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肥満を改善する漢方薬はある?|処方薬と市販薬の違いを解説

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薬剤師監修日:

肥満は、生活習慣病などの疾患の原因となるため、健康づくりにおいて肥満の予防や対策は重要です。この記事では、肥満症を改善する漢方薬の選び方や、処方薬と市販薬の違い、肥満予防のために日常生活で気を付けたいことについて解説します。

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監修薬剤師 :ミナカラ薬局 薬剤師 小寺 瑶
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編集者 :株式会社ミナカラ ライター 都筑 亜希

肥満とは?

日本肥満学会が定めた定義によると、「肥満は脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、BMIが25以上のもの」とされています。

肥満度の判定には、国際的な標準指標であるBMI(Body Mass Index)が用いられています。男女とも標準とされるBMIは22.0で、統計上、肥満との関連が強い糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)に最もかかりにくい数値とされています。

また、肥満は、糖尿病や脂質異常症、高血圧、心血管疾患などの生活習慣病をはじめとした数多くの疾患のもととなるため、健康づくりにおいて肥満の予防や対策は重要です。

肥満と肥満症の違い

肥満とは、体重が多いだけではなく、体脂肪が過剰に蓄積した状態を指しますが、病気ではありません。

一方、肥満症とは、肥満によって健康状態に悪影響が出ていたり、内臓脂肪が過剰に蓄積したりしている状態のことを指し、治療が必要です。

肥満を改善する薬はある?

「肥満」と「肥満症」は言葉の定義が異なり、正確にいうと、治療の対象となる「肥満症」を改善する薬は存在しますが、「肥満」を改善する薬は、2023年10月現在存在しません。

また、肥満を改善するためには、薬よりもまず先に食事や運動などの生活習慣を見直すことが大切です。食事や運動などの生活習慣を改善してもなお肥満が解消されない場合は、漢方薬などの肥満症を改善する薬を試してみることもできます。

肥満症を改善する薬には、病院で医師から処方される「処方薬」と薬局やドラッグストアで購入できる「市販薬」があります。

処方薬と市販薬どっちがいい?

処方薬と市販薬どちらがいいかについては、この場合は病院を受診して処方薬を、こういうときは市販薬じゃなきゃダメといった明確な区分けはありません。

一度医師の診断を受けて詳しく検査したい場合は病院を受診する、忙しくて病院に行けないからまずは市販薬を試してみるなど、ご自身の状況に応じて適切な方を選びましょう。

ただし次にあてはまる場合は、医師の指導を受ける必要があるため、市販薬でセルフケアを始める前に一度病院を受診して治療方針をご相談することをおすすめします。

受診の目安

・肥満度が+70%以上またはBMIが35以上

・持病がある

・肥満歴が長い

・なにか症状がある場合(血圧、血糖値、脂質・コレステロール、尿酸値が高い、月経異常、睡眠時無呼吸症候群、関節痛、関節変形など)

肥満度・BMIの計算方法

計算式
肥満度(%) (実体重-標準体重)÷ 標準体重×100
BMI 体重(kg)÷ (身長(m)× 身長(m))

日本の病院で処方されている肥満症治療薬の例

現在、日本で承認されている処方薬の肥満症に効能・効果をもつ薬は防風通聖散ぼうふうつうしょうさん大柴胡湯だいさいことう防已黄耆湯ぼういおうぎとうなどの漢方薬や、食欲抑制薬であるサノレックス(有効成分:マジンドール)といった西洋薬があります。また、2023年3月に新たにウゴービ(有効成分:セマグルチド)が承認されましたが、2023年10月現在ではまだ発売されていません。

サノレックスは、漢方薬と未発売のウゴービを除くと、肥満症への保険適用が国内で認められている唯一の薬です。ゼニカル、ジャディアンス、リベルサスなどの薬が肥満症治療に使用されていることがありますが、日本では肥満症治療薬として承認されていません。使用を希望の場合は医師との相談が必要です。

薬の種類
漢方薬

・防風通聖散

・大柴胡湯

・防已黄耆湯 など

西洋薬

・サノレックス

・ウゴービ(未発売)

