江戸後期から約200年間、日本の喉を守ってきているともいわれる龍角散。
おじいちゃんやおばあちゃんが使っていて、親しみがあるという方も多いのではないでしょうか。
龍角散は微粉末状で、喉に違和感を感じたら水なしで飲むのが特徴の薬です。
今回は、長く愛さている「龍角散」の効果や成分、飲み方などについて紹介します。
喉が炎症を起こす理由と龍角散の効果
私たちの喉(気管)のなかは一面に線毛細胞があり、絶えず線毛は振動しています。その線毛の振動回数は、なんと1分間約1500回と言われています。
私たちが呼吸などで、体内に入って来たチリやホコリは気管の内部から分泌させる粘液に取り込まれ、線毛の振動によって体外に排出されます。
しかし、汚れた空気を絶えず吸ってしまったり、喉を使いすぎたりすると喉が炎症を起こしてしまい、排出機能が上手くいかずタンがからみ細菌などの浄化能力が低下してしまいます。その結果、咳などの症状に苦しむことになってしまいます。
そんな時に、龍角散の成分は気管の内部の粘液分泌を高めたり、弱った線毛の運動を活発にして症状を和らげてくれます。
生薬の力で気管の運動を活発に
龍角散の主成分はキキョウ・セネガ・キョウニン・カンゾウといった生薬で、咳やたん、喉の痛みや腫れなどに効果があります。
薬は微粉末状で、水なしで飲むと粉末が直接喉の粘膜に作用します。そして、喉の痛みや炎症を抑え、やさしく症状を緩和してくれます。
龍角散の成分について
・キキョウ…咳や喉や腫れに効果があります。
・セネガ…たんの切れを良くする効果があります。
・キョウニン…咳止めやぜんそく、呼吸困難に効果があります。
・カンゾウ…緩和作用や止痛作用があります。
龍角散の正しい飲み方と量
龍角散は、1日3〜6回を服用目安とします。
15歳以上は1杯0.3gが適量です。スプーンすりきり1杯ではなく、山盛りにすると0.3gになります。
その後、舌の上に薬を置きゆっくり舌の上で粉を溶かして喉に薬を運んで行きます。
はじめから粉末を喉の近くに入れようとすると、むせてしまう事があるので注意しましょう。
薬を喉にとどめて置くため、水なしで飲みます。
1回の使用量
使用量は年齢によって異なります。
服用1回量
・15歳以上…1杯
・11歳以上〜15歳未満…2/3杯
・8歳以上〜11歳未満…1/2杯
・5歳以上〜8歳未満…1/3杯
・3歳以上〜5歳未満…1/4杯
・1歳以上〜3歳未満…1/5杯
・3か月以上〜1歳未満…1/10杯
龍角散にはスティックタイプやトローチタイプも
持ち運びに便利な龍角散ダイレクトスティック
「龍角散ダイレクトスティック」は、大人1回分が包装されており、持ち運びに便利です。
ミント味とピーチ味があり、どちらも喉がスーッとする爽快感があります。
粉末が飲みづらい方に龍角散ダイレクトトローチ
微粉末状の生薬成分を配合したトローチタイプは、マンゴーの香りとメントールを含めているため飲みやすく、微粉末状の独特の味を感じさせません。
そのため、いつでも手軽に服用できメントール効果でお口の中を爽やかに保ってくれます。
また龍角散ダイレクトは、のど飴とは違い薬として分類されているため用法・用量をしっかり守って使いましょう。
龍角散などの漢方薬は体の治癒力を高めるのが特徴
西洋薬は、病気に対してピンポイントに薬が効くように働きかけるのが特徴ですが、漢方薬は体全体の抵抗力を高め、体の調子を整える働きをします。
漢方薬は速効性はなく服用後すぐに効き目を感じることはありませんが、自分の体を自分で治す「自己治癒力」を高めてくれます。
また、西洋薬は一つの生薬の成分を抽出して作られることが多いですが、漢方薬の場合は、生薬を多種配合させて作られ、さまざまな症状に作用を示します。
体に病気的異常がないのに関わらず、違和感など自覚症状がある場合など(生活習慣病や体質改善、成人病)のいろいろな症状が現れている際は漢方薬が適しています。
まとめ
喉に違和感を感じた時は「龍角散」を使うとやさしく症状を和らげてくれます。
使用の際は、用法・用量をお確かめください。