、腹痛をともなうことが多い下痢です。ストレスやお腹の冷え、暴飲暴食などで自律神経のバランスが崩れることでぜん動運動が乱れて活発になり、消化物からの水分の吸収が不十分なまま腸管を通過することで起こります。

【滲出性下痢】

腸内の炎症やポリープが原因となって起こる下痢です。炎症やポリープから血液成分や細胞内の液体などがにじみ出て、便の水分量を増やすことで起こります。3か月以上にわたってつづく慢性下痢に多く、クローン病や潰瘍性大腸炎などの病気が原因となる場合もあります。

この4つの中で正露丸の効果が期待できるのは、浸透圧性、分泌性、ぜん動運動性の3つの下痢です。

下痢の対処法は?

下痢を改善するには、正露丸を飲むだけではなく、適切な対処を行うことが大切です。

水分を補給する

下痢のときにはまず、水分を十分に補給しましょう。下痢をしていると体内の水分や、ナトリウム、カリウムといった電解質が便の水分と一緒にに排出されます。

下痢のときの水分補給にはアクエリアスなどのスポーツドリンク、ポカリスエット、OS-1がオススメです。これらの飲料は水分の吸収をよくするために成分が調整されています。

なお、まれにスポーツドリンクやポカリスエットでは糖分が多く下痢を悪化させてしまうことがあるので、水で薄めて少し塩を溶かして飲むと良いでしょう。

食事は消化の良いものを

次に気をつけたいのは食事です。おかゆや柔らかく煮たうどん、味噌汁、すりおろしたリンゴなど、消化の良い物をしっかりと摂りましょう。肉や魚など油の多いもの、海藻や玄米などの消化しにくいもの、炭酸飲料や酒など刺激が強い物、砂糖や人工甘味料を使った食べ物は下痢のときには避けてください。

おわりに:こんな症状のときは受診を!

正露丸はストレスやちょっとした食あたりなどによる下痢の症状をおさえますが、症状や状況によっては医療機関を受診した方が良いケースがあります。

今までに経験したことがないような激しい下痢、便に血が混じっている(血便)、吐き気・嘔吐・発熱をともなっている、同じ物を食べた人も下痢になっている、症状が良くなる気配がないなどのケースでは、抗生物質の使用など医療機関での速やかな治療が必要となる場合があります。

このような症状が現れている場合は正露丸などの薬で下痢を止めようとせず、早めに医療機関を受診しましょう。