肥満症を改善する市販薬の選び方

肥満症に効く市販薬の中には、防風通聖散などのように、病院の処方薬と同じ成分が配合された薬もあります。また、市販薬で肥満症に適応があるものはすべて漢方薬です。

市販薬以外では、糖質や脂肪の吸収をおさえる成分や脂肪の代謝を促す成分などが配合されたサプリメントもありますが、サプリメントは医薬品でないため、肥満症に効果があるとは言えません。

肥満症に効く市販の漢方薬

漢方は、体質により合う・合わないがはっきり分かれるため、体の状態に合わせて適切な漢方を選ぶことが大切です。それぞれの漢方が適した体質は、以下の通りです。

こんな方に
防風通聖散

・体力がある

・お腹まわりの脂肪が多い

・便秘がち

大柴胡湯

・体力がある

・脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しい

・便秘がち

防已黄耆湯

・体力が中等度以下

・疲れやすい

・汗をかきやすい

肥満症を改善する市販薬

本草防風通聖散エキス顆粒-H|防風通聖散

本草防風通聖散エキス顆粒-H【第二類医薬品】

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漢方処方「防風通聖散」を煎じて簡便に服用できるように、エキス顆粒(分包)とした製品です。18種類の生薬から抽出した防風通聖散エキスが、便秘がちな方の肥満症などに効果をあらわします。

本草防風通聖散エキス顆粒-Hは、続けやすいリーズナブルな価格です。

効能・効果
体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症(副鼻腔炎)、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、肥満症

ナイシトールZa|防風通聖散

ナイシトールZa 420錠【第二類医薬品】

小林製薬から販売されている、防風通聖散配合で錠剤タイプの薬です。防風通聖散は体力があり、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちな方に適しています。

防風通聖散には脂肪を分解・燃焼する働きがあり、お腹周りの脂肪などが気になる肥満症を改善します。

さらに、便通を改善する働きもあるため、肥満などに伴う便秘にも効果があります。

「ナイシトール」シリーズは全て防風通聖散配合薬で、成分の含有量に違いがあります。ナイシトールZaはその中でも、防風通聖散を最大量(5000mg)配合していることが特徴です。

効能・効果
体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:肥満症、高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症(副鼻腔炎)、湿疹・皮ふ炎、ふきでもの(にきび)

本草大柴胡湯エキス錠-H|大柴胡湯

本草大柴胡湯エキス錠−H【第二類医薬品】

大柴胡湯は体力があり、脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向がある方に適しています。漢方の味やにおいが苦手な方も比較的飲みやすい錠剤タイプです。

脂質代謝のサイクルが乱れることで、落ちてしまった脂質代謝を改善する働きがあります。

効能・効果
体力が充実して、脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向があるものの次の諸症:
胃炎、常習便秘、高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘、神経症、肥満症

ビスラット アクリアEX|防已黄耆湯

ビスラットアクリアEX 280錠【第二類医薬品】

防已黄耆湯は体力が中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向がある方に適しています。漢方の味やにおいが苦手な方も比較的飲みやすい錠剤タイプです。

水分代謝を活性化し、溜まった水分を押し出す働きがあります。

特に、むくみがちでいわゆる水ぶとりタイプの方に向いています。

効能・効果
体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの次の諸症:
肥満症(筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)、むくみ、肥満に伴う関節の腫れや痛み、多汗症

防已黄耆湯A エキス細粒「分包」|防已黄耆湯

防已黄耆湯A エキス細粒「分包」 90包【第二類医薬品】

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顆粒タイプの防已黄耆湯です。錠剤を飲み込むのが苦手な方におすすめです。

効能・効果
体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの次の諸症:
肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症( 筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)

市販薬はどのくらい飲み続ければ効果が出る?

