便秘でお腹がパンパン!体重も増えてきた・・。

そんな人を中心にダイエット目的で服用されることが多い、防風通聖散。
実際に飲み始めたら便秘が解消されたけど、下痢気味になったという人は少なくありません。中には腹痛や本格的な下痢になる人も。

下痢でも腹痛でも、お腹がスッキリしたのなら効果ありなのでしょうか?
それとも、防風通聖散を飲み続けるのは危険なのでしょうか?

防風通聖散で下痢・腹痛になる理由は生薬にアリ!

そもそも、なぜ防風通聖散で下痢や腹痛になるのでしょう。その理由のひとつに、防風通聖散に含まれる生薬があります。

防風通聖散には全18種類の生薬が入っています。
その中には腸に強く働きかけたり、排便を強く促すものが含まれているのです。

腸に強く働きかける生薬:シャクヤク(芍薬)

シャクヤクとは、ボタン科シャクヤクの根を乾燥した生薬のことです。
血液循環を改善する働きがあることから、主に冷え性や婦人科系の病気に悩む人の漢方に含まれています。

このほか、痙攣(けいれん)を抑える働きがあり、これが腸に作用することで便秘を解消するとされています。芍薬が適しているのはストレスや緊張で腸管が痙攣しているタイプの便秘。コロコロした便や細い便しか出ないのが特徴の便秘に効果があります。

そのほかの原因による便秘には、生薬の働きが適さず腹痛や下痢を起こす可能性があります。

排便を強く促す生薬:ダイオウ(大黄)

ダイオウ(大黄)とは、タデ科ダイオウや同属の植物から根茎を乾燥して作られる生薬です。
漢方のみならず西洋薬にも幅広く使われますが、いずれも排便を促したり便秘を改善する作用があります。そのため、下剤や便秘解消のための生薬といえます。また、ほかの生薬と組み合わせることで効果を高めることから、「将軍」や「便秘将軍」と呼ばれるほど強い効果を持っています。

ダイオウの効果の強度は、ビフィズス菌をはじめとした腸内細菌の代謝によって変わります。
つまり、腸内細菌が多い人ほどダイオウの瀉下作用が強く出るのです。そのため場合によっては、下痢や腹痛といった症状が出る可能性があります。

体質によって防風通聖散で下痢・腹痛が出る場合も

漢方は体質との相性が重要で、体に合わないものを飲んでしまったために思わぬ症状が出てしまう場合があります。防風通聖散による下痢や腹痛も、こうした薬との相性が影響しているケースも。

では、防風通聖散が適している人はどんな体質の人なのでしょうか。

防風通聖散が合う体質

防風通聖散が合う体質を、漢方の世界では「実証」と呼びます。以下の傾向があるのが特徴です。

・体力が充実している
・筋肉質なガッチリ体型
・肌がツヤツヤして、血色が良い
・声が大きくハッキリしている
・食べるのが早い

こうした実証の傾向がありながらも、代謝が活発過ぎる「熱証」体質や、体内の水分が多すぎる「湿証」体質を持っていると、以下の症状に悩まされます。防風通聖散は、これらの人に適しているとされる漢方です。

【熱証の症状】
・喉が渇きやすい
・体内に熱がこもった感じがする
・赤ら顔である
・汗っかきである

【湿証の症状】
・水分代謝が弱く、むくみがち
・痰やしめった咳がよく出る
・湿度が高い雨期などは体調が悪くなる

防風通聖散の効果については関連記事をごらください。
関連記事:防風通聖散はダイエットの味方!効果の出る時間や成分の働きもチェック!

防風通聖散が合わない体質

実証とは反対の体質の人を漢方の世界では「虚証」といいます。虚証の人は防風通聖散が体に合わない可能性があります。虚証の特徴は以下の通りです。

・体力がなく疲れやすい
・やせ型
・肌につやがなく、荒れやすい。爪に筋や波がある
・声は小さくて細い
・胃腸が弱く、食べ過ぎると胃もたれを起こしやすい

こうした傾向がある人は、防風通聖散を飲むことを控えましょう。下痢や腹痛が起こりやすくなります。

防風通聖散で下痢や便秘になったら飲むのやめるべき?

「漢方でダイエットしたい」「便秘で辛い思いをするのは嫌だ」という人は、下痢や腹痛が起こっても、防風通聖散を飲み続けたいと考えるかもしれません。

しかし防風通聖散を販売するツムラの添付文書では、激しい腹痛を伴う下痢が起こったり、下痢の継続や増強がみられた場合は、服用を中止するよう記載されています。

つまり下痢や腹痛は、防風通聖散による副作用である可能性があるのです。添付文書を持参の上、医師や薬剤師に今後の服用について相談しましょう。

専門医に自分に合った漢方を処方してもらうのもアリ

防風通聖散を飲むのをやめたからといって、ダイエットや便秘解消を諦める必要はありません。これらに効果を発揮する漢方は、ほかにもあります。

確実に自分に合った漢方を見つけるには、漢方内科をはじめとした専門医に診てもらうと良いでしょう。

漢方医による診察では問診のほか、皮膚の色や舌の状態を診たり、脈動や呼吸の状態などを確認して適した漢方を処方します。そのため、漢方による副作用に悩む確率はグンと減るでしょう。

ダイエットに効果的とされる漢方は以下の関連記事からご確認いただけます。
関連記事:ダイエット向け漢方・4選!選び方・飲み方のコツをご紹介

防風通聖散でみられる副作用について

下痢や腹痛のほかに、防風通聖散による副作用の可能性がある症状には以下のものがあります。

・発疹、そう痒
・不眠
・発汗過多
・頻脈、動悸
・全身脱力感  ・・など

詳細はミナカラのおくすり辞典をご確認ください。
ミナカラおくすり辞典:本草防風通聖散エキス顆粒-M

また、正しい飲み方で服用することが副作用を起こすリスクを減らすことに繋がります。
防風通聖散の飲み方については以下の関連記事をご確認ください。

関連記事:防風通聖散の正しい飲み方5選

さいごに

防風通聖散で下痢や腹痛になる原因には、生薬の強い作用や体質との相性が大きく関わっていることがお分かりいただけたでしょうか。

市販の防風通聖散が多く出回り、有効成分の量もさまざまですが、いずれの場合も思わぬ症状が出る可能性があることを知っておきましょう。体に合わないものを無理に飲まなくても、体質改善につながる漢方やたくさんあります。

防風通聖散で下痢や腹痛といった症状が出たときは、体からのSOSサインだと思って、改めて自分に合った漢方を探してみてくださいね。

関連記事:防風通聖散の市販薬を徹底比較!(ナイシトール・ツムラ・ロート・クラシエ)