市販の肥満症改善薬について、効果の出方は個人差があるため、実際に効果が現れるまでの具体的な日数はわかりません。

1か月服用しても効果が現れなければ病院へ

およそ1か月程度薬の使用を続けてみても効果が現れない場合は、薬が合っていないなど、他の原因が考えられるため、一度医師や薬剤師、または登録販売者にご相談ください。

肥満の原因について

肥満は、食べ過ぎや運動不足だけではなく、基礎代謝の低下やストレス、不規則な生活、睡眠不足なども原因としてあげられます。

ストレスによる食事習慣の変化

また、ストレスによってイライラしたり、不安感があるときも、逃避するために食べ過ぎてしまうこともあります。食事については、必ずしも食事の回数が多ければ肥満になるというわけでなく、回数が少なくとも肥満になることはあります。

肥満になりやすい食事習慣に注意

朝食を抜いて、夜にたくさん食べるといった不規則な食事習慣にも注意が必要です。

肥満になり得る行動パターンとして、なにかをしながら無意識のうちにたくさん食べてしまう「ながら食い」や、早食いのため満腹感を覚えにくい、いつも手の届くところにお菓子などを置いているといった習慣がある場合も気をつけましょう。

肥満を改善するために気をつけたいこと

肥満は、糖尿病などの生活習慣病の原因となることもあります。生活習慣病を予防し健康な体を維持するためには、規則正しい食生活や適度な運動が欠かせません。

夜は食べ過ぎない、適量な飲酒を心がける、なるべく階段を使ったり体を動かしたりするなど、まずは生活習慣を見直しできることから始めてみましょう。

市販薬を使用するだけではなく、並行して生活習慣を改善することが、肥満症の治療においては重要です。

①食生活を見直しましょう

体重の増減は、摂取エネルギーと消費エネルギーの差で決まるため、食生活においては摂取エネルギーを適正に保つことを、運動では消費エネルギーを増やすことを意識しましょう。なお、過剰なダイエットは身体を壊す原因になります。

また、肥満症の食事療法では以下の内容が推奨されています。

・摂取エネルギーは1日あたり25kcal×標準体重kg以下とする。(例:標準体重60kgの場合、1日あたり1,500kcal。)

・1日の摂取エネルギーの50〜60%を糖質から摂取するようにします。

・たんぱく質は15〜20%、脂肪は20〜25%。極端な制限は禁物です。

②運動習慣を見直しましょう

運動においては、有酸素運動が効果的で、散歩や、プールの中で歩く水中歩行などの低〜中程度の運動を週5日程度行うと良いとされています。

運動の強さは、血圧も脈拍もそれほど上がらない程度が望ましいとされています。

なお、身体の状態には個人差があるため、運動を行う際には一度医師に相談するとよいでしょう。自己判断で急に激しい運動をすることは控えましょう。

③日常の行動パターンを見直しましょう

肥満につながる生活習慣や行動を分析し、改善を目指すことが大切です。

例えば、ストレス解消のために食べてしまったり、朝食を抜いている、夕食をいつも遅い時間に食べるなど、問題となりそうな習慣や行動パターンを探してみましょう。 無意識のうちに行っていることに問題があるかもしれないため、食事日記を書くことで問題が見つかることもあります。

日常生活で肥満に陥りやすい行動パターンを変えることで生活習慣を改善し、肥満を解消することができます。

処方薬を個人輸入で購入するのはやめましょう

食欲抑制剤として認められているサノレックス(有効成分:マジンドール)などの薬が、個人輸入サイトで販売されていることがありますが、購入することは避けてください。

サノレックスは、向精神薬として指定されている処方薬です。しかし、向精神薬の通販での購入および個人輸入は『麻薬及び向精神薬取締法』という法律で禁止されています。

もし肥満症を改善したい場合は、市販薬を使用するか病院を受診することをおすすめします。

「麻薬及び向精神薬取締法」又は「覚醒剤取締法」の規定により、医療用の麻薬又は向精神薬若しくは医薬品覚醒剤原料を、医師から処方された本人が携帯して入国する場合を除いて、一般の個人が輸入することは禁止されており、違反した場合には処罰されます。 (本人が携帯せずに、他の人に持ち込んでもらったり、国際郵便等によって海外から取り寄せることはできません。)

引用:厚生労働省|医薬品等の個人輸入について

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監修薬剤師

ミナカラ薬局薬剤師小寺 瑶

(経歴)
  • 福岡大学薬学部薬学科卒業
  • 福岡大学大学院薬学研究科薬学専攻修士課程修了
  • 株式会社大賀薬局
  • 株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局
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編集者

株式会社ミナカラライター都筑 亜希

2016年より2年間タイを中心に約50の病院を擁する東南アジアの病院グループにて医療通訳他事業企画等の実務に従事。皆さまの暮らしに寄り添った健康づくりを応援していきます。

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